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2010/11/21

一人パルプフィクション大全集

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 トマス・ピンチョンの「逆光」をついに読み終えた。1ヵ月半かかった。上巻を読み終えたときには、これは複数のストーリーが同時進行し、それぞれのストーリーの主要ではない登場人物が重なり合うようなものなのか、と思っていたが、最後まで読むと、基本はトラヴァース家の物語で、それを見守るように飛行船で暮す「偶然の仲間たち」(なんだか彼らの様子は「サンダーバード」の国際救助隊の五兄弟のようである)の物語が時々挟まるのである。トラヴァース家の物語は、世界各地を転々とするが、煎じ詰めれば「大草原の小さな家」と変わらない。子供の見れない時間帯にやっている「大草原の小さな家」のパロディ番組(時々、他の番組が混線する)のようなものである。

 上巻の終わりから下巻の初めの方にかけて、ハミルトンの四元数の話題が出てくるのだが、ハミルトン関数には大学時代悩まされたのに、四元数についてはまったく知らなかった。マックスウェルが電磁場の方程式を最初は四元数で表していたことも初めて知った。ベクトル・ポテンシャルとスカラー・ポテンシャルが電磁気学の重要なところと習ったのだが、ベクトル+スカラーな数でそれが最初に表現されていたのである。スカラー部分がエネルギーと時間に関係する、というのは、アインシュタインの特殊相対原理(マックスウェルの方程式に潜むローレンツ変換をニュートン力学に導入したもの)にも引き継がれていく部分だ。

 方解石の複屈折から光の二重性、そこから、もう一人の自分、というイメージの連鎖があるのだが、物理学で「光の二重性」といったら、マックスウェル方程式で記述される電磁波としての光とアインシュタインの光量子説で示された光子としての光の、「波と粒子」の二重性である。この物理学での「光の二重性」はちょうど「逆光」の時代(1890~1920年)に話題になっていたのだが、その解決は第2次世界大戦中の量子電磁力学の完成まで待たねばならないので言及されなかったのか、それとも、いつか書く小説のためにとってあるのかな、とも思う。

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2010/11/16

シビックが消える日

 シビックがついに国内販売中止となった。シビック・シャトルに初代・2代目計12年、約25万km乗った者としては、シビックという名前がなくなるのは、やっぱりさびしい。ブルーバードもコロナもファミリアもとっくになくなっているわけだから、シビックも現行のセダンにモデルチェンジしたときに、別名になっていてもおかしくはなかった。逆に、今ここで販売中止するくらいなら、その判断をもっと早くして、現行のシビック・セダンを別名で出していていた方が、もっと売れたようにも思えてくる。フィットとアコード(オデッセイ)の間には、ストリームだけということになるのだが、この間に何か新しい車種を出すことを、ホンダは考えているのだろうか? 新型シビックの国内ヴァージョンはハイブリットのみという噂があったが、これがまったく新しい名前で出てくるのだろうか?

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2010/11/15

ボルカノ・スパはあんかけスパより古い!?

 今、テレビの「帰れま10」で名古屋めしベスト10というのをやっている。あんかけスパがその中に入っていたのだが、あんかけスパの始まりは31年前だという。沼津にボルカノ(その姉妹店の伊太楼、マルコも)という私が高校時代から通って食べているほかの店とは違うスパゲティが、最近、この名古屋のあんかけスパとほとんど同じものだということを知った。自分が高校生だったのは40年も前で、ボルカノはそれ以前からあったはずだから、ボルカノの方が先だということになる。ボルカノでは、昔の洋食屋さんのスパゲティ、といっているので、あんかけスパの源流はもっと遡るのではないのか? 

 この番組で、すがきやのラーメンや台湾ラーメン(最近増えている)も名古屋発祥だと知った。どちらも、沼津で食べられる。東京のものは普通にあるんで(これもだいぶ前のテレビ番組で知ったのだが、子供の頃から通っていたラーメン屋にサンマーメンというメニューがあったが、これは、横浜から沼津の間にしかないラーメンだそうだ)、西も東も食べられるのは、やはり、地の利というべきか。

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2010/11/14

LTGC1~6

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 amazon.comからLOONY TUNES GOLDEN COLLECTION VOL.1~6のDVDを買った。かつてLD(レーザー・ディスク)時代に一度でたことがあるもののDVDでの再発売だと思われるのだが、LDで出たときには高くて入手するのを諦めた経緯もあって、今回の円高で購入する決断をした。送料を一番安いものにして注文し、amazon.comからの発送しましたメールの到着予定では12月10日となっていたのが、予定より1ヶ月も早く届いた。注文して10日で着いたことになる。amazon.comには送料に3段階あって、今回の送料の2倍くらい払うと一番早い、1週間で届くというものになる。それとほとんど変わらない早さで着いたわけで、得した気分である。

