トムとジェリー、ケイラとけんかした
現在公開中の実写合成「トムとジェリー」を家族で見てきた。ちょっと不安な感じ(「トムとジェリーの大冒険」等の長編アニメや「ロッキー&ブルウィンクル」みたいになってしまっていたら最悪だ)があったのだが、杞憂に終わって良かった。「スペース・ジャム」よりオリジナルの世界を尊重した好ましい作品だと思う。トムとジェリーだけでなく、動物がすべてアニメだったのがいい。人間側では、パッツィ・フェラン演じるジョイがいい味出している。思わぬところにあるキャラが特別出演していて驚いた(神出鬼没なあのキャラである)。
ただ、すごく面白いよとは言えないのが残念。それはやっぱり、ハンナ=バーベラの「トムとジェリー」の世界の再現の難しさにある。これについては、チャック・ジョーンズがいみじくも語った「ジェリーを理解することができなかった」という言葉に象徴される。この点で、本作は案外いいところに迫っているのだが、ジェリーが少々かわいすぎるのである。また、クロエ・グレース・モレッツ演じるケイラが人間側の主人公になるわけだけれども、高級ホテルのブライダル担当になるという動機の描写が弱く、人間世界側のリアリティが不足しているのである。モレッツのキュートなビジュアルにだけ頼っているのが物足りないのである。ジェリーとモレッツのキュートさがぶつかり合ってしまって、引き算になっているのだ。
音楽もどこかで、スコット・ブラッドリーのものを使ってほしかったなあ。
それから一瞬だけど、かつて自分が乗っていたシトロエンC4が映ったのに気が付いた。ニューヨークなのに珍しいと思ったのだが、実際の撮影はイギリスで行われたということでそうなったのかな。
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