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2007/01/13

長生きシャーロット

 昨年久しぶりに映画館に行き、「時をかける少女」を見た時に、「シャーロットのおくりもの」の予告編をやっていて、驚いた。かつて、かのハンナ・バーベラ・プロでアニメ化されたことがあったE.B.ホワイトの児童文学の実写(とはいっても、明らかにCG多用だが)映画化である。今頃になって、なぜ?、という感じも受けたし、かつてのアニメ作品を実写映画化する流れもあるので、それなのかなあ、と感じたのだが、私の見た新聞などの映画評では、ハンナ・バーベラ版のアニメには触れられていなかった。

 暮れになって、ジョー・バーベラの訃報を知り、「シャーロットのおくりもの」も公開されたので、どこかのテレビ局で、バーベラ追悼を兼ねて、冬休みアニメ劇場みたいな感じでやってくれないかなあ、などと思っていた。そしたら、妻子がダコタちゃんを見てきたといって、「シャーロットのおくりもの」のパンフレットを渡してくれた。案の定、パンフレットの解説文では、アニメ版のことに触れてはなかったが、関連商品宣伝の最終ページの下の方に、アニメ版のビデオ・ソフトの宣伝が出ていた。そこには、ハンナ・バーベラ制作の文字はなく、主人公のブタの絵が目立つだけであった。「トムとジェリー」のハンナ・バーベラが作った、って書いたら、このアニメ版も買ってみようと思う人も多くなるのに、と思ってしまったくらいである。

 そんな感想をここに書くか書くまいかと思っていたところ、このアニメ版の監督の一人、イワオ・タカモトの訃報も入ってきた。一時期のハンナ・バーベラ・プロの中心的アニメーター、ディレクターである、という知識しかなかったが、この訃報で、ディズニー・プロから仕事を始め、「弱虫クルッパー」(日本の新聞各社の訃報で、きちんと、この日本放映タイトルを書いていたのは、良かった)のクルッパー(スクービー)のデザインをしたことを初めて知った。と、同時に、スクービーのアメリカでの人気の大きさを感じたのであった。

 タカモト監督の「シャーロットのおくりもの」(1973年作)を初めてみたのは、今からほぼ30年前、1978年のやっぱり正月だった。地元の映画観賞サークルが、建て直されてしまう前の三島市民会館の大ホールで行った自主上映会でだった。東映動画の「長靴をはいた猫」と同時上映だった。そのために、「シャーロットのおくりもの」が、ちょっとつまらなく感じられてしまったのだった。でも、ウォルト・ディズニー亡き後のアメリカ・アニメ界を引っ張っていくのは我々だという意気込みと作品作りの良心は十分感じられるものだった。面白いのは、ハンナはこの作品に愛着と自信があったらしく自伝で取り上げているのだが、バーベラは自伝では全く触れてない、ということだ。この作品、かつて日本でもビデオ発売されていて、それで見たという人もいると思う。

 ゲイリー・ウィニック監督「シャーロットのおくりもの」のおかげで、図らずも、イワオ・タカモトの代表作のDVD発売となったことは、彼の父祖の地での一番の追悼となったように思う。

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