DCD1500AEは、SACD(スーパーオーディオCD)が聞ける。SACDは、従来とは違う信号記録方式を使って、記録できる音波の周波数を上げて、音質を良くしたものだ。それで、2枚試し買ってみた。その2枚とは、ピエール・ブーレーズ指揮のストラヴィンスキー「春の祭典」とハンク・ジョーンズのピアノソロ・アルバム「ラウンドミッドナイト」。前者は、同じ録音の物をCDでも持っているためにその比較ができそうだから、後者は普通のCDのデータも入っているハイブリッドCDだから、というまるっきりオーディオ・ファン的発想である。とはいっても、ブーレーズの「春の祭典」は好みだし、ハンク・ジョーンズの方は、ジャズでオリジナルをどう料理するかの確認曲として集めている「いつか王子様が」(この曲にしたのは、もともとディズニーファンだったからである)が入っているためでもあった。
さて、聞いてみたら、SACDかどうかを越えて、ハンク・ジョーンズの演奏が実にすばらしい! 録音時に86歳だったとは信じられない。今年9月に来日してコンサートが東京と神戸であるが、聞きに行きたくなってしまった。東京の方は、東京JAZZ2006というイベントで、チック・コリアその他が出るので、一度、行くことを検討したものだった。そのときには、今更ハンク・ジョーンズ、って感じだったのだけれど。生きてるうちに聞いておかねば、という感じ。ちなみに、ハンクの弟のエルヴィンは、亡くなるちょっと前に、たまたま地元でコンサートがあって聞きに行った。沼津でエルヴィンが聞けるなんて、ものすごく得した気分だった。
話題をSACDの方に戻すと、ちょっと聞いてみただけでは普通のCDとの差はあまり感じられない。DCD1500AEの能力的な問題で、そうなのかもしれないとも思う。ボーズ464の評価が、CDプレーヤーを替えて少々変わったことの教訓)。しかし、ピアノの高音のすっきりとした伸びやかな感じは、CDに替えて見ると、明らかに差が感じられる。う~ん、やっぱり、耳では聞こえないとはいっても、身体で感じている超音波領域があるんだなあ、と思う。でも、録音=再生の技術よりも、演奏の善し悪しの方が上回るのは事実だなあと、ハンク・ジョーンズのピアノソロでつくづく思うのでした。
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