2009/09/13

洋書の秋

The Colored Cartoon BLACK REPRESENTATION IN AMERICAN ANIMATED SHORT FILMS,1907-1954 Christopher P. Lehman(2007;University of Massachusetts Press)
Colored
 サブタイトルにあるように、カートゥーンにおいて黒人がどのように描かれてきたかについての研究書である。アマゾンで見つけて、図版がたくさんあるのを期待したのだが、表紙以外には一切無い。これでは「黒炭姫と七人の小人」Coal Black an de Sebben Dwarfsなどを見た記憶から、こんなに凄い表現があったと想像して本文を読むしかないって思ったら、本文が始まるページの前に、これこれこういうインターネットのサイトでこの本で取り上げている黒人キャラが見られるという読者への注釈があった。我々日本人には分かり難い黒人なまりの英語にも言及していて、「トムとジェリー」の足だけおばさんのセリフはテレビ放映では普通の英語に直されているそうだ。


UNFILTERED THE COMPLETE RALPH BAKSHI The Force Behind Fritz the Cat,Mighty Mouse,Cool World, and Heavy Traffic Jon M.Gibson & Chris McDonnell(2008;Universe Publishing)
Bakshi
ラルフ・バクシ本である。巻頭言をクエンティン・タランティーノが書いている。全てのページに図版がある264ページのハードカバーの立派な本である。円高のおかげもあって3500円ちょっとで手に入った、多少なりともバクシに興味があるならお買い得本である。タイトルが「フィルターをかけずに」ということだから、この本もバクシ特有の危ない表現の図版が多いのではと思ったが、子どもに見せられない、というものはほとんどない。サブタイトルに「クールワールド」の文字があるが、他の作品と比べると本文中ではほとんど触れられていないに等しい。これはちょっと残念。巻末のフィルモグラフィで、バクシのアニメーターとしてのデビューが「ハシモトさん」であることを初めて知った。最初からレイシズムに関係していたのね。


ESTONIAN ANIMATION BETWEEN GENIUS & UTTER ILLITERACY CHRIS ROBINSON(2006;John Libbey Publishing)
Estnia
 エストニアのアニメといったら、プリート・パルンである。日本で1番最初にパルンに注目したのは自分であるという自負がある。1987年2月22日に今は無きスタジオ200でソ連アニメの上映会で「つくり話」(英語タイトルはTime Out、1984年作。作者名はピャルンというロシア語発音による日本語表記で紹介されていた。日本発売DVDでのタイトルは「おとぎ話」)を見て気に入り、その年の10月のアニメ総会の自己紹介の、この1年間に見たアニメで1番気に入っているものに、「つくり話」と書いたのであった。このとき、森卓也氏は「闇のまぼろし」(ポヤール&ドルーアン)、おかだえみこ氏は「レオとフレッド-2人のコンサート」(パル・トート)、現在多摩美のK山先生は「怪盗ジゴマ・音楽篇」(和田誠)と答えている。参加者の多くが挙げていたのが「天空の城ラピュタ」であった。第2回の広島アニメフェスで特集上映があったドリエセンの作品を上げている人も何人かいた。アニメ総会に顔を出すような名うてのアニメーション・ファンの間で、パルンの名前が上がるのを聞くようになったのは、第3回の広島アニメフェスあたりから、「草上の朝食」が公開された後だったと記憶する。
 そんなわけで、パルンについてどのくらい書かれているかが、私のこの本への興味であったのだが、なんと、出会いの作品「つくり話」はフィルモグラフィに作品名があるだけで、本文中では触れられず図版すらない。「草上の朝食」が話題の中心になるのは当然だとしても、「つくり話」についての記述がないのは、個人的に悲しい。
 

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2009/09/05

別冊宝島「ファンタジー・アニメの世界」がすごい!

 コンビニに寄ったら、宝島社の「バッグス・バニーDVD-BOX」と「ファンタジー・アニメの世界」というタイトルのディズニーの「ピノキオ」「ピーターパン」「ふしぎの国のアリス」DVD3枚組付きの別冊宝島が出ていた。DVDに収録されているディズニー長編3作よりも、「別冊宝島」を名乗っているので冊子の部分(「みんな大好き!アメリカのクラシック・カートゥーン特集」と銘打たれている)があって、この記事の内容が、感心するほどマニアックなものがある反面、よく分かってない人間がネットで検索してコピペしてレポートを書くと起こりがちな、とんでもない勘違いをしてます記事とが同居しているのが面白くて、両方買ってしまった。カートゥーンについてのこれだけのトンデモ本は有馬哲夫の「ディズニーとライバルたち」以来だ。「トムとジェリー」がフライシャー兄弟の製作だと書いてあるかと思うと、最初はテックス・アヴェリーが製作を担当していて後にハンナ&バーベラに代わって大ヒットした、とも別の所(とはいっても直ぐそば)に書いてある。同じページの中に矛盾する記述があるのに、編集者の誰も気が付かなかったというのが、実に可笑しい。細かく読んでいけばもっと楽しいツッコミ所は見つかるだろう。

 「バッグス・バニーDVD-BOX」は、すでに「ルーニーチューンDVD-BOX」が出ているので、どちらかといえば、落ち穂拾い的な作品収録である。「バッグス・バニーとゆかいな仲間たち」が80年代の初めに静岡第一テレビで放映されたときにビデオに録画して、少ない資料を基に原題つきとめ作業をしていた時に、どちらなんだろうと迷ったゴリラやペンギンと共演する作品が2本づつ入っているのが、個人的に感慨深い。

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2009/08/28

夏の終わりに「サマーウォーズ」

 実は、今週が私の夏休みであった。旅行などに出かける経済的余裕はないし、C4は修理中で古いサニーの代車ではドライブにも行けず、映画三昧な休日を・・・と思っていたのだが、案外他の用事があって、なかなか思うようには行かない。

 昨日は「96時間」を見た。リュック・ベッソン製作で、パリが舞台なのでフランス車のカーチェイスがあるかと期待したら、主人公のリーアム・ニーソンが使う車はアウディのA3とA8でちょっとがっかり(同じリュック・ベッソン製作の「トランスポーター3」でもA8が使われている)。娘を取り返すためには本当に何でもしてしまうニーソンには、心情的にはわかるのだが、いくらアクション映画とはいえ、これはないだろうと思ってしまう。少なくとも見終わるまではご都合主義を感じさせない演出が少し足りないのである。

 その点においては、今日見てきた「サマーウォーズ」の方がずっと良い。クライマックスの花札対決では、その昔、「スターウォーズ」(現在では、「エピソードⅣ 新しい希望」とつけたされているもの)の、一度は去ったハン・ソロがミレミアム・ファルコンで戻ってきたぞ~!っと加勢するシーンで心が高鳴ったのと全く同じ気持ちに久しぶりになって、痛快だった。上田の旧家の豪邸を舞台にするシーンでは小津安二郎的アングルが使われていたもの面白かった。どうでもいいことではあるが、WB盾(ワーナー映画のトレードマーク)が出る国産アニメっていうのには、ちょっと違和感有り。

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2009/07/13

ドライビイング第3新東京市、または、ヤギのいないスカイライン

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 昨日の日曜日、久しぶりに家族で箱根へとドライブした。C4を買った年の夏に出かけて以来のドライブのように思う。まずは、箱根神社へ向かう。車の流れは家を出たときからスムーズで、のんびりドライブ。箱根公園のあたりでC6に行き会って、ちょっと驚く。箱根神社を参拝した後、仙石原へ。ススキの原を通っていく道は、箱根で一番好きな道のひとつだ。お台場にガンダムが立っているが、仙石原のススキの原にエヴァンゲリオン立つ、ってのも面白いんじゃない、と思う。エヴァのマップを作るくらいで終わってたら楽しくないよ。

 昼食をイタリアンのピアチェーレで食した後、せっかく仙石原に来たのだから何か観光施設に入ろうということで、湿生花園前の箱根武士の里美術館に入る。わが家族にとっては、値段の割りに内容が・・・な小さな美術館であった。戦国甲冑でコスプレさせてもらえるらしいので(写真が展示してあった)、そういう趣味の人にはいいのかも。その後、箱根3D宇宙恐竜ワールドがまだ存在していることを確認して、TVKの「新車情報」のロケによく使われていた箱根スカイランへと続く道に入る。そして、そのまんま箱根スカイラインから芦ノ湖スカイラインへ。両スカイラインでC4の乗り心地が実に良く感じられる、久しぶりの快感。

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 ところで、通称「ヤギさん」のレストハウスに寄ったら、なんと、そのヤギさんがどこにもいない。しばらく来なかったので、どうなったのだろうと思う。誰か、ヤギさんの行方を知ってる人はいますか?

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2009/07/11

四角いズボンの海綿男

 このところ我が家で話題のアニメは、「スポンジ・ボブ」である。キャラクター自体はかなり前から知っていたし、NHKのテレビでも大分前からやっていたわけだけれど、つい最近終わってしまった教育テレビでの放映でたまたま妻子が見てはまってしまい、ツタヤでDVDを借りてきて見ている毎日である。今まで、きちんと見ていなかったので、スポンジ・ボブの「スポンジ」には、台所用品のスポンジだけでなく、英語の元々の意味である「海綿」の意味もあるということを初めて知った。キャラ・デザインが自分の好みに合わなかったので、パスしてきたが、これまで見てこなかったことは不覚であった。

 娘が借りてきたDVDの中に、原始時代のスポンジ・ボブたち(正確には、スポンジ・ボブたちの祖先)の話があった。それは初めて火を使うようになった時のエピソードなのだが、途中からこれは「2001年宇宙の旅」の猿人のシーンみたいだなと思ったところで、音楽が「2001年宇宙の旅」になった! しかもリヒャルト・シュトラウスでなく、リゲティだ!(もちろん、両シュトラウスの音楽も続けて使われた。)

 当分我が家のスポンジ・ボム・ブームは続きそうだ。

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2009/07/09

ベティのDVD

 以前期待していたとおりに宝島社からベティ・ブープのDVDBOXが出た。同時発売は、ドルーピーDVDBOXという名のテックス・エイブリーMGM作品集! 

 ベティのDVDBOXで残念だったのは、邦題が劇場公開タイトル(筒井康隆の「ベティ・ブープ伝」巻末のリストを見よ)を無視したものになっていたこと。ルイ・アームストロングの出てくる「ベティの蛮地探検」が「わる者のお前が居なくなればすっきりする」(原題の直訳だ)では、ピンとこないよ。「ベティ博士とハイド」Betty Boop,M.D.や「ベティの笑へ笑へ」Ha!Ha!Ha!が入っていないのも残念だ。ベティのVOL.2を期待したい。黒白ポパイも出して欲しいな。

 ドルーピーの方は、狼と赤頭巾(「おかしな赤頭巾」「狼とシンデレラ」)や「月へ行った猫」「ウルトラ小鴨」「呪いの黒猫」「へんてこなオペラ」も入っていて、エイブリー傑作集である。こちらも第2弾を期待したいね。

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2009/06/15

恋のQピッド

 ニコラス・ツェーが主演しているので、妻が録画してくれといったものを、見た。驚いた。香港映画版「ロジャー・ラビット」であった。つまり、香港の人気漫画「老夫子」の3人のキャラクターが3DーCGで実写の人間たちと絡む映画だったのだ。漫画の原作者の王澤も特別出演している。刑事のニコラス・ツェーとその恋人の高校教師のセシリア・チェンが交通事故で記憶を失って巻き込まれる騒動に漫画のキャラクターが絡むのである、というか、そもそも、記憶を失う原因となった交通事故はこの漫画のキャラクターたちのせいである。ハーマン・ヤオ監督、2001年の作品である。香港映画界のCGのレベルの高さに感心した作品である。バカボンのパパとバカボン、そして、ピストルのお巡りさんが、実写にCG合成された映画を想像してみようよ。

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2009/06/14

ザ・スピリット

 テレビのCMを見て、サントムーンで上映中なのを見つけて、こんな日本で知られていないコミック・ブックの映画化は客が入らなくて、特に、地方都市では、すぐに上映が終わってしまうと、見に行った。その昔、「SFマガジン」の小野耕世の連載コラムで名前を知って、記憶の底に沈んでいたのが、スポットCMでふつふつと浮き上がってきたのである。そういえば、一時期定期購読していたアメリカのアニメとマンガの雑誌「FUNNY WORLD」にも記事が出ていたのを読んだっけ。

 黒白のコミックブックを意識した、色彩を抑えた画面作りが、これもまた日本では特に受けなかった「ディック・トレーシー」(「プリティ・ウーマン」が併映だったはずが、瞬く間に「プリティ・ウーマン」の併映になってしまった)を思い出させる。ザ・スピリットのネクタイと血の赤だけが、強調された画面。次から次へと登場する魅力的な女性達。
「ルパン3世」の最初のシリーズを初めて見たときの記憶もよみがえる(ちょうど、小野耕世の連載を喜んで読んでいた時期と一致する)。

 フォボスと呼ばれるクローン人間のコメデイ・リリーフが登場し、ゾンビ映画やらなにやらのパロディも色々登場し、笑えるシーンもかなりある。プラスター・オブ・パリスというベリー・ダンサーが登場するシーンは、「ツイン・ピークス」の赤い部屋の小人の踊りを連想させたし。フランク・ミラー監督作品はこれが初めてだが、「シン・シティ」を見落としてしまったのは不覚だったかも。

