父狐と人間
シネプラザ・サントムーンで「ファンタスティックMr.FOX」Fantastic Mr Fox、ウエス・アンダーソン監督が上映されているのを知り、あわてて見に行った。アニメとは因縁の深いロアルト・ダールの「すばらしきお父さん狐」が原作である(娘が小さかった頃、絵本を相当買い込んだことがあったが、このダールの本には出会わなかった)。立体CGではなく人形アニメであるのがいい。監督や声優はハリウッドの人たちであるが、この人形アニメはイギリスで作られている。したがって、アードマンなどの作品にかかわったスタッフが実際のアニメーションを作ってる。以前買った'100 Animated Feature Films'で100本のうちの1本に入っている。この本の作者はイギリス人なので、狐たちがアメリカ人になってしまっているのをちょっと嘆いている(米語を英語に吹き替えたらいいという言葉で紹介文が終わっているのだ)。
映画の冒頭、ディズニーの「デビー・クロケット」のテーマソングが使われているのには、おおっ、と思う。今、トマス・ピンチョンの「V.」の改訳版を読んでいるのだが、この「V.」には「デビー・クロケット」のテーマの替え歌が出てくる。国書刊行会の初訳では、曲にあわない訳文になっていたという記憶があるが、新訳では、ちゃんと曲にあわせて歌える。そんなわけもあって、余計におおっ、なのである。
Mr.FOXの相棒のオポッサムが思考停止に陥るときのクローズアップの表情がいい。これが何度か出てきてギャグになっているのがまたいい。動物たちの毛皮の質感が人形アニメらしい、CGではなかなかでない味なのが好きだ。
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