ザ・スピリット
テレビのCMを見て、サントムーンで上映中なのを見つけて、こんな日本で知られていないコミック・ブックの映画化は客が入らなくて、特に、地方都市では、すぐに上映が終わってしまうと、見に行った。その昔、「SFマガジン」の小野耕世の連載コラムで名前を知って、記憶の底に沈んでいたのが、スポットCMでふつふつと浮き上がってきたのである。そういえば、一時期定期購読していたアメリカのアニメとマンガの雑誌「FUNNY WORLD」にも記事が出ていたのを読んだっけ。
黒白のコミックブックを意識した、色彩を抑えた画面作りが、これもまた日本では特に受けなかった「ディック・トレーシー」(「プリティ・ウーマン」が併映だったはずが、瞬く間に「プリティ・ウーマン」の併映になってしまった)を思い出させる。ザ・スピリットのネクタイと血の赤だけが、強調された画面。次から次へと登場する魅力的な女性達。
「ルパン3世」の最初のシリーズを初めて見たときの記憶もよみがえる(ちょうど、小野耕世の連載を喜んで読んでいた時期と一致する)。
フォボスと呼ばれるクローン人間のコメデイ・リリーフが登場し、ゾンビ映画やらなにやらのパロディも色々登場し、笑えるシーンもかなりある。プラスター・オブ・パリスというベリー・ダンサーが登場するシーンは、「ツイン・ピークス」の赤い部屋の小人の踊りを連想させたし。フランク・ミラー監督作品はこれが初めてだが、「シン・シティ」を見落としてしまったのは不覚だったかも。
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