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2009/05/17

グラン・トリノ対シビック・フェリオ

 クリント・イーストウッドの新作「グラン・トリノ」を見た。朝鮮戦争に従軍した偏屈で頑固な老人が、ベトナム戦争で移住してきたモン族の姉弟と出会い、自分の人生の仕上げをしようとする映画、という新聞評を読んだだけで、この映画の絵的な情報をチェックしていなかったので、不覚にも、タイトルの「グラン・トリノ」がフォードの1972年製のスポーツ・クーペのことだと、思っていなかった。イーストウッドがイタリア系の「トリノ爺さん」という役なのだろうと思いこんでしまっていたのだ。グラン・トリノはファストバック・スタイルのいかにも当時のアメ車らしいクーペであった。「ウルトラゼブン」のポインターの元になった車と兄弟車じゃないかと思えるデザインである。

 モン族が出てくる、ということでなかったらこの映画を見に行かなかったかも知れない。10年前にタイに行ったときに、タイに住む少数民族の話を聞いたときに、モン族の話も聞いたのだった。その時の記憶であやふやなところもあるが、モン族の文化の方がタイ人(タイ族)よりも日本人に近い、と感じたように思う。確か、土産に買ってきた物の中に、モン族のキルト製品があった気がする。

 モン族のチンピラたちが、初代のシビック・フェリオ、それもボンネットだけ黒く塗られてエンジンもチューンしてあるものに乗っていたのが面白かった。この連中が、グラン・トリノに目を付けて盗もうとしたことで、イーストウッド扮するウォルトの人生が変わっていく。モン族のチンピラにもそれなりに車には趣味とか興味とかがありそうだ。


 「グラン・トリノ」を見に行ったのは、ジョイランド三島であるが、ジョイランド沼津よりも場末になりつつある映画館の「匂い」が感じられた。観客は沼津よりもいるのだが、サントムーンに客をとられてしまっている感が、かなり漂っているのである。東部事業所さん、これは、ヤバイよ。

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