スタンリーのリュックはポケモン
ジョイランド沼津で「スタンリーのお弁当箱」見た。一人お弁当を持ってこれないスタンリーを仲間はずれにしないクラスメートたちが素晴らしい。この子供たちの生き生きとした表情を撮った監督の力量と使命感に感服。
被写界深度がかなり浅く、子供たちの動きが早いシーンで画面が見づらいと思うシーンがいくつかあったのだが、これは、子供たちに映画撮影をしていると意識させないためにビデオ撮影のできる一眼レフカメラ、キャノン7Dで撮影した、という解説を読んでムービーカメラではなかったんだと納得。子供たちの生きた表情を撮るための監督(子供たちのお弁当を食べてしまう国語教師で出演している!)の工夫があったのである。
インド映画はどの作品を見ても女優が皆美女ばかりなのだが、この作品も、スタンリーを優しく受け入れる英語教師、ちょっと厳しく冗談が通じない理科教師を魅力的な女優さんが演じている。インド映画のもう一つの特徴のダンスシーンは、ないわけではない。
スタンリーがなぜお弁当を持ってこれないのか、という謎解きもあってちょっとミステリーな味もある。同じテーマを日本で撮ったら文部省特選的教育映画臭ぷんぷんの、あくびが出ちゃうものになりそうなんだけれど、そうなっていないのが良い。日本の配給会社の宣伝もこの映画の本当のテーマには余り触れずに宣伝していて、それによって見る人が増えていると思われる。この真のテーマをたくさんの人にまず知ってもらうことは大事なことなんで、そういう意味では、的はずれな宣伝をしているわけではない。
オープニング・タイトルが、黒板にチョークで描いたような線画のアニメーション。教室の黒板に子供たちが描いた落書きの先生の絵が動く、という発想だ。この動きのタイミングが絶妙で、才能のあるアニメーターが作画していることは確実。タイトルでこの作者の名を読み取れず残念。このオープニング・アニメの作者を調べたら、ギタンジャリ・ラオだった。2006年カンヌ映画祭で賞をとった「虹絵」Printed Rainbowの作者。「虹絵」は日本でもCS(ムービープラス)で放映されていた。知らなかったのは不覚。ムービープラスのホームページで再放送のリクエストをしてみよう。youtubeにもアップされていた。
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