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2009/05/09

上原ひろみの「いつか王子様が」

 このところ一番気になっているジャズ・ピアニスト、上原ひろみの新しいCDが出たので買ってきた。「スタンリー・クラーク・トリオ 上原ひろみ/レニー・ホワイト ジャズ・イン・ザ・ガーデン」(HEADS UP/ユニバーサル・ミュージック)である。

 上原ひろみには「The Tom & Jerry Show」という、「トムとジェリー」ファンにはおおって思う曲があるのだが、タイトルからするとハンナ・バーベラのテレビアニメ版の主題歌をジャズ・アレンジしたのかと思えるのだけれど、全くのオリジナルで、ネコとネズミの追いかけっこをイメージさせる演奏であった。彼女は浜松の出身だから、きっと「トムとジェリー」を小さい頃に何度もテレビで見たんだろうな。今回のCDにはディズニー映画の曲でもっとも良くジャズで演奏される「いつか王子様が」が入っている。マイルス・デイビスがこの曲を演奏して以来、大抵のジャス・ピアニストがこの曲を録音しているので、上原ひろみもいつか弾くんだろうなと思っていた。

 ところが、このCDで良いなあと思ったのは、「いつか王子様が」ではなくって、マイルスのオリジナル曲の「ソーラー」と、ベースソロが美しい、このアルバムのリーダー、スタンリー・クラーク自身の曲「ベース・フォーク・ソングNo.5&6」。って、やっぱり、アルバム・リーダーのスタンリーの演奏に耳が行くということ。上原のピアノの音色が、チック・コリアっぽく聞こえる曲があるのは、スタンリーがチックとともにリターン・トウ・フォーエバーのメンバーだったことと関係が多少はありそうだ。

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