「2001年」以前、または、追悼・石上三登志
50年代、60年代のSF映画の録画しっぱなしで見ていなかったビデオを、思い立って見ることにした。10月19日にそんなことを始めてしばらくしたら、このようなSF映画の世界への興味をかき立ててくれた石上三登志の訃報を見た。図らずも、石上三登志追悼連続上映会となってしまった。ということで、消化した作品を以下に列挙。
「地球の静止する日」ロバート・ワイズ 1951年
「地球は壊滅する」アンドリュウ・マートン 1956年
「失われた世界」アーウィン・アレン 1969年
「海底都市」アーウィン・アレン 1970年
「空飛ぶ円盤地球を襲撃す」フレッド・F・シアーズ 1956年*
「H.G.ウエルズのSF月世界探検」ネイザン・ジュラン 1964年
「宇宙征服」バイロン・ハスキン 1955年
「恐怖の火星探検」エドワード・L・カーン 1958年
「バンパイアの惑星」マリオ・バーヴァ 1965年※
「放射能X」ゴードン・ダグラス 1954年
「巨大アメーバの惑星」イブ・メルキオール 1960年※
「恐怖のワニ人間」ロイ・デルルース 1959年
「惑星Xから来た男」エドガー・J・ウルマー 1950年
「水爆と深海の怪物」ロバート・ゴードン 1955年*
「深海の軍神」ジャック・ターナー 1965年※
「SF第7惑星の謎」シドニー・ピンク 1961年※
「ガリバーの大冒険」ジャック・シャー 1960年*
「大怪獣出現」アーノルド・レヴィ 1957年
「イット・ケイム・フロム・アウター・スペース」1953年
「宇宙からの生命体ブラッドラスト」エドワード・バーンズ 1958年
「地球へ2千万マイル」ネイザン・ジュラン 1957年*
「原子怪獣現わる」ユージン・ローリー 1953年*
「襲い狂う呪い」ダニエル・ハラー 1965年※
「怪物の花嫁」エドワード・D・ウッド 1955年
「プラン9・フロム・アウター・スペース」エドワード・D・ウッド 1959年
「恐怖の夜」シドニー・サルコウ 1963年
「宇宙人東京に現わる」島耕二 1956年
ハリーハウゼンが特撮を担当した作品が5本(*印)。金星獣イミールが登場する「地球へ2千万マイル」が一番面白い。レイ・ブラッドベリが原作あるいは脚本を担当したものが「イット・ケイム・フロム・アウター・スペース」と「原子怪獣現わる」2本。「ゴジラ」に影響を与えた後者より「未知との遭遇」的な前者の方が面白い。この2本は、やはり図らずもブラッドベリ追悼になった。AIP作品(※印)はヴィンセント・プライス主演「深海の軍神」やボリス・カーロフ主演「襲い狂う呪い」がSFというより怪奇映画の色彩が強く、宇宙ものより味がある。「恐怖の夜」はプライス主演の3短編のオムニバス、というのはなかなか良いアイディアの映画だった。
「恐怖の火星探検」と「バンパイアの惑星」は「エイリアン」の元ネタとしてかつて話題になったもの。「プロメテウス」が公開されてから見るということになってしまったことを苦笑しつつ、「エイリアン」のオリジナルな部分というのは「プロメテウス」につながる部分だけ、ということを確認。
宇宙物では宇宙船、というか宇宙ロケットのデザインがそれぞれ興味深いのだが、一番斬新なのは、やはり、イタリア製の「バンパイアの惑星」である。この馬蹄形デザインの宇宙船というのはそのまま「エイリアン」に引き継がれるわけだ。いかにもロケット型というのは「地球へ2千万マイル」が代表で、「マグマ大使」型である。実は、このような翼の付いたロケットの形で一番好きなのは、「宇宙ライダー・エンゼル」(または「キャプテン・ゼロ」)Space Angele というテレビ・アニメに出てきたもの。Amazon.comから買ったごった煮アニメDVDの中に入っていて、ちょうど今、それを見ていて、このロケットのデザインやっぱりいいなあ、と思ったところ。
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