2009/11/03

プールに入りタイ

 先日の日曜日、11月なのに夏日になった暑い日に、お昼をタイ料理屋シーサッチャナーライで食べ、その後、シネプラザ・サントムーンで「プール」を見た。実にタイな半日だった。

 シーサッチャナーライへは妻と行ったのだが、メニューを見ながら、これはどんな料理?食べたことある、という会話をしながら、タイに行ったときにも食べた記憶がない、未だ頼んだことのない料理を見つけた。シーサッチャナーライのメニューは、全ての料理が写真で示されていて、タイ語と日本語で料理名があり、人気メニューには更に簡単な日本語で説明が付いているのだが、この料理にはタイ語しか書かれておらず、写真では何かスープのように見える。でも、何が入っているのか分からない。それで、お店のおねーさん(タイ人)に訊ねた。そしたら、卵焼きが入っている辛くはないスープだという。写真では油揚げか薩摩揚げのように見えたきつね色の平べったい物体は、卵焼きだったのである。それで、勇気を出して注文してみた。
 これが、やっぱり、美味しい。シーサッチャナーライの料理は基本的のどれも美味しいのだが、スープにつかって汁を含んだ卵焼きが、不思議な食感である。卵焼き料理は、タイに行ったときに、オムレツ風の物が何度か出てきて食べたが、それとは違う。タイのガイドブックなどでもこのような料理が出ているのは見たことがない。おばさんのオリジナル料理かも。

 シーサッチャナーライの美味しい料理でお腹がいっぱいになり、口の中にもタイ料理の残り香がある状態で、全編タイのチェンマイで撮影された「プール」を見る。ゆったりと流れる時間、きらめく光、乾期(冬)と思われる季節の気持ちよさそうな風、ビーという名の少年、それらすべてが自分が肌で感じたちょうど10年前のタイの記憶を蘇らせる。チェンマイには行ってないが、東北地方のウボンラチャタニに行った時のこと、バンコク郊外のホームステイ先のこと、ああ、もう一度、あの時間の中にいたい・・・


 はるな愛がタイのニューハーフコンテストで優勝したというニュースが入ってきたが、その会場はパタヤのティファニーという有名なニューハーフショー劇場であった。10年前、ホスト・ファーザーに行きたければ連れてってあげるよ、と誘われたのが、この劇場だった。その頃は、タイのニューハーフのレベルの高さを知らず、体調も不安だった(風邪気味で出かけた)ので、断ってしまったのだが、つくづく、連れていってもらうべきだったと、後悔している。

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2009/09/13

洋書の秋

The Colored Cartoon BLACK REPRESENTATION IN AMERICAN ANIMATED SHORT FILMS,1907-1954 Christopher P. Lehman(2007;University of Massachusetts Press)
Colored
 サブタイトルにあるように、カートゥーンにおいて黒人がどのように描かれてきたかについての研究書である。アマゾンで見つけて、図版がたくさんあるのを期待したのだが、表紙以外には一切無い。これでは「黒炭姫と七人の小人」Coal Black an de Sebben Dwarfsなどを見た記憶から、こんなに凄い表現があったと想像して本文を読むしかないって思ったら、本文が始まるページの前に、これこれこういうインターネットのサイトでこの本で取り上げている黒人キャラが見られるという読者への注釈があった。我々日本人には分かり難い黒人なまりの英語にも言及していて、「トムとジェリー」の足だけおばさんのセリフはテレビ放映では普通の英語に直されているそうだ。


UNFILTERED THE COMPLETE RALPH BAKSHI The Force Behind Fritz the Cat,Mighty Mouse,Cool World, and Heavy Traffic Jon M.Gibson & Chris McDonnell(2008;Universe Publishing)
Bakshi
ラルフ・バクシ本である。巻頭言をクエンティン・タランティーノが書いている。全てのページに図版がある264ページのハードカバーの立派な本である。円高のおかげもあって3500円ちょっとで手に入った、多少なりともバクシに興味があるならお買い得本である。タイトルが「フィルターをかけずに」ということだから、この本もバクシ特有の危ない表現の図版が多いのではと思ったが、子どもに見せられない、というものはほとんどない。サブタイトルに「クールワールド」の文字があるが、他の作品と比べると本文中ではほとんど触れられていないに等しい。これはちょっと残念。巻末のフィルモグラフィで、バクシのアニメーターとしてのデビューが「ハシモトさん」であることを初めて知った。最初からレイシズムに関係していたのね。


ESTONIAN ANIMATION BETWEEN GENIUS & UTTER ILLITERACY CHRIS ROBINSON(2006;John Libbey Publishing)
Estnia
 エストニアのアニメといったら、プリート・パルンである。日本で1番最初にパルンに注目したのは自分であるという自負がある。1987年2月22日に今は無きスタジオ200でソ連アニメの上映会で「つくり話」(英語タイトルはTime Out、1984年作。作者名はピャルンというロシア語発音による日本語表記で紹介されていた。日本発売DVDでのタイトルは「おとぎ話」)を見て気に入り、その年の10月のアニメ総会の自己紹介の、この1年間に見たアニメで1番気に入っているものに、「つくり話」と書いたのであった。このとき、森卓也氏は「闇のまぼろし」(ポヤール&ドルーアン)、おかだえみこ氏は「レオとフレッド-2人のコンサート」(パル・トート)、現在多摩美のK山先生は「怪盗ジゴマ・音楽篇」(和田誠)と答えている。参加者の多くが挙げていたのが「天空の城ラピュタ」であった。第2回の広島アニメフェスで特集上映があったドリエセンの作品を上げている人も何人かいた。アニメ総会に顔を出すような名うてのアニメーション・ファンの間で、パルンの名前が上がるのを聞くようになったのは、第3回の広島アニメフェスあたりから、「草上の朝食」が公開された後だったと記憶する。
 そんなわけで、パルンについてどのくらい書かれているかが、私のこの本への興味であったのだが、なんと、出会いの作品「つくり話」はフィルモグラフィに作品名があるだけで、本文中では触れられず図版すらない。「草上の朝食」が話題の中心になるのは当然だとしても、「つくり話」についての記述がないのは、個人的に悲しい。
 

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2009/09/05

別冊宝島「ファンタジー・アニメの世界」がすごい!

 コンビニに寄ったら、宝島社の「バッグス・バニーDVD-BOX」と「ファンタジー・アニメの世界」というタイトルのディズニーの「ピノキオ」「ピーターパン」「ふしぎの国のアリス」DVD3枚組付きの別冊宝島が出ていた。DVDに収録されているディズニー長編3作よりも、「別冊宝島」を名乗っているので冊子の部分(「みんな大好き!アメリカのクラシック・カートゥーン特集」と銘打たれている)があって、この記事の内容が、感心するほどマニアックなものがある反面、よく分かってない人間がネットで検索してコピペしてレポートを書くと起こりがちな、とんでもない勘違いをしてます記事とが同居しているのが面白くて、両方買ってしまった。カートゥーンについてのこれだけのトンデモ本は有馬哲夫の「ディズニーとライバルたち」以来だ。「トムとジェリー」がフライシャー兄弟の製作だと書いてあるかと思うと、最初はテックス・アヴェリーが製作を担当していて後にハンナ&バーベラに代わって大ヒットした、とも別の所(とはいっても直ぐそば)に書いてある。同じページの中に矛盾する記述があるのに、編集者の誰も気が付かなかったというのが、実に可笑しい。細かく読んでいけばもっと楽しいツッコミ所は見つかるだろう。

 「バッグス・バニーDVD-BOX」は、すでに「ルーニーチューンDVD-BOX」が出ているので、どちらかといえば、落ち穂拾い的な作品収録である。「バッグス・バニーとゆかいな仲間たち」が80年代の初めに静岡第一テレビで放映されたときにビデオに録画して、少ない資料を基に原題つきとめ作業をしていた時に、どちらなんだろうと迷ったゴリラやペンギンと共演する作品が2本づつ入っているのが、個人的に感慨深い。

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2009/08/28

夏の終わりに「サマーウォーズ」

 実は、今週が私の夏休みであった。旅行などに出かける経済的余裕はないし、C4は修理中で古いサニーの代車ではドライブにも行けず、映画三昧な休日を・・・と思っていたのだが、案外他の用事があって、なかなか思うようには行かない。

 昨日は「96時間」を見た。リュック・ベッソン製作で、パリが舞台なのでフランス車のカーチェイスがあるかと期待したら、主人公のリーアム・ニーソンが使う車はアウディのA3とA8でちょっとがっかり(同じリュック・ベッソン製作の「トランスポーター3」でもA8が使われている)。娘を取り返すためには本当に何でもしてしまうニーソンには、心情的にはわかるのだが、いくらアクション映画とはいえ、これはないだろうと思ってしまう。少なくとも見終わるまではご都合主義を感じさせない演出が少し足りないのである。

 その点においては、今日見てきた「サマーウォーズ」の方がずっと良い。クライマックスの花札対決では、その昔、「スターウォーズ」(現在では、「エピソードⅣ 新しい希望」とつけたされているもの)の、一度は去ったハン・ソロがミレミアム・ファルコンで戻ってきたぞ~!っと加勢するシーンで心が高鳴ったのと全く同じ気持ちに久しぶりになって、痛快だった。上田の旧家の豪邸を舞台にするシーンでは小津安二郎的アングルが使われていたもの面白かった。どうでもいいことではあるが、WB盾(ワーナー映画のトレードマーク)が出る国産アニメっていうのには、ちょっと違和感有り。

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2009/07/11

四角いズボンの海綿男

 このところ我が家で話題のアニメは、「スポンジ・ボブ」である。キャラクター自体はかなり前から知っていたし、NHKのテレビでも大分前からやっていたわけだけれど、つい最近終わってしまった教育テレビでの放映でたまたま妻子が見てはまってしまい、ツタヤでDVDを借りてきて見ている毎日である。今まで、きちんと見ていなかったので、スポンジ・ボブの「スポンジ」には、台所用品のスポンジだけでなく、英語の元々の意味である「海綿」の意味もあるということを初めて知った。キャラ・デザインが自分の好みに合わなかったので、パスしてきたが、これまで見てこなかったことは不覚であった。

 娘が借りてきたDVDの中に、原始時代のスポンジ・ボブたち(正確には、スポンジ・ボブたちの祖先)の話があった。それは初めて火を使うようになった時のエピソードなのだが、途中からこれは「2001年宇宙の旅」の猿人のシーンみたいだなと思ったところで、音楽が「2001年宇宙の旅」になった! しかもリヒャルト・シュトラウスでなく、リゲティだ!(もちろん、両シュトラウスの音楽も続けて使われた。)

 当分我が家のスポンジ・ボム・ブームは続きそうだ。

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2009/07/09

ベティのDVD

 以前期待していたとおりに宝島社からベティ・ブープのDVDBOXが出た。同時発売は、ドルーピーDVDBOXという名のテックス・エイブリーMGM作品集! 

 ベティのDVDBOXで残念だったのは、邦題が劇場公開タイトル(筒井康隆の「ベティ・ブープ伝」巻末のリストを見よ)を無視したものになっていたこと。ルイ・アームストロングの出てくる「ベティの蛮地探検」が「わる者のお前が居なくなればすっきりする」(原題の直訳だ)では、ピンとこないよ。「ベティ博士とハイド」Betty Boop,M.D.や「ベティの笑へ笑へ」Ha!Ha!Ha!が入っていないのも残念だ。ベティのVOL.2を期待したい。黒白ポパイも出して欲しいな。

 ドルーピーの方は、狼と赤頭巾(「おかしな赤頭巾」「狼とシンデレラ」)や「月へ行った猫」「ウルトラ小鴨」「呪いの黒猫」「へんてこなオペラ」も入っていて、エイブリー傑作集である。こちらも第2弾を期待したいね。

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2009/07/04

デジタル3D シーモンスター

 表題の映画がサントムーン柿田川で上映されていたので見に行った。タイトルから50年代のSF映画を連想して、イカゲテ映画的な期待をしてしまっていたのだが、ナショナル・ジオグラフィック制作のきちんとした科学映画であった。アメリカで発見されたドリコリンコプスの化石から、その生物が生きていた様子を再現した作品であったのだ。偏光板方式の3Dメガネを渡されて見るもので、箱根の怪しい施設以来の3D映像体験である。スクリーンから時々飛び出してくる太古の水中の恐竜や魚、アンモナイト、巨大なイカに、自分が水中を泳いでいる気分になる。ケーブルテレビで時々ナショナル・ジオグラフィックのチャンネルを見るが、まるっきりそこで放送されている番組と作りは同じ。3Dを意識したCG部分がなければ映画館で見るよりは、科学館のビデオ・ブースで見る方が合っている内容だ。

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2009/06/15

恋のQピッド

 ニコラス・ツェーが主演しているので、妻が録画してくれといったものを、見た。驚いた。香港映画版「ロジャー・ラビット」であった。つまり、香港の人気漫画「老夫子」の3人のキャラクターが3DーCGで実写の人間たちと絡む映画だったのだ。漫画の原作者の王澤も特別出演している。刑事のニコラス・ツェーとその恋人の高校教師のセシリア・チェンが交通事故で記憶を失って巻き込まれる騒動に漫画のキャラクターが絡むのである、というか、そもそも、記憶を失う原因となった交通事故はこの漫画のキャラクターたちのせいである。ハーマン・ヤオ監督、2001年の作品である。香港映画界のCGのレベルの高さに感心した作品である。バカボンのパパとバカボン、そして、ピストルのお巡りさんが、実写にCG合成された映画を想像してみようよ。

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2009/06/14

ザ・スピリット

 テレビのCMを見て、サントムーンで上映中なのを見つけて、こんな日本で知られていないコミック・ブックの映画化は客が入らなくて、特に、地方都市では、すぐに上映が終わってしまうと、見に行った。その昔、「SFマガジン」の小野耕世の連載コラムで名前を知って、記憶の底に沈んでいたのが、スポットCMでふつふつと浮き上がってきたのである。そういえば、一時期定期購読していたアメリカのアニメとマンガの雑誌「FUNNY WORLD」にも記事が出ていたのを読んだっけ。

 黒白のコミックブックを意識した、色彩を抑えた画面作りが、これもまた日本では特に受けなかった「ディック・トレーシー」(「プリティ・ウーマン」が併映だったはずが、瞬く間に「プリティ・ウーマン」の併映になってしまった)を思い出させる。ザ・スピリットのネクタイと血の赤だけが、強調された画面。次から次へと登場する魅力的な女性達。
「ルパン3世」の最初のシリーズを初めて見たときの記憶もよみがえる(ちょうど、小野耕世の連載を喜んで読んでいた時期と一致する)。

 フォボスと呼ばれるクローン人間のコメデイ・リリーフが登場し、ゾンビ映画やらなにやらのパロディも色々登場し、笑えるシーンもかなりある。プラスター・オブ・パリスというベリー・ダンサーが登場するシーンは、「ツイン・ピークス」の赤い部屋の小人の踊りを連想させたし。フランク・ミラー監督作品はこれが初めてだが、「シン・シティ」を見落としてしまったのは不覚だったかも。

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2009/06/07

続々と宝島社のカートゥーンDVD

 昨日、書店に行ったら宝島社のパブリック・ドメインDVD BOXの新作が平積みになっていて驚いた。「ルーニー・テューンズ」と「ウッディー・ウッドペッカー」である。

 「ルーニー・テューンズ」は、日本語タイトルがまた新たにいい加減に付けられているのか、と思ったら、そうではなくって、ワーナー・ホームビデオが出しているDVDやカートゥーン・ネットワークで放送されているものと同じになっている。自分の作っているタイトルリストに新たな日本語タイトルを付け加えずにすんだのは有り難い。「名曲の喧しい夕べ」A Corny Concerto、「ホップ・ステップ・ザッブン」High Diving Hare、「標的は誰だ」Rabbit Fire、「ちゃっかりウサギ狩り」Rabbit Seasoning、「保安官ドリッパロング・ダフィー」Drip-Along Daffy、「カモにされたカモ」Duck Amuck、「ダッフィー・ウォーズ」Duck Dodgers in the 24 1/2th Century などにロードランナーとコヨーテ作品が3本入っていて、これは、もう、お買い得である。

 「ウッディー・ウッドペッカー」は、今までまとめて作品が発売されることがなかったので、それだけでも有り難い。「定本アニメーションのギャグ世界」で作品名が出てくる「きつつき闘牛士」が「キツツキ闘牛士」、「きつつきと熊一家」が「キツツキとパンダ一家」(ウッドペッカー第1作)というタイトルで収録されている。残念ながら、昔、アニメ総会で見て面白かったウッドペッカーと火星人(?)が戦う話は入っていない。「セビリアの理髪師」は、「ルーニー・テューンズ」の方に入っている「セビリアのラビット理髪師」と比べてみると、ウォルター・ランツとチャック・ジョーンズの違いがよくわかると思う。

 比べてみるということでは、トムとジェリーの「ピアノ・コンサート」と同様の設定の作品、バッグスの「ラビット狂騒曲」とウッドペッカーの「アンディとペッカーのショパン演奏会」がそれぞれ収録されている。どちらも「ピアノ・コンサート」の前年の製作である。それぞれの製作会社の作風の違いを安い値段で確認できるのであるよ。

 こうなってくると、テックス・エイヴリー作品集、ってのが次に出てきそうだなあ。

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2009/05/27

陸の上のクルーザー

 まだまだタイ映画である。浅野忠信主演、ペンエーグ・ラッタナルアーン監督の「インビジブル・ウェーブ」を見た。何だか昔の退屈なATG映画という雰囲気だが、タイトル通りに見えない波に揺らされ続けている感じは良く出ている。主人公が香港から外洋クルーザーに乗ってプーケット島に着くと、シトロエンDSの魅力的なお尻が写る。この映画は、外洋クルーザーとDSの存在で、私の記憶に残る映画になった。

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2009/05/25

トム・ヤム・クンをダブル・マックスで

 このところビデオで録りためたアジア映画を順次見ているが、「トム・ヤム・クン」「ダブル・マックス」という2作を見た。あの「マッハ!」のトニー・ジャーの映画として宣伝されていた映画だが、どちらも、なんとなく憎めない顔をしていて太り気味の体型なのに鋭いアクションができる、香港映画でのサモ・ハン・キンポーを思い出させるペットターイ・ウォンカムラオの方が印象に残る。実際、後者は、トニー・ジャーは完全に友情出演で、ウォンカムラオが監督・主演の作品である。

 「トム・ヤム・クン」は、シドニーを舞台にして「マッハ!」以上にどうやって撮影したんだというアクションの連続。広角レンズを使ったワンショット長回しアクションは、凄い。自分が行ったことのあるたった2つの外国、タイとオーストラリアを舞台にしているというのが、個人的に楽しい(あっ、ここには行ったことがあるというヤツである)。劇場で見逃したというのが、不覚であった。

 一方、「ダブル・マックス」は、格闘アクション映画のパロディを目指したのではないかという、ある意味、関節の外れた映画である。それゆえに、「ダブル・マックス」の方が好みなのだ。トニー・ジャーは完全に「マッハ!」の楽屋落ちとして出演している。ところどころで、タイ人だったら大笑いする(あるいは苦笑する)んだろうなとテックス・エイヴリーの初期作品を見たときのように想像するギャグが、真面目なストーリー展開の間に挟まる。案外このギャグが入るタイミングが良いし、こういうギャグをやっぱりやってみたいんだという親近感(昔、自分たちも自主制作映画で試みたっけ)がある。大富豪の暗殺事件にスラム街の子供達のために学習施設を建てようという話が絡まって、この掃き溜めのようなスラム街に何でこんな美少女が!というよくある展開も実に好きだ。バンコクのスラム街に行ったときに、その環境の酷さに驚くよりも、妙に居心地の良さがあって懐かしさを感じさせられたのだが、その居心地の良さを感じさせてくれるところがこの映画にはある。

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2009/05/21

木琴は格闘技だ!

