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2014/11/23

グランC4ピカソ試乗

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 シトロエン沼津から新しいC4ピカソの内覧会の案内が来たので仕事帰りに寄ってきた。試乗車は7人乗りの淡いブルーのグランC4ピカソ。速度メーターから何からすべてが表示されるセンターコンソールのディスプレイの説明を走り出す前に受けるが、すべては頭に入らない。とりあえず、フロントとリアのビデオカメラの画像が映し出されることだけはなんとなく理解し、走り出す。パーキングブレーキは自動なので、この車のパーキングブレーキの解除の仕方はどうだったっけ、と迷うことはない(足踏み式ってあんまり普及しないうちに自動化されてちゃたわけだ)。走り出してすぐに、新車の状態でシトロエン特有の乗り心地!と思う。そう思う理由のひとつは、シートの良さにある。C4よりタイトで座面が短い感じがするが、当たり前だが経たっていないクッションが良い。以前試乗したDS5よりはずっと柔らかいように思われる。わがC4(旧型)は凸凹のある路面を低速で走るとかなり上下左右に揺れるのだが、このグランピカソではそのようなことはない(ほぼ毎日C4で走ってそうなる道を走ってみた)。

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 アイシン製6速オートマなので国産車と同じくスムーズに変速し、知らぬ間に速度も上がっている。わがC4と同じくセンターメーターだが、その右側に速度がデジタル表示される。C4のつもりで眺めてしまうため微妙に角度がずれて確認しづらい。で、その表示を見ると、C4でも同傾向なのだが、自分が感じているスピードよりも速度が出てしまっている。また、車幅は1.8mを超えるがそれほどの大きさは感じない。
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 ショールームに戻ってきて、H氏の運転で自動車庫入れを助手席に座って体験。ギヤチェンジだけは自分でしなければならないが、あとはお任せである。慣れた駐車スペースに入れるなら自分でやった方が早いだろうが、ここに一発で入れられるかどうか不安な場合は車に任せる方が確実な気がする。車庫入れ不得意な人には頼れるシステムだろう。

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 ショールームの方には赤い5人乗りが置かれている。後席は今までと同じく3等分の座席で、窓側はC3の後席よりドアに近く座ることになり、大柄な男性には窮屈だろう(横にC3があったので座り比べてみた)。C4ピカソで一番良い席は後席の真ん中ではないかと思う。誰かの運転でC4ピカソに乗るなら、この席に乗ってみたいぞ。
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2014/11/15

佐藤良明・訳「重力の虹」トマス・ピンチョン

 旧訳をやっと翻訳されたと20年ほど前に読んだ。その時に、自分が慣れ親しんでいる分野の用語や表現が全然きちんと訳されていなかったことで、出版社にそのことについて手紙を書いた。そうしたら、訳者の代表者から返信があり、「重力の虹」の攻略本を出す予定なので執筆者の仲間になって欲しい、とあった。その後、このことについて何の連絡も来ず、10年がたって、このとき送った手紙を元に、ピンチョンへのオマージュのホームページを作った。このホームページを作っているときには知らなかったのだが、旧訳の出版元である国書刊行会は「重力の虹」を絶版にしていた。それから、また10年。今度は、原文を確認しながら読むということにはならないだろうと思ったのだが、やっぱり、第3部の「イン・ザ・ゾーン」からところどころで原文を確認することになった。もちろん、その回数は旧訳のときよりはるかに少ない。原書は、旧訳のときに持っていたペーパーバックはボロボロになってしまったので、買い直した大判のPENGUIN GREAT BOOKS OF THE 20TH CENTURY版である。

 最後の1節「落下」で、主人公の祖先のウィリアム・スロースロップ作の賛美歌を歌いましょうというところで、「弾むボールに合わせてどうぞ」と訳されていて、「バウンシング・ボール」とカタカナでは訳されてはいなかった。フライシャー兄弟作の「小唄漫画」などで何作か、ボールが歌詞の上を弾んで歌う部分を示す作品を自主上映で見ていて、これが「bouncing ball」というものだと、解説者の森卓也さんから教えられた者にとって、弾むボールだと卓球をしているようで、しっくりこない。今回は訳注が付いているのだが、バウンシングボールが登場する映画(アニメ)があって、バウンシングボールで観客にさあ一緒に歌いましょうと歌詞を示すのは、その映画のエンディングであり、歌はテーマソングであるということまで説明すべきであろう。私にとって「重力の虹」は、そのエロ・グロ・ナンセンスさ、メカや発明へのこだわり、キャブ・キャロウェイなどへの言及、話のスムーズな繋がりなど気にしないなどの点から、フライシャー兄弟が作ったかもしれないバウンシングボール付き大長編漫画映画なのである。旧訳よりもそういう雰囲気が濃厚な今回の佐藤良明の訳文である。

 ピンチョンが「重力の虹」を書き始める頃、1965年にマイケル・アンダーソンが監督した「クロスボー作戦」という、ドイツ軍のV2号ロケット開発計画を突き止め、それを阻止しようとするイギリス政府とその諜報機関の活躍を描いた映画がある。レーザーディスクで発売されたときに初めてこの映画を知り、「重力の虹」の参考になるんじゃないか、というか、もしかしたら元ネタ?、という興味で買って見た。戦争アクション映画としてみるとそれほど面白い出来ではないが、キャストはソフィア・ローレンやらジョージ・ペパード、トレーバー・ハワードなどなどといったオールスター・キャストの映画で、特撮もなかなかである(この映画の特撮スタッフの多くはその後「2001年宇宙の旅」に参加している)。初めの方で描かれるドイツのロケット開発の様子のリアルさと、後半のスパイアクションのB級映画っぽさの対比が、元ネタとまでは行かずとも、何がしかのインスピレーションをピンチョンに与えたと考えたくなる作品だ。


