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2013/10/14

地球が売りに出された日・・・ベティ・ブープDVDvol.2

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 'BETTY BOOP THE ESSENTIAL COLLECTION VOLUME 2'のDVDがやっと届いた。筒井康隆推薦作が目じろ押しという感じのラインアップ。ベティ・ブープ登場作の'Dizzy dishes'はベティさんがもともとビンボーという犬のキャラクターの相手役の雌犬という設定が良くわかる作品。このvol.2では、犬だったベティさんが完全に人間化し独立のシリーズのキャラクターとなっていく過程がよくわかるセレクトになっている。'Betty Boop's Little Pal'「ベティのランデブー」では、ついにペットの犬、パジィを飼うようになる。1934年あたりから、ベティのエログロナンセンスへの風当たりが強くなるのだが、Keep in Style(1934年)「ベティのマネキン嬢」まで、ミニスカート姿は保たれている。

 このvol.2の白眉は何といってもBetty Boop's Ups and Downs(1932年)「地球競売」である。実はこの作品、初見である。どういう理由でかはわからぬが、ベティは自分の家を売りに出して故郷を去っていく。売りに出されたのはベティの家だけかと思いきや、周りの家すべて、さらにはアメリカ合衆国までが売りに出され、最後には地球までもが売りに出される。買い取った土星によって地球の引力の源(馬蹄形磁石の形をしている。ニュートンが万有引力の発想を、磁力のアナロジーから得たということを連想させる。)を引き抜かれたため、ゼロ・グラビティとなった世界でベティのスカートはめくれ上がる・・・という展開のいかにもベティ・ブープ・シリーズらしい作品だ。

 Betty Boop's Big Boss(1933年)「ベティのタイピスト」も初見。ベティさんの色気にメロメロになった社長のパワハラに困ったベティが助けを求めると陸海空軍が総出動!となったのに、ビルの最上階のオフィスに突入するのは頼りなげな警官2人。展開の整合性など二の次のベティ・ブープ・シリーズの特徴が最大限に出ている。

 ベティ・ブープ作品としては退屈すぎるMorning,Noon and Night(1933年)「或る日のベティ」は、シリー・シンフォニー的な作品。カラー・クラシックの自己パロディとも取れるという意味で一見の価値はあり。

 1934年の3作はベティ・ブープのキャラクター・デザインの完成形の作品である。キャラクター商品に使われて身の回りで見かけるベティさんはこの時期のものだ。ベティの七変化を、Keep in Style(1934年)「ベティのマネキン嬢」では楽しめるのだ。

収録作品リスト(邦題は筒井康隆「ベティ・ブープ伝」による)
Dizzy dishes(1930年)
Bimbo's Initiation(1931年)「ビン坊の結社加盟」
Boo-Oop-A-Doop(1932年)「曲馬団のベティ」
Betty Boop Limited(1932年)「ベティの旅興行」
Betty Boop's Bizzy Bee(1932年)「商売繁盛」
Betty Boop's Ups and Downs(1932年)「地球競売」
Betty Boop's Museum(1932年)「ベティの博物館見学」
Betty Boop's Big Boss(1933年)「ベティのタイピスト」
Morning,Noon and Night(1933年)「或る日のベティ」
Betty Boop's Little Pal(1934年)「ベティのランデブー」
Betty Boop's Prize Show(1934年)「ベティの勧善懲悪」
Keep in Style(1934年)「ベティのマネキン嬢」
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 3,4巻が出るはずであるが、amazon.comからは発売の案内はまだ来ない。まだ収録されていないジャズ・ミュージシャン出演作やカラー作品が入ってくることを期待する。

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マイク・バリアーの難文制覇

 急逝された望月信夫さんの代役で紀伊國屋書店から発売された「DVD世界アニメーション映画史」の解説を書くために読み始めたMichael Barrier'HOLLYWOOD CARTOONS AMERICAN ANIMATION IN ITS GOLDEN AGE'(1999年)をやっと読み終えた。「マウス・アンド・マジック」のレナード・マルティンの文章と比べると、バリアーの文章は倒置や省略が多く読みにくい。これは、バリアーが70年代に精力的に行った関係者への多量のインタビューから書かれているためである。「マウス・アンド・マジック」のような本を一応読んでいるか、それと同等のハリウッドのアニメ史の流れを知っていないと読めない本で、一種の専門書である。
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 ハーマンとアイジングが、なぜディズニーの元をすぐに離れたのか、MGMとの契約を解除されたときにスタジオを古巣のディズニーに貸していたとか、直接本人に聞き出すしかない情報にあふれている。ハリウッドのアニメーションの技術的な進化についても詳述していて、それを読者に端的に示すためにパラパラマンガが3種類付いている。この3種類の違いを簡単に説明すると、最初期のポール・テリーに代表されるゴムホース的アニメート、その後のディズニー短編作品で代表されるアニメート、最後がいわゆるアヴェリー派のアニメート、である。
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 マイク・バリアーという研究者がいることを教えてくれたのも故・望月信夫さんだった。バリアーが編集出版しているアニメ同人誌'Fuunyworld'を紹介してくれて、しばらく定期購読することにしたのだった。1977年頃である。バリアーが各アニメスタジオのアニメーターに精力的にインタビューして、これをまとめてアニメ史の本を出す予定だというのはこの不定期刊行の雑誌に書かれていた。それから出版まで約20年かかり、さらに自分が読み終わるのに15年くらいたっているわけだ。その間に、インタビューを受けた人物のほとんどは他界した。今では得られない貴重な証言を記録した本である。

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2013/10/13

C4、エンジンかからず、再び

 昨日の夕方、実家によって帰るときに、エンジンがかからないという症状が出た。先月三島駅でバッテリーが逝ってしまいJAF頼みになったのが頭をよぎった。まだ、早い時間だったので、シトロエン沼津にSOS。ケータイで電話しながらキーを挿して回してみるとエンジンがかかった。こういう症状はかつて1度あった。バッテリー交換後に出たというのも似ている。
 この後三島まで娘を迎えにいかねばならない。不安である。ということで試乗車を緊急避難的に貸してもらえることになった。2車択一ということで、これを選択。
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 DS4には発売時確か試乗しなかった記憶があるのと、アイシン製の6速オートマに惹かれたのである。
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 三島の送り迎えと通勤一往復で使っただけのインプレッションの第1番目は、やはり乗り心地が硬めだなということ。第2番目は駐車時のソナー警告は役立ちそうということ。娘を迎えにいった先の駐車場(三島駅ではない。某ビルの駐車場。なんと湘南ナンバーの砂色のC6がいた!)に入れようとして、その警告音にびっくりして、この機能が付いているのに気が付いた。
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 やっぱり危険な後席ドア。後席に置いたバッグ(シトロエン・レーシングのである)を取ろうとしてドアを開けるときに痛い目にあった(そんなにひどく当たったわけではない)。
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 わが愛車はもう少し修理に時間がかかるということで、DS4はショールームに戻り、代車は旧型C3に替った。これはこれでいいかも。
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