2026/06/25

ピンクのキャデラック

 CSで録画したクリント・イーストウッド主演バディ・ヴァン・ホーン監督の「ピンク・キャデラック」(1989年)を見た。かつてのマカロニ・ウエスタンの賞金稼ぎみたいな、逃亡している犯罪者を見つけ出して警察に連れてくる仕事をしているイーストウッドが、生まれたばかりの赤子を抱えて行方をくらませた若い娘を探し出してしょっ引こうとする。いつもの俺が法だの刑事もの的だった展開が途中から外れていき、イーストウッドが過去に演じた役の自己パロディを楽しんでいるような雰囲気。なんだこれはと思って見てきたクライマックスのカーチェイス・シーンは「ルパン3世」のよう。さらに、ラストシーンの感じは「カリオストロの城」みたい。本作のTBS放送版の吹き替えは山田康雄だというから、この吹替版で見るともっとルパンぽく感じるかも(だから、見てみたくなった)

 ピンクのキャデラックと言ったらエルビス・プレスリーだが 若きジム・キャリー(クレジットでは、ジェームズ・キャリー名義)が当時の自身の芸であるプレスリーの物まねをカジノのショーの舞台でしているシーンがある(スタンダップ・コメディアン本人としての出演ということである)。ピンクのキャデラックで連想するスターはもう一人、マリリン・モンローがいるが、ヒロインの若い母親を中心に据えて考えると、モンローのコメディ作品のような味わいも感じる。

 

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2026/03/23

アニメ3番勝負+1

「花緑青の明ける日に」「アメリと雨の物語」「パリに咲くエトワール」の3作品をこの1週間くらいで見た。3作品とも方向性は多少異なるがアニメーションの限界に挑戦し、その可能性を押し広げることに成功している力作である。このうちのどれがいいのかということは、ほぼ見た人の趣味(好み)で決まると言っていい。ということで、自分の好みに従ってこの3作に順位をつけると、1位「アメリと雨の物語」2位「花緑青の明ける日に」3位「パリに咲くエトワール」となる。1位2位の差は実は小さく、3位は上位2作よりちょっと差がつく。単純に言えば、一番ジブリ的で、観客動員もしている「パリに咲くエトワール」が自分には合わなかった、ということである。

 「パリに咲くエトワール」は、原作ありでないオリジナル・アニメということは評価できるのだけれども、絵描きを志望する主人公の異国の地での葛藤の物語ですっきり展開させればよいものを、バレエをやりたい友人の物語も同じように扱い、さらにはこちらの方にストーリーの重心が移ってしまって、「絵は大丈夫?」となってしまったのが残念だ。

 「花緑青が明ける日に」は、美術的に画面全体が統一されている作品が増えてきている中での真打的作品だと思う。全体が日本画的な水彩画として統一されていて美しい。水軍の砦のような、ジャングルジムのような煙火店の構造に、こういう建造物にワクワクさせられた子供の心が覚醒する。ところで、花緑青って緑青とあるし青い色が出るのは銅だから、銅の酸化物なのだろうと思って調べてみたら、酢酸銅と亜ヒ酸銅の複塩、という危ない物質だった。見終わった時、ロベール・アンリコ監督の「冒険者たち」を見た時のような気分になった。懐かしい日産のラシーンが登場する。突如、物体アニメになるシーンも面白い。

 「アメリと雨の物語」について、片渕須直監督「自分としては、1960年代の日本と、そこにいた自分自身の幼児期の、解像度高い追体験となりました。」まったく同感。特にザ・ピーナッツの歌声が、それを強調する。シネプラザ・サントムーンで見てきたのだけれど、劇場ロビーには休日らしくお客さんが大勢いたが、「アメリと雨の物語」は私一人。もっと多くの人に見てもらいたいなあ。月曜の午後の時間帯に見に行った「花緑青が明ける日に」がそうなるんじゃないかと思っていたらそれなりに人が入っていたのに。美術的な統一ということではこの作品も「花緑青が明ける日に」と同レベルか上回っている。外国のスタッフが1960年代の日本をこんなに違和感なく再現しているのにも驚く。「マーティ・シュープリーム」も同じように1950年代の日本をきちんと再現していて驚いたが、なにか流行りのようなものがあるのか。

