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2004/10/12

期待はずれのティーダ

 台風が去った日曜日、近所のレッドステージ店に試乗しに行った。先週見に行ったときにも感じたが、セールスマンに売ろうという気持ちが感じられない。さすがに、トラヴィックを見に行ったスバル店ほどではないが、ティーダは力を入れて売りたい商品ではないのだろうか? 試乗距離も販売店周りを1ブロック分1周させてもらえるだけで、今までの試乗体験の中でもっとも短時間の試乗だった。

 それで、試乗した感想だが、とりあえず、乗り心地は良かった。現在、代車で乗っているフィット(マイナーチェンジ前のもの)に比べれば、段差などを越えるときの突き上げ感がうまくいなされているように感じた。試乗距離が短くて、ある程度のスピードで走行することができず、スピードを上げたときにどうなるかはわからなかった。CVTと電動パワステは、フィットより違和感が少なく感じられた。

 シートはサニーに比べれば格段に良くなってはいるが、本当に長距離乗っても疲れないシートになっているとは思えない。低反発の素材を使っていながら、背中やお尻へのフィット感が今ひとつなのである(特に前席)。ルノー並みを期待した自分の期待過剰でありました。後席で気になるのは、背もたれを一番立てた状態では、とても座っていられない姿勢になってしまうこと。ラゲッジ・スペースを稼ぐための角度として設定されたとしか思えない。実際に後席に人が座ったら、リクライニングさせるから、実用上の荷室空間は減ってしまう。4人で乗る場合は、あんまり荷物を載せるな、ということか。

 一番気になったのは、ハンドルである。配管用の塩ビパイプを握っているような、中が何も詰まっていない変な振動が伝わってきて、とても上質だとは思えない。インテリア・デザインも、特に運転席まわりがすっきりとしないデザインであり、私の好みではない。しゃれたデザインが思いつかなかったので、表面の素材はちょっといいものを貼り付けてみました、みたいな、上質さにはつながらない無駄遣いである。ルノー・カングーのインテリア・デザインの発想を、日産の技術者には学んで欲しかった。エクステリア・デザインやパッケージングは好ましいのだが、運転席に座って、わくわくするような気持ちがわいてくる車ではない。フィットがスポーツ・モードで走りたくなる気持ちにさせる車であるのと対照的である。

 というわけで、ティーダは後席をリクライニングさせて乗るのが一番だと結論するのだが、どうせ、後席に乗せてもらうなら、本当の高級車の方がいい。

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2004/10/06

代車で腰を痛くする

 9/25に家族で近所の回転寿司屋に行ったとき、後方未確認のままバックしてきた営業車にぶつけられて、我がトゥアラーは入院することになってしまった。相手の保険ですべてまかなうことになったので、レンタカーが保険屋から手配されてきた。特に車種をこちらから指定しなかったので、最終型のサニーだった。ディーラー所有の代車でも、サニーの旧型に乗ることが多かったので、まあ、いいだろうと思い、サニーと入れ替わるティーダがどれだけサニーと違うかを確認できるチャンスでもあると、考えた。ダッシュボードのデザインがちょっとメガーヌ2に似ているなと感じ、シンプルで落ち着いたインテリアデザインには好感を持った。走りだして、トゥアラーよりボディ剛性があるのもいいなと思った。

 しかし、いいなと思うのはそこで終わってしまった。ファミリーカーなのに硬すぎるサスペンション。それも、1人で乗った時よりも、家族3人で乗ったときの方が、乗り心地が悪くなる。さらに、ひどいのは、シートの座り心地。座面と背面の中心部が変に膨れている前席。柔らかいだけでサポート感のない後席。乗りはじめて1週間で、運転席に座って5分もすると、シートに座っているのが耐えられなくなり、腰も痛くなった。それで、レンタカー屋に連絡をとって、フィットに替えることにした。こんなことは、まったく、初めての経験だ。