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2009/06/07

続々と宝島社のカートゥーンDVD

 昨日、書店に行ったら宝島社のパブリック・ドメインDVD BOXの新作が平積みになっていて驚いた。「ルーニー・テューンズ」と「ウッディー・ウッドペッカー」である。

 「ルーニー・テューンズ」は、日本語タイトルがまた新たにいい加減に付けられているのか、と思ったら、そうではなくって、ワーナー・ホームビデオが出しているDVDやカートゥーン・ネットワークで放送されているものと同じになっている。自分の作っているタイトルリストに新たな日本語タイトルを付け加えずにすんだのは有り難い。「名曲の喧しい夕べ」A Corny Concerto、「ホップ・ステップ・ザッブン」High Diving Hare、「標的は誰だ」Rabbit Fire、「ちゃっかりウサギ狩り」Rabbit Seasoning、「保安官ドリッパロング・ダフィー」Drip-Along Daffy、「カモにされたカモ」Duck Amuck、「ダッフィー・ウォーズ」Duck Dodgers in the 24 1/2th Century などにロードランナーとコヨーテ作品が3本入っていて、これは、もう、お買い得である。

 「ウッディー・ウッドペッカー」は、今までまとめて作品が発売されることがなかったので、それだけでも有り難い。「定本アニメーションのギャグ世界」で作品名が出てくる「きつつき闘牛士」が「キツツキ闘牛士」、「きつつきと熊一家」が「キツツキとパンダ一家」(ウッドペッカー第1作)というタイトルで収録されている。残念ながら、昔、アニメ総会で見て面白かったウッドペッカーと火星人(?)が戦う話は入っていない。「セビリアの理髪師」は、「ルーニー・テューンズ」の方に入っている「セビリアのラビット理髪師」と比べてみると、ウォルター・ランツとチャック・ジョーンズの違いがよくわかると思う。

 比べてみるということでは、トムとジェリーの「ピアノ・コンサート」と同様の設定の作品、バッグスの「ラビット狂騒曲」とウッドペッカーの「アンディとペッカーのショパン演奏会」がそれぞれ収録されている。どちらも「ピアノ・コンサート」の前年の製作である。それぞれの製作会社の作風の違いを安い値段で確認できるのであるよ。

 こうなってくると、テックス・エイヴリー作品集、ってのが次に出てきそうだなあ。

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2009/05/10

宝島社はベティ・ブープのDVDを出すのか?

 宝島社から「トムとジェリーDVD-BOX VOL.2」と「ポパイ DVD BOX」が出た。お買い得なので、買ってしまった。「トムとジェリー DVD BOX VOL.2」には「土曜の夜に」が入っているが、「足だけおばさん」が出てくるオリジナルバージョンであった。「ポパイDVD-BOX」は、フライシャーのカラー2巻物3部作と1952年から56年までのフェーマス・プロ作品の収録である。フライシャーのカラー作品が3本入っている(しかも、画質は悪くない。青が抜けていないのだ)なら、980円は高くない。こうなると、黒白版の「ポパイ」と「ベティ・ブープ」の発売を期待する。

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2009/05/09

上原ひろみの「いつか王子様が」

 このところ一番気になっているジャズ・ピアニスト、上原ひろみの新しいCDが出たので買ってきた。「スタンリー・クラーク・トリオ 上原ひろみ/レニー・ホワイト ジャズ・イン・ザ・ガーデン」(HEADS UP/ユニバーサル・ミュージック)である。

 上原ひろみには「The Tom & Jerry Show」という、「トムとジェリー」ファンにはおおって思う曲があるのだが、タイトルからするとハンナ・バーベラのテレビアニメ版の主題歌をジャズ・アレンジしたのかと思えるのだけれど、全くのオリジナルで、ネコとネズミの追いかけっこをイメージさせる演奏であった。彼女は浜松の出身だから、きっと「トムとジェリー」を小さい頃に何度もテレビで見たんだろうな。今回のCDにはディズニー映画の曲でもっとも良くジャズで演奏される「いつか王子様が」が入っている。マイルス・デイビスがこの曲を演奏して以来、大抵のジャス・ピアニストがこの曲を録音しているので、上原ひろみもいつか弾くんだろうなと思っていた。

 ところが、このCDで良いなあと思ったのは、「いつか王子様が」ではなくって、マイルスのオリジナル曲の「ソーラー」と、ベースソロが美しい、このアルバムのリーダー、スタンリー・クラーク自身の曲「ベース・フォーク・ソングNo.5&6」。って、やっぱり、アルバム・リーダーのスタンリーの演奏に耳が行くということ。上原のピアノの音色が、チック・コリアっぽく聞こえる曲があるのは、スタンリーがチックとともにリターン・トウ・フォーエバーのメンバーだったことと関係が多少はありそうだ。

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2009/05/05

定本アニメーションのギャグ世界(森卓也著、アスペクト)

 森卓也師の名著(今はなき奇想天外社から出ていた)の復刻増補版(増補部分が多くて、400ページを越える分厚い本)が出た。某SNSの知人の日記で知り、あわてて手に入れた。こういうときには、amazonはありがたい。

 「アニメーションのギャグ世界」がなければ、私たちは「トムとジェリーの本 なかよくけんかしな」を作らなかっただろう。ギャグアニメって何だということを、丁寧に教えてくれる本であった。再刊されれば良いなと長らく思っていた。ただ、最初にこの本が出て以来、カートゥーン関係の情報が簡単に手にはいるようになったので、それにもとづく、改訂的なものが必要な本でもあった。それで、今回の定本では、増補という形で、その補足がなされている。

 この増補部分には、トムとジェリーのレーザーディスクのボックスセットの解説が採録されている。このトムとジェリーの全話解説は、以前「映画そして落語」(ワイズ出版)にまとめられたのだが、その時には、森さんから本が送られてきてビックリした。トムとジェリーの解説を書くにあたっって、「トムとジェリーの本 なかよくけんかしな」を参考にしたから、ということで送ってくれたのだった。今回の定本でも、自分が同人誌に書いた文章を参考にして書かれた部分が、妙に気恥ずかしく感じられる。


 1つだけ気になったことを。ジョー・バーベラの紹介に、ニューヨーク大学と銀行業務専門学校を卒業後、32年にヴァン・ビューレンのスタジオで「トムとジェリー」を担当、とある。しかし、自伝によれば、高校卒業後に大学に行かずに信託会社に就職し、職に就きながら専門学校に通い、34年にバート・ジレットの面接を経てヴァン・ビューレンのスタジオに入った(そのときには、ヴァン・ビューレンでは人間コンビの「トムとジェリー」は作っていなかった)、となっている。学歴が低い方に詐称する人はいないと思うので、自伝の方が正しいと思えるのだが。

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2009/03/17

マンザナでもない

 昨日(16日)の朝日新聞の夕刊に「忘れない日系人収容所」という記事が載った。カリフォルニア州マンザナの収容所で写真を撮り続けた宮武東洋のドキュメンタリー映画や写真展が企画されている、という案内の記事だ。マンザナって、先日自伝について書いたイワオ・タカモトのいたところではないか! タカモトの自伝をチェックしてみたら、宮武東洋の撮影した写真が図版にあった。マンザナに収容されていた日系人が後に集まったときの記念写真だ。ということは、すずきずじゅんいち監督のドキュメンタリーや写真展の写真の中に、タカモトが登場しているかもしれないのだ。映画は4月11日から、写真展は4月16日から東京写真美術館で行われる。一番仕事が忙しい時期に重なっているけれど、見に行けるかな。

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2009/03/10

イワオ・タカモトの贈り物

 ディズニー・プロやハンナ=バーベラ・プロで活躍した、日系人アニメーター、演出家のイワオ・タカモトの自伝、My Life with a Thousand Characters(University Press of Mississippi)が出版されたので、早速買ってみた。2007年の年頭にタカモトは急逝したわけだけれど、この本の原稿はその前に書かれていて、その校正中に亡くなったようだ。アニメーション研究家のマイケル・マロリーMichael Malloryが、共著作者になっている。

 この本でタカモトが私の両親と同年代の日系2世だと知った。ということは、太平洋戦争の日系人にとって辛い時代を強制収容所で過ごしているわけで、その頃の話がこの本の冒頭で語られる。戦争末期、収容所にいるときに絵の才能をディズニーに見いだされて、収容所を出てディズニー・プロに就職したということ、ミルト・カールのもとでアニメーターの仕事を覚えていったことなどが、英語では言えないニュアンスを持つ日本語の紹介を含めて、語られる。このあたりは、きちんと読むとかなり面白そうである。

 アニメに関することでは、ディズニー・プロのナイン・オールド・メン、ビル・ハンナとジョー・バーベラなどの今までも色々語られてきた人物について、その直ぐそばで仕事をしてきた立場から語られている。きちんと読んではいないが、目に付いたところに、ビルとジョーは、フランク・トーマスやオーリー・ジョンストンのように私生活でも仲の良いコンビではなかったが、お互いの才能を認め合って仕事をしていたなど、おお、そうかという記述があり、訳すつもりで読まないといけない本だと思う。

Takamoto

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2009/03/09

トムとジェリー DVDBOX

 宝島社から「トムとジェリー」のDVD2枚組みBOXセットが出ている。何で、宝島社?って思ったら、パブリック・ドメイン物だった。たまたま入ったセブンイレブンにあったので買ってしまった。980円である。日本語吹き替えではなく、すべて、字幕である。画質はどうなんだろうと思ったが、今まで出ていたものと変わらない。ワーナーやターナーのクレジットが出ずに、いきなりMGMのライオンである。昔何本か直輸入した8mmフィルム版を見ている雰囲気になる。1953年までの30作品がセレクトされている。この作品の選び方はなかなかいい。邦題はすべて、テレビ放映タイトルが採用されていて、いい加減なタイトルはつけられてはいない。テレビ放映タイトルの原題を明らかにする作業に多少なりともかかわった人間からすると、これはうれしい。

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2009/03/05

サムシング・エル・トポ

 「アインシュタイン交点」に関することの続き。

 「アインシュタイン交点」には、ビリー・ザ・キッドから発想されたキャラクターが登場するので、西部劇的な部分があるのだが、その部分から連想されるのは、アレッハンドロ・ホドロウスキーの「エル・トポ」である。この映画も「アインシュタイン交点」と同じく1967年の作品である。つまり、「アインシュタイン交点」は、人類が地球を逃げ出してしまった遥かな未来の話であるにもかかわらず、きわめて同時代性の強い小説なのである。「エル・トポ」自体を見直し始めたのだが、この映画そのものから先ず連想するのはガルシア=マルケスだけれども。


 ディレイニーの積読解消で、「ノヴァ」を「アインシュタイン交点」に続いて読んだ。「ノヴァ」の方が、華麗なワイドスクリーン・バロックであり、この小説が訳されてすぐに読んだなら、もっと凄いと思ったかもしれない。自分が、この小説を素直に楽しむには少しトウが立つ年齢になってしまったことを感じた。疑似科学的アイディアとしては、ある種の新星(ノヴァ)で作られる、原子番号が300を超える超元素群、イリュリオンが、面白い。

 質量数が通常の原子核よりも非常に多かったり(中性子過剰)、中性子が少なかったりという原子核でも、ある程度安定な原子核があるという理論計算があって、それを実験的に探す(作る)というのは、天然には存在しない大きな原子番号の原子核を作ることと並んで、原子核物理学の最先端の研究分野である。それら2つを合わせてSFのアイディアにしてしまったというのには、この小説で初めて出会った。それだけ秀逸な着想だと思うが、残念ながら、イリュリオン自体の小説での取り扱いは、プルトニウムをめぐる現実世界での取り扱い、プルトニウムを持っているのものが世界を支配する、とまったく一緒である。

 伊藤典夫の訳者解説に、登場人物の名前の由来が書かれている。その中に、この小説の主人公と呼べる2人組、カティンとマウスについて、キャット&マウス(というより、トムとジェリー)と書かれていた。「トムとジェリー」の日本での認知度を感じるんだけれど、それとともに、作者のディレイニーは、ネコとネズミではない方の「トムとジェリー」をも意識していたのではないかと思う。なぜなら、トムにあたるカティンは人間版のトムと同様に、背が高く、ひょろ長く、一方、ジェリーにあたるマウスは小柄なのである。もし、伊藤典夫がそこまで調べていて、「トムとジェリー」と書いたなら、脱帽である。

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2009/02/27

WALL.Eを探して

 先日のアカデミー賞長編アニメーション賞を受賞した「ウォーリー」をやっと見た。先日の日曜日である。まだいろいろなところでやっているのだろうと勝手に思い込んでいたら、実は、もうほとんどの映画館で上映が終わっていた。駐車するのが楽で料金もただで、最新の劇場なのでサントムーンで見たかったのだが、やっていない。ジョイランド沼津の有楽座で上映最終日であるのを滑り込みで見つけて、見に行った。時間の余裕を見て出かけたら、劇場の中には誰もいない。おお、これは貸切か、と思ったら、しばらくして3人ほど入ってきた。でも、それで終わりである。まるで、80年代に戻ったようである。5名前後で見た80年代前半の映画は数知れず(例えば、「旅芸人の記録」)。

 予告編を見たときから思っていたのだが、やはり、ニック・パークの「チーズホリデー」からの影響を感じてしまう。パークもラセターも発想のコアが似ている作家であり、それは、ほぼ同世代の作家であり、過去に影響を受けたものが共通しているためだと思えるので、もしかしたら、この二人が共通に受けた元ネタのSF(映画)か何かがあるのかもしれない。もうひとつ、ウォーリーのデザインで連想するのは「ショートサーキット」の手作りロボットである。

