未来世紀ブラジル
テリー・ギリアムの一番好きな作品「未来世紀ブラジル」がブルーレイ(20世紀フォックス・ビデオ)で出たので買い、見た。そういえばLD(レーザーディスク)も持っていたと思い出して、そちらも比較のため見た。1985年の初公開時は沼津の映画館で上映されなくって、静岡まで見に行った記憶がある。LDはワーナーホームビデオから1992年発売だが、買ってすぐに1度見たのかどうかもわからない。少なくともこの10年間は見ていない。好きな映画だというのに、こんなに見てなくって良かったのだろうか? 今回DVDを見て、これを本当にマイベスト5SF映画に入れてるの?って正直なところ思った。脚本の無理さがものすごく感じられるのだ。ヒロインももっと肉感的な美人であったような気がしていたが、これは「バロン」との混同だろう。
ブルーレイを見た後でLDを見たらその画質にがっかりしてしまった。以前はこのLDの画質が良いと思っていたのだ。このブルーレイの画質なら、映画館で映画を見る必要は画質・音質上からいったらない。ブルーレイも安売りになると、映画館の入場料とそれほど変わらない。レンタルで借りるなら、さらに安い。でも、映画館で見るという行為は大切にしたい。ただし、LDの方がいい点が一つあって、オリジナルのスタンダードサイズで見れることだ。ブルーレイの方はハイビジョンの縦横比になっていて天地が切れている。
ブルーレイではスクリーンサイズは選べるようにできないのか?
「未来世紀ブラジル」を今回見て気が付いたこと。「博士の異常な愛情」のストレンジ・ラブ博士を思わせる人物が撃たれて倒れた後の階段での銃撃戦が「戦艦ポチョムキン」のオデッサの階段であったこと。オデッサの階段のシーンは、ウディ・アレンもパロディにしているし、確か「アンタッチャブル」でもオマージュ・シーンがあった。レトロ・モダンな悪夢の未来は「ブレードランナー」から受け継いで、「ガタカ」に引き継がれる。「未来世紀ブラジル」に使われた一人乗りの自動車メッサーシュミットの役割は、「ガタカ」ではシトロエンDSになる。「ガタカ」もブルーレイで買ってあるので、近日中に見ようと思う。
「未来世紀ブラジル」製作中に、監督のテリー・ギリアムは、プロデューサーのアーノン・ミルチャンと相当な衝突があったことを「バトル・オブ・ブラジル」という本に記している。この本を買って読んだので書棚のどこかに入っているはずなのだが、見つからない。劇場公開時に見た感想を書いたノートも見つからない。私の部屋の余剰次元は他の場所より大きいらしく、別のブレーンに物が行ってしまっている様だ。
雑誌「プレミア」にアヴェリーの事を書いたとき、色々な映画がアヴェリーに敬意を表している例としてギリアムの「12モンキーズ」を例の一つに挙げた。「12モンキーズ」も見直してみよう。
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