懐かしい人間がいっぱい
「グランドブダペストホテル」ウエス・アンダーソン監督作品を見た。最初の方でところどころ疲れが出て短時間居眠りし、登場人物を飲み込めず、時代が移り変わったことにすぐには気が付かない(実は時代ごとにスクリーンサイズが変わるので、どの時代かはすぐに分かる。現代がハイビジョンサイズ、60年代がシネマスコープサイズ、30年代がスタンダードサイズである。映画のほとんどはスタンダードサイズである)ままだったが、途中から俄然面白くなる。ホテルの常連客の女性の殺人事件が起きるのだが、この犯人探しのミステリーは実はどうでもよくって、主人公に降りかかる災難とそれをどうやって切り抜けるか、というのが面白さの元。「グランドホテル」のコメディ化という点で「幕末太陽伝」と共通性がある。アンダーソン監督が「幕末太陽伝」を知っていてこの映画を作ったとしたらすごい事になるな。ストップ・モーション・アニメによる特撮も良い味出している。久しぶりにもう何度か見たいと思った映画だ。
ビル・マーレイやウィレム・デフォー(かつての役柄のパロディみたいだ)はわかったが、ジェフ・ゴールドブラムやハーヴェイ・カイテル(分かってみるとこの人も自己パロデイ的役柄だ)、ジュード・ロウには気がつかなかった。主人公のレイフ・ファインズ、F・マーレイ・エイブラハムも入れると、80年代から90年代初めにかけて、劇場で映画をたくさん見ていたときによく見た個性派俳優総出演という感じ。こういうところも「幕末太陽伝」を思わせるのかも。
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