マツダ626(5ドアハッチバック)の生涯
「ダブリンの時計職人」ダラ・バーン監督作品を見た。ジョイランド沼津でだが、かろうじて貸切にならない観客数。ドキュメンタリー・タッチで画面が揺れる。ラストあと10分くらいのところで、この画面の揺れに酔ってしまい画面を見られない気分不良状態になってしまった。ホームレスの主人公の友人の青年が痛ましい最期を迎えるあたりだ。多分、その相乗効果もあったように思えるし、寄る年波と日ごろ積み重なった疲労もあったように思う。
ラストシーンでテレビに悲しげな表情の犬のアニメが映ったがこれはなんという作品なんだろう。テレビシリーズ風ではない絵と動きだった。エンドタイトルは揺れたりしないのでしっかりしみたが、このテレビに映った作品がなんだか分かる文章は見つけられなかった。
ナンバープレートをはずされ落書きされた古い車がクレーンで海辺の駐車場から撤去されるシーンで始まるが、この車がちょっと気になった。デザイン的に古いフォードの車みたいだと思った。このシーンから映画は時間を遡り、この車が撤去されることになった経緯を語り始める。ホームレスの主人公がこの海岸沿いの駐車場に止めてそこで生活をした車だったのだ。この車は4ドアセダンのように見えたのだが、リヤハッチがある5ドアで、この5枚目のドアにマツダのマークが付いている。これで海外のみで発売されていたカペラの5ドアセダンであることが分かった。同時期に日産のプリメーラにも英国工場で作られていた5ドアがあって、これは日本に逆輸入されて少数だが販売された。カペラの5ドアは日本未発売だった。
アイルランドのダブリンって、こんなに遠浅の良いビーチがあるんだ、と思う。もっとも、ダブリンについては「ザ・コミットメンツ」の舞台としてしか知らない。
邦題に時計職人とあるのでそこから連想される映画のイメージとはかなりかけ離れていて、最初は戸惑った。原題は、Parked で、このタイトルの方が単刀直入に状況を表現している。邦題は多分に叙情的である。この映画は叙情的ではあるが、厳しい現実を淡々と描いているのがいい。
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