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2012/02/25

HOLLYWOOD CARTOONS

 紀伊国屋書店から出る「DVD世界アニメーション映画史第5,6集」の故・望月信夫さんが書くはずだった解説を自分が書くことになって、この1週間ほど原稿書きに格闘していた。望月さんがライフワークにしていたテックス・アヴェリーについて書かねばならず苦労した。アヴェリー作品についてまとまった文章を書くのは、雑誌「プレミア」に「テックス・エイブリー 笑いのテロリスト」と題された特集上映がミニシアターで行われることになったときに書いて以来である。望月さんだったら、どう書くだろうと想像しながら、書いてみた。
 
 原稿を書くのに、いくつかのカートゥーンの研究書を参考にした。その中でも、大著過ぎて拾い読みすらしていなかった、Michael Barrierの'HOLLYWOOD CARTOONS American Animation in Its Golden Age'(1999年 Oxfoed University Press)のワーナーとMGMでのアヴェリー関係の部分を読んだ。バリアーという研究家がいて、'Fuuny World'というアニメ雑誌を出しているというのは、望月さんと知り合ったばかりの頃教えてもらって、定期購読の申し込みをしてしばらく買って読んでいた。「アニメージュ」などの日本のアニメ雑誌が出る前だ。バリアーがアニメーターたちにインタビューをしていて、それをまとめたカートゥーン史の本を出すというのはその頃から'Fuuny World'誌に書かれていた。ところが、その本はなかなか出版されず、レナード・マルティンの「マウス・アンド・マジック」の方が先に出てしまったりしていた。'Fuuny World'もいつのまにか出なくなってしまって(出た分以上の購読料を払った記憶があるのだが、返金された覚えはない)、どうなってしまったのだろうと思ってだいぶたった時に、バリアーの本がついに出るよと望月さんに教えてもらった。本が届いたとき、ピンチョンの「重力の虹」を越える辞書のような分厚さに圧倒されてしまったのであった。

 今回ごく一部を拾い読みしただけだが、クレジット・タイトルには出ないスタッフにもインタビューしていて、初めて見る名前に多くであった。今でこそ映画のクレジット・タイトルにはすべての関係スタッフの名前が出るが、ハリウッドの全盛期にはカートゥーンはもちろん実写映画でもすべてのスタッフの名前は出ていない。名前の出ないスタッフに誰がいてどのようなことをしたのかということは、直接本人に聞かないとわからない。バリアーはそれを丁寧にしているのである。本が出るのが遅くなって、故人になってしまったスタッフも多い(アヴェリーもその一人)。少なくとも1回全体に目に通しておくべき本だが、ジェフ・レンバーグやマルティンより文章が難しいのがつらい。

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