 2004年「ルーニー・テューンズ バック・イン・アクション」の公開にあわせて、ワーナー・ホーム・ビデオから「ルーニー・テューンズ コレクション」のシリーズDVDが発売されて、これはこのときに買ってあるのだが、今回買ったものと比べてみたら、「バックス・バニー 特別版」「ダフィー&ポーキー 特別版」「オール・スターズ 特別版」はGOLDEN COLLECTIONのVOL.1のDisk1,2,4とほぼ同じ内容(古い作品を数本、日本版は除いてある。特典映像なども同じものがついている)、「オールスターズ2」「オールスターズ3」はVOL.2のDisk1,2,4からのダイジェストであった。さらに、チャック・ジョーンズが亡くなった後に追悼版のようにして「バッグス・バニーは永遠に!! チャック・ジョーンズの贈り物」という2000年に作られたチャック・ジョーンズのドキュメンタリーのDVDが出たのだが、これは、GOLDEN COLLECTIONのVOL.5の特典映像として収録されている。というわけで、日本未発売のものが多いことが確認できた(ただし、収録されているかなりの作品が日本でもテレビ放映はされている)。

 VOL.4,5,6のパッケージに、大人のコレクターのための商品で子供向けではない、と注記されているのが面白かった。この4,5,6の順に、現在の視点で見ると、表現やギャグに人種差別的であるとか、女性蔑視的であるとか、いわゆるpolitical correctnessの問題がある古い作品が多く収録されているためである。逆に言うと、そのために、これら作品の方が面白かったりするわけだし、日本発売がされる見込みはないわけだから(特に戦時中の作品で日本人が出てくる作品)、このCOLLECTIONを買う意味はあるわけである。

 この原語版で見なくてもいいのだが、バッグス、ダフィ(「ダフィー」と表記するのは違和感がある)、エルマーがからむ、「何が解禁なの」3部作のうち、オチが「エルマー解禁」になっているものを見たくなって、原題は何だったっけと、わからなくなってしまったので、結局、3部作全部を見ることになってしまった。Rabbit Fire が正解だったのだが、これ以外の2作の方をそれだと思ってしまったのであった。

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2010/11/06

とあるアニメ洋書の購入目録

 円高がさらに進行したので、気になるアニメ洋書を買ってみた。久しぶりのことである。久しぶりになってしまったのは、理由があって、それは、amazon.co.jpからの情報メールで何冊かの洋書を注文していたのだが、その多くが、かなり待たされた挙句、最終的に残念ながら入手できませんでした、ご注文をキャンセルさせていただきます、となってしまったからだ。さらに、その中には予約注文受付という案内がきたので注文したものもあったので、当分、amazonには頼むか! という気分になってしまったからでもある。また、日本でもアメリカでもアニメーション研究本の出版が相次いでおり、昔のように、たまに出版されるものを順次買っていく、というわけにはいかなくなっている。アニメ研究本も選んで買う時代になっているのである。

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☆HOLLYWOOD FLATLANDS animation,critical theory and the avan-garde, ESTHER LESLIE ,Verso,2002
 だいぶ前にこの本のタイトルをどこかで見つけ気になっていたが、ここまで買わないできてしまった本である。アニメーション学会の研究会でこの本をテキストにした会を行うという案内が来て、やっぱり買っておくべき本だったかと思い、入手した。表紙写真はミッキー・マウスとセルゲイ・エイゼンシュタインの握手写真である。この本の最大の特徴は、これ以前に出た本ではまったく別に扱われていたディズニーやフライシャーなどの漫画映画(カートゥーン)と、ワルター・ルットマンやオスカー・フィッシンガーなどの実験映画(アヴァンギャルド映画)といった方が良いアニメーション作品との接点を取り扱っていることである。 面白かったのは著者(ロンドン在住の大学の先生で、英語と人間性について教えているという)の謝辞で、両親に対して、子供時代に「トムとジェリー」「原始家族」「クマゴロー」「弱虫クルッパー」「どら猫大将」、そして、ディズニーの長編アニメの数々を見るのを許してくれたことをあげていたことである。

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☆THE ANIMATED FILM ENCYCLOPEDIA A Complete Guide to American Shorts,Features,and Sequences,1900-1979 1,2 ,GRAHAM WEBB,McFarland & Company,2006
 これはほんのタイトルどおり「辞書」である。作品名がアルファベット順に並べられて簡単に解説されている。原題はわかったけど、誰の作品だ? とか、何年の作品だったっけ、などということを調べるには重宝しそう。

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☆THE ANIMATOR'S SURVIVAL KIT EXPANDED EDITION,RICHARD WILLIAMS,Faber and Faber,2009
 これの本の初出版は2001年で日本語版も出ている。今年のアニメ総会でこの本の内容が話題として出てきて、欲しくなってしまい、リチャード・ウィリアムスの原文も読みたいからと(さらには、日本語版の半額で手に入るので)注文したものである。「クリスマス・キャロル」(プロデューサーはチャック・ジョーンズ)のアカデミー賞授賞式後に、ビル・メレンデスとウォード・キンボールに、アニメを何だと思ってるんだ、こんなにリアルにするなんて間違ってる、と詰め寄られた、というエピソードが、本書の最後の方の「『リアリズム』についての大討論」という中に紹介されているのが、実に面白い。

