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2010/06/14

「ウラニウム戦争 核開発を競った科学者たち」アミール・D・アクゼル(青土社)

 いわゆるマンハッタン計画に関する本である。この手の本のベストはリチャード・ローズの「原子爆弾の誕生」だと思うのだが、ローズの本では取り上げようのなかった2005年に機密解除された第二次世界大戦中の日本の外交上の暗号通信文の解読・翻訳プロジェクトの資料を取り上げて、日本に原爆を落とす必要性はなかった、ということを明らかにしていく部分が、目新しい。それ以外については、ローズの本を読んでいるなら、読み飛ばしてもいい。科学的な内容の解説部分でところどころでおかしな表現があるが、原著者は数学で学位をとったサイエンスライターなので原著が間違っているとは思えないから、翻訳の問題だろう。訳者が二人なので片方は科学系の人かなと思って読んだのだが、この二人の経歴はどこにも書かれていない。

 この本に先立って常石敬一の「原発とプルトニウム」(PHPサイエンス・ワールド新書)を読んだが、「核開発を競った科学者たち」の様子は、常石の本の方が現場の発見の様子をよく伝えている。ローズの本は分厚い上下2巻本で現在では手に入りにくい本なので、核エネルギーの解放に関係した科学者たちのことを知りたければ、「原発とプルトニウム」を薦めます。

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2010/06/12

シトロエンC4車検(5年2回目)

 ディーラー車検であるので、ちょっと金額が大きくなるかと思っていたが、交換部品が予想していたよりもなく、諸費用・オイル交換込みで16.3万円であった。ワイパー・ブレードを全取替えしたのが一番大きな出費であった。ちなみに、この5年間の走行距離は45688km。片道約10分の通勤が主体だし、娘の成長に伴って家族でドライブという機会も減ったので余り距離は伸びていない。この5年を振り返ると、不具合の類は国産車と同程度、部品はやはりちょっと高め、でも、それを上回るデザインと乗り心地の良さ、である。新型のC4の情報が出ているが、C5のようにドイツ車よりのデザインになってしまったのがちょっと残念である。実車を見てみないとわからない部分もあるが、発表されているデザインだと、新しいC3の方が所有してみたくなるデザインである(ディーゼル・ハイブリッドを日本に導入してくれるなら、話は別だが)。

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ついに売電価格が買電価格を上回る

 太陽光発電での買い取り価格が1kWh48円になったため、太陽電池パネル16枚発電能力2.32kWの発電量が多くないシステムの我が家でも、この6月分の電気代より、売電買い取り価格が上回った。使用電力量が196kWと少なくなり(5月、11月が毎年使用量が少なくなる月である)、売電量が119kWとなったためである。実際に使用した電力量と発電量とで比べると、使用量の方がまだ多い。エアコンを使わずにすむ気候のよい時期に完全自給の状態になってみたいのだが、なかなか節電をするのは難しい。

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2010/06/07

シミュラクラら

 創元文庫から久しぶりにフィリップ・K・ディックの「未来医者」が出た。通勤帰りに都合がいい本屋にありそうもなかったので、アマゾンに注文した。そのとき、ディックで検索したら、サンリオ文庫のディック作品で唯一入手できなかった「シミュラクラ」の古本が見つかった。出版当時の価格からすれば4倍位だが、「未来医者」が820円であるのからすれば2倍位なので、ええい、買ってしまえ、と注文した。「未来医者」が届いた次の日に「シミュラクラ」が届いた。普通の封筒に入って送られてきたので、知人の翻訳家がまた新作を送ってくれたのか、と勘違いしてしまった(古本の場合、アマゾンは仲介業者なので、どんな形で送られてくるかは届いてみないとわからない)。なんと、この「シミュラクラ」、自分が持っている同じ頃出たサンリオ文庫本より、状態がいい。しかも、誰かが読んだような後もない。どこかに死蔵されていた新刊本が発掘されて売りに出されたような感じである。しかし、今になってもわからないのは、この「シミュラクラ」が発売されたことにまったく気がつかなかったこと。
Simulacra

 買ったはいいが、読む順番が来るのはいつのことになるのだろう。創元文庫やハヤカワ文庫で再発売される、なんてことにならないうちに読んでしまいたい。

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