 その「マーティ・シュープリーム」だが、卓球のシーンに違和感がなく、日本人選手が分厚いスポンジだけを張ったラケットを使っていて、その打ち方は現在のような粘着性のあるラバーによる打法とは違っているのだが、それも再現されていて、監督は相当に卓球が好きな人ではないかと思った。日本チームのコーチ役に卓球コラムニストの伊藤条太を起用しているくらいだから、かなりのものだろう。

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2026/01/15

年始の映画三昧

 今年最初の映画は「エディントンへようこそ」。アリ・アスター監督なので一筋縄ではいかない映画。1か所、魔術的なカットつなぎをしたところがあって、これだけでも見た価値はあった、と思った。基本は西部劇。本当に怖いのは、クライマックスの後の淡々と続く後日談。

 基本西部劇だなというのは「ロストランズ 闇を狩る者」も同じだった。予告編を見て、見にいく気なった作品。予告編で感じたこれは面白いかもの直感はまちがいでなかった。蒸気機関車と満月になった時に現れる怪人が見もの。似たような異世界冒険譚として、暮れに細田守監督「果てしなきスカーレット」も見たが、こちらはシェークスピアの「ハムレット」にこだわり過ぎた感じ。異世界の設定にちょっと無理があると見ている時点で疑問が湧いてきてしまうのが問題。面白く見た後に反芻してみて、かなり大胆な設定だったのね、になったなら傑作なんだけど。

 ジョイランドシネマで「チャップリン」が2週間限定で上映され、「ガメラ誕生60周年記念 昭和ガメラ映画祭」もやってくれる。これは見に行かねばとまず「チャップリン」を見てきた。喜劇王チャップリンというより、息子の作家マイケルが、自分にロマ、ジプシーと呼ばれて差別されて差別されてきた人々の血が流れていることを確認する映画だった。油彩画のような幻想的なアニメショーンによる過去の再現やロマの音楽のシーンがいい。

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2025/12/31

2025年CS等で見た映画

 今年は123本。家庭の事情で昨年よりもさらに録画数より見れる作品数が減ってハードディスクには見てないものがたくさんたまった状態である。

 123本中の今年の一本は、東映チャンネルで見た「宝島遠征」である。監督は小林恒夫。主演は美空ひばり。1956年、つまり私が生まれた時の作品である。エノケン、益田喜頓、川田晴久など当時の喜劇俳優総登場。桃太郎の鬼退治のオペレッタ化したミュージカルである。とにかく楽しい、面白い。美空ひばり主演であるが、実際には、エノケンの「孫悟空」に美空ひばりが出ている感じである。その次が「肉弾」か。昔の邦画では「日本の青春」も面白い。ドキュメンタリーの「東京裁判」は今見る価値があった。

 劇場公開時に見逃して以来今まで見る機会がなかったが、見たらかなり面白かった「フェリスはある朝突然に」。「リコリス・ピザ」「ブレット・トレイン」は最近の公開作だがその時に見逃して見てみたかったもの。後者の日本の描き方(特に地理的関係)が少しおかしくて、話自体もかなりぶっ飛んでいるのが、楽しかったりする。前者は期待しすぎた感じである。

 ベルイマン「第七の封印」(4K修復版)「野いちご」「処女の泉」はすでに何回か見ているが、今年もまた見てしまった。ハリーハウゼンの「シンドバッド黄金の航海」「シンドバッド7回目の航海」も同様。「『シンドバッド7回目の航海』の思い出」というドキュメンタリーも見て、CGでない「特撮」の手作りの良さを思う。