 ビデオ録画してあったタイ映画「風の前奏曲」を見た。予想以上に美しく、映画らしい映画であった。タイの伝統楽器のラナート(木琴)の伝説的奏者の生涯を、その才能を開花させていく青年期の19世紀末のシャムと、近代化のために伝統楽器が禁止される最晩年の第二次世界大戦が激化する1940年代のバンコクとをフラッシュバックさせて、描く。クライマックスは、青年ソーン(アヌチット・サパンポン)が当時のナンバーワン奏者クンインをラナート演奏対決で打ち破るところである。トニー・ジャーの格闘技映画以上の手に汗握る対決である。この演奏対決に匹敵するのは、ミルト・ジャクソンとゲイリー・バートンの競演じゃないか、と思った(実際に、この2人が共演したことがあるかどうかは知らないが)。クンインを演じるナロンリット・トーサガーは役者ではなく、現代のナラート奏者だそうだ。その眼力のある風貌は、この映画の「悪役」にふさわしい。

 第二次大戦時に、タイでは伝統音楽を一切禁止した、ということをこの映画で初めて知った。またまた10年前にタイに行ったときの話になるが、訪問したバンコクとウボンラチャタニの学校では、伝統音楽の授業がちゃんとあって、どちらの学校でも生徒たちの演奏を聴いたのだった。西洋音楽一辺倒といっても良い自分が受けた日本の音楽の授業よりも好ましく感じたのだが、伝統音楽が禁じられた時代があったという話は聞かなかった気がする(聞き落としたか、忘れてしまったのかもしれないが)。

 ナロンリットの生演奏を聴きにタイに行きたくなってしまった。

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2009/05/17

グラン・トリノ対シビック・フェリオ

 クリント・イーストウッドの新作「グラン・トリノ」を見た。朝鮮戦争に従軍した偏屈で頑固な老人が、ベトナム戦争で移住してきたモン族の姉弟と出会い、自分の人生の仕上げをしようとする映画、という新聞評を読んだだけで、この映画の絵的な情報をチェックしていなかったので、不覚にも、タイトルの「グラン・トリノ」がフォードの1972年製のスポーツ・クーペのことだと、思っていなかった。イーストウッドがイタリア系の「トリノ爺さん」という役なのだろうと思いこんでしまっていたのだ。グラン・トリノはファストバック・スタイルのいかにも当時のアメ車らしいクーペであった。「ウルトラゼブン」のポインターの元になった車と兄弟車じゃないかと思えるデザインである。

 モン族が出てくる、ということでなかったらこの映画を見に行かなかったかも知れない。10年前にタイに行ったときに、タイに住む少数民族の話を聞いたときに、モン族の話も聞いたのだった。その時の記憶であやふやなところもあるが、モン族の文化の方がタイ人(タイ族)よりも日本人に近い、と感じたように思う。確か、土産に買ってきた物の中に、モン族のキルト製品があった気がする。

 モン族のチンピラたちが、初代のシビック・フェリオ、それもボンネットだけ黒く塗られてエンジンもチューンしてあるものに乗っていたのが面白かった。この連中が、グラン・トリノに目を付けて盗もうとしたことで、イーストウッド扮するウォルトの人生が変わっていく。モン族のチンピラにもそれなりに車には趣味とか興味とかがありそうだ。


 「グラン・トリノ」を見に行ったのは、ジョイランド三島であるが、ジョイランド沼津よりも場末になりつつある映画館の「匂い」が感じられた。観客は沼津よりもいるのだが、サントムーンに客をとられてしまっている感が、かなり漂っているのである。東部事業所さん、これは、ヤバイよ。

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2009/05/10

宝島社はベティ・ブープのDVDを出すのか?

 宝島社から「トムとジェリーDVD-BOX VOL.2」と「ポパイ DVD BOX」が出た。お買い得なので、買ってしまった。「トムとジェリー DVD BOX VOL.2」には「土曜の夜に」が入っているが、「足だけおばさん」が出てくるオリジナルバージョンであった。「ポパイDVD-BOX」は、フライシャーのカラー2巻物3部作と1952年から56年までのフェーマス・プロ作品の収録である。フライシャーのカラー作品が3本入っている(しかも、画質は悪くない。青が抜けていないのだ)なら、980円は高くない。こうなると、黒白版の「ポパイ」と「ベティ・ブープ」の発売を期待する。

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2009/05/08

ファイナル・アンサー?

 初めてシネマサンシャイン沼津に行った。「スラムドッグ$ミリオネア」がここでしか上映されていないからであった。しかし、今までこの映画館に来たことがなかったのが不思議だ。家から一番近いのに。連休の最終日で天気が悪いので、予想していたより混んでいる。駐車場に車を入れるところでも少し混み始めていて、焦った。沼津の映画館といえば東部事業所のジョイランドだが、新しいシネコンに押されて苦戦している。ボウルビルを建て直して、最新の映画館にする計画はないのだろうか?

 一時期イギリス映画が話題になったときに、ダニー・ボイル監督の作品をいくつか見たのだったが、今の職場に勤めるようになってから全然映画自体を見なくなってしまったので(今の職場に転勤になった当初は、仕事帰りに映画館に寄れそうだ、と喜んだのに)、久しぶりのボイル作品だ。

 とにかく、純愛物語のハッピーエンドで、インド映画的大ダンスシーンで終わるのが心地良い。でも、映画の冒頭で示される質問へのファイナル・アンサーは、裏読みできるもので、いかにもイギリス人監督の作品らしい。振り返って映画の内容を反芻してみると、全ての質問が、主人公ジャマール(デーヴ・パテル。子役2人はインド人だが、パテルはイギリス人。もしかして、インド系?)の時系列に沿った体験で忘れられるはずのないことに関係しているというのは、でき過ぎじゃない、と思えるわけで、それだからこそ、このファイナル・アンサーを裏読みしたくなるわけだ。

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2009/05/05

定本アニメーションのギャグ世界(森卓也著、アスペクト)

 森卓也師の名著(今はなき奇想天外社から出ていた)の復刻増補版(増補部分が多くて、400ページを越える分厚い本)が出た。某SNSの知人の日記で知り、あわてて手に入れた。こういうときには、amazonはありがたい。

 「アニメーションのギャグ世界」がなければ、私たちは「トムとジェリーの本 なかよくけんかしな」を作らなかっただろう。ギャグアニメって何だということを、丁寧に教えてくれる本であった。再刊されれば良いなと長らく思っていた。ただ、最初にこの本が出て以来、カートゥーン関係の情報が簡単に手にはいるようになったので、それにもとづく、改訂的なものが必要な本でもあった。それで、今回の定本では、増補という形で、その補足がなされている。

 この増補部分には、トムとジェリーのレーザーディスクのボックスセットの解説が採録されている。このトムとジェリーの全話解説は、以前「映画そして落語」(ワイズ出版)にまとめられたのだが、その時には、森さんから本が送られてきてビックリした。トムとジェリーの解説を書くにあたっって、「トムとジェリーの本 なかよくけんかしな」を参考にしたから、ということで送ってくれたのだった。今回の定本でも、自分が同人誌に書いた文章を参考にして書かれた部分が、妙に気恥ずかしく感じられる。


 1つだけ気になったことを。ジョー・バーベラの紹介に、ニューヨーク大学と銀行業務専門学校を卒業後、32年にヴァン・ビューレンのスタジオで「トムとジェリー」を担当、とある。しかし、自伝によれば、高校卒業後に大学に行かずに信託会社に就職し、職に就きながら専門学校に通い、34年にバート・ジレットの面接を経てヴァン・ビューレンのスタジオに入った(そのときには、ヴァン・ビューレンでは人間コンビの「トムとジェリー」は作っていなかった)、となっている。学歴が低い方に詐称する人はいないと思うので、自伝の方が正しいと思えるのだが。

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2009/05/02

カスミンとワンダーボーイズ

 世界卓球横浜大会が開催中である。何故かインターハイの予選とモロかぶり(専門誌「卓球王国」にも書いてあったが、卓球協会の役員は、毎年この時期に全国的にインターハイの地区予選が行われていることを知っているはずなのに、開催時期の調整をしなかったのはなぜだろう?)なので、横浜アリーナに行けないのが残念だ。

 今日のここまでの日本人選手では、男子の若い選手が世界選手権という舞台に臆せず、実力を出して結果も出しているのがうれしい。これはある程度期待していたことだが、期待通りにならないことも多々ある。そうでないのが素晴らしいのである。先程、テレビ東京で松平賢二と上田仁のダブルスを見たが、呉尚垠・柳承敏の韓国ペアに2ゲームを連取したところなど、台上のボールの処理は完全に韓国ペアを上回っていた。韓国ペアがロングボールでの打ち合いに持っていくようになって逆転負けしてしまったが、これなら、中国を倒して世界チャンピオンも夢ではない気がする。シングルスの水谷、ダブルスの岸川・水谷ペアの戦い方は、余裕があって、これからの中国選手との対決が楽しみだ。

 女子では、やっぱり、石川佳純である。特に、帖雅娜(香港)に、後がない3-9から逆転勝ちしたのは凄かった。普段指導している生徒の試合で7-3から逆転負けをして勝てなかったという苦い経験を多くしているので、生徒には、7-3になったら次の1ポイントを集中して取れ、それで8-3になったら対戦相手は意識するかしないかわからぬがあきらめの気持ちが出るので、勝てる、逆に、3-7になったときには4-7にしろ、相手の心にリードした隙が生じるから逆転できる諦めるな、と言っている。3-9から逆転で勝った選手がいたという記憶はない。そういうある意味ありえないことを現実としてしまったのである。この瞬間に、日本の女子のエースは、福原でも平野でもない、石川だ、と思ってしまったくらいだ。

 今夜の最大のお楽しみは、北京オリンピック・チャンピオン馬琳と松平健太の一戦である。横浜アリーナで生で見たいゾ!!!

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2009/04/20

訃報は2つ

 今日の夕刊を見て驚いた。19日に、ザ・ジャガーズのヴォーカルだった岡本信とJ・G・バラードが亡くなったという訃報が出ていたからだ。バラードの作品は最近読んではいないが、気になる作家ではあった。岡本信は昨年録画しっぱなしであった「進め!ジャガーズ 敵前上陸」を消化したところだった。岡本信はちょっと悲惨な病死のようだ。バラードはここ数年癌を病んでいたという。この2人には、60年代後半の社会的・文化的現象の流れの中で有名になったという同時代性もあって、同じ日に亡くなったということにも因縁も感じてしまう。
 合掌。

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2009/03/17

マンザナでもない

 昨日(16日)の朝日新聞の夕刊に「忘れない日系人収容所」という記事が載った。カリフォルニア州マンザナの収容所で写真を撮り続けた宮武東洋のドキュメンタリー映画や写真展が企画されている、という案内の記事だ。マンザナって、先日自伝について書いたイワオ・タカモトのいたところではないか! タカモトの自伝をチェックしてみたら、宮武東洋の撮影した写真が図版にあった。マンザナに収容されていた日系人が後に集まったときの記念写真だ。ということは、すずきずじゅんいち監督のドキュメンタリーや写真展の写真の中に、タカモトが登場しているかもしれないのだ。映画は4月11日から、写真展は4月16日から東京写真美術館で行われる。一番仕事が忙しい時期に重なっているけれど、見に行けるかな。

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2009/03/10

イワオ・タカモトの贈り物

 ディズニー・プロやハンナ=バーベラ・プロで活躍した、日系人アニメーター、演出家のイワオ・タカモトの自伝、My Life with a Thousand Characters(University Press of Mississippi)が出版されたので、早速買ってみた。2007年の年頭にタカモトは急逝したわけだけれど、この本の原稿はその前に書かれていて、その校正中に亡くなったようだ。アニメーション研究家のマイケル・マロリーMichael Malloryが、共著作者になっている。

 この本でタカモトが私の両親と同年代の日系2世だと知った。ということは、太平洋戦争の日系人にとって辛い時代を強制収容所で過ごしているわけで、その頃の話がこの本の冒頭で語られる。戦争末期、収容所にいるときに絵の才能をディズニーに見いだされて、収容所を出てディズニー・プロに就職したということ、ミルト・カールのもとでアニメーターの仕事を覚えていったことなどが、英語では言えないニュアンスを持つ日本語の紹介を含めて、語られる。このあたりは、きちんと読むとかなり面白そうである。

 アニメに関することでは、ディズニー・プロのナイン・オールド・メン、ビル・ハンナとジョー・バーベラなどの今までも色々語られてきた人物について、その直ぐそばで仕事をしてきた立場から語られている。きちんと読んではいないが、目に付いたところに、ビルとジョーは、フランク・トーマスやオーリー・ジョンストンのように私生活でも仲の良いコンビではなかったが、お互いの才能を認め合って仕事をしていたなど、おお、そうかという記述があり、訳すつもりで読まないといけない本だと思う。

Takamoto

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2009/03/09

トムとジェリー DVDBOX

 宝島社から「トムとジェリー」のDVD2枚組みBOXセットが出ている。何で、宝島社?って思ったら、パブリック・ドメイン物だった。たまたま入ったセブンイレブンにあったので買ってしまった。980円である。日本語吹き替えではなく、すべて、字幕である。画質はどうなんだろうと思ったが、今まで出ていたものと変わらない。ワーナーやターナーのクレジットが出ずに、いきなりMGMのライオンである。昔何本か直輸入した8mmフィルム版を見ている雰囲気になる。1953年までの30作品がセレクトされている。この作品の選び方はなかなかいい。邦題はすべて、テレビ放映タイトルが採用されていて、いい加減なタイトルはつけられてはいない。テレビ放映タイトルの原題を明らかにする作業に多少なりともかかわった人間からすると、これはうれしい。

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2009/03/05

サムシング・エル・トポ

 「アインシュタイン交点」に関することの続き。

 「アインシュタイン交点」には、ビリー・ザ・キッドから発想されたキャラクターが登場するので、西部劇的な部分があるのだが、その部分から連想されるのは、アレッハンドロ・ホドロウスキーの「エル・トポ」である。この映画も「アインシュタイン交点」と同じく1967年の作品である。つまり、「アインシュタイン交点」は、人類が地球を逃げ出してしまった遥かな未来の話であるにもかかわらず、きわめて同時代性の強い小説なのである。「エル・トポ」自体を見直し始めたのだが、この映画そのものから先ず連想するのはガルシア=マルケスだけれども。


 ディレイニーの積読解消で、「ノヴァ」を「アインシュタイン交点」に続いて読んだ。「ノヴァ」の方が、華麗なワイドスクリーン・バロックであり、この小説が訳されてすぐに読んだなら、もっと凄いと思ったかもしれない。自分が、この小説を素直に楽しむには少しトウが立つ年齢になってしまったことを感じた。疑似科学的アイディアとしては、ある種の新星(ノヴァ)で作られる、原子番号が300を超える超元素群、イリュリオンが、面白い。

 質量数が通常の原子核よりも非常に多かったり(中性子過剰)、中性子が少なかったりという原子核でも、ある程度安定な原子核があるという理論計算があって、それを実験的に探す(作る)というのは、天然には存在しない大きな原子番号の原子核を作ることと並んで、原子核物理学の最先端の研究分野である。それら2つを合わせてSFのアイディアにしてしまったというのには、この小説で初めて出会った。それだけ秀逸な着想だと思うが、残念ながら、イリュリオン自体の小説での取り扱いは、プルトニウムをめぐる現実世界での取り扱い、プルトニウムを持っているのものが世界を支配する、とまったく一緒である。

 伊藤典夫の訳者解説に、登場人物の名前の由来が書かれている。その中に、この小説の主人公と呼べる2人組、カティンとマウスについて、キャット&マウス(というより、トムとジェリー)と書かれていた。「トムとジェリー」の日本での認知度を感じるんだけれど、それとともに、作者のディレイニーは、ネコとネズミではない方の「トムとジェリー」をも意識していたのではないかと思う。なぜなら、トムにあたるカティンは人間版のトムと同様に、背が高く、ひょろ長く、一方、ジェリーにあたるマウスは小柄なのである。もし、伊藤典夫がそこまで調べていて、「トムとジェリー」と書いたなら、脱帽である。

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2009/02/27

WALL.Eを探して

 先日のアカデミー賞長編アニメーション賞を受賞した「ウォーリー」をやっと見た。先日の日曜日である。まだいろいろなところでやっているのだろうと勝手に思い込んでいたら、実は、もうほとんどの映画館で上映が終わっていた。駐車するのが楽で料金もただで、最新の劇場なのでサントムーンで見たかったのだが、やっていない。ジョイランド沼津の有楽座で上映最終日であるのを滑り込みで見つけて、見に行った。時間の余裕を見て出かけたら、劇場の中には誰もいない。おお、これは貸切か、と思ったら、しばらくして3人ほど入ってきた。でも、それで終わりである。まるで、80年代に戻ったようである。5名前後で見た80年代前半の映画は数知れず(例えば、「旅芸人の記録」)。

 予告編を見たときから思っていたのだが、やはり、ニック・パークの「チーズホリデー」からの影響を感じてしまう。パークもラセターも発想のコアが似ている作家であり、それは、ほぼ同世代の作家であり、過去に影響を受けたものが共通しているためだと思えるので、もしかしたら、この二人が共通に受けた元ネタのSF(映画)か何かがあるのかもしれない。もうひとつ、ウォーリーのデザインで連想するのは「ショートサーキット」の手作りロボットである。

 短編「マジシャン・プレスト」が、本編に先立って上映されて、結局振り返ってみると、この短編の方が面白かった。チャック・ジョーンズの「バニーちゃんの魔術師」CASE OF MISSING HARE(1942年作。大陸書房から出ていたビデオでは「ウサギショーは大騒ぎ」)のリメイクみたいな作品だが、この作品の方がギャグのパワーアップと現代化がされている。ウサギがワーナー的というよりハンナ=バーベラ的で、そのせいかどうかはわからないが、この短編のクレジット・タイトルのCARTOONのロゴは、ハンナ=バーベラのMGM時代のものにそっくりだった。

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2009/02/08

ダイソーなもの(その2)

 ダイソーで買ったカートゥーンDVDの残りの2枚の紹介。

「みんなで歌おう」
 他のDVDはごった煮だが、このDVDだけはフェーマス・プロのスクリーンソング・シリーズ(小唄漫画、バウンシングボールがでてくるやつである)のみ8本。パッケージには9作品のタイトルが書かれているが、以下の8作品しか入っていない。バウンシングボールにしたがって歌って楽しむのがいいかもしれない。

1.Haep Hep Injuns ヘパヘパ 1950年 I.スパーバー監督
 これは見た記憶がある(アニメ総会の夜中だったか?)。'インディアン'に関するスポット・ギャグ集。

2.The Funshine State 楽しい州 1949年 セイモア・ネイテル監督
 フロリダ州に関するスポット・ギャグ集。カリフォルニア州がライバルとして登場。

3.Helter swelter ヘルター、スエルター 1950年 セイモア・ネイテル監督
 夏に関するスポット・ギャグ集。オチが初期のダフィ・ダックみたいである。

4.Jingle Jangle Jungle ジングル、ジャングル、ジャングル 1950年 セイモア・ネイテル監督
 アフリカに関するスポット・ギャグ集。1番の「ヘパヘパ」とならんで人種に絡むギャグ多数。

5.Little Brown Jug 小さなブラウンの水差し 1948年 セイモア・ネイテル監督
 日本語タイトルは「茶色の小瓶」にすべきだ。リンゴから作るサイダー(アップルタイザー?)でおかしな事が起きる。アルコール入りみたいだ。

6.The Big Drip 大きなしずく 1949年 I.スパーバー監督
 ジャングルの動物たちの箱船物語。

7.The Emerald Isle エメラルドの島 1949年 セイモア・ネイテル監督
 アイルランドに関するスポット・ギャグ集。

8.The Golden State ゴールデン州 1948年 セイモア・ネイテル監督
 カリフォルニア州に関するスポット・ギャグ集。フロリダ州がライバルとして登場する。ウォーク・オブ・フェームのハーポ・マルクスの足跡がその上を歩いた女の子を追いかけるというギャグは、本巻全体で一番面白いギャグだ。

「マイティマウス&ヘックルとジャックル:ウルフウルフ」
 タイトルにあるマイティマウスは1番の1本だけ、ヘックルとジャックル(その昔のテレビ放映では「ヘッケルとジャッケル」)にいたっては何も収録されていない。その代わりと言ってはなんだが、ニューワールド・プロダクションNew World Productionのメル・オー・トゥーンMEL-O-TOONという全く初めて見る作品が2本入っている。この2作品については、私が持っているカートゥーン研究本のどこにも記述が見つからない。こういう未知の作品が、こんな形で見られるというのが面白い。

1.Wolf! Wolf! ウルフ ウルフ 1944年 マニー・デーヴィス監督
 テリートゥーンのマイティ・マウス・シリーズ。マイティ・マウスのスーツはピンクだった。羊を狙うオオカミたちをやっつけるお話。

2.The Talking Mapies 僕たちが行く狩り 1946年 マニー・デーヴィス監督
 テリートゥーン。アルファルファおじさんに似た白ひげのおじさんの庭の木にカササギ夫妻が巣を作ったが・・・というお話。カササギが出てくるので、ヘッケルとジャッケルだと思われてしまったのだろう。

3.Treasure Island 宝島 1959年
 ニューワールド・プロダクションのメル・オー・トゥーン。たった6分くらいでスティーブンソンの「宝島」をタイジェストしてしまっている。

4.The Trojan Horse トロイの木馬 1959年
 ニューワールド・プロダクションのメル・オー・トゥーン。たった6分くらいでトロイの木馬のお話をダイジェストしてしまっている。

5.The Bulleteers 弾よりも早く 1942年 デイヴ・フライシャー監督
 あのフライシャーのスーパーマンである。久しぶりに見ると、やっぱり凄い。

6.A Mutt in a Rut 困った野良犬 1949年 I.スパーバー監督
 フェーマス・プロのノヴェルトゥーン。この作品に出てくる犬は野良犬ではないので、この邦題は変だが、先に出ていたダイソー「オールスターVOL.2」では「マットとラット」というタイトルであった。毎回行き当たりばったりでタイトルを付けている見たいだ。
 内容は、トムとジェリーの「天国と地獄」そっくり。どちらかがパクッたのかと調べてみたら、「天国と地獄」も1949年で、しかも、公開月もほとんどかわらない。また、登場する子猫がワーナーのマーク・アンソニーという犬が背中で育てているプシィ・フットという子猫にそっくり。しかも、同じタイトルの作品がワーナーにある(ロバート・マッキンソン監督「ストレスワン公の巻」1959年)。このあたり何かが匂う。ダイソー200円DVD、恐るべし!

