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2014/01/29

The Art of Jay Ward(Oxberry Press,2013)

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 「空飛ぶロッキー君」のジェイ・ウォード・プロダクションについての本が出た。最初、自分がすでに持っているThe Rocky and Bullwinkle Book(Louis chunovic,BANTAM BOOKS,1996年)という本と装丁(カバー)が似ていると感じたため、再販だと思って買わずにいた。ところが、著者が、何十年ぶりかのバックグス・バニーの新作劇場用短編を監督したダレル・ヴァン・サイタースDarrell Van Cittersだと分かって注文した。円安が懐に響くと思ったが、日本円でThe Rocky and Bullwinkle Bookとほぼ同じ金額だった。The Rocky and Bullwinkle Bookを買ったときも今と同じようなレートだったようだ。
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 この本がいいのは、スタッフの紹介をきちんとしていること。ウォード・プロが最初に「空飛ぶロッキー君」を作ったとき、制作費を低く抑えるためメキシコで実際の製作を行ったのだが、そのメキシコ人のスタッフも紹介しているのだ。

 このスタッフ紹介でジェイ・ウォード・プロダクションに日系人のスタッフがいるのを始めて知った。ハンナ・バーベラ・プロのイワオ・タカモト監督(「シャーロットのおくりもの」1973など)の自伝を今読んでいるところなんで、興味を引かれた。タカモトは日系2世で両親とは日本語でコミュニケーションをとっていて日本の両親の実家にも里帰りしているし、第二次大戦中はマンザナの日系人収容所にも入れられた。こういう人間が業界にいながら、大戦後のアニメに描かれていた日本人のステレオタイプはなぜなんだろうと思ってしまう。
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 ところで、ロッキー君、the flying Squirrel、なんであるが、これを「ムササビ」と解すか文字通り「空飛ぶリス」と解すか、悩む。自分が小さい頃テレビで見ていたときには、ムササビだとは思わなかった。空を飛ぶシーンの絵で、ムササビ特有の前足と後ろ足の間の膜が描かれているようには見えなかったからだ。この本でも見ても、1枚くらいムササビのような膜が見て取れる絵があるだけだ。キャラクター・デザイン表を見る限りはリスでいいんじゃないと思う。また、北米大陸にはムササビはいない。ムササビは日本固有種なのである。ただし、ほとんど同じようなモモンガはいるが、一般的な米国人には、この木から木へと滑空する動物はポピュラーではないと思われる。実際、ロッキー君はスーパーマンのように空を飛んでいる。

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 ピーボディ博士とシャーマン君は今年CGでリメイク長編が公開される。日本で劇場公開されるんだろうか? 過去のジェイ・ウォード作品の映画化作品(「ジャングル・ジョージ」1997、「ダドリーの大冒険」1999、「ロッキー&ブルウィンクル」2000)は日本ではまるで受けなかったから、まともに公開されそうにないが、ピーボディ博士とシャーマン君は、日本人受けしないウォード・アニメのキャラクターの中ではもっとも日本受けしそうだから、公開したら当たりそうな(内容にもよるが)気もする。

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2014/01/13

「フリッカー、あるいは映画の魔」セオドア・ローザック(文藝春秋)

 本書は、刊行された1998年の「このミステリーがすごい!第1位」に選ばれて、映画ファンを魅了する多くの細部があるということで、その評を見て買い込んだのだが、15年も読まないままだった。それを、この正月休みで読もうと思い立ち、読み終えた。歌い文句どおり面白かった。もっとも15年前に買ってすぐ読んでいたとしても今読んだのと同じほど、面白さを感じたかどうかはわからない。15年前には、本書で引用されているクラカウアー「カリガリからヒトラーへ」やグノーシス派の教義がガリレイやニュートンなどの近代科学の成立時に影響を与えたことを論考した山本義隆「磁力と重力の発見」は読んでいなかったし、本書の主人公ジョナサン・ゲイツの恋人であるクレアのモデルとなったと言われるポーリン・ケイルの「映画辛口案内」も読んでいなかったので、本書の細部の仕掛けにどれだけ気づけたかはわからないからだ。

 読み始めてジョン・ファウルズ「魔術師」やトマス・ピンチョンの諸作を連想した。特に後者なくしては、ローザックは本書を書かなかったのでは、と思う。

 この小説は、クレアが切り盛りしている、日本でいえば名画座に当たるフランスの有名なアンリ・ラングロワのシネマテークを模したクラシック座とよばれる映画館での知る人ぞ知る作品群の上映の中で、ゲイツがマックス・キャッスル監督作に出会う(もちろん、クレアとも)ことから始まる。低予算の割には見れるB級以下のホラー映画という見かけ以上の印象を与えるキャッスル監督作品に潜む秘密をゲイツが追っていくというミステリー展開のゴシック小説である。このマックス・キャッスル監督を実在の人物と思わせる細部の書き込みが、映画ファンにはたまらない。しかも、いわゆる実写映画だけでなくアニメ(というよりもカートゥーンといった方が良い)にも、さりげなく言及しているのが私好みだ。

 このカートゥーンがらみの記述で気に入ったのは2箇所。1つは、本書の中盤で、キャッスル監督のサブリミナル的テクニックの一つとして、フィルムに映写機のごみをアニメーションで書き込んでいるという説明をしていること。かのテックス・アヴェリーが「へんてこなオペラ」でブルドックのスパイク演じるオペラ歌手をおちょくるためにやったことを、それより早くキャッスルがやっていたというのだ!2つめは、終盤のキャッスル監督の最終作の世紀末的カオス作品にベティ・ブープが登場すること。

 「バイバイ・ブラックバード」というジャズのスタンダードナンバーとなった曲のメロディが謎に絡んで出てくる。マイルス・デイビスとキース・ジャレットの演奏したCDがすぐに取り出せたので、聞きながら読んだ。マイルスのクールなトランペットの方がキースのピアノトリオよりこの小説に合った。

 キリスト教の異端カタリ派の暗躍・陰謀ということがキャッスル作品の裏にあるのが途中で明らかになって、話は映画の技術論から一種の神学論争に踏み込んで、更に深い闇に誘い込む。そのカタリ派の世紀末が1999年ではなく2014年と出てきて、2014年の正月に読んでいる暗合に驚いたのでありました。

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2014/01/04

夕陽のカメラマン

 千本浜からの夕陽。駿河湾に沈む夕陽が美しい。写真やビデオで撮影する人もかなりいた。隣にいた同年代の男性から、ビデオで撮った?と声をかけられた。彼はスマホで沈む夕陽を録画していた。

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 XF1の機能を少し使ってみた。

 パノラマ
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 アドバンストフィルターのダイナミックトーン
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2014/01/03

謹賀新年

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 ちょっと遅くなりましたが、今年もよろしくお願いします。ツイッターやfacebookの方に記事を書くことが多くなっていますが、3年後の定年まではシトロエンC4と付き合っていこうと思いますので、C4に関わることは今後もこちらに書いていくつもりです。

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