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2007/02/28

オールディス「ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド」読了

 レムの「大失敗」についてネットで検索しているときに、ブライアン・W・オールディスの新作が河出文庫から出ていることを知った。実のところ、一番好きな作家と聞かれれば、このオールディスなのである。で、早速入手し読んだ。腰のところで癒着している双子(いわゆるシャム双生児)のトムとバリー(なんか「トムとジェリー」のもじりのようだ。喧嘩ばっかりしているし)の物語で、オールディスらしい遊び心があり、面白かった。

 何を突然、オールディス作品が出るのかと思ったら、キース・フルトン&ルイス・ペペにより映画化されて、この1月から日本公開されているのに合わせて出版されたということだ。「A.I.」と同じパターンである。映画化作品以外、「マラキア・タペストリ」以降の新作が翻訳されていない状態がオールディスについては続いていて、実に残念だ。サンリオ文庫で出版予定があった「80分時間」やヘリコニア3部作を、早く出して欲しいと思う。

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2007/02/24

C4燃費36

●満タン法
  走行距離  405.7km
  給油量    53.70L
  燃費     7.6km/L

  総走行距離  17501.2km
  総給油量     1955.94L
  総燃費     8.9km/L


●オンボード・コンピュータ
  走行距離  401km
  燃費     8.0km/L
  平均時速  18km/h

 今回は、修善寺往復と御殿場往復があるが、修善寺往復時は渋滞がひどく燃費には貢献していない。オンボードコンピュータの走行距離が少し少ないのは、前回の給油時にリセットし忘れて、後で気が付いたため。

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2007/02/19

レム「大失敗」読了

 傑作である。レムの集大成というか、原点に戻って「金星応答なし」で不備だった部分を洗いなおして書いた小説であるように思われる。「泰平ヨンの現場検証」に出てくる、徹底した相対主義に立つ科学哲学者ファイヤアーベント(およそ25年位前、日本でも村上陽一郎が精力的に紹介していた)を越えようとした思考の産物であるようにも思える。ちなみに、ファイヤアーベントが批判したラカトシュの名が、本書では登場人物名として使われている。また、ヒロシマ以後の科学技術のあるべき姿を、やはり、レムは一番気にしていたように感じる。

 ブラックホールを利用した時空旅行が、ファーストコンタクトを可能にするSF的仕掛けの肝になっていて、いわば、時間軸方向へのスイングバイという方法なのだが、これが、そういう発想もあったか、ということで面白かった。しかし、このあたりの科学用語・擬似科学用語入り乱れての説明の翻訳に疑問を感じた。自分が推測した元ネタの宇宙物理学等の理論から考えると、レムがこんなに中途半端な理解で専門用語を使ったり、それをもじったような用語をひねり出したりはしないはずだ、という感覚がつきまとうのである。レムが構想したはずの、書かれた時点での科学理論から最も妥当な恒星系のイメージや時空を超える旅の説明が、どうにもピンとこないのである。
 さらに、目的のクゥインタ星に近づき、コンタクトを試みた部分で、邦訳の前後の文章から明らかに誤訳とわかる部分を見つけた。「受胎告知」の223ページ、「地子(テラトロン)型エンジン」である。テラトロンを陽子(プロトン)や中性子(ニュートロン)と同様に作られた言葉と勘違いして「地子」と訳されているが、「~tron」は加速器(サイクロトロン、シンクロトロンなど)に使われる言葉であって、素粒子の「~子」は「~on」である。巻末のこの言葉の訳注にある中間子mesotoronは、中間子論を湯川が発表してごく初期に使われていただけで、加速器に「~tron」を使うようになってからは、メソンmesonである(加速器の発明と中間子論の発表はほぼ同時)。だから、この訳語は、カタカナで「テラトロン」が良いのである。テラトロン型エンジンの説明がその数行後からでてくるが、「数兆電力(テラワット)の消滅エンジン」「地子(テラトロン)の場を反転できる。そして、電極をショートさせれば」「兆電圧(テラボルト)を持つ核子を自分に撃ち込んだ」という説明はすべて、テラトロンが加速器から発想されたものを完全に示している。
 また、この同じ章の226ページに「カー効果」に「(物質の屈折率が~)」とわざわざ訳注がつけられているが、このあとの文章とのつながりを考えると、この「カー」は、屈折率の変化に関する研究をしたジョン・カーではなく、一般相対論のカー解のロイ・カーと考えるべきである。超小型のブラックホール(あるいは時空の特異点)が生成されたことになっているわけだから。この「カー効果」は、レムの創作である。


 巻末に詳細な訳注というか、この作品に出てくる固有名詞の由来の解説文があるのだが、訳者が物理学方面には詳しくないためか、私から見ると不思議な説明も少しあるので、気がついたところを以下に記す。

 まず、日本人物理学者のナカムラだが、湯川秀樹の直弟子に中村誠太郎という、この1月末に亡くなった、物理関係では良く知られた研究者がいる。湯川の中間子論(レムは、この湯川の考え方を「絵物語」の章で要約してみせている)を発展させた2中間子理論などの業績で、もちろん、海外でも知られている。ユカワでは余りに有名すぎるから、その弟子の名前を探し出してきて使った可能性も考えられるのである。もちろん、訳者が指摘しているように、歌舞伎との関連も意識して選ばれたのであろうことも、想像に難くない。