7.A waif's Welcome 浮浪者の歓迎 1936年 トム・パルマー監督
 ヴァン・ビューレン作品。可哀想な浮浪児が誤解を乗り越えて暖かい家に迎えられるお話。

8.Out to Punch パンチがいくゾ 1956年 セイモア・ネイテル監督
 フェーマス・プロのポパイ。ブルートとのボクシングの試合のためにトレーニングをするポパイを邪魔するブルート。やっぱり吹き替えに違和感あり。

9.Much Ado About Mutton マトンの状況 1947年 I.スパーバー監督
 フェーマス・プロのノヴェルトゥーン。子羊を狙うオオカミ。黒羊のブラッキーがオオカミをやっつける。

10.Cheese Burglar チーズ泥棒 1946年 I.スパーバー監督
 フェーマス・プロのノヴェルトゥーン。ネズミのハーマンを犬とネコが共闘して退治しようとするが・・・というお話。これもトムとジェリーに似た話である。

参考文献:TOONGUIDE 2007年冬の増刊号(CARTOONSTATION著)

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2009/02/07

ダイソーなもの(その1)

 ダイソーでカートゥーンの200円DVDが売っているということを聞いてから、1年以上立つ。やっと、DVDを売っているダイソー・ショップに行くことができ(自宅の近くのダイソーはDVDを置いていなかったのだ)、ワーナー作品中心のDVD5枚買ってきた。以前聞いていたものとは、内容が大分違う。新しく出たもののようだ。今回は、そのうちの3枚について紹介。


「アヒルのダフィーと恐竜」

1.Daffy Duck and the Dinosaur アヒルのダフィーと恐竜 1939年 チャック・ジョーンズ監督
初期のダフィ。フーフーという変な笑い声で動き回る。

2.Yankee Doodle Daffy ヤンキー ドゥードル ダフィー 1943年 フリッツ・フリーレング監督
 ワーナー・ホーム・ビデオ発売のDVDでは「ヤンキー・ドゥードル・ダフィ」。旅行に出ようとするプロデューサーのポーキーに、子アヒルを売りこもうと、ミュージカル仕立てで邪魔するダフィ。その後の作品に見られるようなダフィの性格が現れてきている。

3.All This and Rabbit Stew ラビットシチューはいかが? 1941年 テックス・アヴェリー監督
 「世界アニメーション映画史」では「ニグロ坊やのウサギ狩り」、大陸書房から発売されていたビデオでは「うさぎシチューはイヤだよ!」。その昔、8mmフィルム版で見たことを思い出す。バッグス・バニーとウサギ狩りをする黒人の子供の争い。アヴェリー作品としてはワーナー時代の水準作か。

4.To Duck or Not to Duck 避けるか避けまいか? 1943年 チャック・ジョーンズ監督
 ダフィ・ダックを狩ろうとするエルマー・ファド。いつの間にか3本ロープのリングにあげられてしまう。ダフィをバッグスに置き換えても成立してしまう話。

5.The Mite Makes Right チビは正しい! 1948年 ビル・ティトラ監督
 フェーマス・プロのノヴェルトゥーンの1作。「親指トム」である。

6.Foney Fable おかしな話 1942年 フリッツ・フリーレング監督
 ワーナー版「親指トム」「アリとキリギリス」などなど。キリギリスが働かない理由は戦時国債を買ったから、というオチは時代を感じさせる。

7.Suddenly It's Spring 突然の春 1944年 セイモア・ネイテル監督
 フェーマス・プロのノヴェルトゥーンのラゲディ・アン作品。「世界アニメーション映画史」では「春が来た来た」。病気のナンシーのために春の太陽が早く顔を出すようにと色々なところにお願いに行くアン。なかなか感動的である。

8.Have You Got Any Castles お城は最高 1938年 フランク・タシュリン監督
 巨大な書棚の中の本のキャラクター達が行う真夜中の大騒動。「黒炭姫と7人の小人」に出てくるような黒人のスイングジャズがいい。

「トゥイーティ・エルマー:楽しいコンサート」

1.A Corny Concerto 楽しいコンサート 1943年 ロバート・クランペット監督
 「世界アニメーション映画史」では「コニー・コンサート」、昔の東京12チャンネル(現:テレビ東京)の放送では「ワルツを共に」、大陸書房から発売されていたビデオでは「カモネギ・ホールへようこそ」、MGM/UAから発売されていたビデオでは「アヒルのワルツ」、ワーナー・ホーム・ビデオ発売のDVDでは「名曲の喧しい夕べ」。何度も見ているが、この時期のワーナーの最高傑作であり、「ファンタジア」のワーナーらしいパロディである。

2.I Never Change My Attitude 態度は変えないゾ 1937年 デイヴ・フライシャー監督
 本家「ポパイ」である! 日立インターメディックス発売のDVD「幻の洋画劇場 ポパイ作品集」では「ポパイの空中戦」。浦野光でない吹き替えが残念。これでは、吹き替えていない日立インターメディックス版の方がいい。

3.The Mite Makes Right チビは正しい! 1948年 ビル・ティトラ監督 
 ダイソーDVDお得意のダブり収録である。

4.Little Lambkin 小さな子羊 1940年 デイヴ・フライシャー監督
 カラークラシック・シリーズ。アライグマやリスは出てくるが、子羊など出てこない。中身も見ずに邦題を付けているようだ。田舎で生まれたラムキン坊やは都会の機械化されたマンションが嫌い、というお話。

5.Old Mother Hubbard ハバートおばあちゃん 1935年 アブ・アイワークス監督
 コミカラー・シリーズ。洗濯屋のハバートおばあさんと仕事を手伝う犬のお話。フォーカス合わせて下さい、という森卓也氏の声が飛びそうな画質。

6.Mary's Little Lamb マリーの小さな羊 1935年 アブ・アイワークス監督
 コミカラー・シリーズ。画質は上記5番と変わらない。この作品にはちゃんと子羊が出てくる。動きの細やかさはさすがにアイワークスである。

7.Gold Rush Daze ゴールドラッシュ時代 1939年 キャル・ダルトン&ベン・ハーダウェイ監督
 ワーナー作品だが、特に有名キャラは出ていない、登場キャラクターが全て犬という作品。アヴェリー的ギャグがいくつかある。

8.The Sunshine Makers お日様の贈り物 1935年 バート・ジレット&テッド・エシュボー監督
 ヴァン・ビューレンのレインボーパレード・シリーズ。光の小人と闇の小人が1つになると・・・などという話にはならなかった。

「子供のクラシックアニメ」

1.Greedy Humpty Dumpty 欲張りなハンプティ ダンプティ 1936年 デイヴ・フライシャー監督
 カラークラシック・シリーズ。「世界アニメーション映画史」では「欲のふかい王様」。アニドウの上映会やアニメ総会でよく見たものだった。

2.The Three Bears 3匹のくま 1935年 アブ・アイワークス監督
 コミカラー・シリーズ。やっぱり、3匹のくまのアニメはワーナーに限る、とは思うものの、オチはなかなかである。

3.Mary's Little Lamb マリーの小さな羊 1935年 アブ・アイワークス監督
 また、ダイソーDVDお得意のダブり収録である。

4.Old MacDonald Had a Farm マクドナルドが持っていた畑 1945年 セイモア・ネイテル監督
 フェーマス・プロのノヴェルトゥーン・シリーズ。「メリーさんの羊」の変奏曲集。フライシャーは抜けてもジャズ! バウンシングボールに合わせて、イーアイ、イアーイ、オー、で終わりかと思ったら、コンガ・ダンスもあった!

5.Notes to You あなたへのノート 1941年 フリッツ・フリーレング監督
 フィガロ~、フィガロ~と歌われて眠れないポーキー・ピッグのお話。その昔、8mmフィルム版を直輸入したことがある。この邦題は誤訳である。「あなたに送る調べ」などと訳すべきである。

6.Little Lambkin 小さな子羊 1940年 デイヴ・フライシャー監督
 またまた、ダイソーDVDお得意のダブり収録である。

7.Pigs in Polka ブタのポルカ 1943年 フリッツ・フリーレング監督
 劇場公開タイトルは「小豚のポルカ」、先に出たダイソー「オールスターVOL.2」では「子豚ポルカにあわせて」というタイトルになっている。これも、友人が直輸入した8mmフィルムで何度か見ている。Notes to You ではなく、こちらを自分で買えば良かった、と思ったことを覚えている。ブラームスの「ハンガリー舞曲」に合わせて3匹の子豚のお話の新解釈が進行するフリーレングの代表作。

8.Old Mother Hubbard ハバートおばあちゃん 1935年 アブ・アイワークス監督
 またまたまた、ダイソーDVDお得意のダブり収録である。

9.Simple Simon サイモン 1935年 アブ・アイワークス監督
 コミカラー・シリーズ。元祖お馬鹿キャラ。それなりに面白い。


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2009/02/02

トムとジェリー、なかよくけんかしない

 ヴァン・ビューレン製作のカートゥーン・シリーズに「トムとジェリー」と題されるものがあった。有名なネコとネズミの同名シリーズが作られる前に製作されていた黒白の漫画映画である。このシリーズ9本を収録した輸入盤DVDをわいりーさんが貸してくれた。ヴァン・ビューレン作品を集めたLD(プレーヤーがとうとう生産中止になってしまった!)'CARTOON THAT TIME FORGOT FROM THE VAN BEUREN STUDIO'(DVDになって発売されていると思う)を持っていて、そこに3本入っていたのだが、別な作品の方に注目していたので(有名な方の作者となるジョー・バーベラが参加していた作品である)、きちんと今までこの「トムとジェリー」を見たことがなかった。それで、今回借りたDVDと合わせて見た。1本はだぶっていたので、合計11本である。

 予想していたより面白かった。ちょっとテンポがかったるい部分もあるが、ディズニー(ミッキー・マウス他)とフライシャー(ポパイ、ベティ・ブープ)からのいただき的なシーンがあったり、やたら良く動くモブ・シーンがあったり、ベティを上回っているかもしれないエロさがあったり、今まで真面目に見ていなかったのは不見識であった。

DVD収録作品(題名、製作年、監督名)

1.PIANO TOONERS 1932 John Foster,George Rufle
2.FIREMAN'S LIFE *
3.IN THE BAG 1932 John Foster,George Rufle
4.PENCIL MANIA 1932 John Foster,George Stallings
5.A SWISS TRICK 1931 John Foster,George Stallings
6.PLANE DUMB 1932 John Foster,George Rufle
7.POTS AND PANS 1932 John Foster,George Rufle
8.ROCKETEERS 1932 John Foster,George Rufle
9.A SPANISH TWIST 1932 John Foster,George Stallings

  製作年は、'OF MICE AND MAGIC'による。*は、オリジナルのタイトルがついておらず、半立体の題名だけの明らかに後でつけられたタイトルのみで、監督名の確認ができない。また、'OF MICE AND MAGIC'には同じタイトルの作品がリストにない。このリストの中から内容に近いタイトルのものを捜すと、
 HOOK AND LADER HOKUM(a.k.a.FIRE,FIRE)1932 George Stallings,Tish Tash(フランク・タシュリンの別名)
が見つかった。この作品だけ、ちょっと雰囲気が違うギャグがあるので、それがタシュリンだと思えないこともない。

LD収録作品(題名、製作年、監督名)
1.THE TUBA TOOTER 1932 John Foster,George Stallings
2.PIANO TOONERS 1932 John Foster,George Rufle
3.WOT A NIGHT 1931 John Foster,George Stallings

 両方に重なって収録されており、'OF MICE AND MAGIC'本文でも、図版とギャグについての解説文がある'PIANO TOONERS'がこの「トムとジェリー」の代表作と考えてもいいだろう。マーガレット・デュモン似のベティ・ブープのようなキャラクターが出てくるが、その声がベティそっくりである。声の出演者はタイトルにはないが、当時ベティを吹き替えていた人、その人だそうだ。なぜそれが可能だったかというと、ヴァン・ビューレン・スタジオはフライシャー・スタジオの筋向いにあったからだそうだ。調律されていないピアノから出た悪い音の音符を叩きのめしトイレに流す、というすごいギャグもある。
 他に面白かったのは、DVDの4,5,7とLDの3。これらもフライシャーっぽい、メカニズム描写とエロ・グロ・ナンセンスである。もっとも、グロについては、骸骨の踊り(!)がある'WOT A NIGHT'しかないのだが。

 背の高い方のトムがピアノを引くシーンがいくつかの作品にある。このときの手の動きに、マルクス兄弟のピアノ弾きチコに似た右手人差し指1本奏法が混じる。チコ・マルクスを意識して作ったのか?
 また、'PLANE DUMB'では、トムとジェリーの凸凹コンビがアフリカに行くが、アフリカに着いた時に顔を黒く塗り、黒人になってしまう。この黒人になった時の顔がホーマー・シンプソンにそっくりである。となると、ホーマーは実は黒人のカリカチュアなのか、と今まで気がついていなかった視点に思い至るのであった。

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2009/01/03

2008年の本と映画

恒例の前年に読んだ本と見た映画のリスト。


 「百年の孤独」ガルシア・マルケス
 「紙ヒコーキで知る飛行の原理」小林昭史
 「人類と建築の歴史」藤森照信
 「宇宙の果てまで」小平桂一
 「シッダルーダ」ヘルマン・ヘッセ
 「チェスタトンの1984年」G.K.チェスタトン
 「暗黒星雲」フレッド・ホイル
 「世界終末十億年前」ストルガツキー兄弟
 「原爆から水爆へ 上」リチャード・ローズ
 「非線形科学」藤本由紀
 「物理学者ゴミと闘う」広瀬立成
 「収容所惑星」ストルガツキー兄弟
 「日本人になった祖先たち」篠田謙一
 「HAMMERED」エリザベス・ベア
 「SCARDOWN」エリザベス・ベア
 「原爆から水爆へ 下」リチャード・ローズ
 「蟻塚の中のかぶと虫」ストルガツキー兄弟
 「困りますファインマンさん」リチャード・ファインマン
 「波が風を消す」ストルガツキー兄弟
 「暗闇のスキャナー」(サンリオ文庫版)P.K.ディック
 「湯川秀樹日記」湯川秀樹
 「疑似科学入門」池内了
 「すばる望遠鏡の宇宙」海部宣男
 「WORLDWIERED」エリザベス・ベア
 「岩波講座現代の物理学10 素粒子物理」戸塚洋二
 「究極のSF」(アンソロジー)
 「科学と芸術の間」坂根厳夫
 「恋人たち」フィリップ・ホセ・ファーマー
 「宇宙のランドスケープ」レオ・サスキンド
 「温度から見た宇宙・物質・生命」セグレ
 「見えないものを見る技術」伊藤泰郎
 「放射線利用の基礎知識」東嶋和子
 「彷徨える艦隊 旗艦ドーントレス」ジャック・キャンベル
 「量子コンピュータ」竹内繁樹
 「原始仏教」中村元
 「科学哲学の冒険」戸田山和久
 「クォーク 第2版」南部陽一郎
 「消えた反物質」小林誠
 「夢の宇宙誌 コスモグラフィカファンタスティカ」澁澤龍彦
 「色彩の発見」小町谷朝生
 「フィネガンズ・ウェイク Ⅰ・Ⅱ」ジェイムス・ジョイス

映画
 劇場で見たもの
  「燃えよ!ピンポン」
  「俺たちフィギュアスケーター」
  「インディ・ジョーンズ4 クリスタル・スカルの宮殿」
  「スピードレーサー」
  「クローン・ウォーズ」
  「インクレディブル・ハルク」
 ビデオ等で見たもの
  「少女ムシェット」
  「処刑男爵」
  「七人のマッハ」
  「大巨獣ガッパ」
  「スキャナー・ダークリー」
  「ブラザース・オブ・ザ・ヘッド」
  「醜聞スキャンダル」
  「TAXI」
  「危ないことなら銭になる」
  「若くて、悪くて、凄いこいつら」
  「黒い賭博師 悪魔の左手」
  「ルパン3世念力珍作戦」
  「進め!ジャガーズ 敵前上陸」
  「クレージー黄金作戦」
  「大冒険」
  「クレージーの大爆発」
  「空軍力の勝利」

 この本の中から1冊選んでコメントするとしたら、「岩波講座現代の物理学10 素粒子物理」である。読み始めて、こんなにわかりやすい素粒子物理の本は他に読んだことがない、実験と理論の関係がよくわかるし、さすがに戸塚先生!と思っていたところで、戸塚洋二がガンでなくなったという訃報を聞いた。ああ、ノーベル賞候補者が1人減ってしまった、もしかしたら今年あたりもらえていたかもしれないのに、と正直思った。実際には、戸塚先生よりも先にもらっておくべき3人が受賞したわけだけれど。
 映画は、全然劇場に見に行かなくなった。特にアニメを見なくなってしまった。「赤い風船」「白い馬」がせっかく沼津の劇場でやられていたのに、それも見に行かなかった。今年はもう少し映画に対してもまめになろう。

