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2016/05/29

テクニカラーの夢、黒白の悪夢 TECHNICOLOR DREAMS And Black & White Nightmares

 昔の、半ば以上忘れられたカートゥーン作品の発掘・修復版のブルーレイを出しているThunderBeanが出した'TECHNICOLOR DREAMS And Black & White Nightmares'を入手して見た。別な会社が出したものだが'Cartoon Roots'と同じように掘り出し物があるのではないかと期待した。
 amazon.comで注文した時にはタイトルの'TECHNICOLOR DREAMS'にのみ目が行っていたので、見始めたら黒白作品が半分以上あるということでどうなってるんだと思い、パッケージをよくよく見たら一回り小さく'And Black & White Nightmares'と入っている。商品名はきちんと確認しておかねばいけませんな。

 タイトル通り、カラー作品の方に掘り出し物がある。その一番手は、「メンデルスゾーンの春」Mendelssohn's SPRING 1931年 サイ・ヤングSy Young作、 だろう。冒頭の機関車と見えたものがイモムシだったというシークエンスのアニメ―トは凄い。カラーはBrewster Color。このカラー映画の仕組みがどのようなものかはわからないが発色もいい。ディズニーのシリーシンフォニーそのものといってもよい内容、作風、作画のレベルである。それに続くのが、テッド・エシュボーTed Eshbaughの3作である。その中でも注目作は、3色テクニカラーの最初のアニメーション作品として作られて、完成直前にテクニカラー社とディズニーの間でアニメーションにおける独占契約が成立してしまったので、結局公開されなかった「オズの魔法使い」The WIZARD of OZ 1932/33年である。とにかく色が美しい(特に緑)。本BDについていた解説のブックレットには「このBDに収録された本作を見て、公開されなかった経緯について掘り出してくれる人が出てくることを望む」と書いてあるのが面白い。

 黒白作品では何といっても、ウサギのオズワルド作品「バンド・マスター」The Band Master 1931年 ウォルター・ランツ作である。ビル・ノーランBill Norlan、ピント・コルヴィックPinto Coluvic、クライド・ジェロニミ Clyde geronimi、そして、フレッド(テックス)・アヴェリー Fred Averyが参加している。この名だたるアニメーターたちがそれぞれ担当したシーンを好きなように作っていて統一感もストーリーもないのが楽しい。ここがアヴェリーの担当だろうなどと想像しながら見るのがこの作品の正しい見方だろう。

収録作品リスト
1「人形は生きている」Dolly Doing 1917 MOTOY COMEDIES
  初期の人形アニメ。市販の人形をそのまま動かしている。黒白。
2「間違った線路」The Wrong Track 1920 The Bray Studio
  ブレイ・スタジオ作品。機関車が牛と衝突して起きるトラブル。黒白。
3「アリス、ネズミに悩まされる」Alice Rattled by Rats 1925 Walt Disney
  ディズニーのアリス・コメディ。アリスは最初と最後に出てくるだけ。猫のフィリッ
 クスみたい、というかそのまま。黒白。
4「火遊び」Playing with Fire 1926 Bud Fisher
  マットとジェフ作品。よく動く。もはや吹き出しのセリフはない。黒白。
5「3匹の熊」Goldilocks and the Three Bears 1928
  コダック制作のおとぎ話シリーズ。黒白。
6「メンデルスゾーンの春」Mendelssohn's SPRING 1931
7「バンド・マスター」The Band Master 1931
8「雪だるま」The Snowman 1931 Ted Eshbaugh
カラー。音楽はカール・ストーリング。
9「スイスの秘策」A Swiss Trick 1931
ヴァン・ビューレンの人間版トムとジェリー。黒白。
10「オズの魔法使い」The WIZARD of OZ 1932/33
11「オペラのミイラ」Magic Mummy 1933
  ヴァン・ビューレンの人間版トムとジェリー。黒白。ベティちゃんの声が聞こえる。
12「インディアンの大騒ぎ」Indian Whoopee 1933
  ヴァン・ビューレンのイソップ物語シリーズだが、なぜか、カビー・ベアがジョン・
 スミスになり、ポカホンタスに助けられる夢を見る。黒白。
13『小人の花作り』To Spring 1936
  MGMのハッピーハーモニー、ビル・ハナ監督。私が見た中で最も画質がいい。
14「急須の町」Tea Pot Town 1936
  テッド・エシュボーのカラー作品3本目。まったくタイトル通りの内容。
16「奇跡の街角」The Enchanted Square 1947 Seymoure Kneitel
フェーマス・スタジオのラゲディ・アン作品。フライシャー的な味が残っている。

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