2025/07/03

26年目の不具合

 自宅を新築した時に太陽光発電も始めたのだが、このところ発電量が普通の状態の半分以下になってしまっているのに気が付き、ヘーベルハウスのメンテナンスに連絡を取って、調べてもらった。25年以上で不具合は、パワーコンディショナーの発電量表示切り替えスイッチが使えなくなったことが1回あるだけ。保証期間の2,5倍の時間が経過しているので、そろそろ寿命であろうと覚悟した。

 調べてもらった結果、太陽光パネルの2系統のうち片側がまったく発電していない、ということであった。太陽光パネルは、まだ同じ型番のものがあって、取りかえることは可能であるとのこと。取りかえる場合は、すべてのパネルを取りかえてパワーコンディショナーも取りかえることになる。かなり金額のかかる話になるので、1系統が生きているので、こちらが生きている間はそのまま使用するということにした。

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2025/06/26

エンジン・フォールト、何度目?

 6/18の夕方、我がC4ピカソで、エンジン・フォールトの警告が着いて消えた。今までの時より、短時間であり、エンジンに関する不調は感じていないので、それほど重大ではない感じがしたが、ディーラーに見てもらった。今回は、クーリングファンコントロールのエラーということで、クーリングファンレジスターの交換となった。これを交換してもフォールトが出て同じエラーであったら、電動ファンそのものの交換になる。さらに。前回の時には、電動スロットルバルブのエラーも記録されていて、こちらは交換していないので、こちらも交換した方が良いかもしれないとのことだったが、これはそのまま様子見継続である。


 ところで、コッポラの「メガロポリス」を見たら、主人公の乗る車はシトロエンDSであった。レトロな近未来物のお約束みたいである。

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2025/06/20

電脳の歌 スタニスワフ・レム

 スタニスワフ・レムの新刊「電脳の歌」を読み終えた。

 量子力学を学んでいた頃、本書の中核をなす「トルルルとクラパウツィウスの七つの旅」が「宇宙創世期ロボットの旅」というタイトルで集英社から出ていたのを読んで、今回の翻訳では「探険旅行その三、あるいは確率の竜」と題されている短篇に、笑い転げてしまった。量子力学が「竜子力学」(あるいは素粒子論が「素竜子論」)と呼べるものに翻案されていたからである。理解に苦しむ量子力学の根本の発想が、これほど面白い「おとぎ話」に換えられていた痛快さ。この瞬間に、自分にとってのSF作家のナンバーワンはレムだ、となって、その評価は今でも変わらない。この新訳で読み直したわけだけれど、40年前ほどには面白さを感じなかった。それは、量子力学の理解が自分の中で進んでしまったためか、それとも、この間に量子力学ネタの小説・映画をたくさん目にするようになったためか。今回読み直すと他の短編で現在の量子情報理論につながるものもあるのに驚く。この短篇集の作品は、1作を除いて主に1965年に書かかれていることも驚異である。現在の情報と物理学の重なり合い、最先端の科学技術の話題がすでに語られているのである。

 例えば、「探険旅行その六、あるいは、トルルルとクラパウツィウス、第二種悪魔を作りて盗賊大面を打ち破りし事」の第二種の悪魔は、マックスウェルの悪魔の本質を明確にしたシラードのエンジンに似ている。実は、シラードのエンジンなるものは最近、情報と物理学の関係の雑誌記事を読んで知ったので、昔読んだ時に比べるとこの短篇は面白く感じられた。1965年にシラードのエンジンを知っていたと思われるレムは、時代に先駆けた感覚を持っていたのだろう。シラードがこのエンジンについて最初に発表したのは1929年だけど、自分が物理学生だった頃はあまり話題になっていなかったが(逆に、情報のエントロピーと熱力学のエントロピーを同一視するのは危ないという注意の方がなされていたように思う)、このところ情報は物理だという考え方が一種の流行になっていて再注目されているのである。

 完全な初紹介の「ツィフラーニョの教育」は訳者泣かせの言葉遊びが特徴。特に「一人目の解凍者の話」は音楽用語が中心になったもので面白い。「二人目の解凍者の話」はどこが面白いのだろうか、と思って読んでいるうちに、唐突に終り、それで、この短篇も終わってしまう。はしごを外されて宙ぶらりんの状態に読者は置き去りにされる。何か深い意図はあるのかないのかも不明のまま。これもレムだ。