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2008/12/25

チャーリーを捜して

 チャーリー・ボワーズ作品集のDVD"CHARLEY BOWERS The Rediscovery of an American Comic Genius"(2003年)をついに手に入れた! 以前、チャーリー・ボワーズについて書いたときに、アメリカで発売されていることを知り、いつか手に入れたいと思っていた。amazon.comで10ドルちょっとで値引き販売されていた。早く手元に欲しかったので、2番目に早く着くという航空便で送ってもらうことにしたら、料金が13ドルちょっとということになり、送料の方が高いということになってしまった。でも、日本円で2300円である。十分にお買い得である。更に驚いたのは、注文して7日目に配達されたことである。こんなに早く品物が着いたのは初めてだ。
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 DVDの中身は次の通り。
DISC1
Egged On      1926年作 24分
He Done His Best  1926年作 24分
A Wild Roomer 1926年作 24分
Fatal Footsteps 1926年作 22分
Now You Tell One 1926年作 22分
Many A Slip 1927年作 12分
Nothing Doing 1927年作 21分
DISC2
Grill Room Express 1917年作 6分
A.W.O.L. 1918年作 5分
Say Ah-hi 1928年作 14分
It's A Bird 1930年作 14分 「イッツ・ア・バード」
Believe It Or Don't 1935年作 8分
Pete Roleum And His Cousins 1938年作 16分
Wild Oysters 1940年作 10分 「ワイルド・オイスター」
A Sleepless Night 1940年作 11分
ボーナス・トラック
  Looking for Charley Bowers
   A documentary about Bowers'rediscovery by Raymond Borde
 (邦題は「世界アニメーション映画史」による)

 ボーナストラックがあるため、解説はぺらぺらの見開き一枚である。内容も以前インターネットで調べた以上のことは書いてない。タイトルが「チャーリー・ボワーズって誰?」ってなっていて、なんと以前私がこのブログで使ったタイトルとほとんど同じ。
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 30年前「ワイルド・オイスター」(マックス・フライシャー製作というタイトルが冒頭にあるため、「ポパイ」等で有名なフライシャーの珍しい人形アニメと勘違いされていた)や「イッツ・ア・バード」で驚いたオイスターや卵から自動車が生まれるアニメは、 He Done His BestやEgged Onですでに登場している。A Wild Roomerはかなり長い人形アニメのシーンがあるが、これが全体のストーリーと全く関係ないのがちょっと残念。Fatal Footstepsはほとんどアニメが使われていないが、最後に驚くべきものがチャールストンを踊る。Now You Tell Oneは一転してアニメが主役。建物に突入していく象の大群やネコヤナギから生えてくる猫といった驚きのシーンが続出。Many A SlipとNothing Doingはアニメ部分は極少で、どうも作品のかなりの部分が失われているようだ。実際アニメはなくても成り立つ話ではあるので、そのために切られてしまった可能性もある。以上が、実写アニメを混ぜたコメディ・シリーズを集めたDISC1の作品である。

  Grill Room ExpressとA.W.O.L.はマットとジェフのアニメ。前者はHe Done His Bestのコックもウエイターもいらない自動機械の原型が登場し、後者はカートゥーンとして良く動いていてアニメーションのレベルは高い。Say Ah-hiは「イッツ・ア・バード」の金食い鳥のような何でも食べる鳥が登場する。こうして見てくると「イッツ・ア・バード」はボワーズの集大成であることがよく分かる。Believe It Or Don'tはまたまた卵から自動車が生まれる。Pete Roleum And His Cousinsは唯一のカラー作品。石油が色々なところに使われているという内容であるが、あまりボワーズらしさはない。「ワイルド・オイスター」はフランス版のクレジットタイトルが付いており、フライシャー作品というタイトルはない。不思議だ。A Sleepless Nightは「ワイルド・オイスター」に出てくるネズミの夫婦が登場するが、オイル・サーディンの缶詰をベッドにしていて「トムとジェリー」みたいだ。ボーナス・トラックのLooking for Charley BowersはフランスはトゥールーズのシネマテークのRaymond Bordeがいかにしてボワーズを再発見していったかというドキュメント。フランス語に英語字幕。英語が書いてくれてあるので、案外内容がよく分かる。以上がDISC2。

 レイ・ハリーハウゼンの'A CENTURY OF STOP MOTION ANIMATION'には、ボワーズについての記述があり、Now You Tell OneとこのDVDには入っていないThere It Is(1928年作)を取り上げている。特に後者はストーリーを丁寧に説明し、スティール写真も6枚掲載している。このDVDの中ではNow You Tell Oneが一番面白かったのだが、ハリーハウゼンによれば、There It Isの方が傑作のようである。これは見たいぞ。

 ボワーズのほぼどの作品にも出てくるのが「卵」である。その昔、ポール・ドリエッセンの作品の特集上映を見て、卵にこだわる理由を聞いてみたいと思ったことがあるのだが、ボワーズのこだわりはドリエッセン以上である。

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2008/12/23

円高だからアニメの洋書を輸入しよう

 アマゾンで注文したアニメの洋書が続々到着した。
Rychuckbks
 写真下のオレンジ色の何の絵もない本は、'Chuck Jones CONVERSATIONS'という、チャック・ジョーンズのインタビューを集めた本である。一切図版はない。ミシシッピ大学出版局から2005年に出た本である。1968年のSF作家のレイ・ブラッドベリとの対談からジョー・アダムソンやマイク・バリアーといった研究者たちとのインタビュー、1999年の未発表のインタビューまで、なかなか面白そうである。しかし、字だけは辛い。

 写真左のちょっと怖い顔が描かれた本は、「ストリート・ミュージック」という作品で名前が記憶されるNFBのライアン・ラーキンについての本'BALLAD OF THIN MAN:Insarch of Ryan Larkin'(Chris Robinson著。2009年という著作権表示がされているので出たばかりの本である)である。晩年は悲惨な状態だったというのを何処かで誰かが書いていたのが頭の片隅に残っていて、アマゾンで検索したときにこの本を見つけて、取り寄せたものである。表紙と同様に怖いイラストがあるだけで、ラーキンの作品の図版などはなにもない。ただ、ラーキンの「歩く」と「ストリート・ミュージック」の2作品とラーキンについてのドキュメンタリーが収録されたDVDが付いているのが素晴らしい。

 写真で一番大きく写っているのはレイ・ハリーハウゼンとトニー・ダルトンによる人形アニメの本'A CENTURY OF STOP MOTION ANIMATION'(2008年刊)である。ハリー・ハウゼンの人形アニメの制作時の貴重な図版などが多数あって、ページをめくるだけで楽しい。スラプスティック・コメディと人形アニメを結合させた作品を作ったチャーリー・ボワーズについても書かれていて、中身を丹念に読んでいけば、新しい発見もありそうである。

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2008/12/06

ミッシェル・サルドゥー輸入盤CD購入その2

 ミッシェル・サルドゥーをネット検索してみたら、面白いサイトに行き当たった。サルドゥーそのものではないが、サルドゥーの師にして同僚アーティストのクロード・フランソワやジョニー・アリディについて主に語っているのだが、「ウルトラセブンで活躍された満田監督のものまねで」インタビューに答えるという形式で書かれている。このもとにしたインタビューが何に発表されたものなのか分からないので、どこがものまねだろうと思うのだが、サルドゥーの歌声がFMラジオで流れレコードが売られていた頃に、円谷プロに行き満田監督の話を聞いたのだった、ということを思い出した。このとき、満田監督に聞きたいことは直接聞いてしまったので、その後色々なところに出ている満田監督インタビューを、俺は直接話を聞いたぞと、まともに見ていないのだから、何がもとネタか、分かるわけがないのであった。とにかく、円谷プロの満田監督とミッシェル・サルドゥーが結びつく人間が、私以外にもいるということが、かなりな驚きであった。
 
 このサイトの他の部分を読むと、ちょっとトンデモさんで、そっちの方がもっと面白かったりする。

 さて、これからが本題。

 アマゾンを通じて、Import CD Specialists に注文した MSmichel sardou が届いた。2枚組の一種のベストアルバムである。これもやはりフランス製で、2003年発売の物であった。自分の持っているLPレコード「ミシェル・サルドゥー・ベスト・アルバム」とは関係ないようだ。1967年から1997年の30年間の中からの39曲が収録されている。私がよく聴いていたのは、以下のリストのCD1の9~18の10曲で、29曲は初めて聴く曲だ。最初の曲はオリジナルの音源に問題があるらしく録音状態が悪い。聞き始めて、これは欠陥CDをつかまされてしまったか!って思ったくらい。67年の作品はさすがに声が若い。

 CD2は全て初めて聴く曲ばかりだ。その中では、Afrique AdieuやChanteur de jazzがいい。年齢を重ねて、良い意味で力が抜けてきているのがいい。これから、良く聴くことになりそうだ。

 CD1
 1.Les ricians
2.Petit
 3.Les bais populaires
 4.Et mourir de plairsir
 5.J'habite en France
 6.Je t'aime,je t'aime
 7.Le rire du sergent
 8.Le surveillant general
 9.Un entant   アンファン(子供)
10.La maladie d'amour  恋のやまい
11.Zombi Dupont    ゾンビー・デュポン
12.Le cure       牧師
13.Les vieux maries   永遠のきずな
14.Une fille aux yeux clairs    輝ける瞳
15.Le France   フランス号の曳航
16.La vieille 想い出に生きて
17.J'accuse   告発
18.Je vais t'aimer    愛の叫び
19.La java de Broadway
20.Dix ans plus tot
21.En chantant
22.Je vole

 CD2
 1.Je ne suis pas mort,je dors
 2.Verdun
 3.L'autre femme
 4.Les lacs du Connemara
 5.Il etait la(Le fauteuil)
 6.Afrique Adieu
 7.Vladimir Ilitch
 8.Les deux ecoles
 9.Chanteur de jazz
10.1965
11.Musulmanes
12.L'acteur
13.Le privilege
14.Putain de temps
15.Selon que vous serez,etc.,etc.
16.Cette chanson-la
17.Salut

(邦題は、自分の持っているLPレコード「ミシェル・サルドゥー・ベスト・アルバム」「告発」と照合)

 

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2008/11/29

若さゆえ・・・「進め!ジャガーズ 敵前上陸」(前田陽一監督1968年松竹)

 昔、ジャガーズというGS(グループ・サウンズ)バンドがあった。タイガースやスパイダースのような人気はなかったが、私より年代が上の世代では、カラオケでジャガーズの曲を歌う人に案外出会う。そのジャガーズが人気絶頂だったときに作られた映画である。タイガースやスパイダースも主演映画が作られ、みんな、どこかビートルズの映画に似ていると同時に、歌謡曲のヒット曲の曲名そのままの映画(もちろん、歌っている歌手が主演ないしは助演している)がたくさん作られていた当時の邦画のパターンも踏襲していたのだった。

 この映画で嬉しかったのは、ヒロイン・アキ役が中村晃子(劇中で「虹色の湖」を歌っている!)、雪子役が尾崎奈々で、そして、ワンシーンだけだが東山明美、さらに一瞬青山ミチ、といった、当時小学生だった私が好きだった女性タレントが出ていたこと。でも、何といっても一番なのは、てんぷくトリオが3人揃った姿を見れたこと。特に戸塚睦夫が
見れたのが嬉しいのであった。

 クライマックスでは、硫黄島(と思われる南の島)にある悪の秘密結社(?)の基地に乗り込んでいくのだが、ここで、戦争が終わってもまだ戦っている旧日本軍兵士が出てくる。横井庄一さんがグアム島で見つかるのは1971年だったから、それを予見していたかのよう。

 この映画の主役のリードボーカルの岡本信はKAT-TUNの田口に似ているなあと、ふと思い、KAT-TUNで昔のGS映画みたいなのを撮っても面白そう、と思う。


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2008/11/24

「ルパン3世 念力珍作戦」(坪島孝監督1974年東宝)

 このところ、WOWOW、NHK-BSやチャンネルNECOで大分前に録画してそのまま見ずに放置してあった邦画を、中平康監督「危いことなら銭になる」を見て以来、消化している。WOWOWの中平康特集の他の作品についても書きたいのだが、それはまた別項で。

 で、表題の目黒祐樹主演の「ルパン3世」の実写映画である。この作品については、劇場公開時にポスターを見て、正直、峰不二子が江崎英子ではなんか違うなあと思って、見に行かなかった記憶がある。次元大介が田中邦衛、銭形警部が伊東四朗、という配役は今考えると豪華である。当時デビューしたばかりの安西マリアがちょい役で出てくるが、どうせ出すなら、彼女を峰不二子にした方が良かったのでは、なんて思ってしまう。映画が作られた当時を考えれば当たり前なのだが、アニメ版を元にした映画というよりも、モンキー・パンチの原作漫画の味を出そうとしている映画である。

 チャプリンやテックス・エイブリーのようなギャグをたくさん注ぎ込んであるが、タイミングの詰めが甘くって、まるで、カーク・ダグラス主演アーノルド・シュワルツェネッガー助演の「サボテン・ジャック」のようである。この様なギャグをたくさん入れたのは、企画に名を連ねている故・赤塚不二夫の意向だったのだろうか。自分たちが自主映画を作っていたときに一度やってみたくてやったことがある「スローモーションでもう一度」もやっていて苦笑してしまった。このシーンには、前川清が特別出演していて、なかなかコミカルな味を出していて、後年のバラエティ番組での活躍を予見させている。

 今は太平洋に眠るスカンジナビア号や戸田の御浜岬の灯台が出てきて、この作品もこういうところでロケをしていたのか!、と驚いた。来年だったか静岡県で行われる国民文化祭で、沼津市では映像文化の部があるようなのだが、協賛事業として、沼津ロケした作品を一堂に集めて上映する、なんてことをしてくれたら面白いのにねえ。例えば、「モスラ対ゴジラ」の静浦(映画中では、静の浦)の海岸線の空撮映像なんか、狩野川放水路や漁港・防潮堤の整備で失われてしまった沼津の景色の記録としても意味が大きいと思うのだ。
Photo
御浜岬の灯台。ここで、ルパンと不二子がいちゃついた。

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2008/11/11

マクラレンの本、その他

 amazonでアニメ関係の本を検索したら何冊か買っておきたい本を見つけてしまい、注文してしまった。その内の2冊、THE FILM WORK OF NORMAN McLAREN(TERENCE DOBSON,2006)、A Reader in Animation Studies(Edited by Jayne Pilling,1997)が届いた。ノーマン・マクラレンの本は、マクラレンについての本を一冊も持っていないことに気が付いて、買うことにした。マクラレンはNFB(カナダ国立映画庁)で活躍した、今で言う「アート・アニメーション」の巨匠だが、その名を知ったのは、SFマガジンの小野耕世の「SFコミックスの世界」という連載コラムであった。1970年くらいに来日したときのインタービューからの話だったが、漫画映画ではないアニメーションがあることをその時知ったのだった。その頃、マクラレンの作品はカナダ大使館のライブラリーで簡単に借りることができ、 大学時代は上映会で困ったときのNFBであった。80年代になって、このライブラリーが静岡県立中央図書館に委託されることになったのだが、今はどうなっているのだろう? 

 もう1冊は、日本アニメーション学会に先駆けて発足したアメリカのアニメーション学会The Society for Animation Studiesの論文選集である。日本アニメーション学会員として海の向こうの学会の様子を知りたかった、というか、自分自身に興味のある論文は日本のアニメーション学会の学会誌には余り発表されておらず、こちらの方にあるのじゃないかと思ったからである。論文集の良いところは、参考文献がきちんと書かれることで、各論文末の参考文献リストを眺めるのが論文そのものを読むより面白かったりする。ところで、理系の自分からすると、文系の論文ってこんないい加減でも良いんだと思うことも多い。このぐらいだったら、自分でも、と思うこともないわけでもない。でも、アニメーション学会誌に何か書いたらと勧めて下さる人もいるのに、新しいことを見いだしてもいない自分が何かを学会誌に書くというのは抵抗が大きい。

Mclaren

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2008/10/26

30年越しの確認

 中平康監督「危いことなら銭になる」(1962年)を見た。1994年にWOWOWで中平康作品がまとめて放映されたときに録画したものをやっと見たのである。10年以上録画しっぱなしにして放ってあったものから引きずり出して、思い出したように見たのである。この作品を録画した理由というのは、更に、時代をさかのぼって、今から30年くらい前に、私より年齢が上のアニメファン諸氏と話をしたときに、「ルパン3世」は日活無国籍アクションだよ、って話題が出て気になっていたからである。その時に、この作品そのものが話題に出ていたかどうかはもはや記憶にない。

 で、「危いことなら銭になる」であるが、実に面白かった。大蔵省造幣局へ納入される紙幣用紙を盗んで偽札(聖徳太子の千円札!)を作って香港の中国人マフィア(?)と取り引きしようとするヤクザに、偽札作りの名人(左卜全)を紹介して一儲けをたくらむ3人の男。この3人のキャラクター設定が、「ルパン3世」そっくりなのである。頭の回転の速い変装名人計算尺の哲(長門裕之)、ガンの達人ガラスのジョー(宍戸錠)、格闘技の達人ダンプの健(草薙幸二郎)、そして、峰不二子が出てくればこれは完璧だ、と思っていたら、ヤクザのダミー会社の女子社員(浅丘ルリ子)が、大活躍。ガラスのジョーの愛車がタンデム2人乗りのメッサーシュミット、拳銃がコルトのマグナムだったりして、このあたりのこだわりも似ている。

 全体を通してみると、浅丘ルリ子の、こんな演技をしていたんだと感心してしまう活躍が本作品の面白さの源泉になっている。左卜全と武智豊子のじいさん・ばあさんコンビも典型的な役をその通りに演じていて、いい味である。

 最後の方に単純な合成シーンがあるが、これを金田啓治が担当している。やっぱり、30年くらい前に手塚プロに上映会のためのフィルムを借りに行ったときに、相手をしてくれたのがこの金田氏であった。その時には日本の特撮史に名前を残すような人だとは知らなかったので、フィルムを借りる事務的なやりとりしかしなかった。今思えば、もったいないことであった。

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2008/10/24

トムとジェリーの新刊(洋書)

 バックオーダーになっていたJerry Beckの「TOM and JFRRY」が届いた。届いてみて驚いた。13cm×11cmのミニサイズの絵本だった。表紙裏にポケットが着いていて、シールが入っていた。Beckによる解説が最小限付いていて、トムとジェリーについて簡単に知りたい場合には役に立つ。雌猫のトゥードルスや悲観的なアヒル君も含めたキャラクター紹介もある。中国で作られたためなのか、製本にちょっと問題がある。使われている図版には妙にシャープではない物(フィルムから撮影したものか?)があり、チャック・ジョーンズ版の物も多い。でも、説明文には、制作者としてはハンナ=バーベラしか名前が出ていない。もうちょっと図版の選択にこだわって欲しかった、というのが正直な感想。
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2008/10/04

「宇宙のランドスケープ」(日経BP社)

 ハドロンのひも理論を南部陽一郎と独立に見出したレオナルド・サスキンドが、このところ主張している超ひも理論(超弦理論)に基づく「ランドスケープ理論」について解説した本である。ブライアン・グリーンの「エレガントな宇宙」、リサ・ランドールの「ワープする宇宙」に続く、ストリング宇宙論第3弾。

 本書のタイトルにもなっているランドスケープという言葉は、物理を学んだ者には「位相空間」と言う方がわかりやすいものだが、本書の巻末でサスキンドは「ランドスケープは現実の場所ではない。それは架空の宇宙のありうる設計をすべて集めた一覧と考えてほしい」と要約している。ワインバーグが指摘した、人間が存在するためにはアインシュタインの重力方程式の宇宙定数(宇宙項)が0ではない非常に小さい数に調節されていなければならないということ、それを説明できる可能性のある概念としてのランドスケープを、訳書にして500ページを超える枚数を費やし、数式なしに説明している。サスキンドの主張をまとめると、宇宙は無限に多くあり、たまたま、われわれは、炭素を主体とする生物が生存できる宇宙定数の「生命の窓」の位置にある宇宙に住んでいるのだ、ということだ。

