2005年に読んだ本
・小説
「スタートレック エンタープライズ 名誉の代償」
「あなたを合成します」
「フランス幻想文学傑作選②」
「闘士」
「ブラッドマネー博士」
「ドクター・ブラッドマネー」
「去年を待ちながら」
「時を克えて」
「最後にして最初の人類」
「スターメイカー」
「ザップガン」
「テレポートされざる者」
「ライズ民間警察機構」
「銀河の壺直し」
「フロリクス8から来た友人」
「怒りの神」
「暗闇のスキャナー」(山形訳)
「スキャナー・ダークリー」
「ヴァリス」
・その他
「磁力と重力の発見Ⅱ」
「中国の科学」
「磁力と重力の発見Ⅲ」
「数量化革命」
「環境リスク学」
「ブッダとそのダンマ」
「疑似科学と科学の哲学」
「地球を殺すな!」
「科学が嫌われる理由」
「ニホンザルの生態」
「科学教の迷信」
「科学者とは何か」
「ヤバンな科学」
「現代の物理学2 電磁気学」
「物理・化学から見た環境問題」
「戸田盛和随筆集1」
「素晴らしき特撮人生」
実に偏ったジャンルの本しか読んでいないなあ、とつくづく思う。もっとも、これは今に始まったことではなくって、子供の頃から変わらない。
山本義隆の力作「磁力と重力の発見」を読んで、グノーシス主義やカバラの思想が、近代科学の母胎のひとつになったことがよくわかったのだが、この同じ思想が、ディックの「ヴァリス」の中心テーマに重なっている。年の始めと終わりに読んだ本が、このように共鳴するとは思いもしなかった。2005年の読書のキーワードは、ヘルメス・トリスメギストス!
「環境リスク学」は、是非いろいろな人、特に、政治や行政にかかわる人には読んでもらいたい本。例えば、狂牛病にかかわる現在日本で行われている全頭検査とアメリカで行われている検査とのリスクの差は少なく、そのために余計に使われている税金の多さ(この額の何分の一かを使えば、先進国中日本が突出して高い「はしか」のリスクを減らすことができる)の問題(ついでに付け加えるなら、吉牛が食べられない問題)。環境問題は、相互に関係し合う要素が絡み合っていて、リスクそのものを見積もることは難しいのだが、そのリスクを見積もることすらせずに、科学的な議論よりも、政治的な力加減で、環境にかかわる諸法律や諸政策が決定されてしまう問題。環境保護団体の言っていることは一面では正しいが、我々が生きていくのに存在する他の様々なリスクとの比較がきちんとなされているとは限らない。現在の日本が抱える最大の問題を指摘した本だと思う。
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