 同様な監督特集ものでは、全く見たことのなかったジョージアのオタール・イオセリアーニ監督「四月」(中編)「落葉」「歌うつぐみがおりました」「田園詩」「蝶採り」「素敵な歌と舟はゆく」「月曜日に乾杯!」「唯一、ゲオルギア」3部作を見たが、処女作の「四月」が一番興味深く見れた。同じく見たことのなかったハンガリーのタル・ベーラ監督「ファミリー・ネスト」「ダムネーション/天罰」は後者の方が面白く感じた。ジャン・ユスターシュ「わるい仲間」「ママと娼婦」も見たが、この二人ほど印象に残らなかった。

 ヨーロッパの監督作品では、フィンランドのユホ・クオスマネン監督「コンパートメンNo,6」が忘れがたい。「アノーラ」でロシア人のガードマンを演じたユーリー・ボリソフが似たような役柄で出ている。この作品から「アノーラ」に出ることになったようだ。

 学生時代に石井隆の劇画「天使のはらわた」に衝撃を受けたので、その映画化(主に日活ロマンポルノ)作品を見てみたが、原作者本人が監督した作品よりも、最初の映画化である池田敏春監督の「天使のはらわた 赤い淫画」の方が原作の淫靡さを持っていた。ついでに、金子修介のデビュー作「宇野鴻一郎の濡れて打つ」も見てみたが、これが何と「エースをねらえ!」のパロディで、18禁同人誌というかオタク男子の妄想の映像化というか、主演の山本奈津子も可愛いので楽しかった。

 アニメは劇場公開作というよりは、テレフィーチャー作品の「ニンジャ・バットマン」「ニンジャ・バットマン対ヤクザリーグ」が、楽しかった。「出撃バットフェニックス」という往年のロボット・アニメの主題歌を彷彿とさせる曲(しかも歌うは堀江美都子!)が流れた時には腰を抜かした(自分と同学年の堀江美都子が二十歳くらいの時と同じように今も歌えるというのは驚異だ)。

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2025年の映画

 今年も劇場やそれに準ずる所で見た映画は68本。うち短篇が9本。旧作のリバイバル上映が12本(午前十時の映画祭で「妖星ゴラス」「海底軍艦」「七人の侍」「ジョーズ」「アメリカン・グラフィティ」「エイリアン」「ベン・ハー」「ウエスト・サイド物語」(最後の2本は劇場で初めて見た)や「セッション」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(初めの2本は初見)など)、テレビ用長編で放映された「海がきこえる」は劇場公開は初めてであるが、旧作に数えたが、新作扱いしたらベスト10の中に入る作品だった。ということで、新作長編47本からのベスト10は以下の通り。順番は、見た順である。

1 リュミエール!リュミエール!
2 動物界
3 リターン・トゥ・リーズン
4 名もなき者
5 エミリア・ペレス
6 Chao チャオ
7 ワン・バトル・アフター・アナザー
8 JUNK WORLD
9 トリツカレ男
10 ペリリュー 楽園のゲルニカ

次点的作品(上の1,3以外の作品と入れ替わっても不思議ではない作品)
Flow
ひゃくえむ
フランケンシュタイン

とにかく今年は、年の初めに、1,3の貴重なフィルムが地元の映画館で見ることができた、ということに尽きる。アニメ以外の邦画も洋画より本数は少ないが見てはいるが、「宝島」のように、ちょっと残念に思う作品もある。日本のアニメについては、とてもついていけないくらいの公開数である。いわゆる「アニメ(ANIME)」のイメージではないものに魅かれるし、アニメの多様性を感じさせるものを評価したい。