 本書でよく出てくる固有名詞に、「ルーブ・ゴールドバーグ機械」があり、カートゥーンのファンでもある私には、なかなかうまいたとえだなあ、と感心する。「ルーブ・ゴールドバーグ機械」というのは、「トムとジェリー」や「コヨーテとロードランナー」などにもよく出てくる、「風が吹くと桶屋が儲かる」式の手の込んだ、いろいろ回り道をした末に、あることをする装置であり、ルーブ・ゴールドバーグはそういう装置の1コマ漫画をたくさん描いた、アメリカでは有名な漫画家である。日本の例で言えば、「快獣ブースカ」第1話での大作少年の目覚まし装置のアレである(例が古すぎるか)。素粒子から宇宙までを統一して説明しようとしている最新の超ひも理論の様子がまさに、ルーブ・ゴールドバーグの機械のような、複雑で妙に技巧的なもので、本当はもっと直接的な方法もあるだろうにと思わせつつ、面白いなと思わせるものだからである。自分も参加してみたいと思ったりもするが、ルーブゴールドバーグの機械を考えられそうで、実は、あんまり面白いものが思いつけそうにないのと同じ結果になるのは目に見えている。

 超ひも理論の正当性の証拠が見つかるかもしれないという期待もあった新型加速器、CERNのLHCだが、不具合が見つかったということで、しばらく修理するという。来年はついに超ひも理論の尻尾くらいが捕まえられるだろうか? すばる望遠鏡等の天体観測の方で意外な証拠が見つかるかもね。

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2008/09/24

Who's Who In Animated Cartoons

 Amazonからトムとジェリーの新刊本(洋書)が出るので予約受付中、という案内メールが来たので、予約した。その時、他の推薦本として出ていたWho's Who In Animated Cartoonsも一緒に頼んだ。これはAmazonと契約しているアメリカの古書店扱いの本だったので、先にこの本が送られてきた。2006年に出版されていたJeff Lenburgの本である。Animated Cartoonsとなってはいるが、レイ・ハリーハウゼンやジョージ・パル、ニック・パーク、バリー・パーヴスといった人形アニメの作家たちも取り上げられているし、ヨーロッパのアニメ作家や我が川本喜八郎、手塚治虫、宮崎駿、さらには、Yの項では、山村浩二がただ1人取り上げられている。自分自身、もう追いかけるのも諦めている最近のアヌシーなどで賞を取った作家やテレビアニメの演出家も出ている。あの人はどんな人だったっけ、と調べるにはなかなか良い本だ。

 Jeff Lenburgが著者なので、ジョー・バーベラやチャック・ジョーンズなどの劇場用漫画映画製作で名をあげて、その後テレビ用の作品制作に携わった人物の項目の分量がやはり多い。これは、私の興味と一致しているので都合がいい。

Whoswho
Whoswhoyama

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2008/09/21

桜小路富士丸

 娘がフラダンスの熱海の本教室に通うようになって、月2回ほど熱海に土曜の夕方連れて行っている。娘がフラを習っている間は、妻と熱海の町をフラフラしている。先日は、パフォーマンスフェスティバルということで、町の色々なところで大道芸人が芸をし、出店もあってちょっとしたお祭り状態。女性の猿回しを見たあと、歌って似顔絵を描く桜小路富士丸という女芸人の芸を見た。これが面白い。テレビに出ているお笑い芸人より余程場を楽しませ、笑わせる芸がある。歌は何といっても「学生服の山田」のCMソングを歌ったのが良かった。この人、きっと、行く先々の場所の定番ローカルCMの歌を歌えるに違いない。

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2008/08/02

とばせ正義のゴールまで・・・越部信義は健在なり

 もう上映が終わりになってしまうということで、あわてて、新しく清水町にできた静活のシネコン、シネプラザ・サントムーン柿田川に行き、「スピードレーサー」を見てきた。字幕版は既に上映が終了していたので、日本語吹き替え版である。日本語吹き替え版を積極的に見る気はなかったのだが、森功至や内海賢治という「マッハGOGOGO」に出ていた声優の声を聞けたのが良かった。更に良かったのが、越部信義作曲の主題歌をアレンジしてテーマ音楽として使っていたことである。このテーマが聞こえてきただけで、わくわくしてしまったし、長いエンドロールも最後まで見てしまった、というより、聞いてしまった。

 ストーリーはレース映画の典型だが(原作がそうだったから当たり前か)、煎じ詰めれば同じことをしている「カーズ」の古典的なレースシーンとは違って、ゲーム感覚の未来のレースである。本作の監督のウォシャウスキー兄弟の「マトリックス」ではそういう部分についていけない自分を感じてしまって、この手の映画を見なくなってしまったのだが、「マッハGOGOGO」のオープニングでマッハ号がジャンプして車体の下部が見えるというわたしの好きなシーンを、大事なところで再現していたりして、ゲームというよりもマンガ的処理になっているので、懐かしいテーマ曲も手伝って、楽しめた。

 クリスティーナ・リッチが一頃より痩せて、まともなヒロインを演じているのもいい。

 以前、クエンティン・タランティーノが来日したとき、「スピードレーサー」のTシャツを着ていたので気になったのだけれど、タランティーノはどんな思いでこの映画を見たのだろうか。


 ところで、最新の映画館であるシネプラザ・サントムーンだが、これだけ良い映画館が広い無料駐車場付きでオープンしてしまったことが、ボウルビルの息の根を止めてしまったのだろうなあ、と思う。ここに来てしまったら、沼津に住んでいる人間であってもジョイランド沼津には行かなくなってしまう、今日初めて行って、本当にそう思った。客もジョイランド沼津よりはいるように思う。ただし、「スピードレーサー」は私以外に10名くらいの客しかいなかった。

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2008/07/30

びっくりするスカラの終わり

 「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」を見に行こうと思って、ジョイランドの上映時間を検索したら、本作品を上映しているはずのスカラ座があるボウルビルに入っている劇場の上映時間がない。グランド劇場というスカラ座より遙かにスクリーンの小さい劇場でしか上映していないらしい。web上のトラブルで表示されていないのかもしれないと思い、ボウルビルまで行ってみた。見事に閉鎖されていた。昭和39年に7月にオープン以来44年間ありがとうございましたという内容の看板が置かれていた。ボウルビルの取り壊しになってしまうのか、と思い、確かここで始めてみた映画は「ピーターパン」ではなかったか、最後に見たのは・・・思い出せない。家に帰って日記を見たがこの2年間スカラ座には行っていないことがわかっただけ。閉鎖が分かっていたら、何か見に行ったのに!

 さて、「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」であるが、「アメリカン・グラフィティ」で始まり、クライマックスは「未知との遭遇」という同窓会的乗りの、楽しい映画であった。そう思った最大の理由は、ラストの結婚式のシーンの参列者の中にジョン・ハートの顔を見つけたからである。クリスタル・スカルの秘密を知るインディの友人オックスリーを演じていたのであった。また、1957年という時代設定にしたのは、ルーカス=スピルバーグの映画への思いが、この絶妙の年になったのだろうと思う。映画の黄金時代、および、映画的な黄金伝説を信じられた世界の終わりの年として。

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2008/06/16

俺たちフィギュアスケーター

 15日はジョイランドの日で、千円で映画を見れるので、沼津で見れるとは思っていなかった「俺たちフィギュアスケーター」を家族で見に行った。「燃えよ!ピンポン」よりもこちらの方が作りがメジャーである。でも、意外にも下ネタはこちらの方が多かった。
 スポーツをネタにしたコメディという同じジャンルの映画を続けて2本見たわけだが、卓球にはこだわりのある自分には「燃えよ!ピンポン」は実は素直には笑えず、フィギュアスケートには全然思い入れがないので、かえって、「俺たちフィギュアスケーター」の方が単純に笑えて楽しめた。
 主人公たちに優勝させまいと悪巧みをする双生児ペアは、そんなこととしない方が優勝できたんじゃないと思わせてしまうところが、ちょっとブラック魔王とケンケンのコンビを思い出させ、ラストで優勝した2人が空を飛んで星になってしまうのは、ロードランナーを捕まえるのに失敗して、夜空の星になってしまったコヨーテのよう。

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2008/06/14

燃えよ!ピンポン

 静活系のシネプラザサントムーンが清水町に出来てから、ジョイランドで単館系の映画をやっとやるようになってきた。見たかった卓球パロディ映画「燃えよ!ピンポン」がかかっているので、終わらない内に昨夜見に行ってきた。料金割引サービスも拡大していて千円で見ることができた。

 基本的に邦題が示しているように「燃えよ!ドラゴン」のパロディである。カンフーではなく卓球というマイナー(特にアメリカでは)・スポーツでやっているのがいい。怪しい中国人を出せるとしたら卓球、という発想でもあったのだろう。悪役フェンをクリストファー・ウォーケンが喜々として演じていて、面白い。しかし、なんといっても魅力的なのはヒロインのマギーである。卓球自体は、ほとんどのシーンでボールをCGで合成していているので、フォームと打球が一致しないのは、卓球をやっている身からするとちょっと違和感があるが、その無茶苦茶さが、また、笑いのもとである。

 日本人ナガサキにはペンホルダーで戦って欲しかった。

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2008/06/03

トムとバリー 魔法の映画

 映画「ブラザース・オブ・ザ・ヘッド」をwowow録画でやっと見た。映画監督ケン・ラッセル(本人自身が演じている)や原作者のブライアン・オールディス(似てはいるが本人ではない)まで登場させてしまうという仕掛けが面白い。父親に世間から隔絶されて育てられた体が結合してしまっている双生児のロック・スターという部分だけ原作から借りて、30年前に本当にあった話として、美しい双子の妖しく哀しい関係をドキュメントしている。ノーフォーク地方の海岸のじめっとした感じや、肌寒そうな空気感のある映像がいい。でも、「スキャナー・ダークリー」と並んで、一般受けはしない映画だなあ。地元の映画館では上映されなかったのも無理はないが、「スキャナー・ダークリー」とは違って、劇場で見てみたいとは思う。内容ではなく、映画としての存在がSFしている。双子の横顔と正面の顔が重なって一つの顔に見えるというキュービスムの絵画を思わせる止め絵になるラストショットが、いつまでも印象に残る。

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2008/05/29

不明瞭な取り込み画像

 映画「スキャナー・ダークリー」を遅ればせながら、wowowの放映を録画して見た。ディックの原作に忠実にダイジェストしてあり、「ブレードランナー」のような大きな改変がない。原作を3回の翻訳で読んでいる私には、原作の印象的な部分を上手く盛り込んでいるなあと思うの(ドナとの出会いのシーンがないのが残念)だが、原作を知らずに見た人には、何だかわからないシーンの連続と思われるかも知れない。技法に対する疑問も感じる。演じた俳優が誰なのか分かるように実写映像を全編アニメ画像に変換しているのだが、実写そのままで良かったのではないか? それとも、フレッド=アークターの悲劇全体をさらにスキャナーで見ている人間がいるという趣向なのか?

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2008/05/16

THE FABULOUS STORY OF THE DS CAR

 チャンネル銀河で「シトロエン名車物語」を録画して見た。DSに関するフランスで1998年に作られたらしい番組の英語ナレーション版に日本語字幕が付いた物だった。2CVやトラクション・アヴァンの歴史的映像もあって興味深かった。面白かったのは英語のナレーションで、DSと2CVを「デーエス」「ドセヴ」とフランス発音していたこと。この番組の終わった後に「CAR STEREO」なる放送時間の穴埋め的番組があって、イギリスの田舎道を走る右ハンドルのDSが出てきたのにびっくり。DSは、やはり、不思議な魅力のあるクルマである。

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2008/05/01

シトロエン名車物語

加入しているCATVの5月の番組表を見ていたら、「チャンネル銀河」なるNHKの懐かしい番組などを放送しているチャンネルで、「シトロエン名車物語」という番組名を発見した。5月15日午前1:30~2:30、午後1:00~2:00、16日午後1:00~2:00の3回放送されるようだ。これは録画しなくては。

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2008/03/22

GIGAさらば

 25年以上使ってきたビクターのAV-H29S(GIGAというシリーズ名だった)の人の顔の発色のひどさについに耐えられなくなって薄型横長テレビに買い換えることにした。10年位前に一度映らなくなって修理に出した故障が一度だけで、大型ブラウン管テレビとしては良い製品だったと思う。いわゆる地デジについては、我が家はケーブルテレビなので、すでに地デジ対応のセットトップボックスを使う契約に換えており、今のテレビのままでも問題はなかった。だから、テレビが音を上げるか、見ている我が家族がその画質に音を上げるかの問題であった。

 買い換えるテレビの第一条件としては、今のテレビよりも消費電力が大きくならないこととした。29型を買い換えるには、37V型とか42V型とかと宣伝されているが、画面の縦のサイズを調べてみると、32V型がほぼ同じ高さである。消費電力の面から、どうなのかを調べてみたら、32V型までは今のテレビの消費電力155Wを越えない物があったが、37V型になったらすべて消費電力は155Wを越えてしまう。同サイズでは確かに消費電力は小さくなるように進化してきているが、より大きいテレビに買い換えさせようというのでは、消費電力は大きくなってしまう。省エネ(同じ条件で比べるなら、確かに省エネにはなっている)と宣伝しながら、実際には電力消費は増大してしまうように商品を売っているのでは、京都議定書を守るのは至難の業だ。

 液晶かプラズマかということでは。消費電力でおさえてしまったので、液晶になる。液晶で消費電力が小さい物を調べると、やはりというか、シャープになった。ということで、アクオスの32V型から選ぶことにした。フルスペックのハイビジョンタイプは消費電力が条件を越えてしまうので、倍速120Hzタイプか否か、ということになる。店頭で見比べて、やっぱり120Hzが残像が少なくって良いので、アクオスLC-32GH4に決定し、nojima沼津店で14万円で購入した。

 新しいテレビを見た瞬間に、緑がきちんと緑であるというのに気が付いた。AV-H29Sはどうやら緑が一番劣化していたようだ。人の顔色もずっと自然になった。家族で、これは本当はこんな色だったんだと、妙な感動をした。
 

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2008/03/09

久しぶりに、アニメ関係の洋書を買った

 その1.Barry J C Purves著 Stop Motion(Focal Press 2008)
Stopmotion
 これは、以前書いたSASHAの人形の作者Sさんがイラストを描いている本である。Sさんは、広島のアニメフェスでであった人形アニメ(「ネクスト」「スクリーンプレイ」など)の作家である、この本の著者バリー・パーヴスのイギリスのスタジオに遊びに行ったりするほどの親交がある。Sさんからこの本の出版の話を聞いたときには、パーヴスが自身の作品について語っただけの本かと思ってた。ところが、古今東西の人形アニメやその周辺分野(人形劇や腹話術など)、さらには、人形アニメ製作の裏話について書かれている、これ1冊で人形アニメが良く分かる本であった。
Stopmotione
 「アニメの歴史について書かれた本では何故か、人形アニメが無視されている」と、この本の執筆の動機を語る部分では、その昔、ジョー・アダムソンが「TEX AVERY King of Cartoon」で「映画の歴史が書かれるときには、ドキュメンタリー映画については言及されるのに、何故かアニメーションは無視される」と書いていたのを思いだしてしまった。また、パーヴスを人形アニメの世界に誘ったのはレイ・ハリーハウゼンであったという話には、パーヴスはやっぱり自分と同世代であったのだなあ、と初認識。


その2.THE HANNA-BARBERA TREASURY(INSIGHT EDITIONS 2007)
Hbtreasury
 これは、SCMの新年会をやったとき、わいりーさんから教えてもらった本。所々にポケットがあって、動画用紙のコピーやらキャラクター・カードの復刻複製などが入っていて、楽しい。SCMの新年会でカラオケに行ったときに、「電子鳥人Uバード」(原題:BIRDMAN)を歌いたかったのに曲がなかったのが不満だったので、この本にBIRDMANの絵なんかがたくさんあって、ちょっとうれしい。
Hbtreinside


その3.Jerry Beck他著  The ANIMATED MOVIE GUIDE( A Cappella Book 2005)
Animov
 その2の本にも関わっている、アニメ研究家ジェリー・ベックが中心になって書かれた劇場用長編のガイドブック。ミシュランのように星印の数で評価されている。星4つが最高評価で、2つが水準作。日本の作品もたくさんある。パラパラ見た印象では、ディズニーと宮崎アニメの評価が高い、というある意味当たり前の評価である。しかし、例えば、日本では評価が高い「やぶにらみの暴君」、アメリカ公開タイトルThe Adventures of Mr.Wonderbirdやディズニーの「不思議の国のアリス」が星2つ半であるのに、「アラジン」が星4つというちょっと、不思議に感じる部分もある。
Animovinside
 面白かったのは、「ライオンキング」に対するコメントで、日本のマンガ・ファンから「ジャングル大帝」に似ているとクレームが付いたということを紹介している。この中で「ジャングル大帝」の作者を、Ozama Tekuzaとしているのだが、「クレオパトラ」や「千一夜物語」などの手塚作品の項目ではきちんと、Osamu Tezukaとしてあり、索引にもOsamu Tezukaで載っている。不思議だ。


その4.Jerry Beck著  LOONY TUNES THE ULTIMATE VISUAL GUIDE (DK Publishing,Inc. 2003)
 これまた、ジェリー・ベックの本。タイトルそのままでの本である。今まで出ていたワーナー漫画の本では大きく扱われていなかったマイナー・キャラも見開きページで大きく出ていたりして楽しい。なにより、英文が少ないのが良い。

Loony
Loonyinside

その5. Frank Espinosa文 San Wei Chan絵 Draw the Loony Tunes (Chronicle Books LLC 2005)

 副題にキャラクターデザイン・マニュアルとあり、これがこの本の内容を一言で示している。ワーナーが版権の総元締めのためか、ハンナ・バーベラのテレビアニメのキャラクターの絵も使われている。 これを見れば、バッグス・バニーを上手く描けるようになりそうだ。

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2008/03/02

世界卓球日本男子銅メダル

 卓球日本男子チームの韓国との凄い戦いが終わり、銅メダルが決定した。戦前の予想では、ドイツに次ぐグループ2位で決勝トーナメント進出が妥当なところではないか、ランキングが6位なので、ベスト8に入るのが順当なところか、と思っていた。ところが、ドイツのエース、ボルが怪我のため出場しないということになって、リーグ1位になれる可能性が出てきて、水谷隼がスーパープレーを連発すれば、メダルも可能かなと思っていた。でも、予選リーグで、ロシアやフランスに苦杯をなめる可能性もある。女子のようにまあ、3位には入れるだろうというような読みがしにくいのが男子の卓球だ。優勝候補の中国だって、女子のような安泰さはない。男子の方が各国の各選手の力が接近しているのだ。だからこそ、福原愛より水谷隼の方が世界チャンピオンになれる可能性が高いのである。そういう中での久しぶりの銅メダルは価値がある。

 今回の韓国戦で一番良かったのは、テレビ東京が深夜ではなく、ゴールデンタイムに放送してくれたことだ。ユ・スンミンというとんでもない選手と互角の戦いをする水谷の姿を多くの人に見てもらえたかと思うと、これは、銅メダルを取ったことよりも、今後の日本男子の卓球チームにとって大きなプラスになると思う。あの、女子にはないダイナミックなラリーを見て、卓球に対するイメージを変えた人間も多かったのではないか。北京オリンピックのテレビ中継での男子卓球の扱いも良くなる気がするのだ。

 とにかく今回の世界選手権で、水谷隼が順調に成長して、世界のトップまであと少しというところまで来ているのが確認できて嬉しい。実際には、ここから先が、常人を超えた世界になっていくので大変なのだが、4年後までには世界チャンピオンになって欲しい。また、松平健太を初めとする更に若い世代の才能ある選手達が成長して、帰化選手に頼った等と言われない団体チームで金メダルを取って欲しい。実際、取れる可能性は十分にあるのだ。

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2008/02/11

海の誘い

 かつてのSF仲間たちが再び集まってやり始めたSNSで「海洋SFが読みたい」という話が出たことがきっかけで、三木敏悟とインナー・ギャラクシー・オーケストラの「海の誘い」を突然聴きたくなって、LPをプレーヤーに載せた。出だしからTBM(スリー・ブラインド・マイス、LPの製作発売元)サウンドである。ボーズ464と相性がいいサウンドなのか、SACDのようなクリヤーさを感じ、久しぶりに聴く懐かしさというより、新鮮さがある。

 このLPに参加しているヴォーカルの中本マリは、地元の今は無きジャズ喫茶「しおじ」のライブを聞きに行ったっけ。小さかった娘を連れていって、娘が演奏中お絵かきをしているのを中本マリに気付かれて、曲の合間に「お嬢ちゃん、お絵かき、楽しい?」とかなんとか声を掛けられてしまった。

 「海の誘い」の中では、「野郎人魚の宴」が楽しくって、一番好きなのだが、「スターウォーズ」の「酒場のバンド」に雰囲気がそっくりだ。半漁人の宴会って、怪しい宇宙人の集まる酒場のイメージに極近い。曲が作られたのはほぼ同じ頃。三木敏悟がジョン・ウイリアムスに対抗心を燃やしたのだろうか? ところで、三木敏悟は、今、どうしているのだろう?

