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2006/02/24

60冊のサンリオ文庫

 ディックの「アルベマス」をもって、買いためてあったサンリオ文庫をすべて読み終えた。サンリオ文庫最終刊の「アルベマス」は1987年発売だったから、そこから数えて19年かけて消化したことになる。1999年に家の建て直しを決意して、蔵書を片付けた時に、60冊買ったサンリオ文庫のうち40冊近くを読んでいないことに気が付いた。他の文庫では読むことのできない物ばかりだし、文庫本なので単行本よりも状態の悪化が進んでいたこともあって、サンリオ文庫の読破に取りかかったのであった。それから、足かけ7年。ディックだけになってから、他の文庫で出た物も年代順に読むことにしたので、多少時間がかかってしまった。

 この60冊の中で1つオススメを選べといわれたら、難しいのだが、プリーストの「逆転世界」にしようと思う。創元文庫で再刊されているので現在でも読むことができる、ということも考慮した。作家としてのベストは、トマス・ディッシュ。「334」「歌の翼に」「キャンプ・コンセントレーション」の3作すべてが読み応えのある作品だ。サンリオ文庫で初めてその名前を知って、面白いと思ったのがミシェル・ジュリ。なかなか紹介されないフランスのSFであるが、「熱い太陽深海魚」というタイトルはしゃれている。ハリイ・ハリスンの「太西洋横断トンネル万歳!」、B.W.オールディスの「マラキア・タピストリ」も好きな作品だ。オールディスは、もともと一番好きなSF作家なので、サンリオ文庫の出版予定に入っていた「80分時間」以降の未訳作品が出て欲しいんだけどなあ。トマス・ピンチョンの「競売ナンバー49の叫び」は、「砂漠のカッコーとコヨーテ」なる訳語には笑ってしまった(この訳は筑摩書房版でも直されていない)。Road Runnerを砂漠のカッコーと訳すというのは、どこを調べた結果なんだろう? 「マラキア・タピストリ」と「競売ナンバー49の叫び」は先に原書(ペーパーバック)で読んであって、日本語に訳されるのが待ち遠しかった作品だった。

60冊のリスト(ほぼ発刊順)
 「ビッグタイム」フリッツ・ライバー
 「妻という名の魔女たち」フリッツ・ライバー
 「時は乱れて」P.K.ディック
 「死の迷宮」P.K.ディック
 「暗闇のスキャナー」P.K.ディック
 「ノヴァ急報」ウイリアム・バロウズ
 「爆発した切符」ウイリアム・バロウズ
 「枯草熱」スタニスワフ・レム
 「バケツ一杯の空気」フリッツ・ライバー
 「不安定な時間」ミシェル・ジュリ
 「334」トマス・ディシュ
 「コンピューターコネクション」アルフレッド・ベスター
 「愛しき人類」フィリップ・キュルヴァル
 「アルクトゥールスへの旅」D.リンゼイ
 「伝授者」クリストファー・プリースト
 「口に出せない習慣奇妙な行為」ドナルド・バーセルミ
 「馬的思考」アルフレッド・ジャリ
 「バロック協奏曲」アレッホ・カルペンティエール
 「飛行する少年」マルタン
 「ナボコフの1ダース」ウラジミール・ナボコフ
 「ハドティーズ大先生のラブ・コーラス」コッツウィンクル
 「レンズの眼」ラングドン・ジョーンズ
 「歌の翼に」トマス・ディシュ
 「猫城記」老舎
 「手で育てられた少年」B.W.オールディス
 「太西洋横断トンネル万歳!」ハリイ・ハリスン
 「この狂乱するサーカス」ピエール・プロ
 「憑かれた女」D.リンゼイ
 「罪深き愉しみ」ドナルド・バーセルミ
 「愛の渇き」アンナ・カヴァン
 「熱い太陽深海魚」ミシェル・ジュリ
 「2018年キングコング・ブルース」サム・J・ルンドヴァル
 「流れよ我が涙と警官は言った」P.K.ディック
 「兵士は立てり」B.W.オールディス
 「ヴァリス」P.K.ディック
 「天の声」スタニスワフ・レム
 「怒りの神」P.K.ディック&ロジャー・ゼラズニイ
 「聖なる侵入」P.K.ディック
 「去勢」キングスリー・エイミス
 「逆転世界」クリストファー・プリースト
 「マーシャン・インカ」イアン・ワトソン
 「エレンデイラ」ガルシア・マルケス
 「ヴォネガット、大いに語る」カート・ヴァネガット
 「最後から2番目の真実」P.K.ディック
 「世界Aの報告書」B.W.オールディス
 「ティモシー・アーチャーの転生」P.K.ディック
 「氷」アンナ・カヴァン
 「テレポートされざる者」P.K.ディック
 「あなたを合成します」P.K.ディック
 「競売ナンバー49の叫び」トマス・ピンチョン
 「マラキア・タピストリ」B.W.オールディス
 「突然の目覚め」B.W.オールディス
 「虚空の眼」P.K.ディック
 「悪魔は死んだ」R.A.ラファティ
 「イースターワインに到着」R.A.ラファティ
 「キャンプ・コンセントレーション」トマス・ディッシュ
 「アルファ系衛星の氏族たち」P.K.ディック
 「アンティシペイション」クリストファー・プリースト編
 「ブラッド・マネー博士」P.K.ディック
 「アルベマス」P.K.ディック

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2006/02/22

フィット・ハイブリット

 今日の日経新聞の1面トップに、ホンダが2007年発売の新型フィットにハイブリットを搭載するという記事が出ていた。以前、シビックのモデルチェンジについて、フィットのシャーシを利用するなら、燃料タンクを追い出したスペースにハイブリットのシステムを置けるはずだから、シビックは全部ハイブリット位の思い切ったことをして欲しいと書いたので、ついに、ホンダが決断した! と、興味深く記事を読んだ。ホンダのシステムは小さい車に積んだ方が意味があるし、センタータンク・レイアウトも生きてくる。とりあえずは、ホンダの決断に快哉。

