トムとバリー 魔法の映画
映画「ブラザース・オブ・ザ・ヘッド」をwowow録画でやっと見た。映画監督ケン・ラッセル(本人自身が演じている)や原作者のブライアン・オールディス(似てはいるが本人ではない)まで登場させてしまうという仕掛けが面白い。父親に世間から隔絶されて育てられた体が結合してしまっている双生児のロック・スターという部分だけ原作から借りて、30年前に本当にあった話として、美しい双子の妖しく哀しい関係をドキュメントしている。ノーフォーク地方の海岸のじめっとした感じや、肌寒そうな空気感のある映像がいい。でも、「スキャナー・ダークリー」と並んで、一般受けはしない映画だなあ。地元の映画館では上映されなかったのも無理はないが、「スキャナー・ダークリー」とは違って、劇場で見てみたいとは思う。内容ではなく、映画としての存在がSFしている。双子の横顔と正面の顔が重なって一つの顔に見えるというキュービスムの絵画を思わせる止め絵になるラストショットが、いつまでも印象に残る。
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