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2008/01/14

C4燃費53

●満タン法
  走行距離  415.0km
  給油量    51.85L
  燃費       8.0km/L

  総走行距離  25505.7km
  総給油量    2875.11L
  総燃費     8.9km/L

●オンボード・コンピュータ
  走行距離  415km
  燃費     8.0km/L
  平均時速  19km/h

 今回も通勤が主体だが、蒲原町まで行ったりしたので、少し燃費はよい。暮れに給油したときには、166円/Lだったハイオクが、159円/Lまで値下がりしていた。

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2007/12/31

2007年の本と映画

2007年に読んだ本

「虚数」S.レム
「真理を求めて」インフェルト
「新しい電池の科学」梅尾良之 講談社ブルーバックス
「トラストDE」Y.エレンブルグ
「妖星伝魔道の巻」半村良
「新しい高校化学の教科書」講談社ブルーバックス
「キマイラ」J.バース
「大失敗」S.レム
「新しい高校物理の教科書」講談社ブルーバックス
「砂漠の惑星」S.レム
「異邦からの眺め」F.ロッテンシュタイナー編
「ブラーズ・オブ・ザ・ヘッド」B.オールディス
「高い城 文学エッセイ」S.レム
「蟻塚の中のかぶと虫」ストルガツキー兄弟
「大都会」L.ラードナー
「東欧SF傑作選上」創元文庫
「ゲージ場の理論」岩波講座現代の物理学
「壺を抱いたネコニャ」柊あると
「幻の下宿人」R.トポール
「地球惑星科学入門」岩波講座地球惑星科学
「魔法」C.プリースト
「奇術師」C.プリースト
「全地球凍結」川上紳一
「深海のパイロット」藤崎、他
「双生児」C.プリースト
「最後から2番目の真実」P.ディック 創元文庫
「素粒子」M.ウエルベック
「ある島の可能性」M.ウエルベック
「生物と無生物の間」福岡伸一
「地球システム科学」岩波地球惑星科学講座
「ワープする宇宙」L.ランドール
「クルマでわかる物理学」古川修
「経路積分の方法」岩波講座現代の物理学
「地球環境論」岩波講座地球惑星科学
「現代物理最前線5 4次元を超える時空と素粒子、他」共立出版
「富士山噴火」鎌田浩毅
「族長の秋」ガルシア=マルケス
「照葉樹林文化とは何か」佐々木高明
「地震の日本史」寒川旭
「アインシュタインの夢」A.ライトマン
「東欧SF傑作選下」創元文庫
「日本人はどこから来たか」樋口隆康

 授業で地学分野を教えることになったので、そのために読んだ本が多い。このペースじゃいっこうに積読状態解消せずだなあ。SFでは、レム、オールディス、プリーストという御贔屓作家の新作が読めたことが一番。


2007年に見た映画
 劇場で見たもの
「プレステージ」(ジョイランド沼津)
「河童のクゥと夏休み」(ジョイランド沼津)
「アーサーとミニモイの王国」(ジョイランド沼津宝塚劇場)
「トランスフォーマー」(ジョイランド三島シネマ2)

 ビデオ、DVDなどで見たもの
「裸足の1500マイル」
「夢のチョコレート工場」
「間宮兄弟」
「アーリャマン」
「喜劇王」
「テルミン」
「トランスポーター」
「ならず者部隊」
「栄光のジャングル」
「スクリーマーズ」
「コンゴ」
「ギター弾きの恋」
「おいしい生活」
「スコルピオンの恋まじない」
「リトルヴォイス」
「万事快調」

 なんと、映画館に4回しか行かなかった! 録画したビデオの山もいっこうに減らない。ゴダールの「万事快調」を見ているときに(暇がないので、いっぺんに見ることが出来ず、1週間位かけて少しづつ見ていた)、NHKのBSで昨年亡くなった実相寺昭雄の番組をやっていて、やっぱり実相寺はゴダールの影響が大きかったなあ、と確認できた偶然に驚いた。

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2007/10/27

はるかな星がふるさと、か

 今朝の朝日新聞の土曜版「be on Saturday」を見たら、1面トップに、宇宙の彼方に消えた恋、その下の写真が円谷プロの怪獣倉庫の写真、モロボシダンと友里アンヌ「ウルトラセブン」と続いていて、普段は写真を見て終わりにしているのに、今回は記事を2面まで読んでしまった。いわゆる円谷ファンには既によく知られている内容でしかなかったが、30年前に何度か祖師ヶ谷大蔵に足を運んだことを思いだした。

 それは、円谷プロの電話番号が分かったので見学したいと電話してもらえませんかとサークルの後輩に頼まれたことから始まった。意を決して電話したら、電話口に出たのは今日の朝日新聞の記事にも出ている満田かずほ(字が出ない。禾齊という字です。)さん。その時には、まだ円谷プロ関係の本など出ておらず、満田さんが「ウルトラセブン」などの監督をしていたなどとは、私は知らなかった(番組のタイトルで見てはいたのだろうが、小学生がそんなスタッフ名を気にとめることなどなかった)。ただの営業事務の担当者だと思って、こちらの見学の意向を伝えた。そしたら意外にも、すんなりとこちらの希望通りに話が進み、見学できることになった。その時に怪獣倉庫や東宝ビルドの撮影の様子(「アイゼンボーグ」を撮っていた)を見せてもらった。

 この最初の見学のおみやげに、「ウルトラマン 電光石火作戦」の白黒16ミリ・フィルムをもらった。これは今、私の手元にある。旧作のフィルムを借りられることも分かり(もちろん有料。確か30分番組のフィルム1本で1万円だったと思う。)、大学祭での上映会のために借りるようになった。金のない大学生であったので、サークルの仲間それぞれが自分の見たい作品を1つ選んで出資し、代表が集めたお金を持って祖師ヶ谷大蔵に行きフィルムを借りてきた。暗くした中で見る「怪奇大作戦」の実相寺昭雄監督作品などは、TV放映時には気付くわけもなかった映像の凝り方にうなったものであった。(ビデオ普及以前には、どこからかフィルムを借りてくる以外に、作品を見直す手段はなかったのである。)

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2007/10/15

伊良湖黒潮総会

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 第38回アニメ総会に行ってきました。部屋割りがSCMグループで一緒だと思っていたら、自分だけ、久しぶりに参加するオールド・アニメファン(今回の主催サークルTACを作り、上京してアニメーターになった後、SL写真家として有名になった南正時さんなど)部屋に。参加者の顔ぶれを見て、こちら側に入れられても仕方がない年齢になってしまったか、と妙に納得する。

 シトロエンC4で出かけたので、東名走行中に気になるクルーズコントロールを使ってみたが、不具合は発生せず。前回急に使えなくなった時と同じように、設定速度を変えるということを何度かしてみたが、問題なし。いったい、突然使えなくなるというのは何だったのだろう。

 伊良湖とアニメ総会というと、1982年第13回総会の時(参加者全員でアニメを作るという企画がメインで、当時学生だった庵野秀明がいかにも庵野らしい作画をしたのが記憶に残っている)、やはりTAC主催で知多半島の内海で行われた時に、この伊良湖からフェリーに乗っていったことを思い出す。そのときと同じように東名を浜松インターで降りて1号線から湖西市白須賀の交差点で42号線に入っていった。82年の時の記憶は薄れ、88年に当時勤めていた職場の同僚と買い換えたばかりのシャトル56iで伊勢に渡った時にも通ったなあと思いつつ、沿道の畑とメロン狩りの看板はその頃と余り変わっていないようだが、こんなに時間がかかったかなどとも思ってしまう。同じような光景は記憶の中でカットされてしまったのだろうな。

 かつて無理やり参加者にアニメを作らせたTACだからか、いや、自主制作のTACだったから(今回の総会でかつての作品集が8ミリ映写機で上映された)、今回、3秒間18枚のパラパラアニメの「宿題」があった。作画用紙をスキャナで取り込んでWEBページにして1秒約6枚のスピードでページを切り替えてアニメに見せるというものである。この「宿題」は任意であるが、悩んだ末、前日に18コマの絵を描いた。アニメになる絵を描くのは実に久しぶりである。自己紹介のときに、自分のものがスクリーンに映し出されるのだが、2CVでやってきたK.Jr.君も、まるで同じ発想だった。つまりは、C4のトランスフォーマーCFのもじりである。私はK.Jr.君のような画力はないので、単純な線画のメタモルフォーゼ・アニメにしたが、彼は自分の運転する2CVをきちんとロボットにした。しかも色つきで。
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 土曜の朝、出かけるまでに時間があったので、テレビのチャンネルをパラパラ回していたら、ケーブルテレビの自主放送チャンネルで、2000年7月にwowowで放送されたオーストラリアの鉄道の旅が放映されていた。ケアンズ、ロックハンプトン、ブリスベンという私が行ったことのある都市の紹介も入っているので、ちょっと懐かしく感じて見続けた(実はこの番組、初めてのオーストラリア、それもロックハンプトンに行くことになった時に、その直前に放送され、情報の少ないロックハンプトンという町の様子を知りたくて、見ていたのであった)。そして、今度ロックハンプトンに行くようなことがあったら、ブリスベンから列車で行くのもいいかもなどと思ったりしたのだが、よもやそのときには、総会で、南さんが鉄道写真家に転進したばかりの頃8ミリフィルムで撮ってきた、今はもう走っていないヨーロッパの特急列車の貴重な映像を見られるとは思ってもいなかった。こういうアニメ以外でも貴重な物が見られるのが、総会の良さだな。

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2007/10/10

ブルータスの真相

 ポパイのライバルは、ブルートである。ところが、このブルートという名前が途中でブルータスに変えられた。この変更の理由として、どこで誰が書いたのかもう忘れてしまったが、ディズニー・プロから犬のプルートに似ているとクレームがついて変更になった、というのを読んだ記憶がある。ところがである。読もうと思っていたが放り出したままになっていた”Popye:An Illustrated History”(Fred M. Grandinetti;1994)を何の気なしにパラパラめくって、目に留まったページを読んだら、次のように書いてあったのだ。

 (「ポパイ」の権利を持つ)キングフィーチャーが1960年に「ポパイ」のテレビアニメ版を制作しようとした時に、ブルートはフライシャーやフェーマス・プロ制作の劇場版「ポパイ」のアニメに出てきたキャラクターで、その権利はこれらの漫画映画を公開していたパラマウント映画にあると誤解して、ブルータスに変えてしまった。実際には、キングフィーチャーが権利を持つセガーの原作漫画に先にブルートが登場していたにもかかわらず。

 さらに驚いたのは、この1960年の「ポパイ」のテレビアニメ版は、ジーン・ダイッチやハラス=バチェラーが実際の製作に関わっていたこと。買ったときに、多少とばし読みでも良いから目を通しておくべきだった、とつくづく思う。

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2007/09/18

トランスポート!

 CATVのムービー・プラスでリュック・ベッソンがプロデューサーの「トランスポーター」をやっていたので見た。開始早々のニースの町中でのBMWとプジョー307のパトカーのカーチェイスが痛快である。私にとってこのシーンが印象深くなるのは、主人公の運び屋(トランスポーター)の運転するBMWが追いつめられて絶体絶命の時に、なぜか2代目シビック・シャトル(フランス風のイエロー・バルブのヘッドライトになっている)を積んだカー・トランスポーターが現れて窮地を救うからである。これで、シトロエンC4が登場していたら凄いのだが、この作品は2002年の作なのでC4は出てこない。クライマックスでは、ルノーのトラックを追いかけて、ルノー5も煙を出して活躍する。

 凄腕の運転技術を持つ運び屋が、ある組織の「荷物」を運ぶことになったために、命を狙われるようになってしまうのだが、これって、リチャード・フライシャー監督の「ラストラン」だ。チャン・ツィイーかと見間違えた中国人女優が出てきて、ジャッキー・チェンかジェット・リーの映画みたいになっていくので、途中から「ラストラン」からどんどん離れて行くが、基本の設定は同一である。リメークといっても良いくらいだ。2002年はまだ、リチャード・フライシャーは生きていたから、この作品を見たかもしれない。

 この作品、劇場で見ておくべきだったなあ。

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2007/09/17

リュック・ベッソンと3DCGの王国

 「アーサーとミニモイの不思議な国」(日本語吹き替え版)を先行上映で見た。地元の宝塚劇場で、夜7時20分からの回を見たが、なんと、我が家族3人以外には客は入らず、貸し切り状態で見た! 先行上映だと各種割引も効かないが、貸し切りになってしまうなら、割り引かれずともまあいいか(もっとも800円分の駐車料金の割引はしてもらえたが)。この間「プレステージ」を見たときにも自分以外にはもう1人くらいしかいなかった。70年代後半から80年代前半の映画冬の時代に映画館を増やしたと業界でも注目された東部事業所も近くにシネコンができて苦戦している状態。

 本題に話を戻すと、ミニモイの世界のCGキャラ・デザインや動きは、ディズニー=ピクサーのカートゥーン風とは違って、ヨーロッパの人形アニメ風。ティム・バートンの「マーズ・アタック」を思わせる悪役キャラもいる。主人公達は、日本の人形作家与勇輝(字はこれで合ってたっけかなあ?)の作る子供達にも似ている気がする。庭にある異世界ということでは「ミクロキッズ」を連想させた。昆虫も出てくるので「アンツ」や「バグズライフ」も思い出したが、それよりもNHK教育テレビでやっていた「インセクト」(だと思ったが)というフランス製のCGアニメの雰囲気だ。もしかしたら、CGのスタッフは同じなのかな。(以前だったら、こういうことは自分できちんと調べたりしたものだが、最近は時間ばかりでなく、そういうことをしようという気力が無くなってきている。自分が調べなくても、誰かが調べてくれるだろうという気持ちもある。)

 ミニモイの王様は、なんとなくジャン・レノに似ていると感じたのだが、オリジナルの声優はロバート・デニーロだった。デニーロと言われれば、デニーロにも似ている気がする。

 一言で見た感想をまとめるなら、こういうファンタジーは好きだなあ。

 「トランスフォーマー」よりもお薦めです。

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2007/08/16

クゥの音も出ない

 今から30年ほど前(宮崎駿が監督デビューする前だ)、「太陽の王子ホルスの大冒険」と「長靴をはいた猫」のどちらを日本の長編劇場用アニメのナンバー1にするかというような話を望月信夫さんなどとしたときがあった。そのときに、望月さんが、「ホルス」はアニメには不得手な心理描写をしていてそのような心理描写は実写映画にかなうはずがなくそんなことをせずにアニメにしかできないギャグやアクションに徹した「長靴をはいた猫」がナンバー1なのさ、というようなことを言った。。原恵一監督の「河童のクゥと夏休み」を見て、頭に浮かんできたのは、なぜか、この望月さんの言葉なのである。それは、「河童のクゥと夏休み」は、実写映画にはできない心理描写とアクションとギャグが見事に調和した作品になっていたからである。昨年見た「時をかける少女」もそうであったが、生身の肉体を持つ俳優ではできない感情のエキスを人間の心理のコアを純な形で表現できているのである。このような表現は、日本のアニメがもっとも世界に先んじている部分であるように思う。 

 なかなか夏休みにならないわが身にとって、沼津では朝1回しか上映してくれないこの作品を見るのは難しかったが、やっと時間を作ってみることができたのであった。午前中は丸つぶれになる長い作品だが、半世紀以上生きてきたおっさんにも楽しめる作品だった。おっさんといえば、この映画では、犬のオッサンが一番気に入った。

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2007/07/13

第38回全国アニメーション総会伊良湖大会

 結成40周年を迎えたTAC(東海アニメーションサークル)が9年ぶりに主催する第38回アニメ総会の案内が来ました。同じ時期に行われているFBM(フレンチ・ブルー・ミーティング)と今年も重なってしまいました。ということで、私は今年もFBMをパスして、アニメ総会へ行きます。

 日時:2007年10月13日(土)15時受付開始 16時開会
              14日(日)11時頃解散
 
会場:愛知県田原市伊良湖町  恋路ヶ浜「黒潮

 定員:70名

 参加費:14000円(予約金5000円) 子供・幼児料金の設定あり

 申し込み締め切り:9月15日

 詳しくは、アニペケWeb

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2007/06/24

1941分かれ道

 クリストファー・プリーストの「双生児」を読み終えた。「逆転世界」を思わせる最終ページのどんでん返し。しかし、これは、「逆転世界」やディック作品のように単純ではない。「奇術師」と似た構造ではあるが、謎解きだけの物語ではない。それはある意味どうでもよいことだ。アニメ版「時をかける少女」を歴史上の大分岐点でやっているだけと言ってしまうこともできる。チャーチルやルドルフ・ヘスの事を良く知っている歴史好きには、いかにもありそうなことだと思わせる筆力の確かさと凄さ。できのいいアヴァンギャルド映画を見たような読後感もある。ビュトールの「時間割」やダレルの「アレクサンドリア四重奏」も連想させる。物語を物語るということはどういうことなのかを意識せずには、小説を書けない時代の小説である。したがって、好きな人間(たとえば私)にはたまらないが一般には余り受け入れられるとは思えない小説だ。オールディスの「ブラザース・オブ・ザ・ヘッド」(おっと、これも双子の物語だった!)も映画化されたお陰で翻訳出版されたが、この「双生児」も「奇術師」の映画化のお陰で出版されたと考えるべきで、「プレステージ」様々である。

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2007/06/16

2人のクリストファー

 映画「プレステージ」を見た。クリストファー・プリーストの原作から、二人の魔術師の確執だけを取り出して、クリストファー・ノーランが映画化している。そうなると、ヒュー・ジャックマン演じるアンジャーが追い求めた、ライバル・ボーデン(クリスチャン・ベール)の秘密が、この映画の結末を話さないで下さいと指示される秘密である。その秘密を原作で知ってしまっているわけだから、私のこの映画への興味は、結末をそうだったかと納得させるための伏線の貼り方に、どうしてもいってしまう。何と、冒頭から、ほのめかしの映像だらけである。

 この映画を見に行って、驚いたことが二つある。映画の結末に驚いたのではない。映画館に入ったら、土曜日の夕方からの回だというのに、他にお客さんがいない。始まる直前になってもう一人入ってきたが、それ以上客が来ない。何だか、20年以上前にもどったみたいだ。「旅芸人の記録」などをほとんど貸し切りで見た頃だ。次の驚きは、「プレステージ」の上映が始まって、タッチストーンのロゴが出た後、ワーナーのWB盾マークが続いて出たことだ。ディズニーランドにバッグス・バニーがいたような衝撃!
 