 短編「マジシャン・プレスト」が、本編に先立って上映されて、結局振り返ってみると、この短編の方が面白かった。チャック・ジョーンズの「バニーちゃんの魔術師」CASE OF MISSING HARE(1942年作。大陸書房から出ていたビデオでは「ウサギショーは大騒ぎ」)のリメイクみたいな作品だが、この作品の方がギャグのパワーアップと現代化がされている。ウサギがワーナー的というよりハンナ=バーベラ的で、そのせいかどうかはわからないが、この短編のクレジット・タイトルのCARTOONのロゴは、ハンナ=バーベラのMGM時代のものにそっくりだった。

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2009/02/08

ダイソーなもの(その2)

 ダイソーで買ったカートゥーンDVDの残りの2枚の紹介。

「みんなで歌おう」
 他のDVDはごった煮だが、このDVDだけはフェーマス・プロのスクリーンソング・シリーズ(小唄漫画、バウンシングボールがでてくるやつである)のみ8本。パッケージには9作品のタイトルが書かれているが、以下の8作品しか入っていない。バウンシングボールにしたがって歌って楽しむのがいいかもしれない。

1.Haep Hep Injuns ヘパヘパ 1950年 I.スパーバー監督
 これは見た記憶がある(アニメ総会の夜中だったか?)。'インディアン'に関するスポット・ギャグ集。

2.The Funshine State 楽しい州 1949年 セイモア・ネイテル監督
 フロリダ州に関するスポット・ギャグ集。カリフォルニア州がライバルとして登場。

3.Helter swelter ヘルター、スエルター 1950年 セイモア・ネイテル監督
 夏に関するスポット・ギャグ集。オチが初期のダフィ・ダックみたいである。

4.Jingle Jangle Jungle ジングル、ジャングル、ジャングル 1950年 セイモア・ネイテル監督
 アフリカに関するスポット・ギャグ集。1番の「ヘパヘパ」とならんで人種に絡むギャグ多数。

5.Little Brown Jug 小さなブラウンの水差し 1948年 セイモア・ネイテル監督
 日本語タイトルは「茶色の小瓶」にすべきだ。リンゴから作るサイダー(アップルタイザー?)でおかしな事が起きる。アルコール入りみたいだ。

6.The Big Drip 大きなしずく 1949年 I.スパーバー監督
 ジャングルの動物たちの箱船物語。

7.The Emerald Isle エメラルドの島 1949年 セイモア・ネイテル監督
 アイルランドに関するスポット・ギャグ集。

8.The Golden State ゴールデン州 1948年 セイモア・ネイテル監督
 カリフォルニア州に関するスポット・ギャグ集。フロリダ州がライバルとして登場する。ウォーク・オブ・フェームのハーポ・マルクスの足跡がその上を歩いた女の子を追いかけるというギャグは、本巻全体で一番面白いギャグだ。

「マイティマウス&ヘックルとジャックル:ウルフウルフ」
 タイトルにあるマイティマウスは1番の1本だけ、ヘックルとジャックル(その昔のテレビ放映では「ヘッケルとジャッケル」)にいたっては何も収録されていない。その代わりと言ってはなんだが、ニューワールド・プロダクションNew World Productionのメル・オー・トゥーンMEL-O-TOONという全く初めて見る作品が2本入っている。この2作品については、私が持っているカートゥーン研究本のどこにも記述が見つからない。こういう未知の作品が、こんな形で見られるというのが面白い。

1.Wolf! Wolf! ウルフ ウルフ 1944年 マニー・デーヴィス監督
 テリートゥーンのマイティ・マウス・シリーズ。マイティ・マウスのスーツはピンクだった。羊を狙うオオカミたちをやっつけるお話。

2.The Talking Mapies 僕たちが行く狩り 1946年 マニー・デーヴィス監督
 テリートゥーン。アルファルファおじさんに似た白ひげのおじさんの庭の木にカササギ夫妻が巣を作ったが・・・というお話。カササギが出てくるので、ヘッケルとジャッケルだと思われてしまったのだろう。

3.Treasure Island 宝島 1959年
 ニューワールド・プロダクションのメル・オー・トゥーン。たった6分くらいでスティーブンソンの「宝島」をタイジェストしてしまっている。

4.The Trojan Horse トロイの木馬 1959年
 ニューワールド・プロダクションのメル・オー・トゥーン。たった6分くらいでトロイの木馬のお話をダイジェストしてしまっている。

5.The Bulleteers 弾よりも早く 1942年 デイヴ・フライシャー監督
 あのフライシャーのスーパーマンである。久しぶりに見ると、やっぱり凄い。

6.A Mutt in a Rut 困った野良犬 1949年 I.スパーバー監督
 フェーマス・プロのノヴェルトゥーン。この作品に出てくる犬は野良犬ではないので、この邦題は変だが、先に出ていたダイソー「オールスターVOL.2」では「マットとラット」というタイトルであった。毎回行き当たりばったりでタイトルを付けている見たいだ。
 内容は、トムとジェリーの「天国と地獄」そっくり。どちらかがパクッたのかと調べてみたら、「天国と地獄」も1949年で、しかも、公開月もほとんどかわらない。また、登場する子猫がワーナーのマーク・アンソニーという犬が背中で育てているプシィ・フットという子猫にそっくり。しかも、同じタイトルの作品がワーナーにある(ロバート・マッキンソン監督「ストレスワン公の巻」1959年)。このあたり何かが匂う。ダイソー200円DVD、恐るべし!

7.A waif's Welcome 浮浪者の歓迎 1936年 トム・パルマー監督
 ヴァン・ビューレン作品。可哀想な浮浪児が誤解を乗り越えて暖かい家に迎えられるお話。

8.Out to Punch パンチがいくゾ 1956年 セイモア・ネイテル監督
 フェーマス・プロのポパイ。ブルートとのボクシングの試合のためにトレーニングをするポパイを邪魔するブルート。やっぱり吹き替えに違和感あり。

9.Much Ado About Mutton マトンの状況 1947年 I.スパーバー監督
 フェーマス・プロのノヴェルトゥーン。子羊を狙うオオカミ。黒羊のブラッキーがオオカミをやっつける。

10.Cheese Burglar チーズ泥棒 1946年 I.スパーバー監督
 フェーマス・プロのノヴェルトゥーン。ネズミのハーマンを犬とネコが共闘して退治しようとするが・・・というお話。これもトムとジェリーに似た話である。

参考文献:TOONGUIDE 2007年冬の増刊号(CARTOONSTATION著)

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2009/02/07

ダイソーなもの(その1)

 ダイソーでカートゥーンの200円DVDが売っているということを聞いてから、1年以上立つ。やっと、DVDを売っているダイソー・ショップに行くことができ(自宅の近くのダイソーはDVDを置いていなかったのだ)、ワーナー作品中心のDVD5枚買ってきた。以前聞いていたものとは、内容が大分違う。新しく出たもののようだ。今回は、そのうちの3枚について紹介。


「アヒルのダフィーと恐竜」

1.Daffy Duck and the Dinosaur アヒルのダフィーと恐竜 1939年 チャック・ジョーンズ監督
初期のダフィ。フーフーという変な笑い声で動き回る。

2.Yankee Doodle Daffy ヤンキー ドゥードル ダフィー 1943年 フリッツ・フリーレング監督
 ワーナー・ホーム・ビデオ発売のDVDでは「ヤンキー・ドゥードル・ダフィ」。旅行に出ようとするプロデューサーのポーキーに、子アヒルを売りこもうと、ミュージカル仕立てで邪魔するダフィ。その後の作品に見られるようなダフィの性格が現れてきている。

3.All This and Rabbit Stew ラビットシチューはいかが? 1941年 テックス・アヴェリー監督
 「世界アニメーション映画史」では「ニグロ坊やのウサギ狩り」、大陸書房から発売されていたビデオでは「うさぎシチューはイヤだよ!」。その昔、8mmフィルム版で見たことを思い出す。バッグス・バニーとウサギ狩りをする黒人の子供の争い。アヴェリー作品としてはワーナー時代の水準作か。

4.To Duck or Not to Duck 避けるか避けまいか? 1943年 チャック・ジョーンズ監督
 ダフィ・ダックを狩ろうとするエルマー・ファド。いつの間にか3本ロープのリングにあげられてしまう。ダフィをバッグスに置き換えても成立してしまう話。

5.The Mite Makes Right チビは正しい! 1948年 ビル・ティトラ監督
 フェーマス・プロのノヴェルトゥーンの1作。「親指トム」である。

6.Foney Fable おかしな話 1942年 フリッツ・フリーレング監督
 ワーナー版「親指トム」「アリとキリギリス」などなど。キリギリスが働かない理由は戦時国債を買ったから、というオチは時代を感じさせる。

7.Suddenly It's Spring 突然の春 1944年 セイモア・ネイテル監督
 フェーマス・プロのノヴェルトゥーンのラゲディ・アン作品。「世界アニメーション映画史」では「春が来た来た」。病気のナンシーのために春の太陽が早く顔を出すようにと色々なところにお願いに行くアン。なかなか感動的である。

8.Have You Got Any Castles お城は最高 1938年 フランク・タシュリン監督
 巨大な書棚の中の本のキャラクター達が行う真夜中の大騒動。「黒炭姫と7人の小人」に出てくるような黒人のスイングジャズがいい。

「トゥイーティ・エルマー:楽しいコンサート」

1.A Corny Concerto 楽しいコンサート 1943年 ロバート・クランペット監督
 「世界アニメーション映画史」では「コニー・コンサート」、昔の東京12チャンネル(現:テレビ東京)の放送では「ワルツを共に」、大陸書房から発売されていたビデオでは「カモネギ・ホールへようこそ」、MGM/UAから発売されていたビデオでは「アヒルのワルツ」、ワーナー・ホーム・ビデオ発売のDVDでは「名曲の喧しい夕べ」。何度も見ているが、この時期のワーナーの最高傑作であり、「ファンタジア」のワーナーらしいパロディである。

2.I Never Change My Attitude 態度は変えないゾ 1937年 デイヴ・フライシャー監督
 本家「ポパイ」である! 日立インターメディックス発売のDVD「幻の洋画劇場 ポパイ作品集」では「ポパイの空中戦」。浦野光でない吹き替えが残念。これでは、吹き替えていない日立インターメディックス版の方がいい。

3.The Mite Makes Right チビは正しい! 1948年 ビル・ティトラ監督 
 ダイソーDVDお得意のダブり収録である。

4.Little Lambkin 小さな子羊 1940年 デイヴ・フライシャー監督
 カラークラシック・シリーズ。アライグマやリスは出てくるが、子羊など出てこない。中身も見ずに邦題を付けているようだ。田舎で生まれたラムキン坊やは都会の機械化されたマンションが嫌い、というお話。

5.Old Mother Hubbard ハバートおばあちゃん 1935年 アブ・アイワークス監督
 コミカラー・シリーズ。洗濯屋のハバートおばあさんと仕事を手伝う犬のお話。フォーカス合わせて下さい、という森卓也氏の声が飛びそうな画質。

6.Mary's Little Lamb マリーの小さな羊 1935年 アブ・アイワークス監督
 コミカラー・シリーズ。画質は上記5番と変わらない。この作品にはちゃんと子羊が出てくる。動きの細やかさはさすがにアイワークスである。

7.Gold Rush Daze ゴールドラッシュ時代 1939年 キャル・ダルトン&ベン・ハーダウェイ監督
 ワーナー作品だが、特に有名キャラは出ていない、登場キャラクターが全て犬という作品。アヴェリー的ギャグがいくつかある。

8.The Sunshine Makers お日様の贈り物 1935年 バート・ジレット&テッド・エシュボー監督
 ヴァン・ビューレンのレインボーパレード・シリーズ。光の小人と闇の小人が1つになると・・・などという話にはならなかった。

「子供のクラシックアニメ」

1.Greedy Humpty Dumpty 欲張りなハンプティ ダンプティ 1936年 デイヴ・フライシャー監督
 カラークラシック・シリーズ。「世界アニメーション映画史」では「欲のふかい王様」。アニドウの上映会やアニメ総会でよく見たものだった。

2.The Three Bears 3匹のくま 1935年 アブ・アイワークス監督
 コミカラー・シリーズ。やっぱり、3匹のくまのアニメはワーナーに限る、とは思うものの、オチはなかなかである。

3.Mary's Little Lamb マリーの小さな羊 1935年 アブ・アイワークス監督
 また、ダイソーDVDお得意のダブり収録である。

4.Old MacDonald Had a Farm マクドナルドが持っていた畑 1945年 セイモア・ネイテル監督
 フェーマス・プロのノヴェルトゥーン・シリーズ。「メリーさんの羊」の変奏曲集。フライシャーは抜けてもジャズ! バウンシングボールに合わせて、イーアイ、イアーイ、オー、で終わりかと思ったら、コンガ・ダンスもあった!