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2025/01/15

C4ピカソが活躍する映画

 「動物界」をシネプラザ・サントムーンで見てきた。冒頭、主人公の高校生が母の見舞いに病院へ嫌々連れていかれるときに乗り込んだ自動車のドアの形状、内装のデザインが、あれ、これは我が愛車に似てないか、と思った。そのうちにフロントとリアが映し出されて、旧型のグランドC4ピカソだった。このピカソ、母親を探すとき、クライマックスで森の中に逃げ込むとき、大活躍である。
 その森の中で道を外れ藪に突っ込んで止まったピカソから主人公が飛び降りてさらに奥に駆け出していくラストシーンで、主人公に、かならず生きのびろよ~と声をかけたくなった。こういう気持ちになったのは久しぶり。この感覚は「ぼくのエリ 200歳の少女」の時と似ている。「ロブスター」も連想させるけれど、こちらの方が未来への希望に満ちている。
 この作品の上映前に、マン・レイ×ジム・ジャームッシュの映画『RETURN TO REASON/リターン・トゥ・リーズン』の予告編をやっていて驚いた。リュミエールに続いてマン・レイが地元の映画館で見れるというのは信じがたい。

 で、そのリュミエールだが、シネマサンシャイン沼津で「リュミエール!リュミエール!」が上映されて見にいった。これは、リュミエールの会社で撮影された1本50秒の作品を110本まとめたものである。フォーレの音楽がつけられ、解説のナレーションが入る。1作品(メリエスのような作品)を除いて見事に修復されていて、黒白のパンフォーカスが美しい。19世紀末の記録としても価値がある(日本撮影のものもある)。ナレーションの訳が字幕で出るのだが、これが映画だという構図の画面を邪魔なしで見れる吹替版であってほしかったと思う。調べてみたら、前作にあたる2017年公開の「リュミエール!」は吹替版だったので、同じようにできなかったのかな。コッポラの2019年の「工場の出口」のリメイクがオマケでついている。

「ロード・オブ・ザ・リング ローハンの戦い」も見た。力作である。ラルフ・バクシの「指輪物語」を連想したり、3DCG背景のシーンでは、フライシャーの立体模型背景みたいだ、と思った。歳をとったためか、戦闘シーンが長く続くと、見ているのがしんどい。ガンダルフに会う続編が見てみたい。

 実は、今年の正月の初映画は「妖星ゴラス」。画像も音響もクリアで、二瓶正典(正也)の声ってこんな感じだったけ、と思う。今まで気にかけていなかった音楽が気になって石井歓について調べてみたら、かの石井真木の兄で、なんと我が母校の学生歌(歌った記憶はないが)の作曲者だった。来年は、ぜひ「宇宙大戦争」が見たい。

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2025/01/01

2024年CS,BSで見た映画

 今年も160本見た。仕事が再び週5日になったので録画する本数より見れる本数が減った。ハードディスクの残容量がやばくなってきた。

 160本の中からこれ1本を選ぶとすると、「雲の上団五郎一座」。フランキー堺、エノケン、三木のり平らの喜劇人メンバーに筑波久子がからむ。こういう喜劇の傑作が見れたのがうれしい。
 邦画の昔(自分が子供の頃)の作品では、タイトル・アニメが面白かった「カモとねぎ」、エースのジョーの「 早射ちジョー 砂丘の決斗」。ようやく見れた「カルメン故郷に帰る」、同じく高峰秀子の子役時代の「愛の世界 山猫とみの話」も興味深かった。ようやく見れたということでいえば「新幹線大爆破」もそうだ。当時の時代を色濃く感じる。初公開時に見て以来の「喜劇役者たち 九八とゲイブル」は、デビュー当時のタモリの芸が記録されているという意味では、今現在の方が価値があると言える。「フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」も久しぶりなのだが、以前にに見た時よりも楽しく見れた。地元の沼津で撮影された「男はつらいよ奮闘篇」(これもやっと見れた、に入る)「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」。前者は、榊原るみが昔の沼津駅の階段を上がっていく辺りのシーンがいい。