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2007/06/06

柊あると「壺を抱いたネコニャ」(新風舎文庫)

Hiiragi
 突然、30年近くの知人ではあるが、遠くに住んでいるために、今では、年賀状のやりとりしかしていないMJさんから、表題作を出版したからと、本が送られてきた。あまりに突然すぎたので、本当にビックリしてしまった。創作活動を続けていたのね。

 早速読んでみた。初めてあった時の夢見る少女のような作者のイメージが記憶に残っているので、タイトルの「ネコニャ」から、ファンタジーでも書いたのかなあと思って読み始めたら、全然違う。大人の女の生理が吐露されている部分があって、ここでもビックリ。ちょっと彼女の同居人氏(プジョー206に乗っている)のことも想像して、ムフフと思ってしまう。ただ、主人公の男女の関わり方は、わが家に似ていて、少々身につまされる。同居人の冬の電気毛布替わりになっているのは、全く同じだ。

 日の当たる暖かい部屋に寝そべってピアノの演奏を聞きながら読書するという、ネコニャと呼ばれる、主人公の恋人の男の行動は、実際にはできない。何故かというと、私もそれをしてみたくてピアノ弾きの妻と一緒になったが、狭い日本家屋の、それも防音設備をした部屋では音がこもって、モーツアルトの子守歌であってもうるさくて、本など読んではいられない。これは体験談である。読書するなら、ステレオで適度な音量にして聞くのが一番である。

 登場人物も少なく、舞台もほとんど1軒の家ですんでしまうので、自主映画の原作になるなあ、とも思う。私がシナリオ化するなら、ネコニャの正体はもっと謎のままにして、見た人が後で色々想像する余地を残す、かな。

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2007/05/04

突然、ジョン・ゾーン

 世の中連休だというのに、仕事が続く。そんな昨晩、急にジョン・ゾーンの「スパイVSスパイ」が聞きたくなった。それで、CDを引きずり出して聞いてみた。こんなにクリアーな音だったのか、とちょっと驚く。そういえば、スピーカを替え、CDプレーヤーを替えた後には聞いていなかった。90年代の初めにCDを買ったときに聞いたきりで、その後聞いていなかったのであった。なぜ、ジョン・ゾーンなどというある意味とんがったアルトサックスの即興ミュージシャンに出会ったのかというと、「ジャズ・アヴァンギャルド」などという本に、ワーナー漫画の音楽を担当したカール・スターリングにもっとも影響を受けて曲作りをしている、という記述があったからである。カートゥーン・ミュージックから影響を受けたジャズ、なんて魅力的ではないか!

 「スパイVSスパイ」を聞いて、自分が勘違いしていたことに気付いた。このアルバムは、かのフリー・ジャズの創始者オーネット・コールマンの音楽を料理したもので、自分が聞きたかったのは映画音楽を料理した「ネイキッド・シティ」の方であった。「バットマン」や「暗闇でドッキリ」、「007/ジェームズ・ボンドのテーマ」を実は聞きたかったのであった。「スパイVSスパイ」もゾーンとティム・バーンの2本アルトが面白いので、そのまま聞いてしまい、オーネット・コールマンも久しぶりに聞きたくなった。でも、「スパイVSスパイ」は、やはり、ヘヴィで、続けて聞く気力は出ない。ということで、続きは今晩、先程聞いたのであった。「淋しい女(ロンリーウーマン)」は、オリジナルのコールマンと聞き比べて、ゾーンのダイジェストの鋭さに、笑えた。

 やっと、明日明後日は休みである。久しく聞いていないCDを聞く連休にしようかな。

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2007/02/28

オールディス「ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド」読了

 レムの「大失敗」についてネットで検索しているときに、ブライアン・W・オールディスの新作が河出文庫から出ていることを知った。実のところ、一番好きな作家と聞かれれば、このオールディスなのである。で、早速入手し読んだ。腰のところで癒着している双子(いわゆるシャム双生児)のトムとバリー(なんか「トムとジェリー」のもじりのようだ。喧嘩ばっかりしているし)の物語で、オールディスらしい遊び心があり、面白かった。

 何を突然、オールディス作品が出るのかと思ったら、キース・フルトン&ルイス・ペペにより映画化されて、この1月から日本公開されているのに合わせて出版されたということだ。「A.I.」と同じパターンである。映画化作品以外、「マラキア・タペストリ」以降の新作が翻訳されていない状態がオールディスについては続いていて、実に残念だ。サンリオ文庫で出版予定があった「80分時間」やヘリコニア3部作を、早く出して欲しいと思う。

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2007/02/15

修善寺梅林~百笑いの湯

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Fujisyuzenjibairin2

 2月11日は久しぶりの1日休日だったので、家族で日帰り温泉に行こうということになり、まだ行ったことのない修善寺の時の栖・百笑いの湯に行くことにし、せっかくこの時期に修善寺まで行くのだからと、梅林にも出かけた。沼津から414号線を使って出かけたが、さずがに暖かい3連休の中日でかなりの渋滞である。夏のお盆の時期に近い。裏道を使うことも考えたが、年寄りを乗せているので、そのまま国道で行くことにした。まず、梅林に寄ったが、駐車場から込んでいる。広くない駐車場なので隣の車との間隔は狭い。こんな時には、C4にサイドプロテクション・モールを付けておいて良かったと思うのであった。乗り降りの時にドアを開けると、サイドプロテクションが隣の車に触れているのである。

 修善寺温泉場から沼津方面に戻って、熊坂にある百笑いの湯に入った。道路沿いにタイ風の建物(バイキング・レストラン)があり、その先に日帰り温泉施設がある。ここは昔、帝産ヘルスセンターがあったところだ。さらにさかのぼると、大仁金山の工場があったところである。金山の跡は一時ゴールドタウンという観光施設になっていたこともあり、「戦え!マイティ・ジャック」のロケ地に使われたり、「マジンガーZ」でそれらしき場所が出てきたりしたのを覚えているが、その頃、実際に行ったことはなかった。帝産ヘルスセンターとあわせて、しばらくの間、それこそゴーストタウンと化していて、伊豆の有名な廃墟の一つになっていたが、米久の手で、再び、観光施設としてよみがえっていた。駐車場の裏手には、金山の工場跡がまだ残されている。

 この温泉の料金は大人休日2000円で、沼津インターそばにある万葉の湯とほぼ同じ。施設的にも、似ている。ただし、温泉の種類はこちらの方が多く、館内のレストランの料理は、さすがに米久、思っていたよりずっと良い。でも、砂風呂や岩盤浴は別料金になってしまうのが、財布にはきつい。自宅から多少時間はかかるが、万葉の湯やユネッサンに行くよりは、コストパフォーマンスは良い気がした。


(付記)この記事にだけ、変なトラックバックが続いているので、トラックバックを受け付けない処置をします。(3/4)

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2007/01/13

長生きシャーロット

 昨年久しぶりに映画館に行き、「時をかける少女」を見た時に、「シャーロットのおくりもの」の予告編をやっていて、驚いた。かつて、かのハンナ・バーベラ・プロでアニメ化されたことがあったE.B.ホワイトの児童文学の実写(とはいっても、明らかにCG多用だが)映画化である。今頃になって、なぜ?、という感じも受けたし、かつてのアニメ作品を実写映画化する流れもあるので、それなのかなあ、と感じたのだが、私の見た新聞などの映画評では、ハンナ・バーベラ版のアニメには触れられていなかった。

 暮れになって、ジョー・バーベラの訃報を知り、「シャーロットのおくりもの」も公開されたので、どこかのテレビ局で、バーベラ追悼を兼ねて、冬休みアニメ劇場みたいな感じでやってくれないかなあ、などと思っていた。そしたら、妻子がダコタちゃんを見てきたといって、「シャーロットのおくりもの」のパンフレットを渡してくれた。案の定、パンフレットの解説文では、アニメ版のことに触れてはなかったが、関連商品宣伝の最終ページの下の方に、アニメ版のビデオ・ソフトの宣伝が出ていた。そこには、ハンナ・バーベラ制作の文字はなく、主人公のブタの絵が目立つだけであった。「トムとジェリー」のハンナ・バーベラが作った、って書いたら、このアニメ版も買ってみようと思う人も多くなるのに、と思ってしまったくらいである。

 そんな感想をここに書くか書くまいかと思っていたところ、このアニメ版の監督の一人、イワオ・タカモトの訃報も入ってきた。一時期のハンナ・バーベラ・プロの中心的アニメーター、ディレクターである、という知識しかなかったが、この訃報で、ディズニー・プロから仕事を始め、「弱虫クルッパー」(日本の新聞各社の訃報で、きちんと、この日本放映タイトルを書いていたのは、良かった)のクルッパー(スクービー)のデザインをしたことを初めて知った。と、同時に、スクービーのアメリカでの人気の大きさを感じたのであった。

 タカモト監督の「シャーロットのおくりもの」(1973年作)を初めてみたのは、今からほぼ30年前、1978年のやっぱり正月だった。地元の映画観賞サークルが、建て直されてしまう前の三島市民会館の大ホールで行った自主上映会でだった。東映動画の「長靴をはいた猫」と同時上映だった。そのために、「シャーロットのおくりもの」が、ちょっとつまらなく感じられてしまったのだった。でも、ウォルト・ディズニー亡き後のアメリカ・アニメ界を引っ張っていくのは我々だという意気込みと作品作りの良心は十分感じられるものだった。面白いのは、ハンナはこの作品に愛着と自信があったらしく自伝で取り上げているのだが、バーベラは自伝では全く触れてない、ということだ。この作品、かつて日本でもビデオ発売されていて、それで見たという人もいると思う。

 ゲイリー・ウィニック監督「シャーロットのおくりもの」のおかげで、図らずも、イワオ・タカモトの代表作のDVD発売となったことは、彼の父祖の地での一番の追悼となったように思う。

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2006/12/31

2006年に見た映画

*劇場で見たもの
 「キング・コング」(沼津ミラノ座)
 「単騎千里を走る」(沼津グランド劇場)
 「プロミス 無極」(沼津名画座)
 「プロデューサーズ」(三島シネマ5)
 「パイレーツ・オブ・カビリアン デッドマンズ・チェスト」(沼津スカラ座)
 「カーズ」(三島シネマ5)
 「日本沈没」(沼津グランド劇場)
 「グエムル」(三島シネマ1)
 「時をかける少女」(沼津グランド劇場)

*ビデオで見たもの
 「赤ひげ」
 「ブレードランナー 最終版」(LD)
 「銀座の若大将」
 「シビラの悪戯」
 「ストリート・ファイト」(原題CoonSkin)
 「愛の狩人」
 「ギリーは首ったけ」
 「死の泉」
 「沼地という名の町」
 「ラスト・ラン 殺しの一匹狼」
 「脅迫ロープ殺人事件」
 「絞殺魔」
 「マジェスティック」
 「王子と乞食」
 「悪いことしましょう」(ブレンダン・フレーザー主演のリメイク版)
 「アントニオ・ダス・モルテス」
 「恐怖の土曜日」
 「反逆者の群れ」
 「10番街の殺人」
 「ソイレント・グリーン」
 「マルホランド・ドライブ」
 「ラーマーヤナ」(東宝の人形映画)
 「ぬかものがたり」
 「お伊勢参り」
 「伊勢志摩」(本多猪四郎監督の記録映画)
 「グリーン・デスティニー」
 「パルーカヴィル」
 「大人のための残酷童話 妖精写真」
 「ウィッカーマン」
 「キカ」
 「インビジブル・マン」
 「フィアー&デッド」
 「ベンゴ」 
 「ケス」
 「オー!ブラザー」
 「スパニッシュ・プリズナー」
 「ブラック・マスク」
 「Xファイル・ザ・ムービー」
 「レニングラード・カウボーイズ モーセに会う」
 「パイレーツ・オブ・カビリアン」 
 「ディアボロス」
 「ダニー・ザ・キャット ハリウッドを行く」
 「キャッツ・アンド・ドッグス」
 「アンジェラの灰」

 今年もまた、劇場では9本しか見ていない。ほぼ毎週映画館に行っていた頃があったなんて信じられないくらいである。地元に映画館が増えても、見たい映画をやってくれていない、というのが現状である。リチャード・フライシャーが亡くなったので、wowow等で録画したままだったフライシャー作品(「ラスト・ラン 殺しの一匹狼」「脅迫ロープ殺人事件」「絞殺魔」「マジェスティック」「王子と乞食」「恐怖の土曜日」「反逆者の群れ」「10番街の殺人」「ソイレント・グリーン」)を見る良い機会になった。実際にあった殺人事件を元にした映画をいくつか作っているのが面白い。ヒッチコックのようなサスペンスの盛り上がりはなく、案外あっさりと犯人が割れてしまったりする演出をしているのだが、それほどつまらない作品にはなっていない。亡くなったといえば、実相寺昭雄監督である。遺作の「シルバー仮面」(仮面の仮の字は旧字体だが出てこない)を早く見てみたい。

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2006/12/18

時をかける少女

 沼津の映画館で遅れて上映されていた「時をかける少女」が終わってしまうので見に行った。アニメ総会の時に、この夏のアニメで一番良かったという話を聞いていたため、気になっていったのだ。そして、最近では珍しく家族3人で見に行った。国産の劇場用アニメを映画館で見るのは、かなり久しぶりのような気がする。丁寧に作られたできの良いアニメであり、テレビ作品であったら動かさないだろう遠景の人物もきちんと動いていて、何より、夏休み直前の高校の雰囲気がきちんと出ていたのが良かった。でも、NHKのテレビドラマが学校で話題になったときにも、大林宣彦-原田知世の映画の時にも思ったのだが、これはタイムトラベルSF物として、自分の見たいものとは完全に一致しないという感覚は、今回もあった。芳山和子の姪を主人公にして、原作や以前のテレビドラマや映画を知っている人間には、ああそうかと思わせる演出も良いんだけどな。

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2006/11/05

チャーリー・ボワーズ、お前は誰だ

 先日突然、「世界アニメーション映画史」の著者の1人伴野さんから電話があった。何かと思ったら、今度、世界のアニメーションの大全集DVDが発売されるので、その解説を頼まれて、もう1人の著者望月氏と分担して書いているところだという。それで、伴野さんの担当は人形アニメなのだが、チャーリー・ボワーズCharley Bowersの「ワイルド・オイスター」Wild Oysters(1940年)が、なぜ、「ポパイ」や「ベティ・ブープ」のフライシャー名義で公開されたかということについて、経緯を知らないか、という話であった。このような質問が私のところに来た理由は、前回の静岡のアニメ総会で、この「ワイルド・オイスター」を上映したということと、さらに遡って、1980年に、同じボワーズの「イッツ・ア・バード」It's a Bird(1930年)の8ミリフィルムをアメリカから直輸入して一見してその凄さに驚き(圧巻は、鳥の産んだ卵が孵化すると、なんと、T型フォードになってしまう!)、すぐに伴野さんのところにフィルムを持っていき見てもらい、当時のアメリカとフランスのアニメ雑誌に少しだけ記述があったボワーズについて調べて、同人誌で紹介したということがあったためだろう。杉本コレクションにも同じ頃「イッツ・ア・バード」の16ミリフィルムが入り、80年の東京でのアニメ総会で上映された。このときに、私の所有する8ミリフィルムにあったシーンが、16ミリフィルムの方ではカットされていたのを不思議に感じた(と同時に、自分の方が完全版に近いんだぞと、ちょっと優越感を持った)。

 それで、今回チャーリー・ボワーズについて調べなおしてみたが、80年の時点では持っていなかったアニメ関係の本にはやっぱり記述がなく、インターネットで検索してみた。そうしたら、2004年にボワーズの15作品を集めたDVDがアメリカとフランスで発売されていて、その関係のページが幾つか見つかった。一度は忘れられてしまったボワーズについて発掘し、再評価をしたのは、バスター・キートンなどと同様に、フランスのシネマテークであった。だから、見つかったページとしてはフランス語のものの方が多かったりする。とりあえず、それらに目を通してボワーズについて、今分かっていることをまとめると以下のようになる。


 1889年アイオワ州クレスコ生まれ(チャーリー・チャプリンと同い年)。1928年のプレス・ブックには、母はフランス貴族、父はアイルランド人の医者、5歳の時にサーカスのピエロから綱渡りの芸を伝授され、6歳の時にサーカス団に拉致され2年間家に帰れず、そのショックで父が死んだと書かれている(サーカスで綱渡りをしていたということ以外は、怪しい)。1916年から26年まで、マットとジェフMutt&Jeffのアニメ制作に携わる。1926年から、ストップモーション・アニメーションと実写が入り混じる(これは、The Bowers prosessと呼ばれた)2巻物(20分)のサイレント・コメディ映画を制作。26~27年はR-C PicturesとF.B.O.、28年は6本がEducational Picturesから配給された。 「シュールリアリズム宣言」のアンドレ・ブルトンAndre Breton が、1930年のIt's a Bird(自身が出演した唯一のサウンド・コメディ)を、当時絶賛した文章が残っている。フランスでは、Bricoloとい名前で知られていた。It's a Birdを制作した後、ニュージャージーに移り、30年代の8年間は、ニュージャージーの地方新聞Jersey Journalの漫画家となり、絵本の制作に携わった。唯一のカラー作品Pete Roleum and His Cousinsをジョセフ・ロージーJoseph Losey監督のもとで、1939年のニューヨーク万博のために制作した。人形アニメ(クレイアニメ)のWild Oysters (1940年)をフライシャー名義で公開、これが最後の作品となった。また、その前にA Sleepless Nightが、同じねずみ夫婦のキャラクターで制作されている。1941年に病気のためニュージャージー州パターソンの病院に入院しそのまま退院することなく、1946年に亡くなった。1976年のアヌシー・アニメーション・フェスティバルでのリバイバル上映で話題を呼び、再評価が始まった。


 というわけで、伴野さんの疑問に対する回答はまったく得られなかった。もしかすると、DVDの解説にはもっと詳しいことが出ているのかもしれない。久しぶりにDVDを直輸入してみようかなあ。

 今朝起きて、カートゥーン・ネットワークで「バッグス・バニー・ショウ」をたまたま見たら、「幻のドードーを探せ」DOUGH FOR THE DO-DO(1949年)をやっていて、これが「イッツ・ア・バード」そっくり。この作品は、1938年のロバート・クランペット作品PORKY IN WACKYLAND(1938年)のカラー・リメイクであるが、インターネットで調べたボワーズについての文章に、「イッツ・ア・バード」の影響がPORKY IN WACKYLANDに見られる、と書かれていたものがあった。全くの偶然で、こうやって確認できてしまったのが、またまた不思議。

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2006/10/28

完訳ソラリス

 レムの「ソラリス」(国書刊行会)を読み終えた。「ソラリスの陽のもとに」(早川書房)で読んだのは確か中学3年生くらいで、ディックの諸作を読んだときよりも前だが、記憶には良く残っていることを、まず確認した。また、タルコフスキーの「惑星ソラリス」のイメージも読みながらわいてきて、タルコフスキーがかなりの部分原作に忠実であったのだと感じた。今回完訳版で読んで、早川版で削除されていた部分で、「ソラリス」という作品の全体の印象が極端に変わるということはなかった。ソラリスの海のいろいろな変化の描写が、太陽のフレアの形態の描写を連想させたこと、ハリーが19歳という年齢であったことが、今回、読んでいて感じたことであった。特に、後者は、こんなに若い年齢設定だったんだ! って驚いてしまった。タルコフスキーの映画のハリーはどう見てもそこまで若くはないんで、映画のイメージの方が強く記憶されていたためだろう。レムの方が、ディックより、文章が難しく、段落も切れずに長いのだけれど、読み手の自分との相性はいいように感じられたのが面白かった。

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2006/10/23

全国アニメ総会静岡大会終わる

 昨日、無事、第37回アニメーション総会が終了しました。DVD関係で理解不足による想定外の事態が起こりましたが、予定していた作品をすべて上映できました。スタッフ、参加者の皆様(56名参加)、ありがとうございました。

 今回の総会の準備中には、今度回ってくるときには、もうできないのじゃないかと思ったりしてたんですが、終わってみると、次もやりたいなあと思ってしまう不思議(次回は、16ミリフィルム担当に徹します)。

