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2008/11/24

「ルパン3世 念力珍作戦」(坪島孝監督1974年東宝)

 このところ、WOWOW、NHK-BSやチャンネルNECOで大分前に録画してそのまま見ずに放置してあった邦画を、中平康監督「危いことなら銭になる」を見て以来、消化している。WOWOWの中平康特集の他の作品についても書きたいのだが、それはまた別項で。

 で、表題の目黒祐樹主演の「ルパン3世」の実写映画である。この作品については、劇場公開時にポスターを見て、正直、峰不二子が江崎英子ではなんか違うなあと思って、見に行かなかった記憶がある。次元大介が田中邦衛、銭形警部が伊東四朗、という配役は今考えると豪華である。当時デビューしたばかりの安西マリアがちょい役で出てくるが、どうせ出すなら、彼女を峰不二子にした方が良かったのでは、なんて思ってしまう。映画が作られた当時を考えれば当たり前なのだが、アニメ版を元にした映画というよりも、モンキー・パンチの原作漫画の味を出そうとしている映画である。

 チャプリンやテックス・エイブリーのようなギャグをたくさん注ぎ込んであるが、タイミングの詰めが甘くって、まるで、カーク・ダグラス主演アーノルド・シュワルツェネッガー助演の「サボテン・ジャック」のようである。この様なギャグをたくさん入れたのは、企画に名を連ねている故・赤塚不二夫の意向だったのだろうか。自分たちが自主映画を作っていたときに一度やってみたくてやったことがある「スローモーションでもう一度」もやっていて苦笑してしまった。このシーンには、前川清が特別出演していて、なかなかコミカルな味を出していて、後年のバラエティ番組での活躍を予見させている。

 今は太平洋に眠るスカンジナビア号や戸田の御浜岬の灯台が出てきて、この作品もこういうところでロケをしていたのか!、と驚いた。来年だったか静岡県で行われる国民文化祭で、沼津市では映像文化の部があるようなのだが、協賛事業として、沼津ロケした作品を一堂に集めて上映する、なんてことをしてくれたら面白いのにねえ。例えば、「モスラ対ゴジラ」の静浦(映画中では、静の浦)の海岸線の空撮映像なんか、狩野川放水路や漁港・防潮堤の整備で失われてしまった沼津の景色の記録としても意味が大きいと思うのだ。
Photo
御浜岬の灯台。ここで、ルパンと不二子がいちゃついた。

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