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2006/10/13

電車をGO

 高校の理科教育研究会の研修で、伊豆急行の伊豆高原運輸区に行った。電車についての機械的なこと・電気的なことの説明を受けた後、整備工場で実物を見学した。Izjyujinrikiこの研修会の目玉は、32トンある電車一両を1人で動かすというものであった。これは、転がり抵抗がすべり抵抗よりはるかに小さいということと、動き出したら動きつづけるという慣性の法則を実感しようというものである。私も押してみたが、体重をかけるようにしてやると案外簡単に、すっと動き出す。動きだしてしまったら、もう力はいらない。この一人で車両を動かすというのは、ここに就職すると最初にやらされる新人研修の課題だそうである。

 電車の機械部分の説明では、エアサスペンションになっているということと、モーターと車輪の間がねじり継ぎ手という、車輪の上下左右の振動をうまく逃がして動力伝達をする仕組みが、Izkyugear初めて見聞きすることで面白かった。エアサスの説明は、最近これと同じような説明を見たことがあると思ったら、シトロエンDSのハイドロ・ニューマチック・サスの説明を二玄社の本で読んだばかりであった。原理的には同じなのである。下の写真の黒いゴムのチューブ部分がスフィアと同じ役目をする部分である。それで、ふと思い出したのだが、9月に新幹線に乗ったときに、新幹線の乗り心地はC4に似ていると、思ったこと。
Izkyuairsus_1

 電気部分の説明では、車速が上がっていくのは、モーターと直列に入っている抵抗を1つづつ抜いていく(抵抗をバイパスする回路のスイッチを入れる)ことでモーターに流れる電流が増えるためであることがわかり、実際には連続可変ではないということを知った。自動車でギヤを1段づつ上げていくのと同じである。また、回生ブレーキで電力を架線に戻すと、通常1500Vである架線の電圧が1850Vまで上がってしまうことがあり、そうなると電気設備保護のため、回生ブレーキ回路が強制遮断されてしまうとのこと。近くの電車が使ってくれれば問題はないそうだが、夜間運転本数が減った時にはそうなってしまうそうである。ちなみに、電車のブレーキはあと2種類あって、回生させないで抵抗で発熱させてしまう電気ブレーキ(つまり、電気ヒーターとして使うもの)、自動車と全く同じ機械式ブレーキである。機械式ブレーキで止まるのが一番早く止まるんだそうである。

 加速時にしか電気エネルギーを使わず、減速時にそのうちの何割かを回収するシステムになっているわけだから、電車というのは、輸送機関としてエネルギー的には理想的なものなのだなあとつくづく思ったのでありました。

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コメント

>新幹線の乗り心地はC4に似ていると、思ったこと

なるほど、そういえば私も同じような印象を持ったことがあります。
スムーズな加速とブレの少ない乗り心地でしょうかね。

投稿: pea-ka | 2006/10/15 00:22

やはり、pea-kaさんも、同じように感じられたのですね。以前何かの本で、列車の振動は自動車よりも船に近いということを読んだことがあるんですが、シトロエンも、特にハイドロは船のような乗り心地を感じますから、案外近いのかも、思います。

投稿: WILE.E | 2006/10/15 07:28

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