ハバナの7日間
「セブン・デイズ・イン・ハバナ」を見た。余り情報がない作品なので、忘れないように以下にメモ。
第1話 月曜日「ユマ」ベニチオ・デル・トロ監督
映画祭にやってきたハリウッドの若手俳優と思しきアメリカの青年の裏ハバナ巡り。訪れた家の母親がご馳走しようと卵を近所にもらいに行く。この「卵をもらいに行く」という行為は、第6話土曜日「甘くて苦い」にも出てくる。スペイン語ができないために盛り場で女の子と思うようにいかない青年。何とか口説けた美女は・・・。青年の泊まるホテルは、映画祭の会場であるオテル・アンテルナショナル。
第2話 火曜日「ジャムセッション」ハブロ・トラペロ監督
映画祭のゲストを自分自身で演じる「アンダーグラウンド」のエミール・クストリッツア監督。1日面倒見てくれたタクシー運転手が、仕事を終えてジャムセッションでトランペットを吹く。この運転手役は、キューバで今一番人気のジャズ・トランペッターだというアレクサンダー・アブレウ。
第3話 水曜日「セシリアの誘惑」フリオ・メデム監督
若い女性シンガー、セシリアがスペインに行かないかと色仕掛けで迫られる話。セシリアはマイアミに不法出国しようとしている野球選手と同棲している。R15になったのは、この話に短時間だが激しいベッドシーンがあるため。火曜から引き継ぐキューバの音楽の熱さ。
第4話 木曜日「初心者の日記」エリア・スレイマン監督
カストロに会うためにやってきたパレスチナ人スレイマン(監督が自演)が見たキューバの驚きの現実。驚くたびに立ち止まるのが、道に迷っているかのよう。「去年マリエンバードで」を連想させる海岸のシーンがいい。ハワイを思わせる南の海だ。催眠作用がある映像表現。クストリッツアが携帯電話を海に投げ捨てたオテル・アンテルナショナルの海に面した庭へ迷い出て3人の音楽家に出会うシーンが面白い。
第5話 金曜日「儀式」ギャスパー・ノエ監督
娘が犯した過ちを清めるアフリカ起源の儀式。第1話月曜日につながる同性愛。
第6話 土曜日「甘くて苦い」ファン・ラルロス・タビオ監督
テレビ出演もする精神科の女医が、アル中の旦那(多分無職)を抱え、アルバイトで無許可のケーキ屋をやっている。急に頼まれたパーティのためのケーキを1日で作らねばならないドタバタ。水曜日「セシリアの誘惑」の主人公セシリアが彼女の娘だとわかる驚き。セシリアはスペインへ行くことは選択せず、恋人と筏でマイアミに向け出発する。
第7話 日曜日「泉」ローラン・カンテ監督
川の神オチュンに捧げるパーティを、啓示を受けて突然企画する老女(巫女?)。その命を受けて部屋を改造し、準備をする人々。金の無い人々がキューバな現実を元に資材を調達、川の神の泉は完成し、土曜日「甘くて苦い」で作られたケーキが運ばれてくる(1日の時間のずれは気にしないのが、ラテン流だな)。
エンド・タイトルに、「サウスパーク」風のキューバらしい極彩色のアニメが付いている。このアニメ、各話の見所をダイジェストして、ところどころで本編とは違うオチをつけていて面白い。水、金の話のダイジェストでは、時間的にいったらごくわずかでしかない扇情的なシーンを取上げているのが笑える。それぞれの話で一番印象に残るショットから作画していることは確かである。
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