 監督特集ものでは、ベルギーのシャンタル・アケルマン作品を初めて見てこのような監督がいたのだと認識を新たにする。4本見た中では、ミュージカルの「ゴールデン・エイティーズ」、マルクス兄弟へのオマージュがある「アメリカン・ストーリーズ/食事・家族・哲学」が面白い。ハンガリーのメーサローシュ・マールタも同様で、4本のうちビートルズ映画っぽい「ドント・クライ・プリティ・ガールズ!」が一番面白かった。
 ゴダールも未見の4作品を見たが、アンナ・カリーナが出ている「 小さな兵隊」よりもブリジット・バルドーが出ている「軽蔑」の方が面白く感じた。昔のサイレント・コメディのようなギャグがあるのもいい。「カルメンという名の女」は弦楽四重奏にはさまれて進行していくのが「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生」の「DEATH」編に影響を与えたのでは、などと考えてしまう。トリュフォーの「大人は判ってくれない」も再見したが、ヌーベルバーグの監督ではトリュフォーが一番好みにあうなと思う。ヘルツォークは3作品見たが、ムルナウのリメイクである「ノスフェラトゥ」が一番面白かった。クラウス・キンスキー、イザベル・アジャー二が良いのである。
 エドガー・ライトは「ショーン・オブ・ザ・デッド」「スコット・ピルグリムVS邪悪元カレ軍団」の2本とも楽しかった。こういう映画が実は一番好きなのであるが、なかなか本当に面白いと思える作品には出会えない。 コーマンの「血まみれギャングママ」も再見してそう思う。
 作品をほとんど見ていなかったホウ・シャオシュン監督作品は6作品見たが、自伝的要素がある「風櫃の少年」「童年往事/時の流れ」がいい。そこはかとなく日本の影響が見えるけれども、小津安二郎の影響が大きいように思う。

 洋画でもようやく見たよというのが 「バンド・ワゴン」「アリー/スター誕生」「アリゾナ・ドリーム」「 愛のメモリー」「フィラデルフィア」「ビューティフル・マインド」「ミスティック・リバー」。劇場公開時に見ておくべきだった。劇場公開時に予告編等を見て、見たいなと思ったにもかかわらず見逃した「コーダ あいのうた」「キュリー夫人 天才科学者の愛と情熱」「ドリーム・ホース」「ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ」「ライトハウス」「ムーンライト」「MEN 同じ顔の男たち」「アンチャーテッド」も同様に見ておくべきだった。アジアの映画では「冒険活劇/上海エクスプレス」、「プアン/友だちと呼ばせて」(タイ)、「呪餐 悪魔の奴隷」(インドネシア)、「青いパパイヤの香り」(ベトナム)、「伝説の女優 サーヴィトリ」「途中のページが抜けている」「エンドロールのつづき」(インド)。

 ドキュメンタリーは「 劇場版 荒野に希望の灯をともす~医師・中村哲35年の軌跡~」「カンフースタントマン 龍虎武師」「キャノンフィルム爆走風雲録」「ようこそ映画音響の世界へ」。

 西部劇は、「3時10分、決断のとき」に一番びっくり。2007年にこのような作品が作られていたとは。カット割りのお手本になるような映画だ。久方ぶりに再見した「荒野の決闘」はラストシーンが「ルパン3世 カリオストロの城」だなと思う。「馬上の二人」(ジェームズ・ズチュアートはジョン・ウェインにはなれない)「野獣暁に死す」(仲代達也主演のマカロニ・ウエスタン)「ロイ・ビーン」(西部劇の時代は終わった!)。

 

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2024/12/31

2024年に劇場で見た映画

 今年、劇場やそれに準ずる所で見た映画は74本。うち短篇が10本。旧作のリバイバル上映が14本(午前十時の映画祭で「宗方姉妹」「小早川家の秋」「ネットワーク」「チャイナタウン」など、「ショコラ」「フォロウィング」も見た。アニメでは「千年女優」「雲のむこう、約束の場所」「火垂るの墓」「ルパン3世カリオストロの城」など(前2本は初見))。新型コロナ感染症のため配信という形で公開されただけだったディズニーの長編が2本(「あの夏のルカ」「ソウルフル・ワールド」)。地元開催のしずおか映画祭で劇場では見ていなかった「わが母の記」。こういう旧作の方が心に残る1年だった。

 で、今年の新作映画で自分の好みのベスト10(順不同に近いがなんとなく気に入った順)

1 流転の地球-太陽系脱出計画-
2 DOGMANドッグマン
3 ロボット・ドリームズ
4 めくらやなぎと眠る女
5 リンダはチキンがたべたい!
6 デューン砂の惑星PART2
7 画家ボナール ピエールとマルト
8 憐れみの3章
9 瞳をとじて
10 オッペンハイマー

次点(10番目とは入れ替わってもいいかもと迷った作品)
  マッドマックス:フュリオサ
  きみの色
  お隣さんはヒトラー?