 次に、カーとラーマンについて。カーは「カー効果」のジョン・カーではなく、「カー解」のロイ・カーであるべきだということはすでに書いた。不明となっているラーマンRahmanの方は次のように考えられる。確かにRahmanという物理学者はいないが、Ramanなら有名なインド人学者がいる。「ラマン散乱」あるいは「ラマン効果」のチャンドラセカール・ラマンである。つづりにhのあるなし程度の違いは他の人物名では考慮して元ネタ探しをしているのに、なんでこんなに簡単に気がつく人物名を探せなかったのだろう? そして、さらに、この件はこれで終わらず、別の人物も連想されるのである。それは、ラマンのおいの白色矮星の質量限界を見出したチャンドラセカールである。「大失敗」の内容を考えたら、おいの方のチャンドラセカールを先に思いついたが、カーと並べるとあまりに直接的過ぎるんで、ラマン、さらに、ラーマンと変えたのではないか。

 ホーレンバッハという名前だけを考えていると、誰をもじったか分からない物理学者名は、語感からはハイゼンベルグを、「ホーレンバッハ領域」等の用語の使い方からは、ホーキングを連想させる。そういえば、ホーキングが世界的に注目されるようになったのは、「大失敗」が書かれた頃だった。

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2007/02/15

修善寺梅林~百笑いの湯

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 2月11日は久しぶりの1日休日だったので、家族で日帰り温泉に行こうということになり、まだ行ったことのない修善寺の時の栖・百笑いの湯に行くことにし、せっかくこの時期に修善寺まで行くのだからと、梅林にも出かけた。沼津から414号線を使って出かけたが、さずがに暖かい3連休の中日でかなりの渋滞である。夏のお盆の時期に近い。裏道を使うことも考えたが、年寄りを乗せているので、そのまま国道で行くことにした。まず、梅林に寄ったが、駐車場から込んでいる。広くない駐車場なので隣の車との間隔は狭い。こんな時には、C4にサイドプロテクション・モールを付けておいて良かったと思うのであった。乗り降りの時にドアを開けると、サイドプロテクションが隣の車に触れているのである。

 修善寺温泉場から沼津方面に戻って、熊坂にある百笑いの湯に入った。道路沿いにタイ風の建物(バイキング・レストラン)があり、その先に日帰り温泉施設がある。ここは昔、帝産ヘルスセンターがあったところだ。さらにさかのぼると、大仁金山の工場があったところである。金山の跡は一時ゴールドタウンという観光施設になっていたこともあり、「戦え!マイティ・ジャック」のロケ地に使われたり、「マジンガーZ」でそれらしき場所が出てきたりしたのを覚えているが、その頃、実際に行ったことはなかった。帝産ヘルスセンターとあわせて、しばらくの間、それこそゴーストタウンと化していて、伊豆の有名な廃墟の一つになっていたが、米久の手で、再び、観光施設としてよみがえっていた。駐車場の裏手には、金山の工場跡がまだ残されている。

 この温泉の料金は大人休日2000円で、沼津インターそばにある万葉の湯とほぼ同じ。施設的にも、似ている。ただし、温泉の種類はこちらの方が多く、館内のレストランの料理は、さすがに米久、思っていたよりずっと良い。でも、砂風呂や岩盤浴は別料金になってしまうのが、財布にはきつい。自宅から多少時間はかかるが、万葉の湯やユネッサンに行くよりは、コストパフォーマンスは良い気がした。


(付記)この記事にだけ、変なトラックバックが続いているので、トラックバックを受け付けない処置をします。(3/4)

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2007/02/13

春の陽気にブーツも脱げる

 シトロエンのメーリングリストに書かれていたので、自分のC4もチェックしたら、後輪のタイヤハウス内に銀色の棒が見えた。見事に、ショック・アブソーバーの黒い樹脂製のカバー(ブーツ)が落ちていた。手ではめれば直ぐにはまるのだが、頻繁に落ちるとなったら気になる。時々チェックしないと駄目だろうなあ。
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2007/02/10

C4燃費35

●満タン法
  走行距離  466.7km
  給油量    52.70L
  燃費     8.9km/L

  総走行距離  17095.5km
  総給油量     1902.24L
  総燃費     9.0km/L


●オンボード・コンピュータ
  走行距離  466km
  燃費     8.6km/L
  平均時速  22km/h

 今回も高速道路約100kmの走行があるので、街乗りだけの普段より燃費が良い。

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2007/02/05

異音同音?

 カーグラフィック誌3月号のC4長期テスト記事に、エンジンが冷えている時に出る異音について書かれていた。結論として特に問題ないものだが、オイル量が充分だと出にくいということであった。この異音は、私が乗り始めてすぐに気が付いたものと同じだと思っていたが、2005年9月にディーラーのメカニックから聞いた説明とは違い、症状も違っている。我がC4で気になる音は、夏冬関係なくエンジンが冷えている時の始動時に必ず出ていて、オイル交換直後でも聞こえ、オイル量とは関係ないようである。ということは、私の気になった音は、ディーラーのメカニックの説明どおり、温まっていない排ガス浄化装置にいきなり高温の排ガスがある程度の量通過することになる時に出る音と、考えてよさそうである。

 他の方のブログなどで、後退時のブレーキの異音その他が報告されているけれど、我がC4では特にそのような症状は出ていない。ブレーキの異音や、カーグラフィック誌に出ていたステアリングのゴリゴリという異音は、前に乗っていたローバー・トゥアラーでは、乗り始めの頃に同じような症状が出てだいぶ悩まされたが、今のC4ではまったくそのようなことがない。実に何も起きず、快適である。

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