 ティーダには期待していたのだが、このサニーが出発点だとすると、ニッサンの技術者が頑張っても、普通レベルになるのがやっとではないか、と逆に心配になってきた。この間の日曜日に近所のレッドステージに行ったが、試乗車がまだなく、試乗ができなかったので、評価は保留しているが、実車を見た印象では、「上質感」の演出はされているが、本当の上質ではなさそうだ、と感じた。はたして、フィットを上回るできなのかどうか、今度の連休で試乗して確かめたい。

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2004/10/02

私の車暦その2「シビック・シャトル55i」

55 1983年半ば、ホンダから3代目シビック、いわゆるワンダー・シビックが発売された。今では珍しくなくなったビュレット・フォルムの3ドアがかっこいいとは思ったが、シャトルというサブネームを与えられた5ドアこそ、これからの車の形だと感じて、実車も見ずに、いとこの知り合いのディーラーの所長と1発交渉をして、購入を決めてしまった。もっとも、あれこれ試乗し比較して、車を決めようとしているのは、今回が初めてで、ほとんど毎回、価格交渉は1回で契約してしまっているが。

 実は、私は、小学4年生くらいから中学生にかけては、かなり自動車に興味を持っていて、小学生向けに書かれた自動車のメカの解説書などを読んで、これなら、自分でも作れるんじゃないかと思い込んでしまったくらいである。その頃、こんな形の車が欲しいと、いろいろデザイン画を書いてみたことを記憶している。5年生のときに、図画工作に時間に状差しを作ったのだが、セダンの形で作って、いい評価をもらったことを覚えている。また、モーターを使って動くものを作るという時には、自分なりに坂道の登坂力を出そうと、前輪駆動車を作ったりしていた。当時「キャプテン・スカーレット」というテレビ番組があったが、これに登場するワゴン形状のパトロールカーのリヤ・クォーター・ウインドウがルーフまで回り込んでいて、一種のサンルーフのようなデザインになっていた。この温室のようなデザインは、なかなかかっこいいと、思った。そして、この一時は忘れていた記憶が、10数年後にシャトルを選ばせることにもつながったような気がする。

 振り返れば、今流行のホンダのミニバンに不可欠な多彩なシートアレンジは、このシャトルから始まったといえる。かのオデッセイが初めて出たときに、「アコード・シャトル」と書いた評論家がいたくらいだ。

 ガラス面積が広く、頭上空間も充分にあって、閉じ込められている雰囲気がなく、実にリラックスできる室内空間だった。買った当時、みんなが珍しがり、乗せてくれとせがんだので、乗せてやったのだが、走り出してしばらくすると、みんな居眠りをしてしまう。それほど心地よい空間だったのだ。運転式席から振り返って後方を見たときに、天井のラインがまっすぐ伸びていて、このラインが実に美しいと感じた。2代目のシャトルではこのラインが受け継がれなくて、がっかりしたのを覚えている。

 この頃のホンダは、まだまだ最後発の自動車メーカーであって、初期不良の類や組み立て時の不具合が、ローバーほどではないが、あった。すべては、クレーム処理で無料で直してくれたが、リア・ハッチ付近から出る異音はなかなか解消されず、ボディ形状のせいで仕方がないかとあきらめかけた。ところが、1年点検に出したときに、戻ってきたら、直っていた。ディーラーのメカニックは詳しいことは教えてくれなかったが、対策部品が1年たってやっとできたのだろうと想像した。

 このシャトルは、カーグラフィック誌の長期テスト車に選ばれて、読者モニター募集があったので、応募した。この長期テスト記事に、異形ヘッドライトが暗いので、シビック・プロ用の部品を利用して、シビエの規格品の角型ライトに変えるという記事が出た。自分もヘッドライトの暗さが気になっていたので、メカニックに相談した。そうしたら、カー用品店でライトを買ってきてくれれば、取り付けますと引き受けてくれた。車検も心配だったが、それにも対応してくれるということだった。それで、ライトを変えたのだが、シビック・プロ用の部品だけでは取り付けがうまくいかず、わざわざ、ナットか何かを溶接してつけて取り付けてくれた。そのわりに、そんなに高い工賃も請求されず、ホンダのメカニックはさすがだなあ、などと思ってしまった。


 参考ページ
 http://www.honda.co.jp/factbook/auto/CIVIC/19830922/cv83-045.html

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