 今回の佐藤良明・訳でも、ちょっと不満足であった箇所について、以下に示す。

 下巻の580~581ページで、イミポレックスGというピンチョンが創作したプラスティックについての疑似科学的説明が、いまひとつ、それらしくないんだな。

(訳文)
 (a)導線による薄いマトリックスを、<イミポレックスG>の表面に近づけ、両者に密接な相互作用システムを形成する。
(原文)
 (a)a thin matrix of wires,forming a rather close-set coordinate system over the Imipolectic Surface

coordinate system ときたら、「座標系」とするのが物理学的な説明の常である。 matrix は科学用語としても色々訳語があるが、縦横がきちんとそろった「行列」あるいは「表」みたいなものと解するのが妥当だろう。

 「薄い導線を縦横に張り巡らしてイミポレックスGの表面上に密着させた座標系を形成する。」

 この方が、「勃起」を含むコマンドを限定的な領域に送り込める仕組みとして具体的に理解できる。

(訳文)
 科学の他分野における「超音波領域」や「重心」
(原文)
 "Supersonic Region"or"Center of Gravity"in other areas of Science

これは旧訳と同じミス。Supersonic は「超音速」である。サイエンスの綴りの先頭が大文字になっているんで、このサイエンスは特定のサイエンス、つまり、ロケットについてのサイエンスであると解釈するのが妥当。ロケットは超音速で飛行しているのだ。


(訳文)物理的変形φR(x,y,z)がもたらしうる機能上の乱れγRは、<イミポレックス>の下層における乱れγBの有するより強力なパワーpに正比例する(ただしpは整数とは限らず、経験的に決定される)
(原文)"Probable functional derangement γR resulting from physical modification φR(x,y,z) is directly proportional to a higher power p of sub-imipolectic derangementγB, p being not necessarily integer and determined empirically

 これは旧訳と同じpowerの誤訳。「Xの2乗」の「乗」の意味のpowerとしないと、物理の理論でよく出てくる説明のパロディになっているということが伝わらない。2つの物理量xとyの間に何らかの関係がある場合、xが別な物理量tと関係していて、X=at+bt^2+ct^3+・・・t^pとなるときに、yがtのp乗のpという数に比例している、というような関係になる場合がある。多数についての統計的な量の関係の場合、このような説明が案外出てくる。また、二次関数、三次関数、という用語があるが、この二次、三次は2乗、3乗のことで、三次関数以上は高次関数などという。ここで使われているhigherはこの「高次」を意味する。xの何乗ということを考えるとき、普通整数乗を考える。「pについて整数とは限らない」と注釈しているわけだから、明らかにpはp乗の意味である。

 「物理的変形φR(x,y,z)がもたらしうる機能上の乱れγRは、<イミポレックス>の下層における乱れγBのより高次の乗数pに正比例する(ただしpは整数とは限らず、経験的に決定される)」


 さらにもう一つ。旧訳よりは良くなっているが、「重力の虹」である以上「重力」についての真打ちを示す用語を、もっとストレートに訳して欲しかった部分。下巻654ページ。

(訳文)
 離散していた種子が万有引力で内側に向かって結集することのささやかなプレビューであり、救世主が落ちた火花を集めることの予行演習である。
(原文)
 seeds of exile flying inward in a modest preview of gravitational collapse,of the Messiah gathering in the fallen sparks

gravitational collapse は「重力崩壊」と訳される一般相対論的宇宙論の用語で、星のコアがつぶれて自重に耐え切れずに無限に小さくつぶれていき、ついにはブラックホールとなる様子を示す用語である。ブラックホールという用語は「重力の虹」が出版されたころホィーラーによって作られた言葉で、ピンチョンが執筆していた頃にはなかった言葉だ。ブラックホールという言葉がもっと早く作られ現在のように一般化していたら、きっとここにブラックホールと書いたと思う。

 「離散していた種子が内側に向かって飛んでいく。ブラックホールへと突き進む重力崩壊の、救世主が落ちた火花を集めることの目立たないプレビューの中で。」

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2014/11/08

タイヤを換えた

 わが愛車シトロエンC4のタイヤをヨコハマECOS ES31(Made in Thailand)に換えた。今までつけていたのはグッドイヤーのGT-ECO STAGEであった。このタイヤでの走行距離は24,463kmであった。その前のタイヤはグッドイヤーのLS2000HibridⅡで走行距離は28540km、最初のミシュランENERGY E3Aは29065km走った。う~ん、ECOを謳っているタイヤの方が減り方が早いのはなぜだ。ヨコハマのECOタイヤの耐久性が高いことを期待したい。もっとも、次のタイヤ交換というのはないかもね。C4カクタスあたりに乗り換えているかもしれないから。

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2014/11/03

帰ってきたXF-1

 まったく絞りが絞られなくなるというトラブルで修理していたフジXF-1が戻ってきたこともあって(保障期間中なのでお金はかからなかった。ネットで検索すると、同様の症状が頻発しているようだ。手動のズームリングに電源のオンオフもつけたということが良くなかったようだ)、久しぶりのカメラ散歩。すっかり秋だ。

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