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2006/10/28

完訳ソラリス

 レムの「ソラリス」(国書刊行会)を読み終えた。「ソラリスの陽のもとに」(早川書房)で読んだのは確か中学3年生くらいで、ディックの諸作を読んだときよりも前だが、記憶には良く残っていることを、まず確認した。また、タルコフスキーの「惑星ソラリス」のイメージも読みながらわいてきて、タルコフスキーがかなりの部分原作に忠実であったのだと感じた。今回完訳版で読んで、早川版で削除されていた部分で、「ソラリス」という作品の全体の印象が極端に変わるということはなかった。ソラリスの海のいろいろな変化の描写が、太陽のフレアの形態の描写を連想させたこと、ハリーが19歳という年齢であったことが、今回、読んでいて感じたことであった。特に、後者は、こんなに若い年齢設定だったんだ! って驚いてしまった。タルコフスキーの映画のハリーはどう見てもそこまで若くはないんで、映画のイメージの方が強く記憶されていたためだろう。レムの方が、ディックより、文章が難しく、段落も切れずに長いのだけれど、読み手の自分との相性はいいように感じられたのが面白かった。

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コメント

早く「大失敗(フィアスコ)」が出ないかなと思います。今年の12月にはほんとにでるのかなぁ?

あと「地には平和を」という誰かのタイトルみたいな作品も未訳だと思うのですが、こちらも訳者難なんでしょうね。

「ソラリス」はソラリス学の部分が随分と丁寧に描写されているところが、ハヤカワ文庫版とは違うところでしょう。ソダーバーグの「ソラリス」は退屈でサイテー。もっと面白い話だろうと思うのです。

投稿: くーべ | 2006/10/30 22:25

 そろそろ「大失敗」が出るはずだと思っていましたが、12月の予定でしたか。予定通り出ても出なくても、忘れずにちゃんと買わねば。
 ソダーバーグの「ソラリス」は、もう全然見る気になりません。「砂漠の惑星」なんか最近のCG技術でやれば、面白い映画になりそうなんだけれど、だれか映画化しないのかなあ。

投稿: WILE.E | 2006/11/02 07:08

ご無沙汰しております。
「ソラリスの陽のもとに」は私が読んだ小説の中でも感動した本の1冊です。これが映画化された時は即観にいきましたよ。その時の自分の興味の一番は、ソビエト(まだ確かその時代)が生んだSF映画という事でした。
でもSFというよりは哲学に近い映画でしたよね。

投稿: hiro | 2006/11/03 11:18

hiroさんも「ソラリス」に感動されていたのですね。タルコフスキーの映画は、レムは気に入らなかったようですが、タルコフスキーがソラリスの海を借りて、自分の描くべき世界を見つけたような映画でした。

投稿: WILE.E | 2006/11/05 08:40

再び、こんばんは。
タルコフスキーの映画はいくつか観ましたけど、この「ソラリス」には感動というのか妙な感覚を与えてもらったのを覚えております。日本の首都高速を近未来として描いていた点も印象に残っております。(なんか多少ベールに隠されていたソ連と日本との実際の技術レベルの乖離を見た気がしました。)
その頃の自分にとっては、小説を先に読んでから映画に向かったというのは珍しい出来事です。
いまだに「ソラリス」とウッディアレン監督の「インテリア」は、自分好きな映画ベスト3に入る映画です。
うーん、懐かしい思い出です。

投稿: hiro | 2006/11/06 00:13

アレンの「インテリア」ですか、渋いですね。自分もこれらの作品が公開されてた頃、一番映画を見ていたので、好きな映画を選ぶとこの頃見た映画になってしまいます。アレンの映画では「インテリア」よりも「カメレオンマン」の方が好きです。

投稿: WILE.E | 2006/11/07 06:49

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