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2019/11/11

ポパイ・ザ・フェーマス版VOL.3

 'POPEYE THE SAILOR THE 1940s VOLUME3'のブルーレイが出て先月末に届いた。アメリカ本国のアマゾンに注文したのだが、日本のアマゾンでも扱っているに気が付いた。最近は自分の欲しい本国でしか出ていないDVDや本の多くが日本のアマゾンでも検索すると出てくる。為替レートや輸入にかかる費用がどういう設定なのかわからないが、日本のアマゾンで買う方が安くなるものと高くなるものとがある。このポパイのBDは日本の方が高かった。日本の方を見て注文したわけではなかったので、ちょっと安心した。
 1948,49年の17作品が入っているが、この年代になってくるとフライシャー的というより、アヴェリー的なギャグが目立つようになる。黒白時代の作品をまるまる焼き直しするというより、アクションのシチュエーションをパターン化、ユニット化して利用するようになってきて、これがポパイのパターンなんだよなという形で、「トムとジェリー」のような安定感はあり、そこそこ面白い。昔テレビで見ていた時の感じだなと思う。

 収録作品は以下の通り。

1 Olive Oyl For President(オリーブを大統領に) 1948 I.SPARBER
 題名の通りの内容である。ほぼ全編オリーブの歌で進行する。ほうれん草は出てこない。

2 Wigwam Whoopee(インディアンのバカ騒ぎ) 1948 I.SPARBER
 メイフラワー号でアメリカ大陸にやってくるポパイ。インディアン娘(ポカホンタス?)のオリーブをインディアンの酋長と奪い合う。インディアンのコンガ・ダンスがアヴェリー的。

3 Pre-Hysterical Man(原始人) 1948 SEYMOUR KNEITEL
 イエローストーン公園の谷底の洞窟にいる原始人ブルートーとオリーブの取り合いをするポパイ。崖っぷちでの写真撮影で後ろへ下がって、という指示で崖から落ちるという典型的なギャグがある。

4 Popeye Meets Hercules(ポパイ対ヘラクレス)1948 BILL TYTLA
 最初のオリンピックでヘラクレスと対決するポパイ。ほうれん草を食べた後の力こぶの中にキノコ雲。

5 A Wolf in Sheik's Clothing(アラビアの衣装を被った狼)1948 I.SPARBER
 アラビアの砂漠をラクダでドライブするポパイとオリーブ。そこへシーク(ブルートではない)が割り込んでくる。「ポパイと船乗りシンドバッド」のロック鳥をやっつけるシーンの再現がある。アヴェリー的ギャグが目立つ作品。

6 Spinach VS Hamburgers(ほうれん草対ハンバーガー)1948 SEYMOUR KNEITEL
 ウィンピー・ハンバーガー対ポパイのほうれん草天国。四つ子の甥っ子はハンバーガーを食べたいが、オリーブとポパイにほうれん草料理を食べさせられる騒動。ほうれん草の効用を過去作品のフッテージで見せる。

7 Snow Place Like Home(我が家のような雪国)1948 SEYMOUR KNEITEL
 フロリダから竜巻で北極に飛ばされるポパイとオリーブ。交易所にいるブルート(? デザインは5のシークである)とオリーブの取り合い。

8 Robin Hood-Winked(ウインクしたロビン・フッド)1948 SEYMOUR KNEITEL
 過酷な税金取り立て人のブルート。われらがポパイはロビン・フッドとなり戦う。彩色のミスがもろ分かりのシーンがある。頭がおかしくなる表現として5で使われた、頭の中の精密にかみ合った歯車がめちゃくちゃになる表現が流用されている。

9 Symphony in Spinach(ほうれん草交響曲)1949 SEYMOUR KNEITEL
 これが本BDでのベスト・ワン。オリーブの楽団に入ろうとするポパイとブルートの楽器演奏合戦。音楽と動きのシンクロが心地良い。

10 Popeye's Premiere(ポパイの映画初日)1949
 劇場でポパイの過去の活躍を映画化したものを見るという設定での、フライシャーのカラー作品「アラジンと魔法のランプ」のダイジェスト版。なので、監督名がクレジットされていない。

11 Lumberjack And Jill(きこりと娘)1949 SEYMOUR KNEITEL
 きこりのポパイとブルートの仕事場にキャンプをしにオリーブがやってきて・・・といういつものパターン。製材所のシーンでジェットコースターでの戦いが再現される。トムとジェリー的な変形ギャグ多用。

12 Hot Air Aces(熱血大空の撃墜王)1949 I.SPARBER
 飛行機レースをするポパイとブルート。

13 A Balmy Swami(ばかげた賢者)1949 I.SPARBER
 異国の魔術師(ブルート)のショーを見るポパイとオリーブ。気をひかれたブルートに催眠術をかけられて、オリーブは危険なビルの建築現場を歩き続けるという過去の傑作の焼き直しに途中からなる意外な展開。

14 Tar With A Star(星のバッジを付けた水夫)1949 BILL TYTLA
 無法者が跋扈する西部の町の保安官になるポパイ。最強の悪漢カクタス・カサノバと戦う。このカサノバの髭はときどき手のようになる。つのだじろうはこの作品を見てあのキャラクターを作り出したのだろうか?

15 Silly Hillbilly(おバカな田舎者) I.SPARBER
 山奥の田舎に移動デパートのポパイがやってくる。ベティ・ブープ的設定である。

16 Barking Dogs Don't Fite(吠える犬は戦わない)1949 I.SPARBER
 本作ではポパイのセーラー服がブルーである。ポパイとオリーブがプードルを散歩させていると、ブルドッグのキラー(MGMのスパイクそっくり)を連れたブルートに出会う。その後はいつもの展開だが、キラーに関するギャグが見もの。

17 The Fly's Last Fight(ハエの最後の戦い)1949 SEYMOUR KNEITEL
 昼寝をしようとするポパイだが、いろいろ邪魔されて寝れない。再びブルドッグが登場する。ほうれん草を食べたハエが強い。アヴェリー的なラストシーン!

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