5.Notes to You あなたへのノート 1941年 フリッツ・フリーレング監督
 フィガロ~、フィガロ~と歌われて眠れないポーキー・ピッグのお話。その昔、8mmフィルム版を直輸入したことがある。この邦題は誤訳である。「あなたに送る調べ」などと訳すべきである。

6.Little Lambkin 小さな子羊 1940年 デイヴ・フライシャー監督
 またまた、ダイソーDVDお得意のダブり収録である。

7.Pigs in Polka ブタのポルカ 1943年 フリッツ・フリーレング監督
 劇場公開タイトルは「小豚のポルカ」、先に出たダイソー「オールスターVOL.2」では「子豚ポルカにあわせて」というタイトルになっている。これも、友人が直輸入した8mmフィルムで何度か見ている。Notes to You ではなく、こちらを自分で買えば良かった、と思ったことを覚えている。ブラームスの「ハンガリー舞曲」に合わせて3匹の子豚のお話の新解釈が進行するフリーレングの代表作。

8.Old Mother Hubbard ハバートおばあちゃん 1935年 アブ・アイワークス監督
 またまたまた、ダイソーDVDお得意のダブり収録である。

9.Simple Simon サイモン 1935年 アブ・アイワークス監督
 コミカラー・シリーズ。元祖お馬鹿キャラ。それなりに面白い。


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2009/02/02

トムとジェリー、なかよくけんかしない

 ヴァン・ビューレン製作のカートゥーン・シリーズに「トムとジェリー」と題されるものがあった。有名なネコとネズミの同名シリーズが作られる前に製作されていた黒白の漫画映画である。このシリーズ9本を収録した輸入盤DVDをわいりーさんが貸してくれた。ヴァン・ビューレン作品を集めたLD(プレーヤーがとうとう生産中止になってしまった!)'CARTOON THAT TIME FORGOT FROM THE VAN BEUREN STUDIO'(DVDになって発売されていると思う)を持っていて、そこに3本入っていたのだが、別な作品の方に注目していたので(有名な方の作者となるジョー・バーベラが参加していた作品である)、きちんと今までこの「トムとジェリー」を見たことがなかった。それで、今回借りたDVDと合わせて見た。1本はだぶっていたので、合計11本である。

 予想していたより面白かった。ちょっとテンポがかったるい部分もあるが、ディズニー(ミッキー・マウス他)とフライシャー(ポパイ、ベティ・ブープ)からのいただき的なシーンがあったり、やたら良く動くモブ・シーンがあったり、ベティを上回っているかもしれないエロさがあったり、今まで真面目に見ていなかったのは不見識であった。

DVD収録作品(題名、製作年、監督名)

1.PIANO TOONERS 1932 John Foster,George Rufle
2.FIREMAN'S LIFE *
3.IN THE BAG 1932 John Foster,George Rufle
4.PENCIL MANIA 1932 John Foster,George Stallings
5.A SWISS TRICK 1931 John Foster,George Stallings
6.PLANE DUMB 1932 John Foster,George Rufle
7.POTS AND PANS 1932 John Foster,George Rufle
8.ROCKETEERS 1932 John Foster,George Rufle
9.A SPANISH TWIST 1932 John Foster,George Stallings

  製作年は、'OF MICE AND MAGIC'による。*は、オリジナルのタイトルがついておらず、半立体の題名だけの明らかに後でつけられたタイトルのみで、監督名の確認ができない。また、'OF MICE AND MAGIC'には同じタイトルの作品がリストにない。このリストの中から内容に近いタイトルのものを捜すと、
 HOOK AND LADER HOKUM(a.k.a.FIRE,FIRE)1932 George Stallings,Tish Tash(フランク・タシュリンの別名)
が見つかった。この作品だけ、ちょっと雰囲気が違うギャグがあるので、それがタシュリンだと思えないこともない。

LD収録作品(題名、製作年、監督名)
1.THE TUBA TOOTER 1932 John Foster,George Stallings
2.PIANO TOONERS 1932 John Foster,George Rufle
3.WOT A NIGHT 1931 John Foster,George Stallings

 両方に重なって収録されており、'OF MICE AND MAGIC'本文でも、図版とギャグについての解説文がある'PIANO TOONERS'がこの「トムとジェリー」の代表作と考えてもいいだろう。マーガレット・デュモン似のベティ・ブープのようなキャラクターが出てくるが、その声がベティそっくりである。声の出演者はタイトルにはないが、当時ベティを吹き替えていた人、その人だそうだ。なぜそれが可能だったかというと、ヴァン・ビューレン・スタジオはフライシャー・スタジオの筋向いにあったからだそうだ。調律されていないピアノから出た悪い音の音符を叩きのめしトイレに流す、というすごいギャグもある。
 他に面白かったのは、DVDの4,5,7とLDの3。これらもフライシャーっぽい、メカニズム描写とエロ・グロ・ナンセンスである。もっとも、グロについては、骸骨の踊り(!)がある'WOT A NIGHT'しかないのだが。

 背の高い方のトムがピアノを引くシーンがいくつかの作品にある。このときの手の動きに、マルクス兄弟のピアノ弾きチコに似た右手人差し指1本奏法が混じる。チコ・マルクスを意識して作ったのか?
 また、'PLANE DUMB'では、トムとジェリーの凸凹コンビがアフリカに行くが、アフリカに着いた時に顔を黒く塗り、黒人になってしまう。この黒人になった時の顔がホーマー・シンプソンにそっくりである。となると、ホーマーは実は黒人のカリカチュアなのか、と今まで気がついていなかった視点に思い至るのであった。

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2009/01/03

2008年の本と映画

恒例の前年に読んだ本と見た映画のリスト。


 「百年の孤独」ガルシア・マルケス
 「紙ヒコーキで知る飛行の原理」小林昭史
 「人類と建築の歴史」藤森照信
 「宇宙の果てまで」小平桂一
 「シッダルーダ」ヘルマン・ヘッセ
 「チェスタトンの1984年」G.K.チェスタトン
 「暗黒星雲」フレッド・ホイル
 「世界終末十億年前」ストルガツキー兄弟
 「原爆から水爆へ 上」リチャード・ローズ
 「非線形科学」藤本由紀
 「物理学者ゴミと闘う」広瀬立成
 「収容所惑星」ストルガツキー兄弟
 「日本人になった祖先たち」篠田謙一
 「HAMMERED」エリザベス・ベア
 「SCARDOWN」エリザベス・ベア
 「原爆から水爆へ 下」リチャード・ローズ
 「蟻塚の中のかぶと虫」ストルガツキー兄弟
 「困りますファインマンさん」リチャード・ファインマン
 「波が風を消す」ストルガツキー兄弟
 「暗闇のスキャナー」(サンリオ文庫版)P.K.ディック
 「湯川秀樹日記」湯川秀樹
 「疑似科学入門」池内了
 「すばる望遠鏡の宇宙」海部宣男
 「WORLDWIERED」エリザベス・ベア
 「岩波講座現代の物理学10 素粒子物理」戸塚洋二
 「究極のSF」(アンソロジー)
 「科学と芸術の間」坂根厳夫
 「恋人たち」フィリップ・ホセ・ファーマー
 「宇宙のランドスケープ」レオ・サスキンド
 「温度から見た宇宙・物質・生命」セグレ
 「見えないものを見る技術」伊藤泰郎
 「放射線利用の基礎知識」東嶋和子
 「彷徨える艦隊 旗艦ドーントレス」ジャック・キャンベル
 「量子コンピュータ」竹内繁樹
 「原始仏教」中村元
 「科学哲学の冒険」戸田山和久
 「クォーク 第2版」南部陽一郎
 「消えた反物質」小林誠
 「夢の宇宙誌 コスモグラフィカファンタスティカ」澁澤龍彦
 「色彩の発見」小町谷朝生
 「フィネガンズ・ウェイク Ⅰ・Ⅱ」ジェイムス・ジョイス

映画
 劇場で見たもの
  「燃えよ!ピンポン」
  「俺たちフィギュアスケーター」
  「インディ・ジョーンズ4 クリスタル・スカルの宮殿」
  「スピードレーサー」
  「クローン・ウォーズ」
  「インクレディブル・ハルク」
 ビデオ等で見たもの
  「少女ムシェット」
  「処刑男爵」
  「七人のマッハ」
  「大巨獣ガッパ」
  「スキャナー・ダークリー」
  「ブラザース・オブ・ザ・ヘッド」
  「醜聞スキャンダル」
  「TAXI」
  「危ないことなら銭になる」
  「若くて、悪くて、凄いこいつら」
  「黒い賭博師 悪魔の左手」
  「ルパン3世念力珍作戦」
  「進め!ジャガーズ 敵前上陸」
  「クレージー黄金作戦」
  「大冒険」
  「クレージーの大爆発」
  「空軍力の勝利」

 この本の中から1冊選んでコメントするとしたら、「岩波講座現代の物理学10 素粒子物理」である。読み始めて、こんなにわかりやすい素粒子物理の本は他に読んだことがない、実験と理論の関係がよくわかるし、さすがに戸塚先生!と思っていたところで、戸塚洋二がガンでなくなったという訃報を聞いた。ああ、ノーベル賞候補者が1人減ってしまった、もしかしたら今年あたりもらえていたかもしれないのに、と正直思った。実際には、戸塚先生よりも先にもらっておくべき3人が受賞したわけだけれど。
 映画は、全然劇場に見に行かなくなった。特にアニメを見なくなってしまった。「赤い風船」「白い馬」がせっかく沼津の劇場でやられていたのに、それも見に行かなかった。今年はもう少し映画に対してもまめになろう。

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2008/12/25

チャーリーを捜して

 チャーリー・ボワーズ作品集のDVD"CHARLEY BOWERS The Rediscovery of an American Comic Genius"(2003年)をついに手に入れた! 以前、チャーリー・ボワーズについて書いたときに、アメリカで発売されていることを知り、いつか手に入れたいと思っていた。amazon.comで10ドルちょっとで値引き販売されていた。早く手元に欲しかったので、2番目に早く着くという航空便で送ってもらうことにしたら、料金が13ドルちょっとということになり、送料の方が高いということになってしまった。でも、日本円で2300円である。十分にお買い得である。更に驚いたのは、注文して7日目に配達されたことである。こんなに早く品物が着いたのは初めてだ。
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 DVDの中身は次の通り。
DISC1
Egged On      1926年作 24分
He Done His Best  1926年作 24分
A Wild Roomer 1926年作 24分
Fatal Footsteps 1926年作 22分
Now You Tell One 1926年作 22分
Many A Slip 1927年作 12分
Nothing Doing 1927年作 21分
DISC2
Grill Room Express 1917年作 6分
A.W.O.L. 1918年作 5分
Say Ah-hi 1928年作 14分
It's A Bird 1930年作 14分 「イッツ・ア・バード」
Believe It Or Don't 1935年作 8分
Pete Roleum And His Cousins 1938年作 16分
Wild Oysters 1940年作 10分 「ワイルド・オイスター」
A Sleepless Night 1940年作 11分
ボーナス・トラック
  Looking for Charley Bowers
   A documentary about Bowers'rediscovery by Raymond Borde
 (邦題は「世界アニメーション映画史」による)

 ボーナストラックがあるため、解説はぺらぺらの見開き一枚である。内容も以前インターネットで調べた以上のことは書いてない。タイトルが「チャーリー・ボワーズって誰?」ってなっていて、なんと以前私がこのブログで使ったタイトルとほとんど同じ。
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 30年前「ワイルド・オイスター」(マックス・フライシャー製作というタイトルが冒頭にあるため、「ポパイ」等で有名なフライシャーの珍しい人形アニメと勘違いされていた)や「イッツ・ア・バード」で驚いたオイスターや卵から自動車が生まれるアニメは、 He Done His BestやEgged Onですでに登場している。A Wild Roomerはかなり長い人形アニメのシーンがあるが、これが全体のストーリーと全く関係ないのがちょっと残念。Fatal Footstepsはほとんどアニメが使われていないが、最後に驚くべきものがチャールストンを踊る。Now You Tell Oneは一転してアニメが主役。建物に突入していく象の大群やネコヤナギから生えてくる猫といった驚きのシーンが続出。Many A SlipとNothing Doingはアニメ部分は極少で、どうも作品のかなりの部分が失われているようだ。実際アニメはなくても成り立つ話ではあるので、そのために切られてしまった可能性もある。以上が、実写アニメを混ぜたコメディ・シリーズを集めたDISC1の作品である。

  Grill Room ExpressとA.W.O.L.はマットとジェフのアニメ。前者はHe Done His Bestのコックもウエイターもいらない自動機械の原型が登場し、後者はカートゥーンとして良く動いていてアニメーションのレベルは高い。Say Ah-hiは「イッツ・ア・バード」の金食い鳥のような何でも食べる鳥が登場する。こうして見てくると「イッツ・ア・バード」はボワーズの集大成であることがよく分かる。Believe It Or Don'tはまたまた卵から自動車が生まれる。Pete Roleum And His Cousinsは唯一のカラー作品。石油が色々なところに使われているという内容であるが、あまりボワーズらしさはない。「ワイルド・オイスター」はフランス版のクレジットタイトルが付いており、フライシャー作品というタイトルはない。不思議だ。A Sleepless Nightは「ワイルド・オイスター」に出てくるネズミの夫婦が登場するが、オイル・サーディンの缶詰をベッドにしていて「トムとジェリー」みたいだ。ボーナス・トラックのLooking for Charley BowersはフランスはトゥールーズのシネマテークのRaymond Bordeがいかにしてボワーズを再発見していったかというドキュメント。フランス語に英語字幕。英語が書いてくれてあるので、案外内容がよく分かる。以上がDISC2。

 レイ・ハリーハウゼンの'A CENTURY OF STOP MOTION ANIMATION'には、ボワーズについての記述があり、Now You Tell OneとこのDVDには入っていないThere It Is(1928年作)を取り上げている。特に後者はストーリーを丁寧に説明し、スティール写真も6枚掲載している。このDVDの中ではNow You Tell Oneが一番面白かったのだが、ハリーハウゼンによれば、There It Isの方が傑作のようである。これは見たいぞ。

 ボワーズのほぼどの作品にも出てくるのが「卵」である。その昔、ポール・ドリエッセンの作品の特集上映を見て、卵にこだわる理由を聞いてみたいと思ったことがあるのだが、ボワーズのこだわりはドリエッセン以上である。