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2025/05/29

帰ってきた怪獣先生のソフビ怪獣展

Photo_20250529180901  SCMの中心メンバーである胡馬駿先生のソフビ展を見てきた。前回は見に行けなかったので、2回目の今回は行かねば、と新東名でC4ピカソを疾駆させたのであった。昔からソフビ人形やガチャガチャの人形の怪獣を集めていることは知っていたが(ダブってしまった快獣ブースカなどはもらったことがある)、これだけ展示されていると壮観である。退職して時間ができて、本物により近い色に塗り直したり、ツノを光るようにしたり、といった細工を施したもののできが、実に良い。こういうものの展示会が地元の文化施設でできて、平日でも見に来る人が途切れないというもの、彼と知り合った大学時代の頃からすると隔世の感。なんと、明日のテレビ静岡の「ただいまテレビ」という番組の中で生中継するとのこと(時間帯は18時20分くらい)。
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 久しぶり(2年ぶりくらいか)C4ピカソで高速道路を走った。タイヤをピレリのパワージィPOWEGYに換えて初めてである。タイヤ圧を高めに調整したばかりだったので、ちょっと跳ねる感じになり、グリップ力がプライマシーより落ちるのかなと思う。一方、ロードノイズは低く抑えられている印象である。80km/hくらいまでは乗り心地も良い。タイヤ圧が適正値だったら、多分、プライマシーと遜色ない乗り心地だろう。燃費もよさそうだ。コスパが良いタイヤだということは確実である。

 

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2025/03/11

ワーナーDVDの腐食問題

 X(旧ツイッター)にて、「2006年から2008年にかけてワーナー・ブラザーズが発売したDVDタイトルは、レーザー腐食と呼ばれる現象で層が早期に「腐食」するような製造方法を採用していた。これらのDVDタイトルは再生できなくなっている。」という書き込みが流れてきて、該当作品のリストを早速チェック。私が持っているLooney Tunes Golden Collection vol 1 disc 1 & vol 5 disc 4 が初めの方のリストに入っていて、リストの下の方にLooney Tunes Golden Collection Vol. 2: Disc 3 Looney Tunes Golden Collection Vol. 4 - all four discs have rotted Looney Tunes Golden Collection Vol. 5 - all four discs have rotted と出ている。Popeye vol 1 discs 1 & 4 も入っているが、これはだいぶ前に、一部の作品の再生がうまくいかなくなって、2019年発売のものを買い直した。Looney Tunesの方はざっとチェックして見たが、問題なさそう。

「ワーナー ブラザーズ ホーム エンターテイメントは、2006 年から 2008 年の間に製造された一部の DVD タイトルに影響を及ぼす可能性のある問題を認識しており、不良ディスクの交換に積極的に消費者と協力してきた。可能な場合は、不良ディスクは同じタイトルと交換した。ただし、影響を受けたタイトルの一部は印刷されなくなったり、権利が期限切れになったりしているため、消費者には同等の価値のタイトルとの交換を提案した。影響を受けた製品をお持ちの消費者は、カスタマー サポート チーム (whv@wbd.com) に問い合わせることができる」ということだそうであるが、もっと早く教えてくれよ、である。ポパイを買わずに済んだではないか。

 このLooney Tune Golden Collection の見直しで、これはアニメ総会で見せるといいかも、という作品を見つけた。買った時に見た時にはそう思わなかったのだが。買った当時と今とで作品の見方がちょっと変わった、ということだろうな。

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2025/02/28

DCD-1700NE

 長年使ってきたCDプレーヤー、デノンのDCD-1500AEがついにCDを読み込まなくなり、これが潮時と、DCD-1700NEに買い替えた。SACDがかかるという条件では選択の余地がなく、アマゾンが安く、しかも在庫1台というのですぐに注文してしまった。アンプやスピーカーは、サンスイAU-α607XR、ボース464でDCD-1500AEを使い始めた時と同じものをそのまま使い続けている。アンプを新しくするということを考えた時もあったが、あんまり不満はないのでそのままである。最近はCDもまれにしか聞いていなかったので、1700NEにしてどれほど違ったかがはっきりわからないくらいである。クラシックやらジャズやらアニソンやらいくつか聞いた(「ロボット・ドリームズ」に使われた「セプテンバー」のEW&Fのアルバムも久しぶりにかけた)が、十分に満足である。
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2025/02/07