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2006/02/18

近くの乗運寺

 職場の近所の、旧制沼津中学時代の井上靖が下宿していたことで有名な乗運寺の白梅がほぼ満開。たまたま通りがかって、観光客らしき人たちが見学していたので、覗いてみたら、梅がきれいに咲いていたのであった。
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「ヴァリス」2部作+2

 ついに、サンリオ文庫の最終巻であった「アルベマス」を読み終えた。「ヴァリス」「聖なる侵入」「ティモシー・アーチャーの転生」「アルベマス」の4作は、相互に関連を持つディックの遺作。訳者の大瀧啓裕のよれば「ディック神学」による作品群である。「ヴァリス」「聖なる侵入」は2部作として出版され、「ティモシー・アーチャーの転生」は一般小説として発表されたがSF仕立てでない「ヴァリス」の変奏曲である。また、「アルベマス」は「ヴァリス」の原型である。
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 一般的に言って、神様ネタは、SFとしてはあまり面白くはないものだ。これはディックでも同様。「スキャナー・ダークリー」を書いていた時の神秘体験をそのまま書いただけのような、SFというよりも私小説といいたい「ヴァリス」よりも、一応、それまでのディックSFの体裁になっている「聖なる侵入」の方が、読みやすいし、わかりやすい。また、珍しく、この作品は、最後で、主人公が救済されている。

 グノーシス主義に基づく神学が両作品で展開されているのだが、昨年読んだ一番面白い本であった山本義隆の力作「磁力と重力の発見」に紹介されてるのと同一の思想家の理論がいくつも登場する。近代科学を生み出したギリシャ哲学やキリスト教の源流が、近代科学が生み出したSFの一つの典型をも生み出した、ということか。
 また、この2作、特に「聖なる侵入」は、庵野秀明の「新世紀エヴァンゲリオン」の元ネタになっているといって良い。この2作で展開される「ディック神学」を借りて、永井豪の「デビルマン」を再構成して見せたのが、「エヴァンゲリオン」だと言える。したがって、訳者の大瀧啓裕が「エヴァンゲリオン」の詳細な解説本を書いたのも頷ける。

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2006/02/13

C4燃費16

○満タン法
 走行距離 434.5km
 給油量  50.76L
 燃費   8.6km/L

 総走行距離 7690km
 総給油量  852.04L
 総燃費   9.0km/L


○オンボードコンピュータ
 走行距離 434km
 燃費   8.4km/L
 平均時速 20km/h

 総走行距離 7750km
 総燃費   8.9km/L
 平均時速  23km/h


 今回は、高速を使わない静岡往復あり。

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2006/02/12

C4との遭遇!

 今日の夕方家族で買い物に出かけた。国1の江原公園交差点で、黒のC4サルーンとついに出会った。間違えようのないC4顔。このボディカラーもなかなか品がある黒で良いなあと思う。向こうは、こちらには気が付かなかったようだ。
この後、CDを探しに行った某大型店の駐車場で、旧型のラグナ(注:これは私の勘違い。フェイスリフトされる前のラグナⅡ。フェイスリフトされたものはまだ日本に導入されていない。コメント参照のこと)5ドアに出会った。こういう形の5ドアは好きだ。
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インポート・カー・フェスタ in ぬまづ

nicfcitroen 表題の輸入車ショウに行って来た。今回は、会場入口を入ってすぐの右手にシトロエン沼津のブースがあり、C4をメインに飾ってあり、目立つ。写真の黒のC4はRJCカーオブザイヤー受賞記念の特別仕様車である。H氏他の方々に挨拶して、他のディーラーへ。ルノーの新しいルーテシアとメルセデスのBクラスがお目当てである。残念ながら、ルーテシアは来ておらず、Bクラスは2台(1.7Lと2.0L)あった。nicfbentsbf Bクラスの運転席に座ってみる。Aクラスと変わらないフロアの高い着座姿勢に、やはり違和感がある。ダッシュボードの質感が案外質素後席はAクラスより余裕があり、着座姿勢にも違和感はない。ラゲッジスペースは十分ある。でも、ベンツらしさは薄い。。nicfbentsbinp Aクラスよりボディは拡大されているが、価格はその割に上がっていないので、それなりの作りです、ということか。ヤナセのブースの端に新しいザフィーラがあった。グランセニックのような、国産車にはないデザインと思わせる要素のない無骨すぎるデザインと、拡大したボディサイズには、これではオデッセイの方がいい、という気持ちになる。nicfzafira

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2006/02/05

富士山とC4

 富士山が見える土地に住んでいるのだから、富士山を背景にしたC4の写真を撮りたいと今まで思ってきた。しかし、なかなかそのチャンスに恵まれずに来た。昨夏、西伊豆スカイラインに行った時にも、所々の富士山の見えるポイントで狙ったのだが、その日、富士山は雲の中。それ以来、天候的には絶好な日もあったが、こちらの都合が付かない、デジカメを修理に出してしまった、等の理由で実現できず。昨日やっと、その機会を得た。場所は、沼津市内の某ホームセンターの駐車場の屋上。この位置からだと、富士山は、ちょうど愛鷹山の真後ろになり、雪をかぶった山頂しか見えないが、このチャンスを逃したら、次は、いつになるのかわからない。ということで、何枚か録った写真の一部を公開します。因みに、愛鷹山はアシタカヤマと読みます。「もののけ姫」の主人公がアシタカという名前だった時には、驚きましたね。

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