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2008/12/23

円高だからアニメの洋書を輸入しよう

 アマゾンで注文したアニメの洋書が続々到着した。
Rychuckbks
 写真下のオレンジ色の何の絵もない本は、'Chuck Jones CONVERSATIONS'という、チャック・ジョーンズのインタビューを集めた本である。一切図版はない。ミシシッピ大学出版局から2005年に出た本である。1968年のSF作家のレイ・ブラッドベリとの対談からジョー・アダムソンやマイク・バリアーといった研究者たちとのインタビュー、1999年の未発表のインタビューまで、なかなか面白そうである。しかし、字だけは辛い。

 写真左のちょっと怖い顔が描かれた本は、「ストリート・ミュージック」という作品で名前が記憶されるNFBのライアン・ラーキンについての本'BALLAD OF THIN MAN:Insarch of Ryan Larkin'(Chris Robinson著。2009年という著作権表示がされているので出たばかりの本である)である。晩年は悲惨な状態だったというのを何処かで誰かが書いていたのが頭の片隅に残っていて、アマゾンで検索したときにこの本を見つけて、取り寄せたものである。表紙と同様に怖いイラストがあるだけで、ラーキンの作品の図版などはなにもない。ただ、ラーキンの「歩く」と「ストリート・ミュージック」の2作品とラーキンについてのドキュメンタリーが収録されたDVDが付いているのが素晴らしい。

 写真で一番大きく写っているのはレイ・ハリーハウゼンとトニー・ダルトンによる人形アニメの本'A CENTURY OF STOP MOTION ANIMATION'(2008年刊)である。ハリー・ハウゼンの人形アニメの制作時の貴重な図版などが多数あって、ページをめくるだけで楽しい。スラプスティック・コメディと人形アニメを結合させた作品を作ったチャーリー・ボワーズについても書かれていて、中身を丹念に読んでいけば、新しい発見もありそうである。

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2008/12/03

「科学哲学の冒険」戸田山和久(NHKブックス)

センセイ---そうだよね。じゃ、もういちど考え直してみようか。手がかりになるのは、そうねえ、ナンシー・カートライトって人が書いた『いかにして物理法則は嘘をつくか』って本。
テツオ-----その人って、ザ・シンプソンズのバートくんの役をやっている声優と同じ名前だ。まさか同一人物じゃないよね。
センセイ---お、そういえば同姓同名だね。もちろん別人だ、と思う。

という一節があるために、このブログ・ネタとすることにした。著者は、私と同世代の研究者である。科学哲学などというお堅い(物理よりも堅いと思う)研究をしている人が、シンプソンズのネタふりをするというのは、やっぱり、我が世代だなあ、とつくづく思うのである。「相対主義」の哲学の嵐に対して、「科学的実在論」はどこまで戦えるのかを対話形式で解説した科学哲学の入門書である。「科学とは何だろうか」ということを考えたい若い人に読んで欲しい本である。また、レムの「泰平ヨンの現場検証」以降の作品を読む人には、そのちょっと読むのがかったるくなる哲学談義(レムの哲学談義も基本的には科学哲学についてである)の参考書として薦めたい。 

 「科学的実在論」というのはちょっと素朴すぎるのではないかと思ったのだが、案外そうではないことがこの本を読んで分かる。でも、「社会構成主義」の主張を論破していくってのは難しいんだよなあ。

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2008/11/24

「ルパン3世 念力珍作戦」(坪島孝監督1974年東宝)

 このところ、WOWOW、NHK-BSやチャンネルNECOで大分前に録画してそのまま見ずに放置してあった邦画を、中平康監督「危いことなら銭になる」を見て以来、消化している。WOWOWの中平康特集の他の作品についても書きたいのだが、それはまた別項で。

 で、表題の目黒祐樹主演の「ルパン3世」の実写映画である。この作品については、劇場公開時にポスターを見て、正直、峰不二子が江崎英子ではなんか違うなあと思って、見に行かなかった記憶がある。次元大介が田中邦衛、銭形警部が伊東四朗、という配役は今考えると豪華である。当時デビューしたばかりの安西マリアがちょい役で出てくるが、どうせ出すなら、彼女を峰不二子にした方が良かったのでは、なんて思ってしまう。映画が作られた当時を考えれば当たり前なのだが、アニメ版を元にした映画というよりも、モンキー・パンチの原作漫画の味を出そうとしている映画である。

 チャプリンやテックス・エイブリーのようなギャグをたくさん注ぎ込んであるが、タイミングの詰めが甘くって、まるで、カーク・ダグラス主演アーノルド・シュワルツェネッガー助演の「サボテン・ジャック」のようである。この様なギャグをたくさん入れたのは、企画に名を連ねている故・赤塚不二夫の意向だったのだろうか。自分たちが自主映画を作っていたときに一度やってみたくてやったことがある「スローモーションでもう一度」もやっていて苦笑してしまった。このシーンには、前川清が特別出演していて、なかなかコミカルな味を出していて、後年のバラエティ番組での活躍を予見させている。

 今は太平洋に眠るスカンジナビア号や戸田の御浜岬の灯台が出てきて、この作品もこういうところでロケをしていたのか!、と驚いた。来年だったか静岡県で行われる国民文化祭で、沼津市では映像文化の部があるようなのだが、協賛事業として、沼津ロケした作品を一堂に集めて上映する、なんてことをしてくれたら面白いのにねえ。例えば、「モスラ対ゴジラ」の静浦(映画中では、静の浦)の海岸線の空撮映像なんか、狩野川放水路や漁港・防潮堤の整備で失われてしまった沼津の景色の記録としても意味が大きいと思うのだ。
Photo
御浜岬の灯台。ここで、ルパンと不二子がいちゃついた。

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2008/11/11

マクラレンの本、その他

 amazonでアニメ関係の本を検索したら何冊か買っておきたい本を見つけてしまい、注文してしまった。その内の2冊、THE FILM WORK OF NORMAN McLAREN(TERENCE DOBSON,2006)、A Reader in Animation Studies(Edited by Jayne Pilling,1997)が届いた。ノーマン・マクラレンの本は、マクラレンについての本を一冊も持っていないことに気が付いて、買うことにした。マクラレンはNFB(カナダ国立映画庁)で活躍した、今で言う「アート・アニメーション」の巨匠だが、その名を知ったのは、SFマガジンの小野耕世の「SFコミックスの世界」という連載コラムであった。1970年くらいに来日したときのインタービューからの話だったが、漫画映画ではないアニメーションがあることをその時知ったのだった。その頃、マクラレンの作品はカナダ大使館のライブラリーで簡単に借りることができ、 大学時代は上映会で困ったときのNFBであった。80年代になって、このライブラリーが静岡県立中央図書館に委託されることになったのだが、今はどうなっているのだろう? 

 もう1冊は、日本アニメーション学会に先駆けて発足したアメリカのアニメーション学会The Society for Animation Studiesの論文選集である。日本アニメーション学会員として海の向こうの学会の様子を知りたかった、というか、自分自身に興味のある論文は日本のアニメーション学会の学会誌には余り発表されておらず、こちらの方にあるのじゃないかと思ったからである。論文集の良いところは、参考文献がきちんと書かれることで、各論文末の参考文献リストを眺めるのが論文そのものを読むより面白かったりする。ところで、理系の自分からすると、文系の論文ってこんないい加減でも良いんだと思うことも多い。このぐらいだったら、自分でも、と思うこともないわけでもない。でも、アニメーション学会誌に何か書いたらと勧めて下さる人もいるのに、新しいことを見いだしてもいない自分が何かを学会誌に書くというのは抵抗が大きい。

Mclaren

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2008/10/26

30年越しの確認

 中平康監督「危いことなら銭になる」(1962年)を見た。1994年にWOWOWで中平康作品がまとめて放映されたときに録画したものをやっと見たのである。10年以上録画しっぱなしにして放ってあったものから引きずり出して、思い出したように見たのである。この作品を録画した理由というのは、更に、時代をさかのぼって、今から30年くらい前に、私より年齢が上のアニメファン諸氏と話をしたときに、「ルパン3世」は日活無国籍アクションだよ、って話題が出て気になっていたからである。その時に、この作品そのものが話題に出ていたかどうかはもはや記憶にない。

 で、「危いことなら銭になる」であるが、実に面白かった。大蔵省造幣局へ納入される紙幣用紙を盗んで偽札(聖徳太子の千円札!)を作って香港の中国人マフィア(?)と取り引きしようとするヤクザに、偽札作りの名人(左卜全)を紹介して一儲けをたくらむ3人の男。この3人のキャラクター設定が、「ルパン3世」そっくりなのである。頭の回転の速い変装名人計算尺の哲(長門裕之)、ガンの達人ガラスのジョー(宍戸錠)、格闘技の達人ダンプの健(草薙幸二郎)、そして、峰不二子が出てくればこれは完璧だ、と思っていたら、ヤクザのダミー会社の女子社員(浅丘ルリ子)が、大活躍。ガラスのジョーの愛車がタンデム2人乗りのメッサーシュミット、拳銃がコルトのマグナムだったりして、このあたりのこだわりも似ている。

 全体を通してみると、浅丘ルリ子の、こんな演技をしていたんだと感心してしまう活躍が本作品の面白さの源泉になっている。左卜全と武智豊子のじいさん・ばあさんコンビも典型的な役をその通りに演じていて、いい味である。

 最後の方に単純な合成シーンがあるが、これを金田啓治が担当している。やっぱり、30年くらい前に手塚プロに上映会のためのフィルムを借りに行ったときに、相手をしてくれたのがこの金田氏であった。その時には日本の特撮史に名前を残すような人だとは知らなかったので、フィルムを借りる事務的なやりとりしかしなかった。今思えば、もったいないことであった。

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2008/10/24

トムとジェリーの新刊(洋書)

 バックオーダーになっていたJerry Beckの「TOM and JFRRY」が届いた。届いてみて驚いた。13cm×11cmのミニサイズの絵本だった。表紙裏にポケットが着いていて、シールが入っていた。Beckによる解説が最小限付いていて、トムとジェリーについて簡単に知りたい場合には役に立つ。雌猫のトゥードルスや悲観的なアヒル君も含めたキャラクター紹介もある。中国で作られたためなのか、製本にちょっと問題がある。使われている図版には妙にシャープではない物(フィルムから撮影したものか?)があり、チャック・ジョーンズ版の物も多い。でも、説明文には、制作者としてはハンナ=バーベラしか名前が出ていない。もうちょっと図版の選択にこだわって欲しかった、というのが正直な感想。
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2008/10/04

「宇宙のランドスケープ」(日経BP社)

 ハドロンのひも理論を南部陽一郎と独立に見出したレオナルド・サスキンドが、このところ主張している超ひも理論(超弦理論)に基づく「ランドスケープ理論」について解説した本である。ブライアン・グリーンの「エレガントな宇宙」、リサ・ランドールの「ワープする宇宙」に続く、ストリング宇宙論第3弾。

 本書のタイトルにもなっているランドスケープという言葉は、物理を学んだ者には「位相空間」と言う方がわかりやすいものだが、本書の巻末でサスキンドは「ランドスケープは現実の場所ではない。それは架空の宇宙のありうる設計をすべて集めた一覧と考えてほしい」と要約している。ワインバーグが指摘した、人間が存在するためにはアインシュタインの重力方程式の宇宙定数(宇宙項)が0ではない非常に小さい数に調節されていなければならないということ、それを説明できる可能性のある概念としてのランドスケープを、訳書にして500ページを超える枚数を費やし、数式なしに説明している。サスキンドの主張をまとめると、宇宙は無限に多くあり、たまたま、われわれは、炭素を主体とする生物が生存できる宇宙定数の「生命の窓」の位置にある宇宙に住んでいるのだ、ということだ。

 本書でよく出てくる固有名詞に、「ルーブ・ゴールドバーグ機械」があり、カートゥーンのファンでもある私には、なかなかうまいたとえだなあ、と感心する。「ルーブ・ゴールドバーグ機械」というのは、「トムとジェリー」や「コヨーテとロードランナー」などにもよく出てくる、「風が吹くと桶屋が儲かる」式の手の込んだ、いろいろ回り道をした末に、あることをする装置であり、ルーブ・ゴールドバーグはそういう装置の1コマ漫画をたくさん描いた、アメリカでは有名な漫画家である。日本の例で言えば、「快獣ブースカ」第1話での大作少年の目覚まし装置のアレである(例が古すぎるか)。素粒子から宇宙までを統一して説明しようとしている最新の超ひも理論の様子がまさに、ルーブ・ゴールドバーグの機械のような、複雑で妙に技巧的なもので、本当はもっと直接的な方法もあるだろうにと思わせつつ、面白いなと思わせるものだからである。自分も参加してみたいと思ったりもするが、ルーブゴールドバーグの機械を考えられそうで、実は、あんまり面白いものが思いつけそうにないのと同じ結果になるのは目に見えている。

 超ひも理論の正当性の証拠が見つかるかもしれないという期待もあった新型加速器、CERNのLHCだが、不具合が見つかったということで、しばらく修理するという。来年はついに超ひも理論の尻尾くらいが捕まえられるだろうか? すばる望遠鏡等の天体観測の方で意外な証拠が見つかるかもね。

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2008/09/24

Who's Who In Animated Cartoons

 Amazonからトムとジェリーの新刊本(洋書)が出るので予約受付中、という案内メールが来たので、予約した。その時、他の推薦本として出ていたWho's Who In Animated Cartoonsも一緒に頼んだ。これはAmazonと契約しているアメリカの古書店扱いの本だったので、先にこの本が送られてきた。2006年に出版されていたJeff Lenburgの本である。Animated Cartoonsとなってはいるが、レイ・ハリーハウゼンやジョージ・パル、ニック・パーク、バリー・パーヴスといった人形アニメの作家たちも取り上げられているし、ヨーロッパのアニメ作家や我が川本喜八郎、手塚治虫、宮崎駿、さらには、Yの項では、山村浩二がただ1人取り上げられている。自分自身、もう追いかけるのも諦めている最近のアヌシーなどで賞を取った作家やテレビアニメの演出家も出ている。あの人はどんな人だったっけ、と調べるにはなかなか良い本だ。