C4ピカソ9年車検

 ピカソ、9年の車検である。バッテリーやタイヤは換えてあるのでそんなにかからないのではないかと思っていたら、ブレーキ(フロントはディスクとパッド、リアはパッドのみ)、クーラント、フィルター(エンジンと花粉)、プラグ、さらに、ウォーターポンプのプーリー(破損)交換ということになり法定諸費用を入れて30万弱となった。タイヤは新しくして1か月なのだが、フロントの方がリアより1mm近く減っていたということでローテーションしてくれた。そんなに距離は走っていないのにこういう差が出るというのは、ピレリのパワージーは耐摩耗性があまり良くないのかも(TIREHOODの評価でも耐摩耗性の評価が一番低い。ただ、長距離を走ってからの評価は少ないので信憑性は?である)。丸2年走ってくれれば、コスト的には全く問題ない。

 車検の間の代車は、C5エアクロス・ハイブリッドであった。ほとんどボディサイズがピカソと変わらず、着座姿勢もほぼ同じで、違和感なく運転できたが、回生ブレーキのオン・オフによるブレーキの利き方の変化には最初驚いた。でも、すぐ慣れた。プログレッシブ・ハイドロ―リック・クッションという名のダンパーによる乗り心地はとても良い。アドバンスト・コンフォートシートも相まって、我が家の女性陣も絶賛。ラゲッジスペースはピカソと比べると横幅は10cmくらい狭いがその分奥行きがあって、容量は同じくらいか大きいかもしれない。5人乗りのピカソの進化版として魅力を感じるが、価格の高さはそれを上回って、簡単には乗り換えられない。当分、ピカソに乗り続けることになりそうだ。

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2025/01/26

マン・レイ、レン・ライ、ノーマン・マクラレン

 シネプラザ・サントムーンでマン・レイ4作品を集めた「リターン・トゥ・リーズン」を見てきた。夢見心地に誘われる映像にそれを増幅するスクワールの音楽がついていて、気を抜くと瞼が閉じてしまう。アニメーション史でも触れられる「エマク・バキア」「理性への回帰」をついに見ることができた。フィルムに直接描き込むノーマン・マクラレンの技法の源流と考えられる作品である。この技法は、レン・ライが推し進めて、マクラレンが受け継いだ。作品内容としては、当然だが、マクラレンの作品が一番洗練されていている。
「世界アニメーション映画史」に記述があった気がして調べてみたら、本文中では触れられておらず、レン・ライの技法についての注釈で「理性への回帰」について書いてあるだけだった。「エマク・バキア」にもアニメシーンがあるというのはどの本で知ったのだろう?不思議だ。
 他の2作(「ひとで」「サイコロ城の謎」)を含めたマン・レイの作品は、ムービー・カメラを初めて持った男子が撮りたい映像を撮って、そのまま見せているような面白さがある。大きいスクリーンでの上映だったが、他に見ている人がいなかった(貸し切りだ!)のが残念だなあ。

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2025/01/15

C4ピカソが活躍する映画

 「動物界」をシネプラザ・サントムーンで見てきた。冒頭、主人公の高校生が母の見舞いに病院へ嫌々連れていかれるときに乗り込んだ自動車のドアの形状、内装のデザインが、あれ、これは我が愛車に似てないか、と思った。そのうちにフロントとリアが映し出されて、旧型のグランドC4ピカソだった。このピカソ、母親を探すとき、クライマックスで森の中に逃げ込むとき、大活躍である。
 その森の中で道を外れ藪に突っ込んで止まったピカソから主人公が飛び降りてさらに奥に駆け出していくラストシーンで、主人公に、かならず生きのびろよ~と声をかけたくなった。こういう気持ちになったのは久しぶり。この感覚は「ぼくのエリ 200歳の少女」の時と似ている。「ロブスター」も連想させるけれど、こちらの方が未来への希望に満ちている。
 この作品の上映前に、マン・レイ×ジム・ジャームッシュの映画『RETURN TO REASON/リターン・トゥ・リーズン』の予告編をやっていて驚いた。リュミエールに続いてマン・レイが地元の映画館で見れるというのは信じがたい。