 会場の伊豆長岡温泉のこだま荘はDaneelさんが手配してくれた旅館だけれど、なかなかこじんまりとして良いところでした。一時期、通勤でこだま荘の前を毎日通っていて、「日帰り入浴できます」という看板に気を引かれていたのだけれど、さすがに自前の源泉だけあって、お湯の質は良かったように感じました。また、「全国アニメーション協会」という看板の間違いがご愛敬でした。総会主催サークルで、本当に「全国アニメーション協会」なる団体を作ってみましょうか、なんて思っちゃいました。

 今回の総会で今までと違っていたのは、持ちこみ企画が3つもあったこと。過去の静岡総会でも毎回、持ち込み企画の案内を出していたのだけれど、自主制作以外にはなかった。用意したDVDプレーヤーの問題で、1つは次回にということになってしまったけれど、それぞれ、はっとさせられる内容で、さずがでした。

 来年は、昨年のお約束通り、TAC主催で名古屋近辺で行わます。とりあえず、後継主催者難のアニメ総会も、もう1周は確実に実施されそうです。目指せ50回!、て感じでしょうか。

 私達SCMが参加者から主催者になったのは1987年の18回総会から。今回、このときに作ったオープニング・フィルムを上映しましたが、もう20年になるのか・・・若かった・・・。この頃はアニメ・バブルみたいな時期で、参加者も多く、今回の倍の120名もの参加者がありました。会場は、できたばかりの伊豆高原合宿センターでした。ちなみに、今、伊豆高原合宿センターは、エクシブ伊豆高原というリゾートホテルになっています。このとき、実は総会にとって転機となる重大な出来事がありました。それは、フィルムコレクターの杉本五郎氏が亡くなったこと。アニメ総会というのは、それまで、この杉本氏のコレクションを見る会と言っても過言ではありませんでした。今回こだま荘でやった総会では、16ミリフィルムの上映も多く、国産テレビアニメ作品はなく、夜中に、某特撮番組や特撮映画をやったりして、杉本コレクションを上映していた頃の総会の雰囲気に、図らずも、近くなっていたようです。自分たちで用意できる物をやっただけなんだけれど。

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2006/10/15

第37回全国アニメ総会まで1週間

 アニメ総会まで、1週間です。昨日がしめ切り日でしたが、いつものごとく、まだ参加申しこみは定員には達していません。これから、2日間くらいでどっときて、定員に達するのがいつものパターンですけれど、参加希望の方は出来るだけ早急に申しこみをお願いします。

 上映作品の選定もほぼ終わり、「題名の出せない上映会」がコンセプトなので、ここに上映作品名を出せませんが、テレビやビデオでは見れなくなってしまった作品や、今話題の某国のアニメを上映する予定です。温泉も源泉を持つ旅館なので、期待してください。

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2006/10/14

高畑勲でしょう

 C4で聞くためのシャンソンやフレンチ・ポップスのCDをミッシェル・サルドゥーの「恋のやまい」が入ったものしかもっていないのは寂しいので、新たなものを2枚買った。1枚は日本でも流行ったシルヴィ・バルタンやフランソワーズ・アルディなどの曲を集めたもの「フレンチ・ポップス ベスト・セレクション」BVCP-8747で、もう1枚は、ジャック・プレヴェールの作品を集めたもの「私は私 このまんまなの~プレヴェールのうた~」UICY-4178である。プレヴェールは、かの有名な「枯葉」の作詞者である。だから、もちろん「枯葉」が入っているのは当然である。このCDを聞いてみると、1曲、ちょっとどこかで聞いたことがあるような気がするけれど、有名な曲ではないものが気になった。歌詞では、「ロワゾー」、つまり、「鳥」、という単語が聞き取れる。それで、「やぶにらみの暴君」(断じて「王と鳥」ではない)を思い出した。で、余計に気になって、全く見ていなかった解説を読んだら、驚いた。ビンゴ!、であった。こんな解説を書くのは誰だと思ったら、かの高畑勲さんでありました。曲のセレクトも高畑勲によるものだった。

 私が「やぶにらみの暴君」を連想した曲は「書取り」という曲で、「やぶにらみの暴君」に使われたものではなかった。最初、聞いたときには気がつかなかったのだが、実際に「やぶにらみの暴君」に使われた曲が2曲(「五月の歌」「昼も夜も」)入っている。イヴ・モンタン、エディット・ピアフ、ジュリエット・グレコといった往年の名歌手たちの歌ったものが多く収録されていて、実に渋いCDである。

 こんなCDが出ているとはまったく知らなかった。以前だったら、「やぶにらみの暴君」の曲が入っているというような情報は、確実につかんでいたのに! このような情報に疎くなっている自分に、ふと気がついたのでありました。
Cd2479

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2006/08/29

直観とイマジネーション再び

 今年の初め頃、ベータのビデオテープを処分するつもりで、ベータに録ってあったテレビシリーズ版「日本沈没」を見た。そのときには、「日本沈没」のリメイク映画が樋口真嗣監督によって撮影されているとは全く知らなかった。小野寺役の村野武憲と阿部玲子役の由美かおるが沼津で会う約束をして会えなくなるという沼津ロケのシーンを再確認したり、「水戸黄門」での由美かおるの入浴シーンの時間帯に、やっぱり、由美かおるが水着やテニスウエアで登場したり(初めの頃)、地震で死にかける(後半)という演出になっているのに気が付いて、ちょっと面白かった。

 それで、やっと樋口監督版「日本沈没」を見たのだが、ファーストシーンで、沼津で小野寺と玲子が出会うというのは、沼津で会えなかったテレビシリーズを意識しているんだろうなあと思ったわけである(「源氏戦隊ゲンジマン」などの我々の自主製作映画を無名時代に見ている樋口監督が、我々の住む町を意識した、ってわけじゃないだろうが、ふと、そういうことも頭をよぎった)。その後も、全体的に、最初の映画版よりもテレビシリーズとの類似性を感じる。田所博士の印象が、前作よりも薄まっているが、「直観とイマジネーション」という口癖は使われていて、やっぱり、「日本沈没」には、この台詞がなければである(このあたりの押さえ方はさすがである)。ところが、人間のドラマ部分に比重が置かれてはいるのだけれど、それらのシーンは実にテレビ的で、海底掘削船などのメカの方が、映画的な力を持って描かれていて、その落差が、見ていて辛い。「さよならジュピター」と同様のクライマックスも、どうにかならなかったか。期待させる評判があったので、見に行ったのだが、ちょっとがっかりである。でも、とりあえず、地震への備えを確認しようという気持ちにはなった。


(付記)
 樋口真嗣監督版「日本沈没」での沼津ロケは、「静岡県沼津市」とテロップが出る冒頭のシーンではなく、エアクッション船が上陸するシーンである。自衛隊や在日米軍が上陸訓練をする「今沢基地」で、地元のエキストラが参加して撮影された。

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2006/08/03

CAR-TOON

 車と漫画映画が好きな身には、CGで漫画映画をやっているジョン・ラセターの新作「カーズ」は十分に魅力的である。「ファインディング・ニモ」以降のピクサー=ディズニーその他のCGカートゥーンは、どれも今ひとつ魅力的に感ぜず、娘もそれらの作品を見たいと言わなかったので、見ていなかった。そこに、久しぶりのラセター作品である。初めて、ラセター作品を見たときには、CGで伝統的なカートゥーンのアニメーション・テクニックを重視してどうなるんだとか、一つのCGテクニックの開発行為としては面白いかもしれないと思っていたときもある。それでも、見慣れてくると、アメリカン・カートゥーン(Americartoonという表記をJapanimationと対比して表記している向こうのカタログを見たことがある)が生き残って行くなら、それでいいじゃないか、と、最近では思っている。

 それで、「カーズ」であるが、一言で言ったら「デイズ・オブ・サンダー」ラセター版である。やっぱりNASCARがアメリカでは一番人気のあるモータースポーツなんだなと思う。主人公マックィーンの「ライトはシールだよ」という台詞にニヤッとする人は、日本では少ないだろう。フィアット500のルイジの声を吹き替えているジローラモが、予想外にいい味を出している。フィアット500を登場させたのは、すでに指摘されているが、宮崎駿への敬意の表明だろう。日本車が出てこないのはちょっと残念。日本車ではキャラが立たないということなんだろうか。

 フロントスクリーンに目がかかれているんだけれど、自動車ってヘッドライトが目に見えるんで、場面によっては、ナゾーのように(たとえが古すぎるか!)4つ目に見えてしまう。ヘッドライトをそのまま目として処理する方法もあると思うが、そうすると、マックィーンは怖くなっちゃうんだよな。レースカーの宿命をこの4つ目で表したのかもね。


 *ナゾーは「黄金バット」の宿敵です。

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2006/05/14

妻子のいない休日

 今日は久しぶりの完全休日の日曜日。KAT-TUNの東京ドーム・コンサートに行く妻子を、三島駅に送った後は、1人の自由時間である。C4でどこかにドライブすることにして、雨は上がっているが芳しくない天候なので、雲の様子を見て、箱根や富士山方向ではなく、伊豆方面へ南下することに。414号線から大瀬崎、戸田方面へ、というスターレット時代からお気に入りの海沿いのルートである。このルートのかつての難所(道幅が狭く、西側は海へ一直線の崖)の多くは拡幅され、きついカーブも緩和された。大瀬崎付近の残されている狭い部分のほとんどが拡幅工事中だった。こんなに走りやすくなってしまうと、このルートの面白さも減ってくるかな、と思いつつ、戸田の港の交差点で、修善寺方向へと左折する。西伊豆スカイラインへと入ったが、しばらく行くと霧が立ちこめてきて、視界が悪く寒そうなので、そこから引き返し、達磨山のレストハウスで昼食。ここからは、沼津の街の後ろにそびえる富士山が見える場所だが、富士山は厚い雲の中。椎茸そば定食を食べながら、山道のドライブはやめて、以前から気になっていた映画「プロデューサーズ」を見に行くことを決断し、山を下りることにする。
Nishiizu060514_006

 さて、「プロデューサーズ」である。いやあ、楽しい映画でありました。初めの方で、ドライブ疲れのためか、少々居眠りをしてしまったのだが、オカマの演出家のゲイリー・ピーチの登場に目が冴えてくる。ユマ・サーマンが惜しげなく脚線美を披露して、英語の不自由なスウェーデン娘を演じているのもいい。年をとってきてオカマっぽくみえる、真面目青年のマシュー・ブロデリックがこんなに歌い踊り、コメディもできるとは! メル・ブルックスのもともとの1968年の映画は、NHKBS(それともwowow?)で放映されたときにビデオ録画して見たことがあるが、当時一世を風靡したトゥイギーを起用していて、案外面白かった記憶がある。面白かった映画のリメイクは、面白くなくなる場合が多いだろうから、どうなんだろうと思っていたが、ブロードウエイ・ミュージカルとして作り直されたものの映画だということで、68年版とは違う、豪華なものになっていた。ただ、笑いの質が、昔のメル・ブルックスにあった毒が少なくなっている気がする。で、この映画で一番気になったのは、法廷のシーンで速記係を演じていた日系人と思われるナオミ・カキューク。この人、もっと、見てみたいんだよなあ。別な映画には出ていないのだろうか(あるいは、今後出てこなかなあ)?

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2006/03/29

訃報は続く

 27日の夕刊で、映画監督のリチャード・フライシャーが亡くなったのを知った。私が小学校時代に見た字幕の洋画は、「海底2万マイル」「ミクロの決死圏」「ドリトル先生 不思議の旅」の3本で、後に、この3作すべてがリチャード・フライシャーの監督作品であったことを知り、驚いた。さらに驚いたのは、家にテレビがきたばかりの頃、毎週日曜日楽しみに見ていた「ポパイ」のアニメを作っていたのが、リチャードの父と叔父のマックスとデイブだったこと。昨年、リチャードが父親についての本「Out of the Inkwell MAX FLEISCHER AND ANIMATION REVOLUTION」を出版したので、これを手に入れ、そろそろ読もうかと思っていた。また、WOWOWなどで放送されてビデオに録画していた上記の3作よりは知られていないリチャードのB級作品も、まとめて見ようかと考えていた。というわけで、我が家では、1971年の「ラストラン」(適当に選んだのだが、シトロエンDSが登場している!)を追悼上映中である。

 リチャードの訃報の驚きもさめない昨日、今度はポーランドからスタニスワフ・レムの訃報が夕刊に出た。これまた、ディックの次はレムと、決めていただけに、大変驚いたわけである。世界でもっともSF作家らしい作家であった。SFの定義も色々あるが、私のSFの定義のコアはレムである。「ソラリス」の新訳をそろそろ読み始めようか。

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2006/01/08

2005年に見た映画

・劇場で見た映画
「カンフー・ハッスル」(ミラノ座)
「ザ・フライト・オブ・ザ・アクアノート」(メルシャン品川アイマックス)
「シャークテイル 日本語版」(宝塚)
「スターウォーズⅢ シスの復讐」(スカラ座)
「宇宙戦争」(プラザ)
「チャーリーとチョコレート工場」(MOVIX清水)

・ビデオで見た映画
「エノケンのびっくりしゃくり時代」
「ゴッドファーザー パートⅢ」
「夕陽よ急げ」
「ぼくのおじさんの交通大戦争」
「ルイ・ドフュネスの大混戦」
「ニューヨーク大混戦」
「ココナッツ」(LD)
「大沈没」
「泥棒野郎」
「ウディ・アレンのバナナ」
「不良少女モニカ」
「野いちご」
「けだもの組合」(LD)
「魔術師」
「呪われたジェシカ」
「ヘルハウス」
「エクソシスト」
「ザ・ファミリー」
「透明人間」(チェビー・チェイス主演版)
「みんな元気」
「ベルビル・ランデブー」(DVD)
「老婦人とハト」(DVD)
「暗殺者の家」
「サボタージュ」
「ロープ」
「疑惑の影」
「引き裂かれたカーテン」
「マーニー」
「悪い奴ほどよく眠る」

 いやあ、全然劇場で映画を見なくなってしまったなあ。ビデオで見ている映画のほとんどは、ベータのデッキで相当昔に録ったっきり見ていなかったものを、デッキが壊れないうちに見ておこうと、見たものだ。それでもまだ、10本以上も見ていないベータのテープが残っている。サンリオ文庫を読み終わるのと、どちらが早いか、っていう感じである。

 くるまネタ的に面白かったのが、「ぼくのおじさんの交通大戦争」。ジャック・タチが、パリからアムステルダムのモーター・ショーへとカスタム・カー(ルノー・カングーのご先祖様のような車をキャンピングカーに改造したもの)を運ぶ道中でのドタバタ騒動。やっと着いた時には、ショーの期間は終わっているというよくあるオチだが、そこは、フレンチ・コメディの代表たるタチらしい不思議な後味がある。

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2005/12/10

「スキャナーダークリー」

 浅倉久志翻訳版を読み終えた。訳者自身があとがきで書いているが、創元文庫版山形浩生訳「暗闇のスキャナー」より、使われている訳語が古いなあと思える部分もある。特に最初の方では、その印象が強かった。山形訳では全く訳されなかったドイツ語部分が、原文-カッコに入った訳文、となっていて、親切である。スクランブルスーツのような、というか、タイトルに使われている「ダークリー」という言葉に通じる真相が良くわからないぼやけた感じは、飯田隆昭訳のサンリオ文庫版が一番あった。逆に、山形訳は物語の構造をくっきりさせすぎたんじゃないかと思うほど、主人公アークターのラストが悲しい。浅倉訳の印象は、ちょうどその間という感じである。先に出た2つの訳と重ならないように、ということだと、どうしてもそうなってしまうのだろうけど。

 SFとしてみたら、この作品は、スクランブルスーツというガジェットくらいしかSFらしさがない。ただ、今回3度目で初めて思ったことなのだが、主人公も読者も一杯食わされる(ディックの得意技)ヒロイン・ドナは、何の説明もないが、スクランブルスーツがさらに進化したスーツを身につけてるんじゃないか、ということ。このことを説明するとネタばらしになるのでやめるが、かなり強くそう思う。

 この小説の最初の方に、ラストシーンにつながる自然描写があることにも、初めて気が付いた。ディックの作品というのは、1回だけでは終わらないどんでん返しの面白さが、特徴である。しかし、そのダイナミックさでごまかされてしまっているのだが、よくよく考えると、話の辻褄が完全にはあっていない場合も多い。そのために、同じ作品を何度も読みかえすという気にはならないのだが、この作品には、そのような破綻はない。これが、後期の傑作といわれるゆえんだろう。

 「スキャナーズ」というタイトルで一度、どこが原作なんだという映画化がされているが(浅倉久志のあとがきでは、この作品の存在が無視されている)[注:kmtsさんの指摘で、「スキャナーズ」のパンフレットを引きずり出してみたら、監督のクローネンバーグが「スキャナー・ダークリー」からヒントを得た、と書かれていて、原作ではなかった。どこかで記憶違いをしたらしい。同様の記憶違いを最近している。最近、wowowでディック原作の「ペイチェック 消された記憶」をやっていたが、これは見ていないからと見始めたら、まるでこの作品の主人公のように、直後のシーンを次はこうなると思い出す自分に気が付いた。どうやら、劇場公開時に見ていたのである。全く、ディック的なできごとだ。]、キアヌ・リーブス主演で映画化され、近く公開されるという。どの程度、原作に忠実か気になるところである。原作通りでなくとも「ブレードランナー」並の、映画的イマジネーションがあれば許すんだけれど。

 私は、ドナのイメージの鮮烈さゆえに、山形訳を A SCANNER DARKLY の翻訳のベストとしたい。

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2005/10/18

ボルボとチョコレート工場

 16日の朝起きたら、沼津はかなりの雨で富士山の方を見たら厚い雲に覆われていて、ちょっと疲れ気味の身には、この天気の中を峠越えするのはつらい、車山は断念、と決断。副顧問のメガーヌ・グラスルーフカブリオレ氏と月曜日に話をしたら、私が来ていないかどうか沼津ナンバーのC4を探したとのこと。車山は晴れだったそうな。イケバヨカッタカモ・・・・

 で、16日の日曜日はどうすることにしたかというと、エスパルスドリームプラザにあるMOVIX清水に「チャーリーとチョコレート工場」を、家族で見に行った。今話題の映画だから、地元のジョイランドでもやっているが、なぜか日本語吹き替え版が上映されていない。娘と見ることを考えて日本語吹き替え版を上映している一番近い映画館に出かけたわけである。高速に乗らなくても1時間弱で着けるが、ETCを使ってみたかったのと、確実に上映時間に間に合わせたかったので、ETCシステム初体験。後ろから迫ったトラックさん、初めてなんだから優しくしてね・・・清水で降りるときには、ゲートの通過のタイミングがつかめず減速しすぎて、後ろのトラックに迫られそのまま同じ方向に向かっていったので国道との合流で怖い思いをしてしまったのですよ。

 本来、車よりも映画やアニメが好きなんで、久しぶりのバートン=デップ共演作に期待していた。特に、バートン監督の嗜好は私のそれと重なるので、気になっていて、見に行きたかった作品だった。ある意味、FBMより行きたかったわけです。

 この作品、期待にたがわず実に面白い映画だった。まだ、見てない人はぜひ見てください。

 映画オタク的な感想は別なところに書いたので、車に関わる発見をひとつだけ書くと、主人公のチャーリーが住んでおり、ウォンカのチョコレート工場がある町で、走っている車は、ボルボだけだった。少なくとも、アップになって車種が判別できるシーンに写っている乗用車は、すべて、ちょっと古いボルボらしい四角いセダンとワゴンだった。雪の降る寒い北欧のどこかの町という設定で、そうしたのだろうが、ボルボでそろえたというのは何か理由やこだわりがありそうだ。もっとも、サーブだとちょっと未来的になっちゃって、この映画の雰囲気に合わないけどね。

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