 Jeff Lenburgが著者なので、ジョー・バーベラやチャック・ジョーンズなどの劇場用漫画映画製作で名をあげて、その後テレビ用の作品制作に携わった人物の項目の分量がやはり多い。これは、私の興味と一致しているので都合がいい。

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2008/08/25

カートゥーン・ラグーン in 富士急ハイランド

 娘が友達と富士急ハイランドへ遊びに行った。この夏から、カートゥーン・ラグーンというルーニー・チューンやトムとジェリーのキャラクターの絵が描かれたアトラクションができたことを、新聞の折りこみ広告で知っていたので、我が娘は、この父のために写真を撮ってきてくた。
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 また、おみやげまで買ってきてくれた(もしかしたら、妻が指示したのかもしれないが)。かつて東京・銀座にもあったが撤退してしまって残念に思ったワーナー・ブラザーズ・スタジオ・ストアが併設されていて、そこで買ってきてくれたのだ。買ってきてくれたものは、もちろん、ワイリー・コヨーテ(ロードランナーではないぞ)のキャラクター商品。
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Dscf4335_2  ロードランナーとコヨーテのチョコレート・タルト・クッキー。お菓子の味はそれほど美味しくない。製造はどこだろうと思って裏を見たが、販売社名しかない。沼津の土井製菓(富士箱根伊豆地域で売っている土産の菓子の多くを作っている会社。昔、白馬に行って土産のお菓子でこれが良いと思って製造者を見たら、土井製菓だったので買うのを止めたということを覚えている。なんと長野みやげまで土井製菓が作っていたのである!)が作っているならもっと美味しいだろうにと思った。

Dscf4337_2 ロケット・カーに乗るコヨーテ。こういう物が近くで手にはいるのは嬉しい。


 娘の話だと、Tシャツなども売っていたが値段が高いので買えなかったという。それを聞いて、オーストラリアのゴールドコーストのスタジオ・ストアに行って、値段が高かったのでコヨーテのポロシャツを買わなかった自分を思いだしてしまった。

 しかし、ワーナー・マークにトムとジェリーというのは違和感あるなあ。
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2008/08/07

今年は行けそうかい

 今年のアニメ総会の正式な案内が届いた。10月12~13日で、会場は東京、本郷のふたき旅館である。昨年は、フレンチブルーミーティングと重なって、どちらに行くか悩んだが、今年のFBMは25~26日で完全にずれた。悩む必要はなくなったかというとそうではない。昨年より前後ろにずれてくれたおかげで、どちらも、部活の大会などに引っ掛かることになってしまった。これでは、どちらにも行けない!


 全国アニメーション総会 東京大会 WEBサイト


 赤塚不二夫追悼上映というのがありそうだなあ。

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2008/08/02

とばせ正義のゴールまで・・・越部信義は健在なり

 もう上映が終わりになってしまうということで、あわてて、新しく清水町にできた静活のシネコン、シネプラザ・サントムーン柿田川に行き、「スピードレーサー」を見てきた。字幕版は既に上映が終了していたので、日本語吹き替え版である。日本語吹き替え版を積極的に見る気はなかったのだが、森功至や内海賢治という「マッハGOGOGO」に出ていた声優の声を聞けたのが良かった。更に良かったのが、越部信義作曲の主題歌をアレンジしてテーマ音楽として使っていたことである。このテーマが聞こえてきただけで、わくわくしてしまったし、長いエンドロールも最後まで見てしまった、というより、聞いてしまった。

 ストーリーはレース映画の典型だが(原作がそうだったから当たり前か)、煎じ詰めれば同じことをしている「カーズ」の古典的なレースシーンとは違って、ゲーム感覚の未来のレースである。本作の監督のウォシャウスキー兄弟の「マトリックス」ではそういう部分についていけない自分を感じてしまって、この手の映画を見なくなってしまったのだが、「マッハGOGOGO」のオープニングでマッハ号がジャンプして車体の下部が見えるというわたしの好きなシーンを、大事なところで再現していたりして、ゲームというよりもマンガ的処理になっているので、懐かしいテーマ曲も手伝って、楽しめた。

 クリスティーナ・リッチが一頃より痩せて、まともなヒロインを演じているのもいい。

 以前、クエンティン・タランティーノが来日したとき、「スピードレーサー」のTシャツを着ていたので気になったのだけれど、タランティーノはどんな思いでこの映画を見たのだろうか。


 ところで、最新の映画館であるシネプラザ・サントムーンだが、これだけ良い映画館が広い無料駐車場付きでオープンしてしまったことが、ボウルビルの息の根を止めてしまったのだろうなあ、と思う。ここに来てしまったら、沼津に住んでいる人間であってもジョイランド沼津には行かなくなってしまう、今日初めて行って、本当にそう思った。客もジョイランド沼津よりはいるように思う。ただし、「スピードレーサー」は私以外に10名くらいの客しかいなかった。

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2008/06/16

俺たちフィギュアスケーター

 15日はジョイランドの日で、千円で映画を見れるので、沼津で見れるとは思っていなかった「俺たちフィギュアスケーター」を家族で見に行った。「燃えよ!ピンポン」よりもこちらの方が作りがメジャーである。でも、意外にも下ネタはこちらの方が多かった。
 スポーツをネタにしたコメディという同じジャンルの映画を続けて2本見たわけだが、卓球にはこだわりのある自分には「燃えよ!ピンポン」は実は素直には笑えず、フィギュアスケートには全然思い入れがないので、かえって、「俺たちフィギュアスケーター」の方が単純に笑えて楽しめた。
 主人公たちに優勝させまいと悪巧みをする双生児ペアは、そんなこととしない方が優勝できたんじゃないと思わせてしまうところが、ちょっとブラック魔王とケンケンのコンビを思い出させ、ラストで優勝した2人が空を飛んで星になってしまうのは、ロードランナーを捕まえるのに失敗して、夜空の星になってしまったコヨーテのよう。

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2008/05/29

不明瞭な取り込み画像

 映画「スキャナー・ダークリー」を遅ればせながら、wowowの放映を録画して見た。ディックの原作に忠実にダイジェストしてあり、「ブレードランナー」のような大きな改変がない。原作を3回の翻訳で読んでいる私には、原作の印象的な部分を上手く盛り込んでいるなあと思うの(ドナとの出会いのシーンがないのが残念)だが、原作を知らずに見た人には、何だかわからないシーンの連続と思われるかも知れない。技法に対する疑問も感じる。演じた俳優が誰なのか分かるように実写映像を全編アニメ画像に変換しているのだが、実写そのままで良かったのではないか? それとも、フレッド=アークターの悲劇全体をさらにスキャナーで見ている人間がいるという趣向なのか?

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2008/03/09

久しぶりに、アニメ関係の洋書を買った

 その1.Barry J C Purves著 Stop Motion(Focal Press 2008)
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 これは、以前書いたSASHAの人形の作者Sさんがイラストを描いている本である。Sさんは、広島のアニメフェスでであった人形アニメ(「ネクスト」「スクリーンプレイ」など)の作家である、この本の著者バリー・パーヴスのイギリスのスタジオに遊びに行ったりするほどの親交がある。Sさんからこの本の出版の話を聞いたときには、パーヴスが自身の作品について語っただけの本かと思ってた。ところが、古今東西の人形アニメやその周辺分野(人形劇や腹話術など)、さらには、人形アニメ製作の裏話について書かれている、これ1冊で人形アニメが良く分かる本であった。
Stopmotione
 「アニメの歴史について書かれた本では何故か、人形アニメが無視されている」と、この本の執筆の動機を語る部分では、その昔、ジョー・アダムソンが「TEX AVERY King of Cartoon」で「映画の歴史が書かれるときには、ドキュメンタリー映画については言及されるのに、何故かアニメーションは無視される」と書いていたのを思いだしてしまった。また、パーヴスを人形アニメの世界に誘ったのはレイ・ハリーハウゼンであったという話には、パーヴスはやっぱり自分と同世代であったのだなあ、と初認識。


その2.THE HANNA-BARBERA TREASURY(INSIGHT EDITIONS 2007)
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 これは、SCMの新年会をやったとき、わいりーさんから教えてもらった本。所々にポケットがあって、動画用紙のコピーやらキャラクター・カードの復刻複製などが入っていて、楽しい。SCMの新年会でカラオケに行ったときに、「電子鳥人Uバード」(原題:BIRDMAN)を歌いたかったのに曲がなかったのが不満だったので、この本にBIRDMANの絵なんかがたくさんあって、ちょっとうれしい。
Hbtreinside


その3.Jerry Beck他著  The ANIMATED MOVIE GUIDE( A Cappella Book 2005)
Animov
 その2の本にも関わっている、アニメ研究家ジェリー・ベックが中心になって書かれた劇場用長編のガイドブック。ミシュランのように星印の数で評価されている。星4つが最高評価で、2つが水準作。日本の作品もたくさんある。パラパラ見た印象では、ディズニーと宮崎アニメの評価が高い、というある意味当たり前の評価である。しかし、例えば、日本では評価が高い「やぶにらみの暴君」、アメリカ公開タイトルThe Adventures of Mr.Wonderbirdやディズニーの「不思議の国のアリス」が星2つ半であるのに、「アラジン」が星4つというちょっと、不思議に感じる部分もある。
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 面白かったのは、「ライオンキング」に対するコメントで、日本のマンガ・ファンから「ジャングル大帝」に似ているとクレームが付いたということを紹介している。この中で「ジャングル大帝」の作者を、Ozama Tekuzaとしているのだが、「クレオパトラ」や「千一夜物語」などの手塚作品の項目ではきちんと、Osamu Tezukaとしてあり、索引にもOsamu Tezukaで載っている。不思議だ。


その4.Jerry Beck著  LOONY TUNES THE ULTIMATE VISUAL GUIDE (DK Publishing,Inc. 2003)
 これまた、ジェリー・ベックの本。タイトルそのままでの本である。今まで出ていたワーナー漫画の本では大きく扱われていなかったマイナー・キャラも見開きページで大きく出ていたりして楽しい。なにより、英文が少ないのが良い。

Loony
Loonyinside

その5. Frank Espinosa文 San Wei Chan絵 Draw the Loony Tunes (Chronicle Books LLC 2005)

 副題にキャラクターデザイン・マニュアルとあり、これがこの本の内容を一言で示している。ワーナーが版権の総元締めのためか、ハンナ・バーベラのテレビアニメのキャラクターの絵も使われている。 これを見れば、バッグス・バニーを上手く描けるようになりそうだ。

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2007/10/15

伊良湖黒潮総会

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 第38回アニメ総会に行ってきました。部屋割りがSCMグループで一緒だと思っていたら、自分だけ、久しぶりに参加するオールド・アニメファン(今回の主催サークルTACを作り、上京してアニメーターになった後、SL写真家として有名になった南正時さんなど)部屋に。参加者の顔ぶれを見て、こちら側に入れられても仕方がない年齢になってしまったか、と妙に納得する。

 シトロエンC4で出かけたので、東名走行中に気になるクルーズコントロールを使ってみたが、不具合は発生せず。前回急に使えなくなった時と同じように、設定速度を変えるということを何度かしてみたが、問題なし。いったい、突然使えなくなるというのは何だったのだろう。

 伊良湖とアニメ総会というと、1982年第13回総会の時(参加者全員でアニメを作るという企画がメインで、当時学生だった庵野秀明がいかにも庵野らしい作画をしたのが記憶に残っている)、やはりTAC主催で知多半島の内海で行われた時に、この伊良湖からフェリーに乗っていったことを思い出す。そのときと同じように東名を浜松インターで降りて1号線から湖西市白須賀の交差点で42号線に入っていった。82年の時の記憶は薄れ、88年に当時勤めていた職場の同僚と買い換えたばかりのシャトル56iで伊勢に渡った時にも通ったなあと思いつつ、沿道の畑とメロン狩りの看板はその頃と余り変わっていないようだが、こんなに時間がかかったかなどとも思ってしまう。同じような光景は記憶の中でカットされてしまったのだろうな。

 かつて無理やり参加者にアニメを作らせたTACだからか、いや、自主制作のTACだったから(今回の総会でかつての作品集が8ミリ映写機で上映された)、今回、3秒間18枚のパラパラアニメの「宿題」があった。作画用紙をスキャナで取り込んでWEBページにして1秒約6枚のスピードでページを切り替えてアニメに見せるというものである。この「宿題」は任意であるが、悩んだ末、前日に18コマの絵を描いた。アニメになる絵を描くのは実に久しぶりである。自己紹介のときに、自分のものがスクリーンに映し出されるのだが、2CVでやってきたK.Jr.君も、まるで同じ発想だった。つまりは、C4のトランスフォーマーCFのもじりである。私はK.Jr.君のような画力はないので、単純な線画のメタモルフォーゼ・アニメにしたが、彼は自分の運転する2CVをきちんとロボットにした。しかも色つきで。
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 土曜の朝、出かけるまでに時間があったので、テレビのチャンネルをパラパラ回していたら、ケーブルテレビの自主放送チャンネルで、2000年7月にwowowで放送されたオーストラリアの鉄道の旅が放映されていた。ケアンズ、ロックハンプトン、ブリスベンという私が行ったことのある都市の紹介も入っているので、ちょっと懐かしく感じて見続けた(実はこの番組、初めてのオーストラリア、それもロックハンプトンに行くことになった時に、その直前に放送され、情報の少ないロックハンプトンという町の様子を知りたくて、見ていたのであった)。そして、今度ロックハンプトンに行くようなことがあったら、ブリスベンから列車で行くのもいいかもなどと思ったりしたのだが、よもやそのときには、総会で、南さんが鉄道写真家に転進したばかりの頃8ミリフィルムで撮ってきた、今はもう走っていないヨーロッパの特急列車の貴重な映像を見られるとは思ってもいなかった。こういうアニメ以外でも貴重な物が見られるのが、総会の良さだな。