 で、そのリュミエールだが、シネマサンシャイン沼津で「リュミエール!リュミエール!」が上映されて見にいった。これは、リュミエールの会社で撮影された1本50秒の作品を110本まとめたものである。フォーレの音楽がつけられ、解説のナレーションが入る。1作品(メリエスのような作品)を除いて見事に修復されていて、黒白のパンフォーカスが美しい。19世紀末の記録としても価値がある(日本撮影のものもある)。ナレーションの訳が字幕で出るのだが、これが映画だという構図の画面を邪魔なしで見れる吹替版であってほしかったと思う。調べてみたら、前作にあたる2017年公開の「リュミエール!」は吹替版だったので、同じようにできなかったのかな。コッポラの2019年の「工場の出口」のリメイクがオマケでついている。

「ロード・オブ・ザ・リング ローハンの戦い」も見た。力作である。ラルフ・バクシの「指輪物語」を連想したり、3DCG背景のシーンでは、フライシャーの立体模型背景みたいだ、と思った。歳をとったためか、戦闘シーンが長く続くと、見ているのがしんどい。ガンダルフに会う続編が見てみたい。

 実は、今年の正月の初映画は「妖星ゴラス」。画像も音響もクリアで、二瓶正典(正也)の声ってこんな感じだったけ、と思う。今まで気にかけていなかった音楽が気になって石井歓について調べてみたら、かの石井真木の兄で、なんと我が母校の学生歌(歌った記憶はないが)の作曲者だった。来年は、ぜひ「宇宙大戦争」が見たい。

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2025/01/09

D.ボームには手を出すな!

 暮れにNHKで「量子もつれ アインシュタイン 最後の謎」を見て、買ったきり放置していたルイ―ザ・ギルダー『宇宙は「もつれ」でできている』(ブルーバックス)を読んだ。
 学生時代、量子力学を学び始めた頃、ボームの「量子論」(隠れた変数理論)には手を出してはいけない、みたいな話があったのを思い出す。ランダウ=リフシッツの教科書が一世を風靡していた時代だったが、量子力学演習担当の助手は「ランダウの教科書では量子力学は使えるようになっても本質の理解はできない。朝永振一郎を読め」といい、量子力学の担当助教授は「朝永さんのはスピンの話がないのが欠点。もっとも間違いが少ないと言われているディラックの本でもここは間違っている」といい、和文タイプ打ち・数式手書きのプリント(ランダウをもうすこしかみ砕いた感じ)を作って講義していた。ベルの不等式についてのアスペの実験はちょうどそのころ行われていたのだが、話題にする先生はいなかった。
 その当時のクラスの指導教官だった助教授の息子さんが研究者になって「入門 現代の量子力学 量子情報・量子測定を中心として」という現在の量子力学の最先端がわかる本を書いている。これは3年くらい前に読んだが、量子力学は情報理論であるという立場で書かれていて、波動関数の収縮はない、観測により世界が分岐することもない、という説明は、波動関数は確率分布にすぎないのに観測したら「収縮する」という考え方を受け入れることができなかった自分には、腑に落ちるものであった。
 NHKの番組の方は、妻も一緒に見ていたが、「量子もつれ」の説明を見て、これは「もつれ」てないんじゃない、と言った。遠く離れた二つの粒子を測定して片方がAならもう片方もAになる、という遠距離相関(いわゆる非局所性)が強調されていたためだろう。

(補足)
 『宇宙は「もつれ」でできている』を読んで一番面白く思ったのは、ベルの不等式が成り立っていることを初めて実験で示そうとしたクラウザーの装置に、映写機に使われるフィルム送りの間欠動作を司る歯車が使われていたこと。この部分はNHKの番組では触れられていなかったと思う。
 さらに映画がらみでいうと、オッペンハイマーがボームの隠れた変数理論を取り合わなかったこと(ボームはオッペンハイマーの弟子で、オッペンハイマーの査問会に証言者として呼ばれ、自分たちが不利になる質問に対しては黙秘権を行使したが、合衆国にはいられなくなった)に対して、「ビューティフル・マインド」のモデルになったジョン・ナッシュがプリンストンでオッペンハイマーとやりあい、それが最終的な引き金になって、精神に変調をきたしたことも初耳で面白かった。

 

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