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2020/01/20

金は貯まらず洋書は溜まる

 この一年間に買い込んで、本当は斜め読みくらいはしてからその内容を書きたかったカートゥーンの研究書について、とりあえず、こういう本だという覚書。
Dsc01481 WALT DISNEY'S ULTIMATE INVENTOR The Genius of Ub Iweraks,DON IWERKS;Disney EDITIONS 2019
 昨年末に出た、アブ・アイワークスの息子ドン・ワークスが自分の父がした仕事について記した、貴重な写真や図版満載の大型本。ディズニー・プロに戻ってきて、特殊効果やそれを実現するための技術開発に従事していた時のことが特に詳しく書かれている。これは、著者である息子のドンが、父が責任者であったディズニー・スタジオの機械工房で働いていたためでもあるのだろう。エンジニアとしてのアブについてもよくわかる本なのである。アニメーション、あるいはより広く、映画製作にとって現代でも大事な技術を開発したということでは、アブはマックス・フライシャーと双璧だろう。

 

Dsc01500 The Life annd Times of WARD KIMBALL Maverick of Disney Animation,Todd James Pierce;University Press of Mississippi 2019
 ほぼ一年前に出た本である。カリフォルニア工科州立大の教授が書き、大学の出版局から出た本で、ブックカバーの表紙にしか図版(「3人の騎士」のパンチートを作画中のキンボールの写真)がない。キンボールについての総合的な伝記であるので読む価値はあるのだが、本を手に取ってページを開いた瞬間、字ばかりなので読む気が萎えた。ディズニー・プロはこのような学術出版にも高い版権使用料を請求するのだろうか? 目次を見ると、古い機関車の保存の趣味やジャズ・バンド、ファイアハウス・ファイヴ・プラス・ツーについての章もあり、貴重な情報に満ちていそうだ。

 

Dsc01502 TERRYTOONS The Story of Paul Terry and His Classic Cartoon Factory,W.Gerald Hamonic;John Libbey Publishing Ltd 2018
 ポール・テリーとそのスタジオについての本である。この本の著者も大学教授。ロンドンにあるブルネル大学の教授なので、この本はイギリスで出版されている。アメリカ人が書かないなら自分が書いてやる、みたいな本である。付録として、テリートゥーンの重要人物リスト(「ハシモトさん」のロバート・クワハラも載っていて、その作品を見て米国生まれの日系二世だろうと思っていたのだが、そうではなくて、日本生まれで9歳の時に家族とともに移住した、と書かれていて驚いた)、劇場用短編のフィルモグラフィ、テレビ作品のリストがあり、テリートゥーンについて調べたいなら、まず、これを読め、といえる体裁の本だ。普通の単行本サイズの本なのに、横書きの3段組みという特殊な形。カラー図版もたくさんある。

 

Dsc01501 THINK PINK The DePatie-Freleng Story,Mark Arnold;BearManor 2016
 この本の著者はコミックスやTVアニメについての著作があり、「タキシード・ペンギン」や「アンダードッグ」などが収録されたDVDのコメンタリーをしている。タイトル通り「ピンクパンサー」のディパティエ・フリーレング・プロについての本。図版は多数あるがすべてモノクロで質があまり良くないものもあるのがちょっと残念。この本も巻末にエピソード・リストと初放映日、ディパティエ・フリーレング・プロ関係者の簡単な人名辞典が付いている。ピンクパンサーについては、ディパティエ・フリーレング・プロ以外のプロダクションの作品についてもリストにある。「かわいい魔女ジニー」のオープニング・タイトルのアニメはディパティエ・フリーレング・プロだったということ、「スターウォーズ」(エピソード4)に特殊効果で参加している(かなり前にエンドタイトルでこのことを見つけて、どこを担当したのだろうと思った記憶がある)のもこのリストで分かる。

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2020/01/05

ウォルト・ディズニー・アーカイブス展

 昨日、清水文化会館マリナートで開催されているウォルト・ディズニー・アーカイブス展を家族で見に行ってきた。見て思ったことは、ディズニー展ではなく、アーカイブス展なのだ、ということ。入ってすぐのところに掲げられた「ウォルト・ディズニー・アーカイブスからのごあいさつ」に「ウォルト・ディズニー・アーカイブスの仕事をご紹介する新たな展覧会に・・・」とあり、この展覧会はこれ以上でもこれ以下でもない。確かに初めて見る貴重なものが多いが、ウォルト・ディスニー作品創作の秘密がわかる、というような展示ではない。こういう資料をきちんと保存してありますよ、という紹介である。だから、高畑勲展のようなものではないし、トムとジェリー80周年展のようなものでもない。ナイン・オールドメンは紹介されているのに、この9人が描いた原画等が一緒に展示されていないことに腹を立ててはいけないのだ。

 キャラクター商品が古いものから展示されていた。ワーナー・アニメの監督のロバート・クランペットの祖母(だったと思う)が最初に商品化したというミッキーマウスのぬいぐるみ人形は残念ながらなかった。アーカイブスの資料を基にして出版された本も展示されていた。自分が持っているものをチェックしてみたら、そのうちの過半数を超えていた。買いたいと思っているが高くて手が出ない本もあって、中が見れたらいいのにと思った。テレビ番組「ディズニーランド」についての展示もあり、この番組で放送された日本の海女のドキュメンタリーのビデオが流されていて興味深かった。ロケ地はどこだろうと思い、説明を読んでみるが書いてない。

 実写のディズニー映画の衣装の展示は撮影可能であった。私の好きな「ロケッティア」のロケットマンの衣装があったのは嬉しかった。展示の最終コーナーは、日本の著名人のディズニー・コレクションだった。その一番最後に、アニメーション研究家の渡辺泰氏のものがあった。若い頃に、ディズニーの誕生日に自分でミッキーなどを描いた皿を送り、そのプレゼントに対するお礼の手紙(タイプで打たれていてディズニー本人の署名入り)である。色々お世話になっている渡辺泰さんの貴重なものである。これはちゃんと見なければと、じっくりと見させてもらった。

Dsc01344Dsc01350

 

 この展覧会のあと、10数年ぶりに日本平動物園に行った。ドラゴンボールとコラボしているようである。施設がかなりリニューアルされていた。ここから帰るなら、最近できた日本平久能山スマートインターを利用しようと、東名の側道を走り、わが母校のそばをだいぶ変わってしまったなあと思いながら通過した。このインターの位置は、もともとの静岡インターより、静岡の色々なところに行くのに都合がいいように思う。ここからしばらくの間車の流れが安定していたので、ピカソに乗り換えて初めてクルーズコントロールを使って走った。ディスプレイの表示がこうなるんだと確認。アクセルを踏み続けなくていいのはやっぱり楽だ。
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2020/01/01

謹賀新年

新年明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。

Dsc01256

「スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け」を2度目の鑑賞。1度目はららぽーと沼津の最新のIMAX3D字幕版で、今日の二度目はジョイランド三島の吹き替え版で。これでこのシリーズもひとまず終わりになるということでの感慨が深い。We are not alone.というセリフがMay the force be with you.と同じくらい出てきたことに一番心が動かされた。前者は「未知との遭遇」のテーマでありキャッチフレーズだった。アードマンの「ひつじのショーン UFOフィーバー!」は「未知との遭遇」(と「E.T.」)へのオマージュだったが、エイブラムス監督は、「スターウォーズ」(エピソード4)とともにSF映画時代の開幕とハリウッド映画の再生、さらに、ジョン・ウィリアムスの才能を世に知らしめたスピルバーグの代表作にも敬意を示しているのだなあと思う。

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