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2007/10/11

ルーニー・シールズ

 自分ではアニメ・キャラ商品は積極的には買わないのだが、妻や娘が雑貨屋などでワーナーやハンナ=バーベラなどのキャラクターの物を見つけると買ってきてくれる。そんなわけで、なんとなくコヨーテ君の物などがまわりに増えてきた。
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 最近、片浜駅そばのお宝中古市場(万代書店とついこの前までは名乗っていた)で、100円シールの販売機にワーナー物があるのを見つけた。何が出てくるのか分からないのはガチャガチャと同じ。コヨーテが出るまでと頑張って、20枚。だぶりが5枚出た。シールの裏を見ると、16種類有るようだ。バッグスが出ていないので、きっと最後の1種類はバッグスであることは確実だ。「不思議なカエル」のミシガンや背中で子猫を飼っているマーク・アンソニーとその子猫(プシーフット)というマイナー・キャラもあって、私には実にうれしいシールだ。バッグスが出るまで、自分で買ってみようかな。

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2007/10/10

ブルータスの真相

 ポパイのライバルは、ブルートである。ところが、このブルートという名前が途中でブルータスに変えられた。この変更の理由として、どこで誰が書いたのかもう忘れてしまったが、ディズニー・プロから犬のプルートに似ているとクレームがついて変更になった、というのを読んだ記憶がある。ところがである。読もうと思っていたが放り出したままになっていた”Popye:An Illustrated History”(Fred M. Grandinetti;1994)を何の気なしにパラパラめくって、目に留まったページを読んだら、次のように書いてあったのだ。

 (「ポパイ」の権利を持つ)キングフィーチャーが1960年に「ポパイ」のテレビアニメ版を制作しようとした時に、ブルートはフライシャーやフェーマス・プロ制作の劇場版「ポパイ」のアニメに出てきたキャラクターで、その権利はこれらの漫画映画を公開していたパラマウント映画にあると誤解して、ブルータスに変えてしまった。実際には、キングフィーチャーが権利を持つセガーの原作漫画に先にブルートが登場していたにもかかわらず。

 さらに驚いたのは、この1960年の「ポパイ」のテレビアニメ版は、ジーン・ダイッチやハラス=バチェラーが実際の製作に関わっていたこと。買ったときに、多少とばし読みでも良いから目を通しておくべきだった、とつくづく思う。

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2007/09/22

TOON GUIDE4 発売中

 私が参加している同人誌TOON GUIDE4が発売中です。「たのしい北朝鮮アニメ」「FUTURAMA」が私的にはうれしい記事です。以下宣伝です。


★主な内容
ティーン・タイタンズ/スターファイアー役の声優・月本皇子さんロングインタビュー。
小特集「ティーン・タイタンズ 東京で大ピンチ!」「ハンナ・バーベラ追悼」「トータリー・スパイズ!スパイアイテム中百科」「たのしい北朝鮮アニメ」
イラストコラム「FAMILY GUY」唐沢なをき&よしこ
作品解説「FUTURAMA」「リブート」「トランスフォーマー・ザ・ムービー」他

同人誌通販エルエルパレス
http://www.llpalace.com/

まんだらけ通信販売
http://ekizo.mandarake.co.jp/shop/ja/search.do?action=itemMaker&makerId=001358&withA

出版評論社NetShop
http://bestseller.shop-pro.jp/

にて通販開始しました。
コミケで買えなかった方はこちらでどうぞ。

また大阪・日本橋/おたくの殿堂で店頭販売しております。
日本橋にお越しの際はぜひお立ち寄り下さい。
http://www.otaden.com/

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2007/09/17

リュック・ベッソンと3DCGの王国

 「アーサーとミニモイの不思議な国」(日本語吹き替え版)を先行上映で見た。地元の宝塚劇場で、夜7時20分からの回を見たが、なんと、我が家族3人以外には客は入らず、貸し切り状態で見た! 先行上映だと各種割引も効かないが、貸し切りになってしまうなら、割り引かれずともまあいいか(もっとも800円分の駐車料金の割引はしてもらえたが)。この間「プレステージ」を見たときにも自分以外にはもう1人くらいしかいなかった。70年代後半から80年代前半の映画冬の時代に映画館を増やしたと業界でも注目された東部事業所も近くにシネコンができて苦戦している状態。

 本題に話を戻すと、ミニモイの世界のCGキャラ・デザインや動きは、ディズニー=ピクサーのカートゥーン風とは違って、ヨーロッパの人形アニメ風。ティム・バートンの「マーズ・アタック」を思わせる悪役キャラもいる。主人公達は、日本の人形作家与勇輝(字はこれで合ってたっけかなあ?)の作る子供達にも似ている気がする。庭にある異世界ということでは「ミクロキッズ」を連想させた。昆虫も出てくるので「アンツ」や「バグズライフ」も思い出したが、それよりもNHK教育テレビでやっていた「インセクト」(だと思ったが)というフランス製のCGアニメの雰囲気だ。もしかしたら、CGのスタッフは同じなのかな。(以前だったら、こういうことは自分できちんと調べたりしたものだが、最近は時間ばかりでなく、そういうことをしようという気力が無くなってきている。自分が調べなくても、誰かが調べてくれるだろうという気持ちもある。)

 ミニモイの王様は、なんとなくジャン・レノに似ていると感じたのだが、オリジナルの声優はロバート・デニーロだった。デニーロと言われれば、デニーロにも似ている気がする。

 一言で見た感想をまとめるなら、こういうファンタジーは好きだなあ。

 「トランスフォーマー」よりもお薦めです。

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2007/07/13

第38回全国アニメーション総会伊良湖大会

 結成40周年を迎えたTAC(東海アニメーションサークル)が9年ぶりに主催する第38回アニメ総会の案内が来ました。同じ時期に行われているFBM(フレンチ・ブルー・ミーティング)と今年も重なってしまいました。ということで、私は今年もFBMをパスして、アニメ総会へ行きます。

 日時:2007年10月13日(土)15時受付開始 16時開会
              14日(日)11時頃解散
 
会場:愛知県田原市伊良湖町  恋路ヶ浜「黒潮

 定員:70名

 参加費:14000円(予約金5000円) 子供・幼児料金の設定あり

 申し込み締め切り:9月15日

 詳しくは、アニペケWeb

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2007/05/04

突然、ジョン・ゾーン

 世の中連休だというのに、仕事が続く。そんな昨晩、急にジョン・ゾーンの「スパイVSスパイ」が聞きたくなった。それで、CDを引きずり出して聞いてみた。こんなにクリアーな音だったのか、とちょっと驚く。そういえば、スピーカを替え、CDプレーヤーを替えた後には聞いていなかった。90年代の初めにCDを買ったときに聞いたきりで、その後聞いていなかったのであった。なぜ、ジョン・ゾーンなどというある意味とんがったアルトサックスの即興ミュージシャンに出会ったのかというと、「ジャズ・アヴァンギャルド」などという本に、ワーナー漫画の音楽を担当したカール・スターリングにもっとも影響を受けて曲作りをしている、という記述があったからである。カートゥーン・ミュージックから影響を受けたジャズ、なんて魅力的ではないか!

 「スパイVSスパイ」を聞いて、自分が勘違いしていたことに気付いた。このアルバムは、かのフリー・ジャズの創始者オーネット・コールマンの音楽を料理したもので、自分が聞きたかったのは映画音楽を料理した「ネイキッド・シティ」の方であった。「バットマン」や「暗闇でドッキリ」、「007/ジェームズ・ボンドのテーマ」を実は聞きたかったのであった。「スパイVSスパイ」もゾーンとティム・バーンの2本アルトが面白いので、そのまま聞いてしまい、オーネット・コールマンも久しぶりに聞きたくなった。でも、「スパイVSスパイ」は、やはり、ヘヴィで、続けて聞く気力は出ない。ということで、続きは今晩、先程聞いたのであった。「淋しい女(ロンリーウーマン)」は、オリジナルのコールマンと聞き比べて、ゾーンのダイジェストの鋭さに、笑えた。

 やっと、明日明後日は休みである。久しく聞いていないCDを聞く連休にしようかな。

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2007/01/13

長生きシャーロット

 昨年久しぶりに映画館に行き、「時をかける少女」を見た時に、「シャーロットのおくりもの」の予告編をやっていて、驚いた。かつて、かのハンナ・バーベラ・プロでアニメ化されたことがあったE.B.ホワイトの児童文学の実写(とはいっても、明らかにCG多用だが)映画化である。今頃になって、なぜ?、という感じも受けたし、かつてのアニメ作品を実写映画化する流れもあるので、それなのかなあ、と感じたのだが、私の見た新聞などの映画評では、ハンナ・バーベラ版のアニメには触れられていなかった。

 暮れになって、ジョー・バーベラの訃報を知り、「シャーロットのおくりもの」も公開されたので、どこかのテレビ局で、バーベラ追悼を兼ねて、冬休みアニメ劇場みたいな感じでやってくれないかなあ、などと思っていた。そしたら、妻子がダコタちゃんを見てきたといって、「シャーロットのおくりもの」のパンフレットを渡してくれた。案の定、パンフレットの解説文では、アニメ版のことに触れてはなかったが、関連商品宣伝の最終ページの下の方に、アニメ版のビデオ・ソフトの宣伝が出ていた。そこには、ハンナ・バーベラ制作の文字はなく、主人公のブタの絵が目立つだけであった。「トムとジェリー」のハンナ・バーベラが作った、って書いたら、このアニメ版も買ってみようと思う人も多くなるのに、と思ってしまったくらいである。

 そんな感想をここに書くか書くまいかと思っていたところ、このアニメ版の監督の一人、イワオ・タカモトの訃報も入ってきた。一時期のハンナ・バーベラ・プロの中心的アニメーター、ディレクターである、という知識しかなかったが、この訃報で、ディズニー・プロから仕事を始め、「弱虫クルッパー」(日本の新聞各社の訃報で、きちんと、この日本放映タイトルを書いていたのは、良かった)のクルッパー(スクービー)のデザインをしたことを初めて知った。と、同時に、スクービーのアメリカでの人気の大きさを感じたのであった。

 タカモト監督の「シャーロットのおくりもの」(1973年作)を初めてみたのは、今からほぼ30年前、1978年のやっぱり正月だった。地元の映画観賞サークルが、建て直されてしまう前の三島市民会館の大ホールで行った自主上映会でだった。東映動画の「長靴をはいた猫」と同時上映だった。そのために、「シャーロットのおくりもの」が、ちょっとつまらなく感じられてしまったのだった。でも、ウォルト・ディズニー亡き後のアメリカ・アニメ界を引っ張っていくのは我々だという意気込みと作品作りの良心は十分感じられるものだった。面白いのは、ハンナはこの作品に愛着と自信があったらしく自伝で取り上げているのだが、バーベラは自伝では全く触れてない、ということだ。この作品、かつて日本でもビデオ発売されていて、それで見たという人もいると思う。

 ゲイリー・ウィニック監督「シャーロットのおくりもの」のおかげで、図らずも、イワオ・タカモトの代表作のDVD発売となったことは、彼の父祖の地での一番の追悼となったように思う。

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2006/11/05

チャーリー・ボワーズ、お前は誰だ

 先日突然、「世界アニメーション映画史」の著者の1人伴野さんから電話があった。何かと思ったら、今度、世界のアニメーションの大全集DVDが発売されるので、その解説を頼まれて、もう1人の著者望月氏と分担して書いているところだという。それで、伴野さんの担当は人形アニメなのだが、チャーリー・ボワーズCharley Bowersの「ワイルド・オイスター」Wild Oysters(1940年)が、なぜ、「ポパイ」や「ベティ・ブープ」のフライシャー名義で公開されたかということについて、経緯を知らないか、という話であった。このような質問が私のところに来た理由は、前回の静岡のアニメ総会で、この「ワイルド・オイスター」を上映したということと、さらに遡って、1980年に、同じボワーズの「イッツ・ア・バード」It's a Bird(1930年)の8ミリフィルムをアメリカから直輸入して一見してその凄さに驚き(圧巻は、鳥の産んだ卵が孵化すると、なんと、T型フォードになってしまう!)、すぐに伴野さんのところにフィルムを持っていき見てもらい、当時のアメリカとフランスのアニメ雑誌に少しだけ記述があったボワーズについて調べて、同人誌で紹介したということがあったためだろう。杉本コレクションにも同じ頃「イッツ・ア・バード」の16ミリフィルムが入り、80年の東京でのアニメ総会で上映された。このときに、私の所有する8ミリフィルムにあったシーンが、16ミリフィルムの方ではカットされていたのを不思議に感じた(と同時に、自分の方が完全版に近いんだぞと、ちょっと優越感を持った)。