 10番目が「オッペンハイマー」になったのは、NHKで「量子もつれ」の番組を見て、そういえば来年は量子力学100年だと思った影響が出たかも(量子物理学の立役者たちがこんなにたくさん登場する映画は他にない)。

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2024/12/02

ゲームを捨て、野に出よう

 「リトル・ワンダーズ」をシネマサンシャイン沼津で見た。昔見た「グーニーズ」とかと同様の悪ガキ映画だけれども「スタンド・バイ・ミー」みたいな味もあるかもしれんと思いつつ見たが、子供も大人も女性陣が男性陣をリードするところが現代的な、案外ストレートなお子様冒険映画であった。ゲームするよりは余程面白い実体験をしているのに、やっぱり、ゲームをしたいのね、という終わり方。ゲーム始めたけど面白くないから山でキャンプでもしようとアリスがヘイゼルを誘う、なんていう終わり方を見たかった。

 ジョイランド三島で「画家ボナール ピエールとマルト」を見た。ボナールってこんな裸婦を描いていたのかと、家に戻って美術出版社「世界の巨匠 ボナール」を久方ぶりにしげしげと見直した。映画での再現された絵の方がエロスを感じさせるのは、モデルのマルト(セシル・ドゥ・フランス)の裸体も目にすることになるためか(ただし、一番エロテシズムを感じたのは、裸体ではなく、列車の座席に横たわるマルトのスカートの裾から出たふくらはぎの曲線であった)。チラシにも使われているラストシーンの絵は「花咲くあんずの木」という題で白黒図版だった。黄色が確認できず残念。アンドレ・テシネの「野生の葦」を思い出させるようなセーヌ川(の支流?)に裸で飛び込むシーンは、いかにもフランス映画だなと思う。ルネ(ステイシー・マーティン)という美術学生の愛人とのエピソードは創作のようだ。
 ボナールの盟友のヴュイヤールも出てきたので、「世界の巨匠 ヴュイヤール」も引っ張り出して眺めてみた。この映画の主要登場人物の肖像画を描いていて、ボナール夫妻は勿論、当時のサロンの中心にいたミシアやその夫ダナ・ナタンソン、更には自画像もあり、これらの肖像画に、演じた役者が皆似ている。不思議なのはマルトで、セシル・ドゥ・フランスはヴュイヤールの肖像画には似ているのに、ボナールの絵の中のマルトとはあまり似ていない。 
 土曜日に見に行ったのに観客は私一人(朝一だったからか)。こういう映画を上映することを決めたジョイランドに感謝。

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2024/11/12

ジョーカーは君だ

「ジョーカー フォリ・ア・ドゥ」を遅ればせながら見に行った。クライマックスからのラスト・シーンは、自分の中のアメコミ・ファン(と名乗るほどでもない気もするが)の部分は納得できない気分。事前情報をいつものように余り入れずに見たので、意表を突かれたミュージカル映画だった。しかも、「ラ・ラ・ランド」より面白い。大学生くらいの時FMでよく耳にした曲がたくさん流れて、あの曲の歌詞はこういう意味だったのか?!、と思う。見終わってつらつら考えると、ジョーカーの要素は誰にでもある、状況次第で誰でもジョーカーになっちゃうんだよ、という本当に怖い映画であるように思われた。刑務所のテレビの何度かスカンクのペペのアニメが映るが、これはクライマックスの予告か?アニメと言えば、オープニングがシルバン・ショメの手になるアニメで、往年のルーニーチューン風なのだが、ディズニーの「ピーターパン」を思わせるところもあって、面白い。

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