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2011/12/24

What's up,Moc?

 「世界アニメーション映画史」の著者の一人で元静岡大学図書館職員の望月信夫さんが肺癌のため亡くなって1週間。

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 静岡大学でアニメーション同好会が発足し活動を始めるにあたって当時の会員4,5名と図書館に、挨拶に行ったのが望月さんとの最初の出会いだった。その前に、静岡のアニメーション・サークル「しぁにむ」の上映会のポスターを何度か見ており、そのうちのどれかに、もしくは、私が大学に入学した年の静岡の久能山下の旅館で行われた第6回のアニメ総会に出ていれば、そのときに出会っていたのだろうが、大学内でアニメ仲間に出会うまで、その踏ん切りがつかないでいたのだと思う。とにかく、発足したばかりの静大アニ同にとっては、望月さんが活動をしていく上での実質的な顧問であった。だから、私の望月さんの思い出も、多くはこの時代のものになる。

 お通夜の式場へ静岡駅から歩いていくとき、ちょうど線路をはさんで式場とは反対側のあたりに望月さんが部屋を借りていたアパートがあり、そこに、静大アニ同のメンバー数人で訪れたことを思い出した。入り口にはスキー板、ステレオセット(確かティアックのオープンリールのテープデッキがあり、さすがに社会人はお金をかけられると思った)とレコード、映画関係の雑誌や本、SF、そして、漫画。アニメ関係の本は、今でこそ買うのをあきらめても惜しくないほどたくさん本が出ているが、当時はアメリカでも余り出版されておらず、書棚の一角を占めているだけだった。望月さんがおもむろにステレオのスイッチを入れ、レコードをかけようとしたとき、後輩の一人が「ジャニス・ジョブリンの命日ですよ」と言った。年代からビートルズ世代でてっきり反体制ロック・ファンだろうと思って、遅れてきたビートルズ・ファンの後輩が話題になるだろうと切り出したのだろうが、望月さんはそっけなく「そんなことは知らない。クラシックしか聞かない」。そのとき、かけた曲が何であったのか、もはや、まったく記憶にない。バッハだったのか、モーツアルトだったのか、はたまた、マーラーであったか。

 最も新しい部類の思い出は、ご長男(お通夜では施主としてご挨拶された)が、東映に入社しスーパー戦隊シリーズの配属となった、というものすごくうれしさが伝わってくるメールをもらったこと。そのことをご本人にお通夜の席で伝えたら、「(スーパー戦隊物を)すごく好きな連中がいるから・・・」と父と話しましたとのこと。望月さんは毎週番組を見て息子さんにここはこうした方が良いとアドバイスしていたそうだ。そのうちに、望月さんのご長男のプロデュースで、静大アニ同の後輩のアベ・ユーイチ監督(「ウルトラマンゼロTHE MOVIE」など)の作品が見られたらと面白い、などと思ってしまう。


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 この写真は、「世界アニメーション映画史」の裏見返しのイラスト(故・片山雅博さんの作)の位置にサインしてもらったもの。この本を出版した頃、ご長女が生まれて子育て時期だったのでこの絵柄になっている。ここにサインをもらったときには、片山さんと望月さんが同じ年に亡くなってしまうなんてことはもちろん、これっぽっちも思っていなかった。合掌。

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