 それで、今回チャーリー・ボワーズについて調べなおしてみたが、80年の時点では持っていなかったアニメ関係の本にはやっぱり記述がなく、インターネットで検索してみた。そうしたら、2004年にボワーズの15作品を集めたDVDがアメリカとフランスで発売されていて、その関係のページが幾つか見つかった。一度は忘れられてしまったボワーズについて発掘し、再評価をしたのは、バスター・キートンなどと同様に、フランスのシネマテークであった。だから、見つかったページとしてはフランス語のものの方が多かったりする。とりあえず、それらに目を通してボワーズについて、今分かっていることをまとめると以下のようになる。


 1889年アイオワ州クレスコ生まれ(チャーリー・チャプリンと同い年)。1928年のプレス・ブックには、母はフランス貴族、父はアイルランド人の医者、5歳の時にサーカスのピエロから綱渡りの芸を伝授され、6歳の時にサーカス団に拉致され2年間家に帰れず、そのショックで父が死んだと書かれている(サーカスで綱渡りをしていたということ以外は、怪しい)。1916年から26年まで、マットとジェフMutt&Jeffのアニメ制作に携わる。1926年から、ストップモーション・アニメーションと実写が入り混じる(これは、The Bowers prosessと呼ばれた)2巻物(20分)のサイレント・コメディ映画を制作。26~27年はR-C PicturesとF.B.O.、28年は6本がEducational Picturesから配給された。 「シュールリアリズム宣言」のアンドレ・ブルトンAndre Breton が、1930年のIt's a Bird(自身が出演した唯一のサウンド・コメディ)を、当時絶賛した文章が残っている。フランスでは、Bricoloとい名前で知られていた。It's a Birdを制作した後、ニュージャージーに移り、30年代の8年間は、ニュージャージーの地方新聞Jersey Journalの漫画家となり、絵本の制作に携わった。唯一のカラー作品Pete Roleum and His Cousinsをジョセフ・ロージーJoseph Losey監督のもとで、1939年のニューヨーク万博のために制作した。人形アニメ(クレイアニメ)のWild Oysters (1940年)をフライシャー名義で公開、これが最後の作品となった。また、その前にA Sleepless Nightが、同じねずみ夫婦のキャラクターで制作されている。1941年に病気のためニュージャージー州パターソンの病院に入院しそのまま退院することなく、1946年に亡くなった。1976年のアヌシー・アニメーション・フェスティバルでのリバイバル上映で話題を呼び、再評価が始まった。


 というわけで、伴野さんの疑問に対する回答はまったく得られなかった。もしかすると、DVDの解説にはもっと詳しいことが出ているのかもしれない。久しぶりにDVDを直輸入してみようかなあ。

 今朝起きて、カートゥーン・ネットワークで「バッグス・バニー・ショウ」をたまたま見たら、「幻のドードーを探せ」DOUGH FOR THE DO-DO(1949年)をやっていて、これが「イッツ・ア・バード」そっくり。この作品は、1938年のロバート・クランペット作品PORKY IN WACKYLAND(1938年)のカラー・リメイクであるが、インターネットで調べたボワーズについての文章に、「イッツ・ア・バード」の影響がPORKY IN WACKYLANDに見られる、と書かれていたものがあった。全くの偶然で、こうやって確認できてしまったのが、またまた不思議。

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2006/10/23

全国アニメ総会静岡大会終わる

 昨日、無事、第37回アニメーション総会が終了しました。DVD関係で理解不足による想定外の事態が起こりましたが、予定していた作品をすべて上映できました。スタッフ、参加者の皆様(56名参加)、ありがとうございました。

 今回の総会の準備中には、今度回ってくるときには、もうできないのじゃないかと思ったりしてたんですが、終わってみると、次もやりたいなあと思ってしまう不思議(次回は、16ミリフィルム担当に徹します)。

 会場の伊豆長岡温泉のこだま荘はDaneelさんが手配してくれた旅館だけれど、なかなかこじんまりとして良いところでした。一時期、通勤でこだま荘の前を毎日通っていて、「日帰り入浴できます」という看板に気を引かれていたのだけれど、さすがに自前の源泉だけあって、お湯の質は良かったように感じました。また、「全国アニメーション協会」という看板の間違いがご愛敬でした。総会主催サークルで、本当に「全国アニメーション協会」なる団体を作ってみましょうか、なんて思っちゃいました。

 今回の総会で今までと違っていたのは、持ちこみ企画が3つもあったこと。過去の静岡総会でも毎回、持ち込み企画の案内を出していたのだけれど、自主制作以外にはなかった。用意したDVDプレーヤーの問題で、1つは次回にということになってしまったけれど、それぞれ、はっとさせられる内容で、さずがでした。

 来年は、昨年のお約束通り、TAC主催で名古屋近辺で行わます。とりあえず、後継主催者難のアニメ総会も、もう1周は確実に実施されそうです。目指せ50回!、て感じでしょうか。

 私達SCMが参加者から主催者になったのは1987年の18回総会から。今回、このときに作ったオープニング・フィルムを上映しましたが、もう20年になるのか・・・若かった・・・。この頃はアニメ・バブルみたいな時期で、参加者も多く、今回の倍の120名もの参加者がありました。会場は、できたばかりの伊豆高原合宿センターでした。ちなみに、今、伊豆高原合宿センターは、エクシブ伊豆高原というリゾートホテルになっています。このとき、実は総会にとって転機となる重大な出来事がありました。それは、フィルムコレクターの杉本五郎氏が亡くなったこと。アニメ総会というのは、それまで、この杉本氏のコレクションを見る会と言っても過言ではありませんでした。今回こだま荘でやった総会では、16ミリフィルムの上映も多く、国産テレビアニメ作品はなく、夜中に、某特撮番組や特撮映画をやったりして、杉本コレクションを上映していた頃の総会の雰囲気に、図らずも、近くなっていたようです。自分たちで用意できる物をやっただけなんだけれど。

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2006/10/15

第37回全国アニメ総会まで1週間

 アニメ総会まで、1週間です。昨日がしめ切り日でしたが、いつものごとく、まだ参加申しこみは定員には達していません。これから、2日間くらいでどっときて、定員に達するのがいつものパターンですけれど、参加希望の方は出来るだけ早急に申しこみをお願いします。

 上映作品の選定もほぼ終わり、「題名の出せない上映会」がコンセプトなので、ここに上映作品名を出せませんが、テレビやビデオでは見れなくなってしまった作品や、今話題の某国のアニメを上映する予定です。温泉も源泉を持つ旅館なので、期待してください。

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2006/10/14

高畑勲でしょう

 C4で聞くためのシャンソンやフレンチ・ポップスのCDをミッシェル・サルドゥーの「恋のやまい」が入ったものしかもっていないのは寂しいので、新たなものを2枚買った。1枚は日本でも流行ったシルヴィ・バルタンやフランソワーズ・アルディなどの曲を集めたもの「フレンチ・ポップス ベスト・セレクション」BVCP-8747で、もう1枚は、ジャック・プレヴェールの作品を集めたもの「私は私 このまんまなの~プレヴェールのうた~」UICY-4178である。プレヴェールは、かの有名な「枯葉」の作詞者である。だから、もちろん「枯葉」が入っているのは当然である。このCDを聞いてみると、1曲、ちょっとどこかで聞いたことがあるような気がするけれど、有名な曲ではないものが気になった。歌詞では、「ロワゾー」、つまり、「鳥」、という単語が聞き取れる。それで、「やぶにらみの暴君」(断じて「王と鳥」ではない)を思い出した。で、余計に気になって、全く見ていなかった解説を読んだら、驚いた。ビンゴ!、であった。こんな解説を書くのは誰だと思ったら、かの高畑勲さんでありました。曲のセレクトも高畑勲によるものだった。

 私が「やぶにらみの暴君」を連想した曲は「書取り」という曲で、「やぶにらみの暴君」に使われたものではなかった。最初、聞いたときには気がつかなかったのだが、実際に「やぶにらみの暴君」に使われた曲が2曲(「五月の歌」「昼も夜も」)入っている。イヴ・モンタン、エディット・ピアフ、ジュリエット・グレコといった往年の名歌手たちの歌ったものが多く収録されていて、実に渋いCDである。

 こんなCDが出ているとはまったく知らなかった。以前だったら、「やぶにらみの暴君」の曲が入っているというような情報は、確実につかんでいたのに! このような情報に疎くなっている自分に、ふと気がついたのでありました。
Cd2479

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2006/09/07

第37回全国アニメーション総会

 アニメなどという言葉がまだ一般的でなかった頃から続けられている、アニメファンおよび業界関係者の集まりがあります。名古屋、静岡、東京、神戸のサークルが、この順に4年に一度づつ主催担当で続けられてきました。今年は、本来の順番では名古屋のTACの番でしたが、TACの都合で名古屋と静岡の順番が入れ替わり、予定より1年早くわれわれSCMの主催で行います。


 日時:10月21日(土)15:00受付開始 16:00開会
        22日(日)11:00解散

 場所:伊豆長岡温泉こだま荘

 内容:主催者秘蔵作品上映(ほぼオールナイト上映)、宴会など     

 参加料:15000円(子供料金は設定します)

 定員:60名

 申し込み締め切り:10月14日(ただし、定員になり次第締め切り)


 上映作品は、いろいろな理由で、ここで公にはできないのですが、今回は、特に、わけありで普通では見ることのできない作品を特集上映します。16ミリや8ミリのフィルムの映写もします。フィルムで見るのも味があって良いですよ。

 また、参加申しこみについては、現在、担当者が準備しておりますので、準備が完了したところで、ご案内します。

(注)最初「第36回」と表記しましたが、昨年の神戸担当の総会が36回でしたので、37回に訂正しました。

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2006/09/04

同人誌「TOON GUIDE3」通販開始

 私が関わったカートゥーンの同人誌「TOON GUIDE3」が、以下のところで販売されています。古い作品から最新作まで、貴重な情報が満載です。自分にとっては、追いきれなくなってしまった新作について、若い人が色々調べてくれて書いてくれているのが、役に立っています。

<通販>

まんだらけ通信販売
http://ekizo.mandarake.co.jp/shop/ja/search.do?action=itemMaker&makerId=001358&withA

同人誌通販エルエルパレス
http://www.llpalace.com/

出版評論社NetShop
http://bestseller.shop-pro.jp/

<店頭販売>

東京・秋葉原/海洋堂ホビーロビー東京
http://www.kaiyodo.co.jp/kaiyodo_HB/TK_topics/

大阪・日本橋/おたくの殿堂
http://www.otaden.com/

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2006/08/03

CAR-TOON

 車と漫画映画が好きな身には、CGで漫画映画をやっているジョン・ラセターの新作「カーズ」は十分に魅力的である。「ファインディング・ニモ」以降のピクサー=ディズニーその他のCGカートゥーンは、どれも今ひとつ魅力的に感ぜず、娘もそれらの作品を見たいと言わなかったので、見ていなかった。そこに、久しぶりのラセター作品である。初めて、ラセター作品を見たときには、CGで伝統的なカートゥーンのアニメーション・テクニックを重視してどうなるんだとか、一つのCGテクニックの開発行為としては面白いかもしれないと思っていたときもある。それでも、見慣れてくると、アメリカン・カートゥーン(Americartoonという表記をJapanimationと対比して表記している向こうのカタログを見たことがある)が生き残って行くなら、それでいいじゃないか、と、最近では思っている。

 それで、「カーズ」であるが、一言で言ったら「デイズ・オブ・サンダー」ラセター版である。やっぱりNASCARがアメリカでは一番人気のあるモータースポーツなんだなと思う。主人公マックィーンの「ライトはシールだよ」という台詞にニヤッとする人は、日本では少ないだろう。フィアット500のルイジの声を吹き替えているジローラモが、予想外にいい味を出している。フィアット500を登場させたのは、すでに指摘されているが、宮崎駿への敬意の表明だろう。日本車が出てこないのはちょっと残念。日本車ではキャラが立たないということなんだろうか。

 フロントスクリーンに目がかかれているんだけれど、自動車ってヘッドライトが目に見えるんで、場面によっては、ナゾーのように(たとえが古すぎるか!)4つ目に見えてしまう。ヘッドライトをそのまま目として処理する方法もあると思うが、そうすると、マックィーンは怖くなっちゃうんだよな。レースカーの宿命をこの4つ目で表したのかもね。


 *ナゾーは「黄金バット」の宿敵です。

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2006/03/29

訃報は続く

 27日の夕刊で、映画監督のリチャード・フライシャーが亡くなったのを知った。私が小学校時代に見た字幕の洋画は、「海底2万マイル」「ミクロの決死圏」「ドリトル先生 不思議の旅」の3本で、後に、この3作すべてがリチャード・フライシャーの監督作品であったことを知り、驚いた。さらに驚いたのは、家にテレビがきたばかりの頃、毎週日曜日楽しみに見ていた「ポパイ」のアニメを作っていたのが、リチャードの父と叔父のマックスとデイブだったこと。昨年、リチャードが父親についての本「Out of the Inkwell MAX FLEISCHER AND ANIMATION REVOLUTION」を出版したので、これを手に入れ、そろそろ読もうかと思っていた。また、WOWOWなどで放送されてビデオに録画していた上記の3作よりは知られていないリチャードのB級作品も、まとめて見ようかと考えていた。というわけで、我が家では、1971年の「ラストラン」(適当に選んだのだが、シトロエンDSが登場している!)を追悼上映中である。

 リチャードの訃報の驚きもさめない昨日、今度はポーランドからスタニスワフ・レムの訃報が夕刊に出た。これまた、ディックの次はレムと、決めていただけに、大変驚いたわけである。世界でもっともSF作家らしい作家であった。SFの定義も色々あるが、私のSFの定義のコアはレムである。「ソラリス」の新訳をそろそろ読み始めようか。

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