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☆BASIC ANIMATION 04 stop-motion,Barry Purves,AVA Publishing SA,2010
 この本も先日のアニメ総会で紹介された、バリー・パーヴスの最新の著作。前著と大きく違うのは、取り上げられている作品の図版がきちんとどのページにも1枚以上使われていること。取り上げられているのはメリエスから最新作まで、特に、この10年間くらいの作品のスチールがたくさんあり、新作に疎くなっている身にはありがたい。残念なのは、先日亡くなった川本喜八郎さんの作品が取り上げられてないこと。人形アニメが中心の話題だけれども、キャロライン・リーフなどの砂絵アニメなどにもページが割かれている。ところどころに、本文とは別のコラムがあって見ておくべき作品などが紹介されている。その中に、チャーリー・ボワーズの「イッツ・ア・バード」It's a Bird があり、やっぱりこの作品を見て驚いてるんだね、とうれしくなった。

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☆THE LOONEY TUNES TREASURY,ANDREW FARAGO,An Insight Edition Books,2010
 この本は予約注文でだいぶ前に頼んだのが、やっと届いたものである。この本もキャンセルになったら、amazom.co.jp.ではもう買わない、という決断をしたかもしれない。この本は、研究書というより、仕掛け絵本である。ルーニーチューンの代表的キャラクターたちが、自分自身について、作品について、製作スタッフについて語るという設定である。キャラクターの視点からルーニーチューンを語るというのは、実に面白い。バッグスが語り、ダフィが語り、エルマーが語る。コヨーテは、やはり、自分を大天才だと語りつつ、その脇のロードランナーは「ビッビッ~」としか言わないのが、実にいい。仕掛け絵本の仕掛けの一部を紹介すると、

ダフィのページには、シールがある(もったいなくって、貼れない)。
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コヨーテとロードランナーのページには、あのアクメ社のカタログがある。
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 その他には、ポーキーのページにはルーニーチューンのコミックブックの縮小コピーがあるなどなど。実に楽しい本である。

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2010/11/03

淡島ホテル

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 先日、初めて淡島ホテルの中に入った。沼津一番の高級リゾートホテルである。そう簡単には泊まれない値段(ハワイやタイのリゾートホテルに泊まりにいく方が安いくらいである)なので、泊まりにいったわけではない。さる用事ででかけたのである。さすがにバブル絶頂期に金をかけて作っただけのことはあるホテルであった。コンサート会場のホールの入り口のあたりは、ギャラーになっており、創業者が集めたらしい絵画や彫刻(南仏のリゾート・ホテルのイメージを目指したためか、フランスものが多い)がたくさんある。その中にはなかなか良いものもあって、ここで1週間くらいボーっとしてみたい、という贅沢な想像をする。

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 淡島といえば、「ウルトラQ」第2話の「五郎とゴロー」で大猿ゴローが淡島に渡る海上ロープウエイを綱渡りしたことでウルトラファンには有名であるが、この番組を初めて見たときには、子供心にあっ淡島だあ~、とびっくりしたものだった。この海上ロープウエイ、「ウルトラQ」の頃からしばらくは大名駕籠形だった。現在、耐震補強工事ができずに使用休止ということで、乗ることができず、ちょっと残念。というわけで、船でホテルの桟橋に。「ウルトラQ」放映の頃に、家族で夏、遊びに来たときには、このホテルの位置に大小の海水プールがあった。その頃にはまだ水族館などはなかったから、淡島に遊びに来るというのは、この夏の間営業するプール目当てだった。水族館は、確か、70年代にできて、対岸に三津水族館(現:伊豆三津シーパラダイス)があるのに同じような施設を作って大丈夫なのかい、と思った記憶がある。また「サンダーバード」がはやったときには、そうだ、淡島にサンダーバードのような秘密基地を作ったら面白い、と考えて、そんな漫画を書こうとした思い出もある(後年、淡島に第2次大戦中、人間魚雷の秘密基地を作る計画があったらしいことを知った)。

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 さる用事で行ったオデッセイ・ホールは、緞帳代わりになる大スクリーンがあって、プロジェクターの設備もあり、映画の上映もできる。参加費用がとんでもない金額になるけれど(いつもの10倍!)、ここでアニメ総会をやってみたら楽しいかも、とも思う(その時のオープニング上映は、もちろん、「五郎とゴロー」である)。

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2010/11/01

隼はDS3を得たか?

 卓球男子のワールドカップで水谷隼が4位になった。準決勝の中国の張継科にあと一点で勝利していれば、決勝もどちらかといえば相性のいい中国の王浩だから、優勝もありえたかもしれない。確実に水谷隼が世界のトップ10の中に入る選手になっていることは確かだ。この水谷の試合の映像を見れるところはないかと、まずは水谷準のHPをチェックしたら、ここからITTFのリンクがあって試合が見れる。そこで驚いたのは、センターコートの後ろ側に、黄色と黒のシトロエンDS3が写っていたことだ。あの位置にあるということは、DS3が優勝者にプレゼントされるということだろう。DS3に乗る水谷、というのも見てみたかったなあ。

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